跨線橋こせんきょう

跨線橋こせんきょう（こせんきょう）とは橋はしの一種いっしゅで、鉄道てつどう線路せんろを跨またぐもの。道路どうろを跨またぐ橋はしは跨またが道みち橋きょうという。

立体りったい交差こうさ化かすることを目的もくてきとするもの（跨またが線せん道路どうろ橋きょう、一般いっぱん的てきには「陸橋りっきょう」と呼よばれるもの）がある。

道路どうろ用よう跨線橋こせんきょう

線路せんろを跨またぐ道路どうろの橋はしで、跨またが線せん道路どうろ橋きょうと呼よばれる。歩行ほこう者しゃのみが渡わたれるもの・歩行ほこう者しゃも自動車じどうしゃも渡わたれるもの・自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろのものなどがある。

一般いっぱん的てきには、オーバーパス（overpass）と呼よばれる道路どうろを高架こうか上うえに上あげた形かたちの橋はしが多おおいが、切通きりどおしや掘割ほりわりを通とおる線路せんろの上うえに架かかる道路どうろの橋はしも跨線橋こせんきょうである。

古ふるいものの中なかには、歩行ほこう者しゃ専用せんよう橋きょうでは主要しゅような構造こうぞう部材ぶざいを中古ちゅうこのレールで造つくったもの（東京とうきょう都との白金はっきん桟道さんどう橋きょうなど）や、自動車じどうしゃも渡わたれるものでは鉄道てつどう用ようの鉄橋てっきょう・鋼はがね橋きょうの桁けたを転用てんようしたものも存在そんざいする。

駅えき構内こうないの跨線橋こせんきょう

鉄道てつどう駅えき構内こうないの跨線橋こせんきょうには古ふるくから大切たいせつに使つかわれているものも多おおく、産業さんぎょう文化財ぶんかざいとして貴重きちょうなものもあるが、建たて替かえが進すすめられているため、古ふるい跨線橋こせんきょうは急速きゅうそくに減へりつつある。跨線橋こせんきょうの主要しゅような構造こうぞう部材ぶざいを中古ちゅうこのレールで造つくることもかつてはよく行おこなわれ、そのレールが貴重きちょうなものであることもある。

近年きんねんでは、鉄道てつどう駅えきが橋上はしがみ駅舎えきしゃとされることが多おおく、その場合ばあいは駅舎えきしゃと跨線橋こせんきょうは一体化いったいかしたものとなる。大だい規模きぼな駅えきの場合ばあい、橋上はしがみ駅舎えきしゃ化かされるだけではなく、駅前えきまえ広場ひろばそのものを高架こうか化かしてペデストリアンデッキと一体化いったいかしているものも増ふえてきた。

また1990年代ねんだい末すえからは特とくに、高齢こうれい者しゃや車椅子くるまいす使用しよう者しゃへの利便りべんなどバリアフリーの観点かんてんから、エレベーターを備そなえ付つける場合ばあいも多おおくなっている。一方いっぽうでこれらの整備せいびは費用ひようが掛かかるため、代替だいたいとして構内こうない踏切ふみきりを新設しんせつするケースもある。

階段かいだんを廃はいし、ホームと橋上はしがみとの間あいだの昇降しょうこう手段しゅだんがエレベーターのみしか設置せっちされていない跨線橋こせんきょうもある（岐阜ぎふ県けんのJR東海とうかい中央ちゅうおう本線ほんせん恵那えな駅えきなど）。但ただしこれらの多おおくは、別べつに非常ひじょう用ようの階段かいだんを備そなえている。

建築けんちく当時とうじから移設いせつされていない日本にっぽん最古さいこの駅えき構内こうないの跨線橋こせんきょうは、愛知あいち県けんのJR東海とうかい武豊線たけとよせん半田はんだ駅えき構内こうないのもの（1910年ねん〈明治めいじ43年ねん〉造みやつこ）とされていたが、武豊線たけとよせんの高架こうか化かにより2021年ねん〈令れい和わ3年ねん〉6月がつ5日にちをもって駅えき構内こうないでの供用きょうようを終おえることになった（駅前えきまえに整備せいびされる公園こうえんに移築いちくされる予定よてい）^[1]。