葛西かさい康やすし

葛西かさい 康やすし（かさい やすし、1905年ねん〈明治めいじ38年ねん〉8月がつ13日にち - 1990年ねん〈平成へいせい2年ねん〉3月26日にち）は、日本にっぽんの洋画ようが家か。青森あおもり県けん出身しゅっしん。 秋田大学あきただいがく教授きょうじゅ、一陽いちよう会かい会員かいいん、菁々会かい会員かいいん。

略りゃく年譜ねんぷ

1905年ねん（明治めいじ38年ねん）青森あおもり県けん弘前ひろさき市しで生うまれる。1925年ねん(大正たいしょう14年ねん)青森あおもり師範しはん学校がっこう(現げん・弘前大学ひろさきだいがく)卒業そつぎょう。1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）青森あおもり師範しはん学校がっこう（現げん・弘前大学ひろさきだいがく）専攻せんこう科かを卒業そつぎょう。

1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）に上京じょうきょうし、板橋いたばし区く江古田えごた町まち1856番地ばんちに落おち着つき、東京とうきょう・滝野川たきのがわ小学校しょうがっこうに訓導くんどうとして勤つとめる。その後ご、東京とうきょう・四谷よつや第だい一いち小学校しょうがっこうに移うつり同校どうこう訓導くんどうとして勤つとめる。鈴木すずき信太郎しんたろうに師事しじする。1941年ねん(昭和しょうわ16年ねん)菁々会かいの会員かいいんに推挙すいきょされ、この年とし（昭和しょうわ16年ねん）12月9日にちから銀座ぎんざ・菊屋きくや画廊がろうで開催かいさいされた第だい3回かい菁々会かい展てんに『海うみ』・『山やま』・『川かわ』・『風景ふうけい』の4点てんを出品しゅっぴん。その前日ぜんじつ（昭和しょうわ16年ねん12月8日にち）から太平洋戦争たいへいようせんそう（大だい東亜とうあ戦争せんそう）が勃発ぼっぱつし開催かいさいが危あやぶまれた厳きびしい中なかでの展覧てんらん会かいであったが最終さいしゅう日びまで開催かいさい。1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）第だい29回かい二に科か美術びじゅつ展てんに出品しゅっぴんした『採と果はて』（F―50号ごう）で岡田おかだ賞しょう（帝室ていしつ技芸ぎげい員いんだった岡田おかだ三郎助さぶろうすけの会かいよりの奨励しょうれい賞しょう）を受うける。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）第だい6回かい菁々会かい展てんを開催かいさいするも戦争せんそうが苛烈かれつになり、3日間にちかんのみの開催かいさいで解散かいさんし、菁々会かい展てんの中止ちゅうしのやむなきに至いたる。1945年ねん(昭和しょうわ20年ねん)6月がつ秋田あきた市しに疎開そかいするも、8月がつ終戦しゅうせんとなる。

1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）秋田あきた市立しりつ女子じょし高等こうとう学校がっこうに着任ちゃくにん。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）同どう女子じょし高等こうとう学校がっこうが秋田あきた市立しりつ高等こうとう学校がっこう（男女だんじょ共学きょうがく）に校こう名めい変更へんこうなったが引ひき続つづき教師きょうしを継続けいぞく。1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）7月がつ、鈴木すずき信太郎しんたろうらが「二科にしな」から独立どくりつし、「一陽いちよう会かい」が設立せつりつされたのを機きにこれに出品しゅっぴん、以後いご毎年まいとし出品しゅっぴん、会員かいいんに推挙すいきょされる。同年どうねん(昭和しょうわ30年ねん)秋田大学あきただいがくの講師こうしに任にんじられる。1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）秋田大学あきただいがく助教授じょきょうじゅに昇任しょうにん。1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）秋田大学あきただいがく教授きょうじゅに昇任しょうにん。

1969年ねん(昭和しょうわ44年ねん)進藤しんどう章あきら、川原井かわはらい正せいと3人にんで「菁々会かい」を復活ふっかつ。この年としの11月、銀座ぎんざ・月光げっこう荘そうギャラリーでの第だい7回かい菁々会かい展てんに9点てんに及およぶ作品さくひんを出品しゅっぴんし、以後いご毎年まいとし出品しゅっぴん。1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）3月がつ、秋田大学あきただいがくを定年ていねん退官たいかん。秋田大学あきただいがく美術びじゅつ科か卒業生そつぎょうせいで組織そしきする「杉すぎ・美術びじゅつ」が中心ちゅうしんとなり「退官たいかん記念きねん展覧てんらん会かい」を県立けんりつ美術館びじゅつかんで開催かいさい。1973年ねん(昭和しょうわ48年ねん)日本にっぽん対外たいがい文化ぶんか美術びじゅつ使節しせつとして内田うちだ慎まこと三さんらとソビエトを訪問ほうもん。滞在たいざい中ちゅうに「キエフ」等とう何なん点てんかを作画さくがする。

1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）6月がつ、新しん秋田あきた画廊がろうで個展こてんを開催かいさい。翌年よくねん（昭和しょうわ51年ねん）9月がつ、母校ぼこう弘前ひろさき市立しりつ小友こども小学校しょうがっこうの創立そうりつ百ひゃく周年しゅうねん記念きねんとして「雨雲あまぐもの八郎潟はちろうがた」（100号ごう）を寄贈きぞう。1976年ねん(昭和しょうわ51年ねん)10月がつ追悼ついとう進藤しんどう章あきら第だい12回かい菁々会かい展てんを銀座ぎんざ・ゑり円えん画廊がろうで川原井かわはらい正せいと二人ふたりで開催かいさい。この間あいだ青森あおもり中央ちゅうおう短期大学たんきだいがく教授きょうじゅに就任しゅうにん。

1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）7月がつ、住居じゅうきょを東京とうきょう都と東大和ひがしやまと市し湖畔こはんに移転いてん。この年としの9月28日にちに「秋田あきた県立けんりつ近代きんだい美術館びじゅつかん」に下記かきの作品さくひんが収蔵しゅうぞうされた。

• 1962年ねん作さく『雪ゆき庭にわ（寒かん日び）』「100号ごう」
• 1964年ねん作さく『雪ゆき讃歌さんかD』「100号ごう」
• 1965年ねん作さく『八郎潟はちろうがた風景ふうけいB』「100号ごう」
• 1967年ねん作さく『花火はなびA』「120号ごう」
• 1967年ねん作さく『花火はなびB』「120号ごう」
• 1971年ねん作さく『暑あつの庭にわ』「100号ごう」
• 1971年ねん作さく『緑みどり庭にわの午後ごご』「100号ごう」
• 1972年ねん作さく『雪ゆき庭にわ讃歌さんか』「100号ごう」
• 1976年ねん作さく『讃歌さんか』「100号ごう」
• 1976年ねん作さく『窓まど（鳩笛はとぶえ）』「80号ごう」
• 1975年ねん作さく『ねぶた祭まつり』「100号ごう」
• 1974年ねん作さく『古都こと遠望えんぼう（キエフ）』「80号ごう」

1981年ねん(昭和しょうわ56年ねん)10月がつ、銀座ぎんざ・月刊げっかん美術びじゅつ画廊がろうにて、川原井かわはらい正せいと油絵あぶらえ二に人にん展てんを開催かいさい。

1990年ねん（平成へいせい2年ねん）3月26日にち、満まん84歳さい没ぼつ 。

参考さんこう文献ぶんけん

• 葛西かさい康やすし作品さくひん集しゅう・・・「杉すぎ・美術びじゅつ」編集へんしゅう
• 秋田魁新報社あきたさきがけしんぽうしゃの新聞しんぶん記事きじ
• 秋田あきた県立けんりつ近代きんだい美術館びじゅつかん（学芸がくげい部ぶ-収蔵しゅうぞう品ひん）
• 第だい3回かい菁々会かい展てん芳名ほうめい簿ぼ