開成かいせい高校生こうこうせい殺人さつじん事件じけん

開成かいせい高校生こうこうせい殺人さつじん事件じけん（かいせいこうこうせいさつじんじけん）は、1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）10月30日にち未明みめい、東京とうきょう都と北きた区くのマンションで開成かいせい高等こうとう学校がっこう生せいが父親ちちおやに絞首こうしゅされて殺害さつがいされた事件じけん。

概要がいよう

事件じけんの発生はっせいについては殺害さつがいされた少年しょうねんの家庭かてい内ない暴力ぼうりょくなどといった異常いじょうな行為こういが大おおきな要因よういんとされており、このまま事態じたいが進行しんこうしたならば息子むすこが犯罪はんざい者しゃになってしまうと考かんがえ、それを避さけるために犯行はんこうを決行けっこうするに至いたったとされる。

息子むすこの殺害さつがい後ごには両親りょうしんも揃そろって自殺じさつすることを考かんがえていたものの決行けっこうせず、父親ちちおやが自首じしゅすることとなった。法廷ほうていで情状じょうじょう証人しょうにんとして父親ちちおやをかばった母親ははおやの努力どりょくもあり、異例いれいの温情おんじょう判決はんけつで執行しっこう猶予ゆうよつきの懲役ちょうえき3年ねんとなった。

しかしその後ご、母親ははおやは「息子むすこを返かえして」と父親ちちおやをなじりはじめ、1978年ねん7月がつ2日にちに首吊くびつり自殺じさつした。「母親ははおやは息子むすこと近親きんしん相姦そうかんの関係かんけいにあった」と早坂はやさか暁あきらは記しるしている。

事件じけんの経緯けいいを綴つづった高杉たかすぎ晋すすむ吾われの著作ちょさくによれば、優秀ゆうしゅうな成績せいせきでミッションスクールの小学校しょうがっこうを卒業そつぎょうし、開成かいせい中学校ちゅうがっこうに入学にゅうがくした当時とうじのプライドを、事件じけんの前年ぜんねん1976年ねん5月がつに家庭かてい内ないにおける権威けんいであった祖父そふが死去しきょしたことで「全面ぜんめん的てきに崩壊ほうかいさせ、自虐じぎゃく的てき劣等れっとう感かんを噴出ふんしゅつさせた」と指摘してきしている。学友がくゆうの両親りょうしんが「医師いし、弁護士べんごし、大学だいがく教授きょうじゅ」など「ステータス・シンボル」の揃そろった肩書かたがきであったのに対たいし、少年しょうねんの父親ちちおやは小学校しょうがっこう卒そつで大衆たいしゅう酒場さかばの経営けいえい者しゃであったが、母親ははおやと担任たんにんの教師きょうしとの面談めんだんの場ばで「レストラン経営けいえい」と言いうと「『おやじの店みせはレストランじゃない』と顔色かおいろを変かえて怒おこった」という。

作品さくひん

1978年ねんにTBS「七なな人にんの刑事けいじ・三さん人にん家族かぞく」でドラマ化かされた。フィクションも交まじえているが、概おおむねこの事件じけんに沿そっている。脚本きゃくほんは早坂はやさか暁あきら。

1979年ねんに新藤しんどう兼人かねと監督かんとくによって「絞殺こうさつ」として映画えいが化かされた。

1983年ねんにテレビ朝日てれびあさひ「子供こどもたちの復讐ふくしゅう ~開成かいせい高校生こうこうせい殺人さつじん事件じけん」として、石橋いしばし蓮司れんじ、宮本みやもと信子のぶこ、坂上さかがみ忍しのぶ主演しゅえんでドラマ化かされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 本多ほんだ勝一かついち『子こどもたちの復讐ふくしゅう』（本多ほんだ勝一かついち集しゅう 第だい22巻かん）朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1996年ねん10月がつ5日にち。ISBN 4022567724。 
• 高杉たかすぎ晋すすむ吾われ『受験じゅけん校こう つくられる神童しんどうたち』（ドキュメント現代げんだいの教育きょういく9）学陽書房がくようしょぼう、1979年ねん7月がつ5日にち。 

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