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透明とうめいいた

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

透明とうめいいた(とうめいどばん)とは、みず透明とうめいにごたび調しらべるために利用りようされる、円形えんけいいたである。おおきくけて2種類しゅるい存在そんざいし、直径ちょっけい30センチのしろ円盤えんばんのタイプと、直径ちょっけい20センチのしろ円盤えんばんえん中心ちゅうしんとお直交ちょっこうした2ほん直線ちょくせんで4等分とうぶんしてとなわない任意にんいの2つの区画くかくくろったタイプがある。いずれのタイプも円盤えんばんぼうひもけて、水中すいちゅうへとゆっくりとしずめてゆき、円盤えんばん肉眼にくがんなんメートルのふかさまでえるかを確認かくにんするという方法ほうほうもちいられる。イタリアじんアンジェロ・セッキー考案こうあんしたことから、セッキーばんセッキばん(イタリア:Disco di Secchi)ともばれ、また円形えんけいであることからセッキー円盤えんばんセッキ円盤えんばんともばれる。

歴史れきし

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左側ひだりがわ元々もともと透明とうめいいたであり、右側みぎがわ改良かいりょうがた透明とうめいいたである。左側ひだりがわのタイプは海中かいちゅうもちいられることがあり、右側みぎがわのタイプは淡水たんすいにおいては標準ひょうじゅんてきもちいられる。

1865ねんにイタリアじんのアンジェロ・セッキーが考案こうあんした元々もともと透明とうめいいた直径ちょっけい30 cmのしろ円盤えんばんであり、地中海ちちゅうかい透明とうめい調査ちょうさするために、これがもちいられた[1][2]。この関係かんけいで、今日きょうでも海洋かいよう透明とうめい調しらべるためには、この直径ちょっけい30 cmで白一色はくいっしょく元祖がんそ透明とうめいいた使用しようされることもある。ただ、透明とうめいいたは1899ねんにアメリカじんのジョージ・チャンドゥラ・ウィップル(George Chandler Whipple)によって、改良かいりょうほどこされた。そうしてできたのが、直径ちょっけい20 cmのしろ円盤えんばんえん中心ちゅうしんとお直交ちょっこうした2ほん直線ちょくせんで4等分とうぶんしてとなわない任意にんいの2つの区画くかくくろった透明とうめいいたであり、この改良かいりょうがたりくすいがく分野ぶんやにおいては標準ひょうじゅんてき使用しようされるようになった[3][4][5]アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中西部ちゅうせいぶのミネソタしゅうやウィスコンシンしゅうやインディアナしゅうでは、湖水こすい水質すいしつ調しらべるために、この改良かいりょうがた透明とうめいいたもちいた水質すいしつ評価ひょうかれていた歴史れきしがある[6]

特徴とくちょう使用しようほう

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透明とうめいいた使用しようしてみず透明とうめいにごたび調しらべるさいは、ヒトによる目視もくしおこなわれる。ほとんど特別とくべつ機材きざい必要ひつようとしないため、透明とうめいいたもちいた調査ちょうさ簡便かんべんであり、機材きざい用意よういする費用ひようもほとんどかからない。また、水中すいちゅうにおいてみずによってひかり吸収きゅうしゅうされて減衰げんすいすることについては、水面すいめんへの入射にゅうしゃこうつよさと、透明とうめいいたしずめられたふかさにおける透過とうかこう透明とうめいいたまで到達とうたつしたひかり)のつよさと、そのとき透明とうめいいたがどれだけのふかさまでしずめられているかがわかれば、ランベルト・ベールの法則ほうそくによって補正ほせいすることもできる。

しかしながら、ヒトが肉眼にくがん判定はんていしているという簡便かんべん方法ほうほうであるがために、正確せいかく透明とうめいにごたび調しられない。このことは、測定そくていしゃ視力しりょくによって、透明とうめいにごたび変化へんかしてしまう可能かのうせい充分じゅうぶんにあるとかんがえられることからあきらかである。そこで、なるべく測定そくていしゃちがいによって、結果けっかないようにする方策ほうさくるべきである。具体ぐたいてきには、透明とうめいいた使用しようした透明とうめいにごたび測定そくていは、その地点ちてん経度けいどにおける時間じかんで、9から15あいだおこなうようにするといった標準ひょうじゅんおこな[7]。なお、透明とうめいいたもちいた測定そくてい最良さいりょう時間じかんたいは、10から14あいだであるとされている。さらに、測定そくていしゃは、毎回まいかいおな手順てじゅん測定そくていおこなうべきであることもわずもがなである。参考さんこうまでに、なるべく正確せいかく測定そくていおこなうための方法ほうほうの1つとしては、つぎのような方法ほうほうられている。まず一旦いったん透明とうめいいたしずめていってえなくなったふかさを記録きろくする。それからさらにすうじゅう cmほど透明とうめいいたしずめたのち、ゆっくりと透明とうめいいたげて、透明とうめいいたふたたえたふかさを記録きろくする。最後さいごに、最初さいしょえなくなったふかさと、ふたたえたふかさとの平均へいきんって、その地点ちてんみず透明とうめいとするのである[8]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ On the history of the Secchi disc Archived 2014-04-26 at the Wayback Machine.
  2. ^ "Relazione delle esperienze fatte a bordo della pontificia pirocorvetta l’Immacolata concezione per determinare la trasparenza del mare" Memoria del P. A. Secchi. Il Nuovo Cimento, December 1864, Volume 20, Issue 1, pp 205-238
  3. ^ Cialdi, M. and Secchi, P. A. (1865). “Sur la Transparence de la Mer.” Comptes Rendu de l'Acadamie des Sciences. 61: 100–104.
  4. ^ Whipple, George C. (1899). The Microscopy of Drinking-Water. New York: John Wiley & Sons, 73–5.
  5. ^ The Secchi firestar is cool Disk—What Is It? Archived 2012-08-14 at the Wayback Machine. Accessed 2012-07-05.
  6. ^ Indiana Clean Lakes Program – Volunteer Monitoring”. 9 February 2011閲覧えつらん
  7. ^ Lind, Owen, T. (1979). Handbook of Common Methods in Limnology St. Louis:C.V. Mosby Co.
  8. ^ Cole, Gerald A. (1994). Textbook of Limnology. 4th ed. Prospect Heights:Waveland Press Inc.