高原たかはら五郎ごろう七なな

高原たかはら五郎ごろう七なな（たかはらごろしち）は、安土あづち桃山ももやま時代じだいから江戸えど時代じだい前期ぜんきの陶工とうこう。姓せいは竹原たけはらとも。

略歴りゃくれき

生年せいねんおよび生誕せいたん地ちは不ふ詳しょう。朝鮮ちょうせんからの渡来とらい人じんという。

一説いっせつには朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいで加藤かとう清正きよまさによって朝鮮ちょうせんから連つれてこられた陶工とうこうといい、清正きよまさの水軍すいぐん・高原こうげん水軍すいぐん^[1]に姓せいを由来ゆらいするというものがあるが確証かくしょうはなし。

慶長けいちょう年間ねんかんに豊臣とよとみ秀吉ひでよしに御用ごよう焼物やきもの師しとして仕つかえた。

慶長けいちょう19年ねん（1614年ねん）からの大坂おおさかの陣じんでは浪人ろうにん衆しゅうに名前なまえがあり、数すう百ひゃく挺ていにも及およぶ石火矢いしびやの大砲たいほうを制作せいさくし、徳川とくがわ方かたに損害そんがいを与あたえた。

戦後せんご元和がんわ元年がんねん（1615年ねん）から5年ねん（1619年ねん）の間あいだに博多はかたから伊万里いまりへと移うつった。

五郎ごろう七ななは李り参さん平ひらた・家永いえなが庄しょう右みぎ衛門えもんらと泉山いずみやまで陶すえ石せきを発見はっけんし^[2]、佐賀さが藩はんから無税むぜいでの採掘さいくつを許ゆるされた。

椎しいノ峰みね窯かまで7年ねん間作かんさく陶すえに励はげみ、寛永かんえい年間ねんかん^[3]には初代しょだい柿かき右みぎ衛門えもんに指導しどうを施ほどこしたという。

五郎八茶碗ごろはちぢゃわんの開発かいはつ^[4]などをするが、有田ありたの南川原みなみかわらや岩屋川内いわやがわちなど肥前ひぜん内うちを転々てんてんとした。

弟子でしの今村いまむら三之さんの丞すすむ^[5]が釉薬調合ちょうごう法ほうを盗ぬすみ、逃亡とうぼうする事件じけんがあった^[6]。

寛永かんえい10年ねん（1633年ねん）糸島いとしまで陶工とうこうとして必要ひつような道具どうぐ類るいをすべて谷たにに投なげ捨すてると、姿すがたを消けした。

流浪るろうの末すえ病死びょうししたという。

^ 瀬戸内海せとないかいの直島なおしまを拠点きょてん。
^ 五郎ごろう七ななは南川原みなみかわらに来きて「その辺あたりの川かわを見みたら明礬みょうばんが流ながれているのを見みつけ、上流じょうりゅうに上質じょうしつの土どがあるはずと考かんがえ川筋かわすじを上のぼったところ泉山いずみやまに白土しらつちがあるのを見出みいだした」(六ろく代だい柿かき右みぎ衛門えもん『口上こうじょう手続てつづき覚さとし』)
^ 4年間ねんかん
^ 五郎ごろう七ななが製作せいさくし、高原こうげん五郎八ごろうはち（不ふ詳しょう）が販売はんばいした。
^ 熊川くまかわの巨きょ関せきの息子むすこ。平戸ひらど島中しまなか野のに築ちく窯かまして中野なかの焼しょうを創つくる。
^ 後のちに松浦まつうら家かのもと三川内みかわうち長ちょう葉山はやまに新しん窯かまを構かまえた。