B.A.T.M.A.N.

B.A.T.M.A.N.
開発元かいはつもと	Freifunk（英語えいご版ばん）
最新さいしん版ばん	2022.0 / 2022年ねん2月がつ3日にち (2年ねん前まえ)
プログラミング; 言語げんご	C
対応たいおうOS	Unix-like
サポート状じょう況きょう	Active
種別しゅべつ	ルーティングプロトコル
ライセンス	GPL
公式こうしきサイト	https://www.open-mesh.org/
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Better Approach To Mobile Adhoc Networking (B.A.T.M.A.N.) とは、ドイツの "Freifunk" コミュニティが開発かいはつするマルチホップ（英語えいご版ばん）・モバイルアドホックネットワーク用ようルーティングプロトコルである。リンクステートルーティングプロトコル、OSLR（英語えいご版ばん）を置おき換かえることを意図いとしている。

B.A.T.M.A.N. の重要じゅうような特徴とくちょうとして、ネットワーク内ないの最良さいりょうルートに関かんする知識ちしきが非ひ集中しゅうちゅう管理かんりされることである。すなわち、全すべてのデータを持もつノードは一ひとつも存在そんざいしない。この技術ぎじゅつによりネットワークに関かんする情報じょうほうをネットワーク内ないの全ぜんノードに拡散かくさんする必要ひつようがなくなる。個々ここのノードはデータを受取うけとり先さきと送おくり先さきの「方向ほうこう」を適宜てきぎ保存ほぞんする。データはノートからノードへと受うけ渡わたしされ、パケットは個々ここに、動的どうてきにルーティングされる。集合しゅうごう知ちネットワークが構築こうちくされる。

2007年ねん初頭しょとう、B.A.T.M.A.N. 開発かいはつ者しゃらはレイヤー3ではなくレイヤー2（イーサネット層そう）におけるルーティングというアイデアの試験しけんを始はじめた。レイヤー3ルーティングデーモンとの区別くべつのため、 "adv" (advanced) というサフィックスが採用さいようされた。ルーティングテーブルの操作そうさのためには UDP パケットを送信そうしんするのではなく、仮想かそうネットワークインターフェイスを作成さくせいして透過とうか的てきに独自どくじのパケットをやりとりする。 batman-adv カーネルモジュールはバージョン 2.6.38 から公式こうしきな Linux カーネルの一部いちぶとなっている^[2]。

動作どうさ

B.A.T.M.A.N. は古典こてん的てきルーティングプロトコルの要素ようそを備そなえている。他たの B.A.T.M.A.N. ノードを検知けんちし、そこに到達とうたつするのに最適さいてきな経路けいろ（ルート）を探索たんさくする。また、新あらたなノードの追跡ついせきも行おこない、近隣きんりんノードにその存在そんざいを通知つうちする。

静的せいてきネットワークにおいては、ネットワーク管理かんり者しゃおよび技術ぎじゅつ者しゃがどのコンピュータにどの経路けいろ・ケーブルを通つうじて到達とうたつすべきかを決定けっていする。しかし、無線むせんネットワークは常つねに変化へんかをしておりかつ参入さんにゅう障壁しょうへきも低ひくいため、"Freifunk" ネットワークの基礎きその重要じゅうような一部いちぶとして、このタスクをできるかぎり自動じどう化かする必要ひつようがある。

各かくノードはある一定いっていの間隔かんかくでブロードキャストを行おこない、これによってその存在そんざいを全すべての近隣きんりんノードに通知つうちする。近隣きんりんノードはこのメッセージを自じノードの近隣きんりんノードに中継ちゅうけいし、これが繰くり返かえされる。このようにして、ネットワーク内ないの全ぜんノードに情報じょうほうが拡散かくさんされる。特定とくていノードへの最適さいてき経路けいろの探索たんさく時じのために、B.A.T.M.A.N. ではこのオリジネーターメッセージが計数けいすうされ、どの近隣きんりんノードからそのメッセージが届とどいたかが記録きろくされる。

距離きょりベクトルプロトコルと同おなじように、B.A.T.M.A.N. では経路けいろ全体ぜんたいを決定けっていするのではなく、前述ぜんじゅつのオリジネーターメッセージを用もちいてパケットの一いち歩ほ目めを正ただしい方向ほうこうへと送おくり出だすことのみを行おこなう。データはその方向ほうこうの次つぎの近隣きんりんノードに受うけ渡わたしされ、今度こんどはそのノードで同おなじ仕組しくみが使つかわれる。この過程かていが宛先あてさきにデータが到達とうたつするまで繰替くりかえされる。

B.A.T.M.A.N. は無線むせんネットワークの他ほかにも、イーサネットなどの一般いっぱん的てきな有線ゆうせん接続せつぞくでも使つかうことができる。

歴史れきし

課題かだいは、できるかぎり簡潔かんけつで、小ちいさく、高速こうそくなプロトコルを創出そうしゅつすることであった。したがって、開発かいはつを数すう段階だんかいに分わけ、反復はんぷく過程かていを通つうじて複雑ふくざつな機能きのうを実装じっそうしていくことが賢明けんめいであると思おもわれた。

バージョン 1

最初さいしょの段階だんかいとして、ルーティングアルゴリズムが実装じっそうされ、実際じっさいの課題かだいに対たいする実用じつよう性せいと適性てきせいが試験しけんされた。オリジネーターメッセージ（ノードの存在そんざいについての情報じょうほう）を送受信そうじゅしんするためには、UDP ポート 1966 が使つかわれた。

バージョン 2

バージョン 1 のアルゴリズムでは、存在そんざいデータを受信じゅしんできたノードはその時点じてんでデータを送おくり返かえすことも可能かのうと考かんがえるという重大じゅうだいな仮定かていが用もちいられていた。しかし、無線むせんネットワークでは、通信つうしんが一方向いちほうこうにのみ可能かのうであるという、非対称ひたいしょうリンクと呼よばれる状況じょうきょうが十分じゅうぶんにありうる^[3]。この状況じょうきょうを許容きょようし、これによって引ひき起おこされる問題もんだいに対処たいしょするための仕組しくみが組くみ込こまれた。この仕組しくみにより、ノードは近隣きんりんノードとの双方向そうほうこう通信つうしんが可能かのうかどうかを判断はんだんすることができるようになった。双方向そうほうこう通信つうしんの可能かのうなノードのみがネットワークの一部いちぶとみなされ、一方いっぽう向こうノードは完全かんぜんには組込くみこまれなくなった。

バージョン 3

このバージョンの B.A.T.M.A.N. における最もっとも大おおきな新しん機能きのうは、複数ふくすうネットワーク機器きき（英語えいご版ばん）のサポートである。B.A.T.M.A.N. を実行じっこうするコンピュータを教会きょうかいその他たの高たかい建物たてものに設置せっちし、複数ふくすうの有線ゆうせんおよび無線むせんネットワークインターフェースを接続せつぞくすることによって、再さい送信そうしんディレイなしに多方向たほうこうへネットワークデータを中継ちゅうけいできるようになった。

最適さいてき経路けいろ探索たんさくに際さいし、特定とくていの稀まれな現象げんしょうや特別とくべつな状況じょうきょうが生しょうじうる。これらに対たいする取とり組くみと、発生はっせいするとデータが目的もくてき地ちに到達とうたつできなくなる循環じゅんかんルーティングを防ふせぐための対処たいしょが行おこなわれた。

インターネットへのアクセスを提供ていきょうするノードはそのことをネットワークに通知つうちすることができる。この情報じょうほうを使つかって他たのノードは近隣きんりんにインターネット接続せつぞくがあるかどうかと、どれだけの帯域たいいき幅はば（英語えいご版ばん）が利用りよう可能かのうかを評価ひょうかする。また、特定とくていのゲートウェイを使つかうことも B.A.T.M.A.N. に接続せつぞく速度そくどなどの基準きじゅんに基もとづいてどのゲートウェイを使つかうかを決きめさせることもできる。

このバージョンでは、B.A.T.M.A.N. を自分じぶんでは実行じっこうしていない機器ききの通知つうち機能きのうが追加ついかされた。通常つうじょう、この手法しゅほうは家庭かてい内ないネットワークをメッシュネットワークに接続せつぞくするために用もちいられる。B.A.T.M.A.N. を通つうじて無線むせんネットワークに接続せつぞくするためのアンテナを家いえの屋根やねに設置せっちし、建物たてもの内ないの残のこりの機器ききを単たんに通知つうちすることでこれらも到達とうたつ可能かのうとなる。

このバージョンの B.A.T.M.A.N. は高たかい安定あんてい性せいを示しめしたが、実じつ運用うんよう条件じょうけんでは若干じゃっかん収束しゅうそく時間じかんが遅おそいことが示しめされた^[4]。このことは理論りろん的てき解析かいせきからも確認かくにんされた^[5]。

BMX6

BatMan-eXperimental (BMX) は OGM を別々べつべつのブロードキャストデータグラムで複ふく数すう回かい送おくることにより実際じっさいの代表だいひょう者しゃを推定すいていすることを狙ねらっている^[6]。

バージョン 4

^[7]

バージョン 5