萩原はぎはら兵助へいすけ

萩原はぎはら兵助へいすけ（はぎわら へいすけ、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、江戸えど時代じだい前期ぜんきの武士ぶし。赤穂あこう藩はん浅野あさの氏しの家臣かしん。

赤穂あこう藩はんでは150石せき取とりの槍やり奉行ぶぎょうであったが、萩原はぎはら家かは赤穂あこう藩はん内ないでも有数ゆうすうの資産しさん家かであり、藩士はんしたちに金貸かねかしをしていたという。兵助へいすけの兄あにの萩原はぎはら新左衛門しんざえもんの長女ちょうじょが杉野すぎの平左衛門へいざえもんに嫁とついでおり、その間あいだに杉野すぎの次房つぎふさが生うまれた。

しかし、赤穂あこう藩はん取とりつぶし後ごの元禄げんろく14年ねん（1701年ねん）4月がつ、兵助へいすけと弟おとうとの萩原はぎはら儀ただし左衛門さえもんは萩原はぎはら家かに伝来でんらいする大砲たいほう2門もんを赤穂あこう城じょう受うけ取とりの正使せいしを務つとめた龍野たつの藩はん主あるじ脇坂わきさか安あん照あきらに売うり飛とばした。籠城ろうじょうする場合ばあいは敵てき軍ぐんとなる相手あいてであるため、荻原おぎわらの行為こういは売国ばいこく行為こういとして浅野あさの家中かちゅうの批判ひはんを集あつめた。ついには萩原はぎはらを討うとうという計画けいかくも生うまれた。これを知しった家老がろう大石おおいし良雄よしおは2人ふたりを自みずからの邸やしきに呼よび出だすと赤穂あこうから離はなれるよう指示しじし、兵助へいすけと儀ぎ右みぎ衛門えもんは新居にい浜はまあたりへ逃走とうそうしたという。また、萩原はぎはら兄弟きょうだいの背信はいしんを知しった親族しんぞくで赤穂あこう浪士ろうしの杉野すぎの次房つぎふさは恥はじて萩原はぎはら家かと絶縁ぜつえんしたという。

その後ごの消息しょうそくは不明ふめいだが、討うち入いり後ごの杉野すぎのの親類書しんるいがきから討うち入いり後ごに萩原はぎはら家かは赤穂あこうに戻もどっていることがわかる。