関せき四郎しろう

関せき 四郎しろう（せき しろう、1909年ねん3月29日にち - 1990年ねん12月12日にち）は日本にっぽんの探偵たんてい小説しょうせつ家いえ、電気でんき技師ぎし。小説しょうせつ作品さくひんに「電気でんき機関きかん車しゃ殺人さつじん事件じけん」があり、電気でんき技師ぎしとしては明電舎めいでんしゃ社長しゃちょう、電気でんき学会がっかい会長かいちょうなどを務つとめた。ペンネーム芝山しばやま 倉くら平ひらた（しばやま そうへい）は、上越線じょうえつせんの電化でんか工事こうじに関かかわっていた際さいに勤務きんむしていた事務所じむしょが、「芝しば倉沢くらさわ」という沢さわの近ちかくであったことが由来ゆらい。

関せき四郎しろうと息子むすこたち 『アサヒグラフ』 1950年ねん2月がつ1日にち号ごう

経歴けいれき

北海道ほっかいどう札幌さっぽろ市し生うまれ。北海道ほっかいどう帝国ていこく大学だいがく工学部こうがくぶ卒そつ。国鉄こくてつで技師ぎしを務つとめていた1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、専門せんもん誌し『技術ぎじゅつ』に論文ろんぶん「我国わがくにに於おける鉄道てつどう電化でんか問題もんだい」を発表はっぴょうするなど国鉄こくてつ電化でんか論ろんを強つよく唱となえており、その活動かつどうの一環いっかんとして、国民こくみんに電化でんかの必要ひつよう性せいを広ひろくアピールすることを目的もくてきに、探偵たんてい小説しょうせつ「電気でんき機関きかん車しゃ殺人さつじん事件じけん」を執筆しっぴつする。これは水谷みずたに準じゅんの元もとへ持もち込こまれ、1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）『新しん青年せいねん』に掲載けいさいされた。 鉄道てつどうを題材だいざいにした密室みっしつ殺人さつじんものとして、一部いちぶでは高たかい評価ひょうかを受うけていたが、作品さくひんはこれ一本いっぽんのみであり、長ながくその正体しょうたいが不明ふめいな「幻まぼろしの作家さっか」と言いわれていた。その後ご1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）、鮎川あいかわ哲也てつや編へんの鉄道てつどうミステリー傑作けっさく選せん『下くだり"はつかり"』（光文社こうぶんしゃ）に作品さくひんが収録しゅうろくされたことをきっかけに正体しょうたいが判明はんめいした。

「電気でんき機関きかん車しゃ殺人さつじん事件じけん」発表はっぴょう後ごは、国鉄こくてつで常務じょうむ理事りじを務つとめた後のちに、明電舎めいでんしゃ社長しゃちょう、電気でんき学会がっかい会長かいちょう、産業さんぎょう計画けいかく会議かいぎ委員いいんなどを歴任れきにんした。1990年ねん（平成へいせい2年ねん）、死去しきょ。

評価ひょうか

鮎川あいかわ哲也てつやは『下くだり"はつかり"』内ないの解説かいせつ（135-136頁ぺーじ）において、「その作風さくふうは新人しんじんらしいフレッシュネスに欠かけるかわりに、鉄道てつどうの技術ぎじゅつ者しゃが手てすさびに書かいたとでもいうふうな堅実けんじつさが特徴とくちょうとなっている」「本編ほんぺんは、作者さくしゃ自身じしんが考かんがえているであろうよりもはるかに強烈きょうれつな印象いんしょうを、読よむ者ものの胸中きょうちゅうに刻きざみつけたのである」と評ひょうしている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 鮎川あいかわ哲也てつや『幻まぼろしの探偵たんてい作家さっかを求もとめて』晶文社しょうぶんしゃ 1985年ねんISBN 978-4794959652

外部がいぶリンク

• 北山きたやま敏和としかずの鉄道てつどういまむかしホームページ・関せき四郎しろうと国鉄こくてつの電化でんか

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