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High Definition Audio

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アナログコーデックチップのれい (Realtek ALC882)

High Definition Audio(ハイディフィニション オーディオ)はAudio Codec 97 (AC '97) の後継こうけい規格きかくとしてインテルが2004ねん1がつ提唱ていしょうした[1]サウンドインターフェース標準ひょうじゅん規格きかくである。2004ねん4がつ15にち最初さいしょのRev.1.0が発表はっぴょうされ[2]、2010ねん6がつ17にち曖昧あいまい記述きじゅつやエラッタとう修正しゅうせいしたリビジョン 1.0a は公表こうひょうされ、現代げんだいのPCにおいて標準ひょうじゅんてきなサウンドシステムであり、またソフトウェアがわからたPCサウンドの定義ていぎしている。一般いっぱんHD Audio(エイチディー オーディオ)またはHDA(エイチディーエー)とりゃくしてしょうされることがおおく、ほんこうにおいても以降いこうはHD Audioと略称りゃくしょうする。開発かいはつのコードネームからAzalia(アザリア)ともばれ、一部いちぶマザーボードBIOSではコードネームのまま表記ひょうきされている製品せいひん存在そんざいする。

概要がいよう

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1996ねん制定せいていされたAC '97は短期間たんきかんひろ普及ふきゅうしPCサウンド機能きのう主流しゅりゅうとなっていた。しかしAC '97はその規格きかくじょうサラウンドシステムチャンネルデジタルオーディオや、よりたかビットレート音源おんげんコンテンツへの対応たいおうなど規格きかく自体じたい上限じょうげんがあり、拡大かくだいするPCのマルチメディア用途ようと対応たいおうしきれなかった。そのためAC '97の後継こうけい規格きかくとしてHigh Definition Audioがインテルにより制定せいていされた。従来じゅうらいのAC '97と同様どうよう論理ろんりコントローラとアナログコーデックを分離ぶんりする構造こうぞうっているが、アナログ信号しんごう入出力にゅうしゅつりょくになうアナログコーデックチップはAC '97のものと外見がいけんてき酷似こくじしているが電気でんきてき互換ごかんせい[1]、システム基板きばんじょう実装じっそうされるフロントオーディオジャックようピンヘッダの配列はいれつもAC '97とは互換ごかんせい考慮こうりょされていない。ただしマザーボードの製造元せいぞうもとにおいてマザーボードのフロントサウンド入出力にゅうしゅつりょく端子たんしブロックを物理ぶつりてき同一どういつにし、そのピンアサインを HD Audio とAC '97 とに設定せっていにてける設計せっけい過渡かとには採用さいようしていた。

HD Audio の規格きかくじょう、AC '97を圧倒あっとうする本格ほんかくオーディオ機器ききにも匹敵ひってきする高音こうおんしつデータをあつかえるスペックではあるが、実際じっさい音質おんしつにはプリント基板きばんのパターンや各種かくしゅパーツのハードウェアの実装じっそうおおきく影響えいきょうする。たとえば、ていコストでつくられたオンボード実装じっそうであれば、てい周波しゅうはアナログオーディオ回路かいろ高速こうそく高周波こうしゅうはデジタル回路かいろとの電気でんきてき回路かいろ分離ぶんり不充分ふじゅうぶんになりがちであり[注釈ちゅうしゃく 1]専用せんようHi-Fiオーディオ機器ききくらべてデジタル機器ききはっする各種かくしゅノイズの遮蔽しゃへい安定あんていした直流ちょくりゅう電力でんりょく供給きょうきゅうむずかしいため、カタログスペックよりもひくいS/Nになりがちである。また、HD Audioは規格きかくじょう上限じょうげんとしてステレオサンプリング周波数しゅうはすうは192 kHzまで、量子りょうしビットすうは32 bitのデータストリーム(リニアPCMfloat32AC3)まで対応たいおうしている[2]:206が、すべてのHD Audio対応たいおう機器ききがこのようなストリームをあつかえることを意味いみするものではないてん注意ちゅうい必要ひつようである。

HD Audio規格きかく特徴とくちょう

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  • サンプリング周波数しゅうはすう 192 kHz量子りょうしビットすう 32ビットまでのデータストリームに対応たいおう
  • 最大さいだい 192 kHzきろへるつ / 16 bit × 8チャネル、または 96 kHzきろへるつ / 32 bit にて8チャンネルステレオサラウンドに対応たいおう
  • 15ストリームまでの並行へいこう処理しょり対応たいおう
  • アレイマイクによる複数ふくすうチャンネルでの同時どうじ入力にゅうりょく対応たいおう
  • 48 Mbit/s帯域たいいき専用せんようバスでアナログコーデックと論理ろんりコントローラをリンク
  • 接続せつぞく端子たんし変更へんこう機能きのうによるユーザビリティの向上こうじょう
  • ハードウェア互換ごかんせい向上こうじょう

普及ふきゅう

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HD Audioは2004ねん発表はっぴょうされたインテルしゃI/O コントローラー・ハブ ICH6搭載とうさいされて登場とうじょうした。その搭載とうさい製品せいひんえ、2006ねんころにはほぼAC '97をえることに成功せいこうしている。

HD Audio規格きかく準拠じゅんきょアナログコーデックチップを製造せいぞうしているおもなメーカー

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ PCのヘッドホンジャックからてくる信号しんごうに「ブーン」とハムノイズはい[3]のは典型てんけいてきなオーディオ回路かいろとその回路かいろとのデカップリング不良ふりょうであり、設計せっけいわるいものはCPUやハードディスクとう動作どうさおうじて電源でんげん重畳ちょうじょうした特徴とくちょうてきなノイズがはいる、といった問題もんだいがあった。ノイズ一般いっぱん解説かいせつについては、デカップリングコンデンサの製造元せいぞうもと記事きじくわしい[4]

出典しゅってん

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  1. ^ a b 藤本ふじもとけん (2004ねん9がつ6にち). “Intelのしん規格きかく「HD Audio」を検証けんしょうする 〜 前編ぜんぺん対応たいおうマザーボードを使つかって環境かんきょう構築こうちく”. AV Watch. インプレス. 2024ねん5がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ a b (英語えいご) (PDF) High Definition Audio Specification. インテル. (2010-06-17). https://www.intel.co.jp/content/dam/www/public/us/en/documents/product-specifications/high-definition-audio-specification.pdf 2024ねん5がつ4にち閲覧えつらん 
  3. ^ 藤本ふじもとけん (2019ねん2がつ4にち). “「パソコンのおとわるい」はたりまえ? オーディオ出力しゅつりょく性能せいのう数値すうち比較ひかく”. AV Watch. インプレス. 2024ねん5がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ ノイズ対策たいさく 基礎きそ講座こうざだい1だい3しょう ノイズ問題もんだい複雑ふくざつにする要因よういん”. 村田製作所むらたせいさくしょ. 2024ねん5がつ4にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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