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逆鱗げきりん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

逆鱗げきりん(げきりん)とは、伝説でんせつうえかみじゅうである「りゅうりゅう」の81まいうろこうろこのうち、あごした喉元のどもと)にあって1まいだけさかさにえているとされるうろこのことをいう。とう記事きじにおいては、おもに「逆鱗げきりん」をもちいた慣用かんよう表現ひょうげんについてべる。

由来ゆらい概要がいよう

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りゅう」は、元来がんらい人間にんげん危害きがいあたえることはないが、喉元のどもとの「逆鱗げきりん」にれられることを非常ひじょうきらうため、これにさわられた場合ばあいには激昂げっこうし、れたもの即座そくざころすとされた。このため、「逆鱗げきりん」はれてはならないものを表現ひょうげんする言葉ことばとなり、帝王ていおう主君しゅくん)の激怒げきどぶような行為こういして、「逆鱗げきりんれる」と比喩ひゆ表現ひょうげんされた。

この故事こじをもとに、現代げんだいでは、「逆鱗げきりんれる」としてひろ目上めうえ人物じんぶつ激怒げきど行為こういすようになり、また「逆鱗げきりん」が目上めうえ人物じんぶついかりそのものを言葉ことばとしてもちいられることもある。「逆鱗げきりんれる」を、漢語かんご使つかって「嬰鱗えいりん」ともうが、一般いっぱん会話かいわにおいてはほとんど使用しようされない。

しゃくさわる」行為こういをすることとしばしば混同こんどうされる。また、友人ゆうじん後輩こうはい部下ぶかなどをおこらせたとき使つかうのも本来ほんらい誤用ごようである。

出典しゅってん

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この故事こじ出典しゅってんは、『韓非子かんぴし』の「せつなん(ぜいなん)」へんであり、臣下しんか君主くんしゅ説得せっとくすることの困難こんなんさについてべた以下いかのくだりにある。

白文はくぶん
おっとりゅうためちゅうやわら狎而しか其喉ゆう逆鱗げきりんみちじゃく 若人わこうどゆう嬰之者 そく必殺ひっさつじん じんぬしまたゆう 逆鱗げきりん せつ者能嬰人ぬし逆鱗げきりん そくいく
書下かきおろ
おっとりゅうむしむしたるや、やわらじゅうなるときはれてるべきなり。しかしかれどものどこうか逆鱗げきりんみちじゃくけいしゃくあり、わかじんこれこれるるしゃらば、のりすなわかならひところす。ひとぬしじんしゅまた逆鱗げきりんり。せつしゃぜいしゃのうひとぬし逆鱗げきりんに嬰るることくんば、のりいくかからん。
大意たいい
りゅうというきものは、おだやかなときには、馴染なじめば(背中せなかに)またがることもできるものだ。しかし、りゅう喉元のどもとにはうろこさかさにえた部分ぶぶんがあり、これにれるものがいると、(りゅういかり)そのものをすぐに間違まちがいなくころしてしまう。君主くんしゅにもおなじように逆鱗げきりんがある。(臣下しんかの)発言はつげんしゃは、(具申ぐしんさいに)みずか君主くんしゅ逆鱗げきりんれるようなことがなければ、(上手うまくいく結果けっかが)ちかいものである。

その

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この故事こじまれた背景はいけいには、中華ちゅうかけんにおいては、君主くんしゅ象徴しょうちょう(シンボル)として「りゅう」がもちいられていたことがある。シンボルとしてえがかれるりゅうつまゆびかずことなっており、帝王ていおう皇帝こうてい)は5ほんさつふうされたおうは4ほんないし3ほんであった。

関連かんれん項目こうもく

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  • 中国ちゅうごくりゅう
  • へび - 中国ちゅうごくに「へびななすん」というかたりがある。このかたりは、あたまから7すん位置いちへび急所きゅうしょがあるとされたことからている。