en-taxi

『en-taxi』（エンタクシー）は、扶桑社ふそうしゃから刊行かんこうされていた文芸ぶんげい誌し。編集へんしゅう人じんは田中たなか陽子ようこ。編集へんしゅうは生田いくた敦あつし。発行はっこう部数ぶすうは約やく2万まん5千せん。

概要がいよう

• 2009年ねんまでは季刊きかん誌し（3月がつ、6月がつ、9月、12月の月末げつまつ刊行かんこう）であったが、2010年ねんから年とし3回かい刊かん（3月がつ、7月がつ、11月の月末げつまつ刊行かんこう）に変更へんこう。超ちょう世代せだい文芸ぶんげいクオリティマガジンと銘打めいうっている。2003年ねんに創刊そうかんされ、柳美里ゆうみり、福田ふくだ和也かずや、坪内つぼうち祐三ゆうぞう、リリー・フランキーが責任せきにん編集へんしゅうとして共同きょうどうで編集へんしゅうを行おこなっていたが、No.19から柳やなぎが外はずれた（理由りゆうは後述こうじゅつ）。

• リリー・フランキーが4年ねんの歳月さいげつをかけて執筆しっぴつした『東京とうきょうタワー ～オカンとボクと、時々ときどき、オトン～』が同どう誌上しじょうで創刊そうかん号ごうからNo.9まで全ぜん9回かい、2年間ねんかんに渡わたり連載れんさいされ、単行本たんこうぼんが2005年ねん6月がつに扶桑社ふそうしゃより発売はつばい。200万まん部ぶを超こえる大だいベストセラーとなり、「本屋ほんや大賞たいしょう2006」の受賞じゅしょう、続つづいてテレビドラマ化か、映画えいが化か、舞台ぶたい化かもされた。編集へんしゅう人じんの壱岐いき真ま也は扶桑社ふそうしゃの社長しゃちょう賞しょうを受うけた。

• 福田ふくだ和也かずやと壱岐いき真ま也（初代しょだい編集へんしゅう人じん）が発案はつあんした雑誌ざっしであり、福田ふくだが教鞭きょうべんを揮ふるう慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくでのゼミ生せい・院生いんせい等とうの教おしえ子ごを多おおく登用とうようしている。編集へんしゅうの生田いくた敦あつしも福田ふくだゼミ出身しゅっしん。

• No.19から柳美里ゆうみりが編集へんしゅう同人どうじんから外はずれた理由りゆうとして、柳やなぎは「柳やなぎ里美さとみの今日きょうの出来事できごと」07年ねん09月がつ29日にちに「『en-taxi』の長塚ながつか圭史けいし特集とくしゅうを見みて、不快ふかいのあまり目眩めまいがした。何故なぜ、坪内つぼうちさんと、この編集へんしゅう部ぶのひとたちは、糞くそツマラナイ芝居しばいをやってる男おとこを大々的だいだいてきに特集とくしゅうしているのだろう？見みる目めがナイ、としかいいようがない。」「こういう価値かち観かん（感性かんせい）のひととは、間違まちがっても、いっしょにモノはつくれません。」「きっと喧嘩けんかを売うってるんでしょうね。」「今回こんかいの長塚ながつか特集とくしゅうを見みて、わたしは決心けっしんしました。もう、＜責任せきにん編集へんしゅう＞として名前なまえを連つらねることはできません。」と記しるしている。また、「柳やなぎ里美さとみの今日きょうの出来事できごと」07年ねん06月がつ21日にちには「阿佐ヶ谷あさがやスパイダース、サイテー！ 高校こうこう演劇えんげき以下いかのチョーチョー低てい低てい低てい低てい低ていレベル、「ツマンネー！」と何なん度ど客席きゃくせきからヤジろうと思おもったことか。ヤジらなかったジブンを「歳とし食くったな」と情なさけなく思おもうほど、つまんなかった。席せきは立たてないんですよ、スズナリでぎゅうぎゅう詰つめだったから。あっついし、つっまんないし、クソですよ、クソッ！長塚ながつか圭史けいしッ！クソッ！ 生うまれてはじめてだよ、芝居しばい観みて拍手はくしゅしなかったのはッ！」と記しるしており、自身じしんが携たずさわる雑誌ざっしで、以前いぜんから批判ひはんしていた長塚ながつかの特集とくしゅうを組くむことに対たいし、不満ふまんを抱かかえいる様子ようすが窺うかがえる。また、日刊にっかんサイゾーの2007年ねん10月がつ1日にちの記事きじ「柳美里ゆうみりが＜責任せきにん編集へんしゅう＞の座ざを投なげ捨すてて「en-taxi」と大だいケンカ中ちゅう！？」では「「責任せきにん編集へんしゅう」である柳やなぎ先生せんせいに黙だまってこの企画きかくを進すすめたことが、彼女かのじょの逆鱗げきりんに触ふれたらしいのだ。」という噂うわさが記しるされている。詳細しょうさいは柳やなぎ自身じしんが『創そう』2007年ねん11月がつ号ごうの「責任せきにん編集へんしゅうって？」で発表はっぴょうしている。なお、No.19では柳やなぎは責任せきにん編集へんしゅうのクレジットから既すでに外はずれており、No.17から連載れんさいが始はじまった柳やなぎの「ハズレ」と「Waterless Pool」は共ともに休載きゅうさいされている。
• 柳美里ゆうみりが編集へんしゅう同人どうじんから外はずれて以降いこう、しばらく３人にん体制たいせいが続つづいたが、No.34より重松しげまつ清きよしが新あらたに編集へんしゅう同人どうじんとして参加さんかしている。主おもに「このひとについての一いち万まん六ろく千せん字じ」の連載れんさいを担当たんとうし、伊集院いじゅういん静しず、浦沢うらさわ直樹なおき、是枝これえだ裕和ひろかず、いとうせいこうといった文化ぶんか人じんなどを自みずから取材しゅざいし、記事きじを書かいている。

• 2015年ねん11月発売はつばいの46号ごうで休刊きゅうかんとなった。扶桑社ふそうしゃは「これまでの刊行かんこうスタイルとしてはある程度ていどの役割やくわりを果はたし終おえた。今後こんごは新あらたな出版しゅっぱんの可能かのう性せいを探さぐる」と発表はっぴょう。

単行本たんこうぼん化かされた連載れんさい作品さくひん

• リリー・フランキー『東京とうきょうタワー　オカンとボクと、時々ときどき、オトン』（扶桑社ふそうしゃ、2005年ねん6月がつ）
• 福田ふくだ和也かずや『俺おれはあやまらない』（扶桑社ふそうしゃ、2007年ねん3月がつ）
• 柳美里ゆうみり『黒くろ』（扶桑社ふそうしゃ、2007年ねん7月がつ）
• 坪内つぼうち祐三ゆうぞう『アメリカ　村上むらかみ春樹はるきと江藤えとう淳あつしの帰還きかん』（扶桑社ふそうしゃ、2007年ねん12月がつ）
• 生田いくた紗しゃ代だい『たとえば、世界せかいが無数むすうにあるとして』（扶桑社ふそうしゃ、2007年ねん12月がつ）
• 立川たちかわ談だん春はる『赤あかめだか』（扶桑社ふそうしゃ、2008年ねん4月がつ）
• 前田まえだ司郎しろう『夏なつの水みずの半はん魚さかな人じん』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん2月がつ）
• 湯浅ゆあさ学まなぶ『あなのかなたに』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん2月がつ）
• 佐藤さとう和歌子わかこ『角川かどかわ春樹はるき句会くかい手帖てちょう』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん4月がつ）
• 亀かめ和田わだ武たけし、坪内つぼうち祐三ゆうぞう『倶楽部くらぶ亀かめ坪つぼ』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん7月がつ）
• 坂本さかもと忠雄ただお『文学ぶんがくの器うつわ』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん8月がつ）
• ECD『暮くらしの手帖てちょう』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん9月がつ）
• 坪内つぼうち祐三ゆうぞう『風景ふうけい十じゅう二に』（扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん10月がつ）
• 福田ふくだ和也かずや『アイポッドの後のちで、叙情詩じょじょうしを作つくることは野蛮やばんである。』（扶桑社ふそうしゃ、2010年ねん3月がつ）
• 松本まつもと尚久なおひさ『芸げいと噺はなしと―落語らくごを考かんがえるヒント』（扶桑社ふそうしゃ、2010年ねん5月がつ）
• 重松しげまつ清きよし『また次つぎの春はるへ』（扶桑社ふそうしゃ、2013年ねん3月がつ）
• 佐伯さえき一いち麦むぎ『光ひかりの闇やみ』（扶桑社ふそうしゃ、2013年ねん4月がつ）

関連かんれん項目こうもく

• 福田ふくだ和也かずや
• 柳美里ゆうみり
• 坪内つぼうち祐三ゆうぞう
• リリー・フランキー
• 重松しげまつ清きよし

外部がいぶリンク

• 超ちょう世代せだい文芸ぶんげいクオリティマガジン『en-taxi』
• 扶桑社ふそうしゃ