遷音速そく

シアーズ・ハックボディ（英語えいご版ばん）は、波なみの抗力こうりょく（英語えいご版ばん）を最小限さいしょうげんに抑おさえる断だん面積めんせきの変化へんかを示しめす。

遷音速そく（せんおんそく、英語えいご: Transonic (or transsonic) ）流りゅうは、物体ぶったいの周囲しゅういを亜あ音速おんそくと超ちょう音速おんそくの両方りょうほうの気流きりゅうが発生はっせいするような速度そくどで流ながれる空気くうきのことである^[1]。正確せいかくな速度そくど範囲はんいは物体ぶったいの臨界りんかいマッハ数すうに依存いぞんするが、音速おんそく(海面かいめんで343 m/s)、に近ちかい飛行ひこう速度そくどで遷音速そく流りゅうが見みられ、通常つうじょうマッハ0.8〜1.2である^[1]。

遷音速そく（または遷音速そく領域りょういき）の問題もんだいは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかに初はじめて登場とうじょうした^[2]。パイロットは、音おとの壁かべに近ちかづくと気流きりゅうの影響えいきょうで機体きたいが不安定ふあんていになることを発見はっけんし^[3]、専門せんもん家かは、衝撃波しょうげきはが下流かりゅうで大だい規模きぼな境界きょうかい層そう剥離はくりを引ひき起おこし、抗力こうりょくを増加ぞうかさせ、機体きたい周辺しゅうへんの流ながれに非対称ひたいしょう性せいと非ひ定常ていじょう性せいを付加ふかすることを発見はっけんした^[3]。遷音速そく飛行ひこうにおける衝撃波しょうげきはを、耐たい衝撃しょうげき体たい（英語えいご版ばん）や超ちょう臨界りんかい翼つばさで弱よわめる研究けんきゅうが行おこなわれている^[3]。

現代げんだいのジェット機じぇっときのほとんどは、遷音速そくで飛行ひこうするように設計せっけいされている^[4]。遷音速そくでは、マッハ0.8あたりから抗力こうりょくが急激きゅうげきに増大ぞうだいし、抗力こうりょくによる燃料ねんりょうコストのために、通常つうじょうは対たい気き速度そくどが制限せいげんされる。波動はどう抗力こうりょくを低減ていげんする試こころみは、すべての高速こうそく航空機こうくうきで見みることができる。最もっとも顕著けんちょなのは後退こうたい翼つばさの使用しようであるが、別べつの一般いっぱん的てきな形態けいたいは、ウィットコムエリアルールの副作用ふくさようとして、ハチの腰こし（英語えいご版ばん）胴体どうたいもよく見みられる形態けいたいである。

ヘリコプターや航空機こうくうきの回転かいてん翼つばさの先端せんたんでは、遷音速そくが発生はっせいすることがある。これにより、ローターブレードに深刻しんこくな不ふ均等きんとうな応力おうりょくがかかり、発生はっせいした場合ばあいに事故じこにつながる可能かのう性せいがある。これにより、ローターのサイズやヘリコプターの前進ぜんしん速度そくどを制限せいげんする要因よういんの1つになっている(この速度そくどが、ローターの前方ぜんぽうスイープ [リーディング] 側がわに追加ついかされるため、局所きょくしょ的てきな遷音速そくを引ひき起おこす可能かのう性せいがある)。

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b Anderson, John D. Jr. (2017). Fundamentals of aerodynamics (Sixth ed.). New York, NY. pp. 756–758. ISBN 978-1-259-12991-9. OCLC 927104254
^ Vincenti, Walter G.; Bloor, David (August 2003). “Boundaries, Contingencies and Rigor”. Social Studies of Science 33 (4): 469–507. doi:10.1177/0306312703334001. ISSN 0306-3127.
^ ^a ^b ^c Takahashi, Timothy (15 December 2017). Aircraft performance and sizing. fundamentals of aircraft performance. pp. 107. ISBN 978-1-60650-684-4. OCLC 1162468861. http://worldcat.org/oclc/1162468861
^ Takahashi, Timothy (2016). Aircraft Performance and Sizing, Volume I. New York City: Momentum Press Engineering. pp. 10–11. ISBN 978-1-60650-683-7

外部がいぶリンク

Transonic Flow -ScienceDirect（英語えいご）

[:2-1] Anderson, John D. Jr. (2017). Fundamentals of aerodynamics (Sixth ed.). New York, NY. pp. 756–758. ISBN 978-1-259-12991-9. OCLC 927104254

[:0-2] Vincenti, Walter G.; Bloor, David (August 2003). “Boundaries, Contingencies and Rigor”. Social Studies of Science 33 (4): 469–507. doi:10.1177/0306312703334001. ISSN 0306-3127.

[:1-3] Takahashi, Timothy (15 December 2017). Aircraft performance and sizing. fundamentals of aircraft performance. pp. 107. ISBN 978-1-60650-684-4. OCLC 1162468861. http://worldcat.org/oclc/1162468861

[4] Takahashi, Timothy (2016). Aircraft Performance and Sizing, Volume I. New York City: Momentum Press Engineering. pp. 10–11. ISBN 978-1-60650-683-7

[1]

[2]

[3]

[4]

関連かんれん項目こうもく

脚注きゃくちゅう

外部がいぶリンク