藤ふじ氏し家伝かでん

藤ふじ氏し家伝かでん（旧きゅう字体じたい：藤ふじ󠄁氏家うじいえ傳つたえ、とうしかでん）は、天平てんぴょう宝たから字じ4年ねん（760年ねん）に成立せいりつし、古代こだいから藤原ふじわら氏しに代々だいだい伝つたえられてきた、藤原ふじわら氏し初期しょきの歴史れきしが記しるされた伝記でんきであり、上うえ・下したとある。日本書紀にほんしょきや続ぞく日本にっぽん紀きには無ない歴史れきしが記述きじゅつされている。

家伝かでんとは、その家いえの歴史れきし・伝承でんしょうなどをまとめた書物しょもつだが、特とくに藤ふじ氏し家伝かでんのことを指さして家伝かでんということもある。

概要がいよう

家伝かでん上じょう（「大だい織お冠かんむり伝つたえ」）

• 藤原鎌足ふじわらのかまたりと定てい恵めぐみと藤原ふじわら史ふみ（藤原不比等ふじわらのふひと）の伝記でんきを記しるしたものである。ただし、藤原不比等ふじわらのふひとの条じょうは現存げんそんしない。
• 著ちょ・編者へんしゃは恵美押勝えみのおしかつ（藤原仲麻呂ふじわらのなかまろ）。

家伝かでん下か（「武智たけち麻呂まろ伝でん」）

• 藤原ふじわら武智たけち麻呂まろの伝記でんきを記しるしたもの。
• 著ちょ・編者へんしゃは僧そう延のべ慶けい。

参考さんこう文献ぶんけん

• 田村たむら圓まどか澄きよし『藤原鎌足ふじわらのかまたり』（塙はなわ書房しょぼう、1966年ねん）
• 岸きし俊男としお『藤原仲麻呂ふじわらのなかまろ』（人物じんぶつ叢書そうしょ、吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1969年ねん）
• 横田よこた健一けんいち『白しろ鳳おおとり天平てんぺいの世界せかい』（創そう元もと社しゃ、1973年ねん）
• 竹内たけうち理り三さん編へん『寧楽ねいらく遺文いぶん(改訂かいてい版ばん)』下か（東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1981年ねん）

関連かんれん文献ぶんけん

• 沖おき森もり卓也たくや・佐藤さとう信しん・矢嶋やじま泉いずみ共著きょうちょ『藤ふじ氏し家伝かでん　鎌かま足あし・貞さだ慧とし・武智たけち麻呂まろ伝でん - 注釈ちゅうしゃくと研究けんきゅう』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1999年ねん）
• 篠川しのかわ賢けん・増尾ますお伸しん一郎いちろう共編きょうへん『藤ふじ氏し家伝かでんを読よむ』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2011年ねん）

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