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Nautilus-X

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Nautilus-X
Nautilus-X 宇宙船うちゅうせん
所属しょぞく NASA
目的もくてき 多様たよう有人ゆうじん探査たんさミッション
観測かんそく対象たいしょう 地球ちきゅう, つき, 火星かせい
計画けいかく期間きかん 1-24かげつ[1]
打上うちあ 複数ふくすう大型おおがたロケットまたは商業しょうぎょうてきなロケット[2]
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Nautilus-XNon-Atmospheric Universal Transport Intended for Lengthy United States eXploration、長期ちょうき米国べいこく宇宙うちゅう探査たんさのための大気圏たいきけんがい宇宙うちゅう輸送ゆそう手段しゅだん)は、アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく (NASA) の Technology Applications Assessment Team により2011ねん構想こうそうされた多目的たもくてき宇宙うちゅう探査たんさふね宇宙船うちゅうせんは6めい乗員じょういんによる長期ちょうき(1-24かげつ)の宇宙うちゅう空間くうかんたび想定そうていして設計せっけいされており、微小びしょう重力じゅうりょく環境かんきょうにおける人体じんたいへの影響えいきょうおさえるため、遠心えんしんりょくによる人工じんこう重力じゅうりょく区画くかくそなえる。

プロジェクトのコストは37おくドル期間きかんは64かげつあいだ見積みつもられており、宇宙船うちゅうせん自体じたい通常つうじょう宇宙うちゅうシステムとくらべて比較的ひかくてき安価あんか実現じつげん可能かのうだとかんがえられている[3][4]

目的もくてき

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Nautilus-Xの目的もくてきつきまたは火星かせいへの長期ちょうきにわたるミッションの中継ちゅうけい基地きちとなることである。ミッションの飛行ひこう計画けいかく容易よういにするため、宇宙船うちゅうせんつきまたは火星かせいラグランジュてん(L1またはL3)に配置はいちされる。

また、ミッションの乗員じょういん緊急きんきゅう事態じたいのための基地きち病院びょういん提供ていきょうする[2][4]

その以下いかのような能力のうりょくつものとしている。

  • 6めい長期間ちょうきかんのミッションに対応たいおう
  • ミッションちゅう(1-24かげつ)、補給ほきゅうしで活動かつどうおこなえる
  • 天体てんたいへの有人ゆうじん宇宙うちゅう飛行ひこう降下こうか帰還きかん)をサポート
  • 科学かがくてきなペイロードの搭載とうさい
  • 宇宙うちゅう空間くうかんのみで運用うんよう大気圏たいきけんさい突入とつにゅう能力のうりょくたない)
  • NASA Authorization Act of 2010英語えいごばん要求ようきゅうする多目的たもくてき有人ゆうじん宇宙船うちゅうせん連携れんけい

詳細しょうさい

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設計せっけい

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Nautilus-X メインモジュール

宇宙船うちゅうせんはば6.5m、ながさ14mのしゅ回廊かいろう中心ちゅうしん構成こうせいされる。宇宙船うちゅうせんモジュール構造こうぞうとなっており、かくミッションの内容ないようおうじて推進すいしんモジュール、マニピュレータアームオリオンスペースXドラゴンのドッキングポート、それに目的もくてきりるための着陸ちゃくりく搭載とうさいすることが可能かのうである。理論りろんじょうはミッションごとにエンジンと燃料ねんりょうえることもできる[5]。また、工事こうじ/メンテナンスのための工業こうぎょうようエアロックユニットと、指揮しき観測かんそくのためのデッキをつ。

ドッキングポートの反対はんたいがわには、リングじょうフライホイールはさんで、セントリフュージとばれる遠心えんしんりょく利用りようした人工じんこう重力じゅうりょく区画くかく搭載とうさいする。その後方こうほうにはみず水素すいそのタンク、それにストレージユニットが配置はいちされており、これらはセントリフュージの乗員じょういんたいする放射線ほうしゃせん軽減けいげんし、セーフゾーンを提供ていきょうする[3][4]宇宙船うちゅうせん後部こうぶには通信つうしん推進すいしんシステムが搭載とうさいされる。

標準ひょうじゅん構成こうせいのNautilus-Xは3つのストレージユニットのみをつ。長期ちょうき探査たんさよう構成こうせいではさらにおおくのストレージユニットを搭載とうさいする。

Nautilus-X 長期ちょうき探査たんさ構成こうせい
Nautilus-X 長期ちょうき探査たんさ構成こうせい前方ぜんぽうからのイメージ)

技術ぎじゅつ

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Nautilus-X ISS実証じっしょう

この巨大きょだい宇宙船うちゅうせんは、多種たしゅ硬質こうしつ膨張ぼうちょうしきのモジュール、それに太陽たいよう電池でんちアレイから構成こうせいされるため、配備はいび比較的ひかくてき容易よういである。膨張ぼうちょうしきモジュールのもととなる技術ぎじゅつには、ビゲロー・エアロスペース膨張ぼうちょうしき居住きょじゅうとして提案ていあんしているものが使用しようできる[5]

その革新かくしんてきてんとしては、みずこう栽培さいばい農場のうじょう施設しせつ着陸ちゃくりく格納庫かくのうこ搭載とうさいすることがげられる。

特徴とくちょう

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  • 頑強がんきょう環境かんきょう制御せいぎょ生命せいめい維持いじシステムと通信つうしんスイート
  • おおきなストレージサイズ(食料しょくりょう機械きかい部品ぶひん医薬いやく用品ようひんなどに利用りよう可能かのう
  • 乗員じょういんのリアルタイム指揮しき観察かんさつ能力のうりょく
  • 乗員じょういんへのひく放射線ほうしゃせんりょう
  • 複数ふくすうミッションよう推進すいしんユニットのはん自律じりつてき統合とうごう

現在げんざい状況じょうきょう

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ISSセントリフュージ デモンストレーション

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ISS実証じっしょう各部かくぶ

セントリフュージによる人体じんたいへの影響えいきょう機械きかいてき反応はんのうといったものを評価ひょうかするため、国際こくさい宇宙うちゅうステーション (ISS) に実証じっしょう設置せっちしてのテストがかんがえられている。この実証じっしょうではホーベルマン・スフィア英語えいごばん膨張ぼうちょうしき構造こうぞう利用りようする。

もし実現じつげんすれば、このセントリフュージは人工じんこう重力じゅうりょく十分じゅうぶんなサイズの装置そうちによる宇宙うちゅう空間くうかんはつ実験じっけんとなる[2]実証じっしょういちデルタ IVまたはアトラス V可能かのうであり、実験じっけんそう費用ひようは8300まんドルから1おく4300まんドル、期間きかんは39かげつ以下いか見積みつもられている[3]

実証じっしょうのサイズについては、一層いっそう研究けんきゅう必要ひつよう状態じょうたいであるが、9.1m (30 ft.) と12.2m (40 ft.) のふたつで議論ぎろんおこなわれている。以下いかひょうは、セントリフュージのサイズと回転かいてん速度そくどおうじた人工じんこう重力じゅうりょくである。

RPM 9.1m (30 ft.) 12.2m (40 ft.)
4 0.08 0.11
5 0.13 0.17
6 0.18 0.25
7 0.25 0.33
8 0.33 0.44
9 0.41 0.55
10 0.51 0.69

セントリフュージの回転かいてん開始かいしとメンテナンスにはキックモーター(Hughes 376通信つうしん衛星えいせいがスピン安定あんてい使用しようしたものとたもの)が使用しようされる。セントリフュージはISS乗員じょういんのための睡眠すいみんモジュールとして機能きのうする[2]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ spaceref.com (2011ねん2がつ12にち). “Nautilus-X - NASA's Multi-mission Space Exploration Vehicle Concept”. NASA. 2011ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d Mark Holderman and Edward Henderson of NASA Johnson Space Center (2011ねん1がつ26にち). “Nautilus-X Multi-Mission Space Exploration Vehicle”. 2011ねん3がつ26にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c TopSpacer on hobbyspace.com (2011ねん1がつ28にち). “NASA NAUTILUS-X: multi-mission exploration vehicle includes centrifuge, which would be tested at ISS”. 2011ねん3がつ29にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c Max Eddy of Geekosystem.com (2011ねん2がつ14にち). “Nautilus-X spaceship could take us to Mars and beyond - Geekosystem”. 2011ねん3がつ29にち閲覧えつらん
  5. ^ a b John Messina (2011ねん2がつ15にち). “NASA's Nautilus-X: Reusage deep manned spacecraft”. 2011ねん3がつ29にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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