飯田いいだ貞さだ固かた

飯田いいだ 貞さだ固かた
生誕せいたん	1884年ねん2月がつ18日にち 新潟にいがた県けん
死没しぼつ	(1977-09-15) 1977年ねん9月15日にち（93歳さい没ぼつ）
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん
軍ぐん歴れき	1905 - 1941
最終さいしゅう階級かいきゅう	陸軍りくぐん中将ちゅうじょう
指揮しき	第だい12軍ぐん司令しれい官かん 近衛このえ師団しだん長なが 騎兵きへい第だい3旅団りょだん長ちょう
戦闘せんとう	第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん *青島ちんたおの戦たたかい 満州まんしゅう事変じへん 第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

飯田いいだ 貞さだ固かた（いいだ さだかた、1884年ねん（明治めいじ17年ねん）2月がつ18日にち - 1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）9月15日にち）は、日本にっぽん陸軍りくぐんの軍人ぐんじん。最終さいしゅう階級かいきゅうは陸軍りくぐん中将ちゅうじょう。

経歴けいれき

新潟にいがた県けん出身しゅっしん。村長そんちょう・飯田いいだ貞一さだいちの長男ちょうなんとして生うまれる。高等こうとう小学校しょうがっこう、仙台せんだい陸軍りくぐん地方ちほう幼年ようねん学校がっこう、中央ちゅうおう幼年ようねん学校がっこうを経へて、1905年ねん（明治めいじ38年ねん）3月がつ、陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう（17期き）を卒業そつぎょう。翌月よくげつ、騎兵きへい少尉しょういに任官にんかんし近衛このえ騎兵きへい連隊れんたい付づけとなる。騎兵きへい第だい22連隊れんたい付づけなどを経へて、1912年ねん（大正たいしょう元年がんねん）11月、陸軍りくぐん大だい学校がっこう（24期き）を卒業そつぎょうした。

1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）12月、参謀さんぼう本部ほんぶ付づけ勤務きんむとなり、独立どくりつ第だい18師団しだん副官ふっかんとして青島ちんたおの戦たたかいに参加さんか。1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）11月、青島ちんたお守備しゅび軍ぐん参謀さんぼうに就任しゅうにん。1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）11月、参謀さんぼう本部ほんぶ付づけとなり、1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）6月がつより、フランス・イタリア駐在ちゅうざいとなる。1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）9月がつ、陸相りくしょう秘書官ひしょかん兼けん陸軍りくぐん省しょう副官ふっかんに就任しゅうにんし、山梨やまなし半はん造づくり陸軍りくぐん大臣だいじんに仕つかえた。

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）7月がつ、イタリア大使館たいしかん付づけ武官ぶかんとなり、陸りく大だい教官きょうかん在任ざいにん時じの1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）8月がつ、騎兵きへい大佐たいさに昇進しょうしん。近衛このえ騎兵きへい連隊れんたい長ちょう、軍務ぐんむ局きょく馬うま政まさし課長かちょう、陸軍りくぐん省しょう副官ふっかんなどを歴任れきにんし、1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）3月がつ、陸軍りくぐん少将しょうしょうに進級しんきゅうし騎兵きへい第だい3旅団りょだん長ちょうとなり、満州まんしゅう事変じへんに出動しゅつどうした。

以後いご、陸軍りくぐん騎兵きへい学校がっこう長ちょう、参謀さんぼう本部ほんぶ総務そうむ部長ぶちょうを経へて、1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）12月、陸軍りくぐん中将ちゅうじょうに進すすみ騎兵きへい監かんに就任しゅうにん。1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）8月がつ、近衛このえ師団しだん長ちょうとなり、第だい12軍ぐん司令しれい官かんを務つとめた後のち、参謀さんぼう本部ほんぶ付づけとなり、1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）4月がつ、予備よび役やくに編入へんにゅうされた。

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）11月28日にち、公職こうしょく追放ついほう仮かり指定していを受うけた。

栄典えいてん

勲章くんしょう等とう

• 1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）8月がつ15日にち - 紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん祝典しゅくてん記念きねん章あきら

外国がいこく勲章くんしょう佩用はいよう允許いんきょ

• 1906年ねん（明治めいじ39年ねん）7月がつ13日にち - プロイセン王国おうこく王冠おうかん第だい四よん等とう勲章くんしょう

エピソード

• 1937年ねん、近衛このえ師し団長だんちょうに就任しゅうにんしたが、同どう師団しだんは日にち露ろ戦争せんそう以降いこう長ながらく実戦じっせん経験けいけんがなく、盧溝橋ろこうきょう事件じけん勃発ぼっぱつ後ごも出動しゅつどう命令めいれいが下くだることがなかった。このことから、出動しゅつどう命令めいれいを受うけた他ほかの師団しだんより「あれはおもちゃの兵隊へいたいさんではないか」と陰口かげぐちをたたかれていた。たまりかねた飯田いいだは昭和しょうわ天皇てんのうと面会めんかいした折おり「将兵しょうへい一同いちどうは皆みな出征しゅっせいを希望きぼうしております」と具申ぐしん。天皇てんのうは驚おどろいて「そんなに皆みな、出でたがっているのか」と承諾しょうだくした。転任てんにん後ごの1937年ねん11月、実じつに35年ねんぶりに動員どういん下命かめいが下くだった。
• 1945年ねん日本にっぽんが敗戦はいせんの時ときに、多おおくの将兵しょうへい、民間みんかん人じんが中国ちゅうごくに滞在たいざいしていたが、その無害むがい帰国きこくについて蒋介石しょうかいせきとの交渉こうしょうに飯田いいだ貞さだ固かたがあたったとされている。その交渉こうしょうの結果けっか、多おおくの将兵しょうへい民間みんかん人じんが短期間たんきかんで無事ぶじ帰国きこくができた。蒋介石しょうかいせきは新潟にいがた県けん高田たかだに滞在たいざいしていた経験けいけんがあり、その時ときに知しり合あったといわれる。国共こっきょう内戦ないせん後ごに蒋介石しょうかいせきが台湾たいわんに逃のがれるのを援助えんじょしたのも、飯田いいだ貞さだ固かたが児玉こだま誉ほまれ士し夫おっとを通つうじて行いったとされる。出身しゅっしん地ちの新潟にいがた県けん長岡ながおか市しと柏崎かしわざき市しの境界きょうかい付近ふきんにある八石山はちこくさんの不動滝ふどうたき附近ふきんに蒋介石しょうかいせきは資金しきんを隠かくし、その資金しきんは後日ごじつ回収かいしゅうされたが、その時ときの恩おんとして観光かんこうのために蒋介石しょうかいせきは橋はしの建設けんせつを寄付きふした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん陸海りくかい軍ぐん総合そうごう事典じてん』第だい2版はん、東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2005年ねん。
• 福川ふくかわ秀樹ひでき『日本にっぽん陸軍りくぐん将官しょうかん辞典じてん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、2001年ねん。
• 外山とやま操みさお編へん『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 陸軍りくぐん篇へん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、1981年ねん。