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しゃく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

しゃく(しゃく)とは、近代きんだい以前いぜん日本にっぽんにおいて、原因げんいんからない疼痛とうつうともな内臓ないぞう疾患しっかん一括いっかつした俗称ぞくしょうせき(せき)ともいい、疝気せんきとともに疝癪(せんしゃく)ともばれた。

概要がいよう

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平安へいあん時代じだいかれた『しんかた』では、陰陽いんよう内臓ないぞう一部いちぶ集積しゅうせきしてしゅかたまりとなって様々さまざま病状びょうじょうはっするとし、内臓ないぞうんだしゅこぶになってこされるのがしゃくであるとされていた。また、徳川とくがわ家康いえやす晩年ばんねんは「腹中ふくちゅうかたまり」になやまされた(医師いし片山かたやまそうあきら記録きろく)とつたえられており、腹中ふくちゅうの(しゅかたまりすなわちしゃく正体しょうたい日本人にっぽんじん代表だいひょうてき死因しいんとされている胃癌いがんとするせつ有力ゆうりょくである。

その一方いっぽうで、胃癌いがん症状しょうじょうとはことなるべつの「しゃく」の存在そんざいられており、とく下腹部かふくぶ下半身かはんしん内臓ないぞういたみを「疝気せんき」とんだのにたいして胸部きょうぶ上半身じょうはんしん内臓ないぞういたみをしゃくひろばれていたことがられている。そのため、心筋梗塞しんきんこうそく腹膜炎ふくまくえん痙攣けいれんをともなうヒステリーなどの精神せいしんてき疾患しっかん原因げんいんからないものについてはひろく「しゃく」としてあつかっていたとかんがえられている。

持病じびょうしゃく

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時代じだいげき落語らくごなどでもちいられる台詞ぜりふに「持病じびょうしゃく(しゃく)が…」というのがある。

この「しゃく」とは、むねはらのあたりにこる、激痛げきつう総称そうしょうである。胆石たんせきしょう胃痛いつう虫垂炎ちゅうすいえん盲腸もうちょう)、生理せいりつうなどから腹痛はらいたすべてがしゃくばれた。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 立川たちかわ昭二しょうじしゃく」(『日本にっぽんだい事典じてん 3』(平凡社へいぼんしゃ、1993ねんISBN 978-4-582-13103-1

関連かんれん項目こうもく

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