読者どくしゃモデル

読者どくしゃモデル
基本きほん情報じょうほう
職種しょくしゅ	モデル
職域しょくいき	ファッションモデル
詳細しょうさい情報じょうほう
就業しゅうぎょう分野ぶんや	ファッション雑誌ざっし
関連かんれん職業しょくぎょう	専属せんぞくモデル

読者どくしゃモデル（どくしゃモデル）は、ファッション雑誌ざっしに登場とうじょうするファッションモデルのうち、女子大じょしだい生せいや専業せんぎょう主婦しゅふなどの肩書かたがきで一般いっぱん読者どくしゃとして誌面しめんに登場とうじょうするモデルのことをいう。読モ（どくモ）と略称りゃくしょうされることが多おおい。

概要がいよう

読者どくしゃモデルは雑誌ざっし読者どくしゃの代表だいひょうとして記事きじや広告こうこくに登用とうようされるモデルタイプである。アマチュアという立場たちばでモデルを務つとめることから、報酬ほうしゅうは僅少きんしょう、もしくは無償むしょうである。多おおくの読者どくしゃモデルは読者どくしゃの購入こうにゅう意向いこうに影響えいきょうを与あたえる有名人ゆうめいじんのような知名度ちめいどはなく、読者どくしゃも顔かおや名前なまえを認知にんちしていない存在そんざいである。

読者どくしゃモデルの役割やくわりは芸能人げいのうじんやプロのモデルと同おなじように製品せいひんやサービスを推奨すいしょうするものである。読者どくしゃモデルを登用とうようした広告こうこくにおいて、リスクの高たかい製品せいひんでは信頼しんらい性せいが低ひくく、リスクの低ひくい製品せいひんでは信頼しんらい性せいが高たかくなる推奨すいしょう効果こうかが明あきらかになった。

読者どくしゃモデルになるには、雑誌ざっしの募集ぼしゅうに応募おうぼしたり、スカウトされるのが一般いっぱん的てきである。読者どくしゃモデルのスカウトを騙かたるトラブルも生しょうじており、国民こくみん生活せいかつセンターや地方自治体ちほうじちたいが注意ちゅうい喚起かんきを行おこなっている。

読者どくしゃモデルの中なかには専属せんぞくモデルに登用とうようされる者もの、女優じょゆうやタレントに転身てんしんする者ものもおり、読者どくしゃモデルは一般人いっぱんじんから芸能げいのう界かいへの登竜門とうりゅうもんであり、制作せいさく者しゃ側がわからはある程度ていどのポテンシャルを持もった次期じきタレント予備よび軍ぐんと認識にんしきされた。また、芸能げいのう事務所じむしょやモデルエージェンシーと契約けいやくした時点じてんで厳密げんみつには読者どくしゃモデルではないが、身近みぢかな存在そんざいであるとするプロモーション目的もくてきで、読者どくしゃモデルという肩書かたがきを使つかい続つづける者ものもいる。

歴史れきし

歴史れきし的てき経緯けいいとしては、女性じょせい誌しの読者どくしゃ参加さんか型がた企画きかくの延長線えんちょうせん上じょうとして読者どくしゃがモデルに挑戦ちょうせんする企画きかくがあり、それが一般いっぱん化かしていったのが読者どくしゃモデルの始はじまりである。

1984年ねんに、ファッション雑誌ざっし『Olive』の読者どくしゃモデルとして栗尾くりお美恵子みえこ（現げん花田はなた美恵子みえこ）が登場とうじょうした。彼女かのじょは、篠山しのやま紀きの信しんをはじめとする大物おおもの写真しゃしん家かのお気きに入いりの被写体ひしゃたいになり、人気にんきを博はくした。放送ほうそう作家さっかの山田やまだ美保子みほこは、専属せんぞくモデルよりも人気にんきを得える「カリスマ読者どくしゃモデル」の走はしりが花田はなただったと述のべている。

1995年ねんに創刊そうかんした東京とうきょうストリートニュース!は高校生こうこうせいの間あいだにブームを呼よび、妻夫木つまぶき聡さとし、降くだ谷たに建けん志こころざし、青木あおき裕子ゆうこ、高島たかしま彩あや、山口やまぐち眞未まみ子こなどが登場とうじょうした。

1997年ねん頃ころ、『25ans』に「スーパー読者どくしゃ」として叶かのう姉妹しまいが登場とうじょうする。彼女かのじょらは女性じょせい読者どくしゃから熱狂ねっきょう的てきな支持しじを受うけ、誌面しめんに登場とうじょうするたびに編集へんしゅう部ぶに問とい合あわせが殺到さっとうした。彼女かのじょらの登場とうじょうは、読者どくしゃモデルが一般いっぱん的てきに注目ちゅうもくされるきっかけになった。

2000年代ねんだい後半こうはんになると、「100億おく円えんの経済けいざい効果こうかを生うみ出だす」と称しょうされた『Popteen』出身しゅっしんの益えき若わかつばさ、と読者どくしゃモデルからマルチタレントに成なり上あがった小森こもり純じゅんのようなモデルが注目ちゅうもくされた。彼女かのじょらの特記とっきすべき点てんは、あらゆるメディアに出演しゅつえんし、人気にんきが出でても読者どくしゃモデルの地位ちいを守まもり続つづけていることである。2000年代ねんだいに入はいって読者どくしゃモデルがトレンドになった背景はいけいに加くわえて、彼女かのじょら自身じしんが自分じぶんを生いかす場所ばしょを理解りかいしているためである。『iza』は、読者どくしゃモデルが音楽おんがく業界ぎょうかいで活躍かつやくするケースが目立めだっている事例じれいを紹介しょうかいした際さいに、「ネットがなければ、彼女かのじょ達たちがこれほど脚光きゃっこうを浴あびることはなかったろう」と評ひょうしている。

かねてより「読者どくしゃモデルといえばギャル」という状況じょうきょうで、益えき若わかや小森こもり、ならびに押切おしきりもえのような面々めんめんがその顕著けんちょな成功せいこう例れいとして知しられていたものの、きゃりーぱみゅぱみゅなどの台頭たいとうで原宿はらじゅく系統けいとう、いわゆる青あお文字もじ系けいの読者どくしゃモデルが注目ちゅうもくを集あつめるようにもなっている。

情勢じょうせい

2012年ねん暮くれ頃ごろの『日刊にっかんスパ！』独自どくじの試算しさんによれば、読者どくしゃモデルの総数そうすうは90誌しでおよそ4285名めい。そこでの“読者どくしゃモデル”の定義ていぎは「ファッション・美容びようページに出でる人物じんぶつから芸能人げいのうじん、プロの専属せんぞくモデル、アパレルのプレス・販売はんばい員いんを除外じょがいした一般人いっぱんじん」で、結果けっかは次つぎの通とおりであった。

調査ちょうさ対象たいしょう誌し（とその内訳うちわけ）

雑誌ざっし名めい	人数にんずう
『CanCam』	22名めい
『AneCan』	52名めい
『Oggi』	19名めい
『Domani』	36名めい
『美的びてき』	14名めい
『SAKURA』	10名めい
『MORE』	100名めい
『BAILA』	40名めい
『MAQUIA』	10名めい
『LEE』	5名めい
『Marisol』	55名めい
『eclat』	3名めい
『with』	11名めい
『ViVi』	79名めい
『Grazia』	10名めい
『VoCE』	27名めい
『GLAMOROUS』	10名めい
『GLOW』	50名めい
『InRed』	16名めい
『steady』	20名めい
『mini』	8名めい
『CUTiE』	14名めい
『JJ』	76名めい
『CLASSY』	29名めい
『VERY』	42名めい
『STORY』	18名めい
『美よしSTORY』	60名めい
『HERS』	42名めい
『Mart』	42名めい
『Gainer』	45名めい
『Popteen』	30名めい
『BLENDA』	30名めい
『美名びめい百ひゃく花はな』	10名めい
『EDGE STYLE』	85名めい
『Ray』	30名めい
『S Cawaii』	40名めい
『mina』	50名めい
『ゆうゆう』	7名めい
『an・an』	100名めい
『古着ふるぎMixガールズ』	54名めい
『FYTTE』	7名めい
『Zipper』	15名めい
『nina's』	50名めい
『SEDA』	89名めい
『saita』	104名めい
『JELLY』	21名めい
『Ranzuki』	42名めい
『men's egg』	30名めい
『egg』	130名めい
『MEN'S KNUCKLE』	40名めい
『Used Mix』	50名めい
『streert Jack』	26名めい
『MEN'S CLUB』	2名めい
『ELLE girl』	19名めい
『サムライマガジン』	8名めい
『Samurai ELO』	20名めい
『小しょう悪魔あくまageha』	72名めい
『I LOVE mama』	76名めい
『Happie nuts』	190名めい
『JSガール』	202名めい
『NYLON JAPAN』	7名めい
『CHOKi CHOKi』	50名めい
『CHOKi CHOKi girls』	54名めい
『KERA』	20名めい
『Men's SPIDER』	32名めい
『カジカジ』	6名めい
『カジカジH』	104名めい
『関西かんさい girl's style exp.』	110名めい
『ニコ☆プチ』	90名めい
『CREA』	230名めい
『オレンジページ』	6名めい

批評ひひょう

読者どくしゃ側がわから見みて、読者どくしゃモデルの魅力みりょくはお手本てほんにできる親したしみやすさ、スターというより友達ともだち感覚かんかくといった「親近しんきん感かん」という点てんに集約しゅうやくされる。逆ぎゃくに彼女かのじょらを雇やとう雑誌ざっし、企業きぎょうからみると「使つかいやすさ」である。出演しゅつえん料りょうが安やすいうえに広告こうこくや契約けいやくの制約せいやくがないため、撮影さつえいで融通ゆうずうが利きく。プロのモデルとは違ちがい等身とうしん大だいの存在そんざいで、読者どくしゃからはマネのしやすい存在そんざいである。また、新しん商品しょうひんを試ためしてもらえるうえにSNSで宣伝せんでんしてもらえる。ファッションプロデューサーの植松うえまつ晃あきら士しは、一部いちぶの読者どくしゃモデルが、カメラを向むけると必かならず「決きめ顔がお」をすることを指摘してき。2000年代ねんだい後半こうはんの読者どくしゃモデルがトレンドになり始はじめたことに絡からめて、読者どくしゃモデルの人気にんきと実力じつりょくが必かならずしも比例ひれいするわけではないと述のべた。また、読者どくしゃモデルは「読者どくしゃ代表だいひょう」なので、ショーモデルと比較ひかくするのは、無理むりがあると付つけ加くわえた。

パリ・コレクションなどへの出演しゅつえん経験けいけんを持もつIVANは、読者どくしゃがモデルに転身てんしんすることの凄すごさは評価ひょうかしつつも、自身じしんのようなパリコレモデルと読者どくしゃモデルが一いち括くくりにされることに疑問ぎもんを呈ていしており、読者どくしゃモデルの呼称こしょうとして「カリスマ読者どくしゃ」を提唱ていしょうしている。