蹠行

アライグマの前足まえあし（左ひだり）と後足あとあし（右みぎ）

蹠行（せきこう、しょこう）は、踵かかとを含ふくむ足あしの裏うら全体ぜんたいを使つかって歩行ほこうすること。これを行おこなう生物せいぶつを蹠行動物どうぶつ（英えい: plantigrade）と呼よび、つま先さきからかかとが地面じめんにつく。霊長れいちょう類るい、クマ、パンダ、ウサギ、モグラなどがこれに含ふくまれる。また、ネズミなどの齧かじ歯は類るい、コアラなどの有ゆう袋ぶくろ類るいの多おおくも含ふくまれる。

足あし裏うら全体ぜんたいを地ちにつけるため、直立ちょくりつ時じの安定あんてい性せいがよい。したがって、四足しそく歩行ほこうをする動物どうぶつでも、直立ちょくりつする姿勢しせいを常用じょうようする動物どうぶつにこれが見みられる。イヌやネコのような趾行動物どうぶつも後肢あとあしで立たち上あがることはあるが、安定あんてい性せいを欠かく。

しかし、素早すばやく動うごくのには適てきしていない。ヒトは踵かかとが特とくに発達はったつしており、この歩あるき方かたに強つよい適応てきおうを示しめしているが、素早すばやく移動いどうする（要ようするに走はしる）場合ばあいにはかかとをつけない、趾行に近ちかい型かたとなる。

古こ生物せいぶつのうち翼つばさ竜りゅうは、後足あとあし全体ぜんたいと手て翼つばさの指ゆびを使つかった部分ぶぶん的てきな蹠行であった。また、絶滅ぜつめつした汎ひろし歯は目めなど、初期しょきの哺乳類ほにゅうるいはほとんどが蹠行性せいであった。その後ご、趾行動物どうぶつや蹄行動物どうぶつ（有ゆう蹄類）へ進化しんかしていった。

関連かんれん項目こうもく

• 趾行
• 蹄行