M65 280mmカノン砲ほう

M65 280mmカノン砲ほう

M65 280mmカノン砲ほうはアメリカ陸軍りくぐんが戦後せんご1953年ねんから1963年ねんまで運用うんようしていた野戦やせん重砲じゅうほう。核かく砲弾ほうだん射撃しゃげきを任務にんむとしアトミックキャノン（原子げんし砲ほう Atomic Cannon）と呼よばれた。1955年ねん4月がつから1962年ねん12月がつまで、西にしドイツ、韓国かんこく、沖縄おきなわに配備はいびされていた。

概要がいよう

普天間ふてんま地区ちくで発射はっしゃ準備じゅんび作業さぎょう中ちゅうの280mm原子げんし砲ほう (1956年ねん7月がつ17日にち)

1953年ねんに行おこなわれたアップショット・ノットホール作戦さくせんグレイブル実験じっけん。M65 280mmカノン砲ほうで発射はっしゃ。核かく出力しゅつりょくは広島ひろしまに投下とうかされたのと同おなじ15kt。

アップショット・ノットホール作戦さくせんグレイブル実験じっけんのビデオ

陸軍りくぐんのピカティニー・アーセナルにて1949年ねんから開発かいはつが開始かいしされた。当初とうしょは口径こうけい240mm程度ていどで検討けんとうされていたが、核兵器かくへいきの小型こがた化かに限界げんかいがあり、口径こうけい280mmとなった。1953年ねんから配備はいびが開始かいしされている。

M65は自力じりき移動いどうはできず、砲ほうの前後ぜんごにはコンチネンタル製せいAO-895-4ガソリンエンジンで駆動くどうする2両りょうの特製とくせいトレーラー「M249」「M250」を連結れんけつし移動いどうを行おこなった。移動いどう状態じょうたいから射撃しゃげき状態じょうたいへの変更へんこうは約やく15分ふんかかり、移動いどう状態じょうたいへの変更へんこうも同どう程度ていどの時間じかんを要ようする。

1953年ねん5月がつ25日にちにネバダ核かく実験じっけん場じょうにてW9核かく砲弾ほうだんの実じつ射しゃを伴ともなう核かく実験じっけん（アップショット・ノットホール作戦さくせんグレイブル実験じっけん）が国防こくぼう長官ちょうかんや統合とうごう参謀さんぼう本部ほんぶ議長ぎちょう列席れっせきのもとで実施じっしされた。核かく砲弾ほうだんの実じつ射い試験しけんはこの1回かいのみである。

M65は20門もんが生産せいさんされ、ヨーロッパと韓国かんこくと沖縄おきなわに配備はいびされた。敵てきの目標もくひょうとならないために、設置せっち位置いちは頻繁ひんぱんに変更へんこうされた。

1955年ねん10月がつ25日にち、宜野座ぎのざのキャンプ・ハーディーで試射ししゃをおこなった際さい、100メートル先さきの松田まつだ小学校しょうがっこうの児童じどう4人にんが衝撃しょうげきで飛とび散ちったガラスが突つき刺ささり怪我けがをする事件じけんがおこった。また普天間ふてんま飛行場ひこうじょうでもM65を射撃しゃげきしていた米べい軍ぐんの記録きろく写真しゃしんが公文書こうぶんしょ館かんに残のこされている。米国べいこく国防総省こくぼうそうしょうによると、沖縄おきなわには1955年ねん12月から1960年ねん6月がつまで配備はいびされていたとある。

配備はいび核かく砲弾ほうだんは1952年ねんからW9が用もちいられ、1955年ねんから1957年ねんにかけて改良かいりょう型がたのW19に更新こうしんされた。W9およびW19は両方りょうほうとも80発はつが生産せいさんされている。

核兵器かくへいきの小型こがた化かやミサイル搭載とうさいなどによりM65は旧式きゅうしき化かしたが、1963年ねんまでは配備はいびされていた。

要目ようもく

朝鮮半島ちょうせんはんとうに配備はいびされたM65 280mmカノン砲ほう

• 重量じゅうりょう：83.3t
• 長ながさ：25.6m
• 幅はば：4.9m
• 高たかさ：3.7m
• 操作そうさ人員じんいん：5-7名めい
• 口径こうけい：280mm
• 射程しゃてい：約やく30km
• 使用しよう核かく砲弾ほうだん：W9、W19