金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞう

金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞう
各種かくしゅ表記ひょうき
ハングル：	금동여래좌상
漢字かんじ：	金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞう
日本語にほんご読よみ：	こんどうにょらいざぞう

『金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞう』（こんどうにょらいざぞう）は、 1959年ねんにソウル纛島で出土しゅつどした朝鮮ちょうせんの三さん国こく時代じだい初期しょきの仏像ぶつぞうである。仏像ぶつぞうが初はじめて製作せいさくされた当時とうじの姿すがたを示しめす貴重きちょう資料しりょうである。中国ちゅうごくから輸入ゆにゅうされた仏像ぶつぞうとみる説せつと、中国ちゅうごくの仏像ぶつぞうを模倣もほうして朝鮮ちょうせんで制作せいさくした仏像ぶつぞうとみる説せつがあり、また国内こくない制作せいさく説せつも百済くだらの仏像ぶつぞう説せつ、高句麗こうくりの仏像ぶつぞう説せつがある。国立こくりつ中央ちゅうおう博物館はくぶつかんが所蔵しょぞうしている。

解題かいだい

四角形しかっけいの台座だいざ正面しょうめん左右さゆうに獅子ししを非ひ写実しゃじつ的てきに刻きざんだ台座だいざ様式ようしきはインドのガンダーラ美術びじゅつに起源きげんをもつ4世紀せいきの中国ちゅうごくの仏像ぶつぞうで大だい流行りゅうこうした台座だいざ様式ようしきである。

金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞうは、出土しゅつど物ぶつが残のこっていない4世紀せいき末まつから5世紀せいき末まつ頃ころの朝鮮ちょうせん初期しょきの仏像ぶつぞう様式ようしきの断面だんめんを教おしえてくれる貴重きちょう資料しりょうであり、仏像ぶつぞう様式ようしきから分析ぶんせきすると、400年ねん頃ころの中国ちゅうごく東北とうほく部ぶで大だい流行りゅうこうした禅定ぜんじょう印しるしの如来にょらい坐像ざぞうと酷似こくじしているため、中国ちゅうごくの仏像ぶつぞうという指摘してきがあるが、中国ちゅうごくの仏像ぶつぞうを模倣もほうして朝鮮ちょうせんで製作せいさくされた可能かのう性せいを指摘してきする意見いけんもある。李り裕ひろし群ぐんは、金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞうは高句麗こうくりの仏像ぶつぞうであるが、5世紀せいき初はじめに中国ちゅうごく東北とうほく部ぶで製作せいさくされたものと主張しゅちょうしており、金元かねもと龍りゅうも、金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞうは中国ちゅうごくから舶載はくさいした可能かのう性せいが非常ひじょうに高たかいと主張しゅちょうしている。一方いっぽう、王おう飛ひ峰ほうは、金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞうの出土しゅつど地ち周囲しゅういはいずれも百済くだら墓はか制せい・遺跡いせきが位置いちし、高句麗こうくり遺跡いせき・遺物いぶつは発見はっけんされていないため、金銅かなどう如来にょらい坐像ざぞうは高句麗こうくりの仏像ぶつぞうではないと指摘してきしている。