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KSこう

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KSこう(KSこう、えい: KS steel)は、コバルトタングステンクロム炭素たんそふくてつ合金ごうきん磁石じしゃくこう)である[1]。また世界せかいはつ永久えいきゅう磁石じしゃく[2][3]であり、KS磁石じしゃくこうとも[4][5]

歴史れきし

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KSこう開発かいはつ以前いぜんおもにタングステンをやく6 %ふくむタングステンこう磁石じしゃくこうとしてもちいられてきたが、だいいち世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつ輸入ゆにゅう途絶とだえてしまった[1]。1916ねん大正たいしょう5ねん)、ぐんから要請ようせい[6]てつ磁性じせい研究けんきゅうんだ[3]。その結果けっか、1917ねん大正たいしょう6ねん)に東北とうほく帝国ていこく大学だいがく本多ほんだ光太郎こうたろう高木たかぎひろしによって発明はつめいされ、当時とうじとしては世界せかい最強さいきょう永久えいきゅう磁石じしゃくはがねとして脚光きゃっこうびた。また、同年どうねん特許とっきょ出願しゅつがん[7](32234ごう)、特許とっきょけん住友すみともよし左衛門さえもん無償むしょう譲渡じょうとした[1]。これをもとに住友すみともえいべいどくふつ特許とっきょ請求せいきゅうどくシーメンスしゃべいウェスティングハウスしゃ採用さいようするにいたり、その特許とっきょりょう住友すみとも東北とうほく帝国ていこく大学だいがくに30まんえん当時とうじ金額きんがく)を寄贈きぞうした[1]

KSこう発明はつめいが、計測けいそく機器きき性能せいのう向上こうじょうさせ、工業こうぎょう発展はってん貢献こうけん[8]、さらに日本にっぽんでの磁性じせい材料ざいりょう研究けんきゅう活発かっぱつになるきっかけをつくった[3][1]

1931ねん昭和しょうわ6ねん)に、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく三島みしま徳七とくしちがKSこうの2ばい磁力じりょくゆうするMKこう開発かいはつするが[3]、1934ねん昭和しょうわ9ねん)の本多ほんだらによるしんKSこうは、ふたた最強さいきょう磁石じしゃくとなった[3]

名前なまえ由来ゆらい

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KSとは、本多ほんだらが所属しょぞくする東北とうほく帝国ていこく大学だいがく臨時りんじ理化学研究所りかがくけんきゅうしょ金属きんぞく材料ざいりょう研究所けんきゅうじょ)に多額たがく研究けんきゅう寄付きふした住友すみともよし左衛門さえもん住友すみともグループ前身ぜんしん住友すみともそう本店ほんてん店主てんしゅ住友すみともだい15代目だいめ当主とうしゅ)のイニシャルである[1][3]

構造こうぞう

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コバルト・タングステン・クロムをふく特殊とくしゅこうであり、その組成そせい範囲はんいはコバルト30〜40 %、タングステンが5〜9 %、クロムが1.5〜3 %、炭素たんそが0.4〜0.8 %でのこりがてつである合金ごうきんである[4][9]

磁力じりょく

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当時とうじ高性能こうせいのう磁石じしゃくであったタングステンこうやく70エルステッド)のやく3ばい磁力じりょく(250エルステッド)をゆうした[10][1][3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g 石本いしもと賢一けんいち (2008). 先達せんだつとの出逢であきむけん物語ものがたり だい (PDF). KINKEN (東北大学とうほくだいがく 金属きんぞく材料ざいりょう研究所けんきゅうじょ) 57 (Autumn). http://www.imr.tohoku.ac.jp/media/files/public/archive/kinken_story/mono-57.pdf 2023ねん4がつ17にち閲覧えつらん. 
  2. ^ 世界せかいはつちょう強力きょうりょく永久えいきゅう磁石じしゃく』は日本人にっぽんじん開発かいはつ”. ニッポン放送にっぽんほうそう ラジオAM1242+FM93. 2019ねん12月26にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g h 木村きむら康夫やすおしん材料ざいりょう先駆せんくしゃたち」『鋳造ちゅうぞう工学こうがくだい69かんだい11ごう、1997ねん、947-948ぺーじdoi:10.11279/jfes.69.9472023ねん4がつ17にち閲覧えつらん 
  4. ^ a b 勝木かつき渥「KS磁石じしゃくこう発明はつめい過程かてい(Ⅰ)」『科学かがく研究けんきゅうだい23かんだい150ごう日本にっぽん科学かがく学会がっかい、1984ねん、96-109ぺーじdoi:10.34336/jhsj.23.150_96 
  5. ^ 勝木かつき渥「KS磁石じしゃくこう発明はつめい過程かてい(Ⅱ)」『科学かがく研究けんきゅうだい23かんだい151ごう日本にっぽん科学かがく学会がっかい、1984ねん、150-161ぺーじdoi:10.34336/jhsj.23.151_150 
  6. ^ 岡本おかもと少将しょうしょう要請ようせいした、との記述きじゅつがある[3]
  7. ^ 本多ほんだ光太郎こうたろうのKSこう特許とっきょ小山こやま特許とっきょ事務所じむしょ”. 2019ねん12月26にち閲覧えつらん
  8. ^ 北九州きたきゅうしゅうイノベーションギャラリー|Kitakyushu Innovation Gallery & Studio [KIGS]”. kigs.jp. 2019ねん12月26にち閲覧えつらん
  9. ^ コバルト30〜35 %、タングステンが4〜7 %、クロムが2〜5 %、炭素たんそが0.8 %とする資料しりょうもある(木村きむら康夫やすお 1997)。
  10. ^ データベース|磁石じしゃくはマグネットワールド【株式会社かぶしきがいしゃろく製作所せいさくしょ】 - 本多ほんだ光太郎こうたろうが『KSこう』を開発かいはつする”. www.26magnet.co.jp. 2019ねん12月26にち閲覧えつらん