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PC-VAN

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

PC-VAN(ピーシーバン)は、日本電気にほんでんき株式会社かぶしきがいしゃ通称つうしょう:NEC)が運営うんえいしていたパソコン通信つうしんサービスである。1986ねん4がつ26にち運営うんえい開始かいし有料ゆうりょうされた。商用しょうようされた日本にっぽん有料ゆうりょうパソコン通信つうしんプロバイダなかでは最古さいこ分類ぶんるいはいる。

同社どうしゃ付加ふか価値かち通信つうしんもうC&C-VAN(Computer & Communications VAN、のちのNEC-NET)のおも夜間やかんの、回線かいせんきを個人こじんけに開放かいほうしたサービスである。一般いっぱんてき電子でんし掲示板けいじばんと、SIGばれた特定とくてい話題わだい電子でんし掲示板けいじばん、それに電子でんしメールやOLT(チャット)、OSLなどが主要しゅようなサービス。BIGLOBE統合とうごうのち2001ねん1がつ31にちにパソコン通信つうしんサービスを中止ちゅうし2003ねん3月31にちにはインターネットに移行いこうしたSIGサービスをふくめ、すべて廃止はいしされた。

構成こうせい

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電子でんしメール

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PC-VANにログインした時点じてん電子でんしメールとどいていると「ピッ」という電子でんしおんともに「到着とうちゃく」と表示ひょうじされた。この「ピッ」おと初期しょきのパソコンのエスケープシーケンスビープおんらすもので、ログインおと電子でんしメールの有無うむらせる機能きのうであった。電子でんしメールの送受そうじゅには専用せんようのエリアがもうけられ、ジャンプようキーワード使つかってエリアにはい方法ほうほうと、メニューを辿たどってはい方法ほうほうとおりがあった。しかし送信そうしんかぎっては、掲示板けいじばん発言はつげんんだのちんだひとたいしておく方法ほうほうもあった。宛名あてなにはアクセスアカウント(ID)を指名しめいしたが、テキストだけでなくバイナリデーターもおくることができた。またメールの保存ほぞん期間きかん最大さいだいさんヶ月かげつで、送信そうしんしたメールを相手あいてがわんだかどうかをることもできた。当初とうしょはPC-VANのIDを相手あいてとしか送受そうじゅできなかったが、のちにはニフティとの相互そうごれによって、ニフティのIDを相手あいてとも送受そうじゅできるようになった。さらにはインターネットのメールアカウントとのあいだでも送受そうじゅ可能かのうになったが、この時点じてんで、アクセスアカウント以外いがいに、任意にんいのネームをメールアカウント別名べつめいとしてもちいられるようになった。

電子でんし掲示板けいじばん

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電子でんし掲示板けいじばんは、掲示板けいじばんSIG(Special Interest Group)に大別たいべつできる。掲示板けいじばん一般いっぱん掲示板けいじばん、テーマべつ掲示板けいじばん地域ちいきべつ掲示板けいじばんわかれ、これらはさら細分さいぶんしていたが、会話かいわ積極せっきょくてきおこなわれたのは、一般いっぱん掲示板けいじばんのフリーボード(FREE)と、地域ちいき掲示板けいじばん都道府県とどうふけんべつ掲示板けいじばんであった。発言はつげん保存ほぞん期間きかんは、当初とうしょ最大さいだいさんヶ月かげつであったが、LADY紛争ふんそう最中さいちゅうに、1週間しゅうかんしくは発言はつげんすうが1000に到達とうたつした時点じてん変更へんこうされた。かたやSIGでは、発言はつげんすうが4000にたっするまで保存ほぞんされたが、活発かっぱつなSIGではふる発言はつげんまでものこされてしまうことから、のち期間きかん限定げんていれられた。発言はつげん文字数もじすうともに1けた全角ぜんかく40までだったが、くだりすう掲示板けいじばんでは100ぎょうまで、SIGでは200ぎょうまでに制限せいげんされていた。それぞれの電子でんし掲示板けいじばんにはメインメニューから辿たどってもけたが、電子でんし掲示板けいじばんごとにけられたキーワード(ジャンプようキーワードという)をタイプして、直接ちょくせつ目的もくてき掲示板けいじばんはい方法ほうほう使つかわれた。また掲示板けいじばん利用りよう形態けいたいごとにけられていたが、会話かいわ前提ぜんていとしない、アダルトビデオをはじめとした宣伝せんでんがフリーボードなどにかかげられ、としうごとに増加ぞうかしたが、運営うんえい事務じむきょく対応たいおう積極せっきょくてきではなかった。

PC-VANにはSIGが用意よういされ、これが目玉めだまであった。くわしくはSIG参照さんしょう

OLT(オーエルティー/オルト)

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PC-VANではチャットをOLTとんでいたが、OLTはOn-Line Talkりゃくとされた。OLTは一般いっぱんとSIGないOLTにけられ、前者ぜんしゃ当初とうしょ30チャンネルで開設かいせつされたが、その需要じゅようおうじるかたちで、最大さいだい50チャンネルまで増加ぞうかした、後者こうしゃ通常つうじょう1チャンネルであった。また、用途ようととして、「OLT広場ひろば」との電子でんし掲示板けいじばん併設へいせつされていたものの、OLTとは関係かんけいなくして使つかわれることもあった。OLTの機能きのうなかにはSC(SCrunble/スクランブル)という機能きのうがあり、これは現在げんざいのmixiのように特定とくてい会員かいいんあいだのみの発言はつげんだけが表示ひょうじされ、SCのなか会話かいわぶんについては、おなじチャンネルに入室にゅうしつしている会員かいいんであってもその内容ないよう閲覧えつらんできない。SCを利用りようしたい会員かいいん一人ひとりがスクランブルーコード(4けた暗証あんしょう番号ばんごう)を設定せっていし、コードが一致いっちすることによって当該とうがいスクランブルへの入室にゅうしつ許可きょかされる。SCは入室にゅうしつすることによって同等どうとう権利けんりゆうしており、最初さいしょにコードを設定せっていした会員かいいん退室たいしつもしくはログオフをおこなっても、当該とうがいSCに会員かいいん一人ひとりでも残存ざんそんしていればそのSCは継続けいぞくされ、最終さいしゅうてき当該とうがいSCからぜん会員かいいん退室たいしつしてはじめて、スクランブルが解除かいじょされた。

OLTは一般いっぱん会員かいいん当時とうじ2000えん固定こてい料金りょうきんにはふくまれず、1ふん10えん有料ゆうりょう、SIGのオペIDではいると無料むりょうだったため、たびたび会員かいいんあいだでトラブルをこした。同社どうしゃ明確めいかく基準きじゅんしめさなかったが、のちにSIGのオペは無料むりょう、サブオペは一般いっぱんOLTとSIGのOLTは有料ゆうりょう自己じこのSIGのOLTのみ無料むりょうというさくこうじたが、根本こんぽんてき解決かいけつにはならなかった。

OSL(オーエスエル)

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OSLは、On-line Software Libraryりゃくで、ソフトウエアやデーターなど、バイナリファイルのアップロードとダウンロードのとして用意よういされた。一般いっぱんとSIGないOSLにかれていたが、ダウンロードには別途べっと課金かきんされたため、ISHというのソフトウエアを使つかい、バイナリを文字もじとして表示ひょうじできるコードに変換へんかんして、掲示板けいじばんにアップロードする方法ほうほうもちいられた。

MS-DOS時代じだいのOSLはウイルス混入こんにゅう事件じけん少数しょうすうあったが、一番いちばんのトラブルは著作ちょさくけんあつかいであった。当初とうしょはOSLの名称めいしょうではくて、PC-VANないPDS(Public Domain Software)と公然こうぜん呼称こしょうしていた。的確てきかく日本語にほんごいが公共こうきょう所有しょゆうするソフトウェア、つまり、だれにも著作ちょさくけんいソフトウェアの概念がいねんである。もちろんPDSは日本にっぽん著作ちょさくけんほうでは規定きていがない「著作ちょさくけん完全かんぜん放棄ほうき」を前提ぜんていとした呼称こしょうであり、PC-VAN以外いがいからも反発はんぱつ相次あいつぎ、OSLの名称めいしょう変更へんこうになった。(PDSは当時とうじけっして特殊とくしゅ言葉ことばではなく一般いっぱんてきであったが、上記じょうき著作ちょさくけんほうじょう問題もんだいから反発はんぱつおぼえるユーザも潜在せんざいてきおお情勢じょうせいであり、PC-VANをいにして批判ひはんするものもいた。現在げんざいもそれほど好意こういてきあつかわれる用語ようごではない)

このOSLの最大さいだい規模きぼほこったSIG「GV」(グローバル・ビレッジ)が著作ちょさくけん配慮はいりょしない差別さべつコピー志向しこうだったため、OSL関連かんれんしんSIGに分裂ぶんれつしていくことになる。アップルしゃのOSの差分さぶん公開こうかい期限きげんまえにアップロードしたとき(SIGOPは「アップルと合法ごうほうてき文書ぶんしょ契約けいやくし、配布はいふしています」とたしかにんでいた)には、批判ひはんこたえかねた常連じょうれんユーザからいっそ名言めいげんともしょうすべき「ハードをるならOSは無料むりょうでつけるべきだ」の発言はつげん該当がいとうSIGであった。

どう規模きぼであり歴史れきしどう程度ていどながいチアリSIGではさすがにここまで露骨ろこつ問題もんだいはなく名称めいしょう「OSL」への移行いこうもスムーズにすすんだものの、そのやはり著作ちょさくけん問題もんだい月刊げっかんともしょうすべきれた状態じょうたい発生はっせいした。

クラブ・サークル

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SIGの電子でんし掲示板けいじばんないでトラブルが発生はっせいすると、おおくのSIG-OPから「じゃぁ、べつなSIGをつくればい」とう反論はんろんた。当然とうぜんえば当然とうぜん発言はつげんだが、当時とうじのPC-VANではあたらしいSIGの開設かいせつ安易あんいみとめなかった。とくにSIGのテーマが「平和へいわとう個人こじん主観しゅかん依存いぞんするテーマのSIGではこのたね論争ろんそうなかった。SIGの既得きとく権益けんえき擁護ようごする立場たちばられたくない事務じむきょくは、追加ついか料金りょうきん支払しはらうことによって自由じゆうにメンバーせいのSIGもどきを提供ていきょうするサービスをはじめた。これがクラブおよびサークルで、みの蓄積ちくせき規模きぼ参加さんか可能かのうメンバーすうでクラブ>サークルの構造こうぞう提供ていきょうされた。開設かいせつにあたっては、クラブが1ヶ月かげつ200えん、サークルがどう2000えん支払しはらう。

優良ゆうりょうなクラブ・サークルはSIGへ昇格しょうかくするとみだったが、結果けっかてきには実現じつげんしなかった。同様どうように、おためしSIGも審査しんさうえ提供ていきょうされたが、もはやパソコン通信つうしん終焉しゅうえんにPC-VAN事務じむきょくはことごとくはずれた。しかし同一どういつ機材きざい法人ほうじんけサービスを提供ていきょうしていたため、1995ねんころにはめるにめられない事態じたいつづいた。

ハンドル

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会員かいいん個々ここハンドル設定せっていできたものの、当初とうしょ初回しょかい使用しようにいきなり質問しつもんされ、1かいだけ設定せっていできる(しかもあと変更へんこうできない)というきびしいものだったが、いつのにか回数かいすう制限せいげんなく変更へんこう可能かのうになった。また、この設定せっていしたハンドルは会員かいいん情報じょうほう検索けんさく調しらべられたが、設定せっていした以外いがいのハンドルを使つかひともいた。しかし別人べつじんりすまそうとべつハンドルを名乗なのひとがいても、会員かいいん情報じょうほう調しらべられれば一発いっぱつ正体しょうたい発覚はっかくした。そのため複数ふくすうのIDを入手にゅうしゅするひともいた。またハンドルをなんえるひとや、おなじハンドルを使つかつづけるひとなど色々いろいろだったが、ハンドルにおもれがあるひとほど一貫いっかんしておなじハンドルを使つかつづけた。

OLTにおいてはハンドルネームでの参加さんか基本きほんで、OLTに参加さんかするごとにハンドルネームの入力にゅうりょくうながされた。おおくのOLT愛好あいこうしゃ上記じょうきハンドル同様どうように、各人かくじんのハンドル自体じたいがアイデンティティと同一どういつしていたため、前回ぜんかいのハンドルネームをそのまま入力にゅうりょくして参加さんかした。 ちなみにPC-VANのOLTでは、ハンドルネーム変更へんこう画面がめん改行かいぎょうコードのみを入力にゅうりょくすると、前回ぜんかい利用りようしていたハンドルネームが表示ひょうじされるシステムとなっていた。


PC-VAN文化ぶんか

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管理かんり志向しこうつよかったニフティサーブとはことなり、放任ほうにんちかかったPC-VANでは自由じゆう風土ふうど根付ねついた。ために文化ぶんかめんにおいても、ニフティサーブとはことなった文化ぶんか誕生たんじょうし、文化ぶんか継承けいしょうされていったものの、PC-VAN末期まっきちかづくにしたがい、独自どくじ文化ぶんかかならずしも優勢ゆうせいではなくなった。

背景はいけい

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文化ぶんか風土ふうど影響えいきょうけるが、PC-VANの風土ふうどはニフティとはいくつかのてんちがっていた。だいいちとして、PC-VANでは運営うんえい事務じむきょく対応たいおう消極しょうきょくてきであった。これはよくえば放任ほうにんだが、実際じっさいには運営うんえい事務じむきょくがトラブルにまれるのをおそれ、積極せっきょくてき介入かいにゅうつとめてけようとしていた。だいとして、発言はつげん削除さくじょ会員かいいん排除はいじょ機能きのうが、当初とうしょSIG主催しゅさいしゃようIDに付加ふかされていなかったことである。そのため、問題もんだいありとされた発言はつげんでも簡単かんたん削除さくじょすることはできず、発言はつげん削除さくじょんだ当人とうにん意思いしによるか、運営うんえい事務じむきょく依頼いらいしての削除さくじょしか方法ほうほうがなかった。しかしさきほどべたように、運営うんえい事務じむきょく介入かいにゅう積極せっきょくてきではなかったことから「んだ当人とうにん同意どういなしに削除さくじょみちはない」というのとほぼ同義どうぎであった。そういったなかで、SIG「チアリコンピュータワールド」は唯一ゆいいつ例外れいがいで、削除さくじょ機能きのうはや段階だんかい付与ふよされていた。

このような状態じょうたいは「言論げんろん自由じゆう」が保障ほしょうされていたにもひとしいが、かとってそのままてられていたわけではない。おかしな発言はつげんをするひとたたかれるさだめであったし、村八分むらはちぶ同然どうぜん状態じょうたいかれてしまうこともあった。そのため結果けっかてきに、自主じしゅ削除さくじょまれるにしても、「内容ないようかかわらず発言はつげん機会きかい保証ほしょうする」といったかんがえにむすびつくことにもなった。

SIG主催しゅさいしゃなかには発言はつげん削除さくじょ機能きのう付加ふかもとめるこえがあったものの、いろよい返事へんじかえされなかった。しかし「LADY紛争ふんそう」の最中さいちゅうに、運営うんえい事務じむきょくぜんSIGの主催しゅさいしゃIDに、削除さくじょ機能きのう一斉いっせい付与ふよした。これにたいしては戸惑とまどいがられ、削除さくじょ機能きのうなどいらないともうてるSIG主催しゅさいしゃや、管理かんり苦労くろうするのでかえしたいと主張しゅちょうするSIG主催しゅさいしゃなど様々さまざまであった。また削除さくじょ機能きのう使つかうにたって、事前じぜん削除さくじょ条件じょうけんさだめるよう通達つうたつされ、それぞれのSIGにおいて削除さくじょ方針ほうしんさだめられたが、削除さくじょ可否かひについて延々えんえん討論とうろんひろげられることもすくなくなく、ときには不用意ふようい削除さくじょしたために、るしげられる場合ばあいもあった。のちには、参加さんかしゃ排除はいじょ機能きのう付与ふよされたが、これについては申告しんこくせいで、削除さくじょ機能きのう付与ふよとき同様どうようにして、排除はいじょ機能きのう行使こうしについての方針ほうしんさだめがもとめられた。

論争ろんそう

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PC-VANでは「ネットのなかことはネットない解決かいけつする」が不文ふぶんりつとされ、徹頭徹尾てっとうてつびろんてっすることがもとめられた。そのため、論争ろんそう技術ぎじゅつ発達はったつして、きやレトリック日常にちじょうし、また罵倒ばとういてもみがきがかけられた。そして実力じつりょく至上しじょう主義しゅぎ大勢おおぜいめたことから、才能さいのうある論者ろんしゃ以外いがいひととの格差かくさ際立きわだった。一方いっぽう、ニフティサーブでは、ことあるごとに実名じつめいざらしがおこなわれ、論争ろんそうわらせる方法ほうほう選択せんたくされることがすくなくなかったため、論争ろんそう技術ぎじゅつはあまり発達はったつしなかった。

文化ぶんかことなれば、一方いっぽうこれとされることがもう一方いっぽうではとされることもある。ニフティサーブからながれてきたAKITSU=☆=ALPHAは、当初とうしょ「NIFTYいち論客ろんかく」と紹介しょうかいされた。しかし、実力じつりょく至上しじょう主義しゅぎのPC-VANでは、肩書かたがきに敬意けいいしめされるどころか、実力じつりょく見通みとおされ、その程度ていど論者ろんしゃとしてあつかわれた。AKITSUはあるとき論争ろんそう相手あいてのたねりから電話でんわ番号ばんごうまで公開こうかいされた。これは「相手あいて(たねり)から『メールでおしえろ』とわれたので公開こうかい拒否きょひする」との条件じょうけんきでつたえたものが、約束やくそくやぶって公開こうかいされたものであった。しかしAKITSUはそれを逆手さかてり「たねりホットライン」として「いたずら電話でんわ内容ないようはたねりの責任せきにんなのですべ公開こうかい」とし、たねりがAIDS感染かんせんして風俗ふうぞくでウイルスをばらまいているなど、電話でんわ番号ばんごう公開こうかい同等どうとうの「無責任むせきにん情報じょうほう」として公開こうかい。そのためたねりは事務じむきょくに「AIDS差別さべつだ」とうったえ、AKITSUの行為こうい非難ひなんした。このたねりの行為こうい従来じゅうらい古参こさん」たちがきらっていた「事務じむきょくき」として批判ひはんするメンバーもいたが、AKITSUの理屈りくつたいして不快ふかいかんつ「古参こさん参加さんかしゃがその「しきたり」をひるがえしたことにより、古参こさんのたちの「御都合主義ごつごうしゅぎ体質たいしつあぶすこととなった。

自己じこ責任せきにん

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PC-VANでは「自己じこ言動げんどう責任せきにん放棄ほうきしない」ことについても不文ふぶんりつとされ、自己じこでは対処たいしょ不能ふのうとなりPC-VAN運営うんえい事務じむきょくはなしっていくことは、「事務じむきょくきついた」としてさげすまれた。ニフティサーブからながれてきたAPIは、あるとき、ともとかかわりをった。そしてしばらくのあいだ、ともとやりりしていたが、ともが自身じしんおもいのままにならないことにづき、PC-VAN運営うんえい事務じむきょくはなしっていった。その結果けっか、ともは ID剥奪はくだつになった。ともの姿すがたえなくなったことが掲示板けいじばんのメンバーの話題わだいがったのち、APIはPC-VAN運営うんえい事務じむきょくはなしっていったことをあきらかにした。しかしAPIの思惑おもわくどおりに賛同さんどうされるどころか、「自身じしん対処たいしょできないことにしておきながら・・」などと非難ひなんあらしになった。ニフティサーブでは、自分じぶんえないことは、運営うんえい事務じむきょくはなしっていくのが日常にちじょうしていたためと推察すいさつできるが、このようなてんから「ニフティ幼稚園ようちえん」と揶揄やゆされることもあった。

文化ぶんかかげ

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1993ねん新入しんにゅう会員かいいんのためのPC-VAN事務じむきょく直轄ちょっかつフォーラム「わかばマーク(WAKABA)」が開設かいせつされた。1987ねん当時とうじだいいちSIGオペが相次あいついでも症候群しょうこうぐんでPC-VANをったこともあり、新規しんき加入かにゅうしゃにとってはかくSIGの常連じょうれんさんのハードルはたかく、そのような入門にゅうもんしゃあつめ、おしえる目的もくてき開設かいせつされたのがWAKABAであった。そして既存きそんのSIGへと連動れんどうしていくこと想定そうていされてはいたものの、既存きそん文化ぶんか継承けいしょう考慮こうりょされていなかったため、きゅう会員かいいんとのあいだとで軋轢あつれきしょうじ、「わかばもの」なる侮蔑ぶべつ発生はっせいした。そのため、初心者しょしんしゃ同士どうしあつまってWAKABA文化ぶんかつく結果けっかともなった。WAKABAにたむろするWAKABAモノは、「卒業そつぎょうしてくれ、もうここにいてはいけない」となって反発はんぱつされるが、WAKABAモノにはパソコン通信つうしん開拓かいたくしゃ気概きがいいので「そんなもんかなぁ」とはなれていく。1988ねん有料ゆうりょうで3まんにんにまでったとわれたPC-VAN会員かいいんだが、その100まんにん法人ほうじん契約けいやくふくむ)まで回復かいふくしたものの、文化ぶんか方向ほうこうせい見失みうしなった時代じだいがWAKABAからはじまった。

用語ようご

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おもに、PC-VAN早期そうきからの会員かいいん使つかわれた用語ようごがある。

  • RAM - 両方りょうほうおこなひと出所しゅっしょ不明ふめいだが、会員かいいんすうの1わりわれた。
  • ROM - だけのひと
  • MSG - 発言はつげん意味いみする。

女性じょせい会員かいいん

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1990年代ねんだい中期ちゅうきごろ女性じょせい会員かいいんは3わりないし4わりめるとわれたが、開局かいきょくまもない1980年代ねんだいまつでは2%程度ていどであった。一部いちぶのSIGにおいて「女性じょせい優先ゆうせんボード」をもうけているところはあったものの、女性じょせいせるような方針ほうしんとくされていなかった。それにたいし、ニフティでは「LADYフォーラム」が存在そんざいしていたことから、PC-VANにおいても同様どうようのものをつくろうといううごきがてきた。

SIG「QLD画像がぞう通信つうしん」には、「美容びようしつ」という女性じょせい優先ゆうせんボードがあった。ここにつど女性じょせいたちは、SIG主催しゅさいしゃであった魔女まじょ相談そうだんし、「美容びようしつ」を独立どくりつさせてあたらしいSIGをつくることをめ、運営うんえい事務じむきょく申請しんせいしょ提出ていしゅつした。運営うんえい事務じむきょくはPC-VANの発展はってんのためには、女性じょせい会員かいいん目玉めだま必要ひつようということで申請しんせい許可きょかした。その結果けっか1989ねん5月に、SIG-OPおよびSUB-OPはすべ女性じょせいのSIG-LADYが開設かいせつし、運営うんえい事務じむきょくはPC-VANの広告こうこくすときには、SIG-LADYの宣伝せんでんぶんふくりのひとつとするようになった。しかしのち発生はっせいしたLADY紛争ふんそうによってSIG運営うんえい問題もんだいにされ、また対処たいしょあまさがさら問題もんだい複雑ふくざつさせ、ついには収拾しゅうしゅうがつかなくなり閉鎖へいさになった。この理由りゆうニフティサーブのフォーラムがオペによる承諾しょうだくせいっていたので不良ふりょう会員かいいん排除はいじょ可能かのうであったが、PC-VANのSIGは当時とうじ承諾しょうだくせいがなく、だれでもみができた。結果けっかLADYの掲示板けいじばんにはるにえられないメッセージが多数たすうまれた。このLADY紛争ふんそういては「AERA」や「日経にっけいパソコン」などで紹介しょうかいされたが、以後いご同様どうようなSIGがつくられることはなかった。

OLT訴訟そしょう

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  • 1994ねん5月 原告げんこくPONYTAILが東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ提訴ていそ 被告ひこく:Terra(のち天籟てんらい改名かいめい日本電気にほんでんき株式会社かぶしきがいしゃ
  • 1996ねん10がつ 原告げんこく日本電気にほんでんき株式会社かぶしきがいしゃ和解わかい ここから訴訟そしょうはPONYTAILとTerra単独たんどくあらそいとなる
  • 1997ねん12月 だいいちしん判決はんけつ東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ原告げんこく請求せいきゅう棄却ききゃく
  • 1998ねん
    • 1がつ 原告げんこく だいいちしん判決はんけつ不服ふふくとして東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ控訴こうそ
    • 6がつ だいしん判決はんけつ だいいちしん判決はんけつ支持しじ 原告げんこく上告じょうこくせず敗訴はいそ確定かくていした。

参照さんしょうPC-VANチャット・ログ事件じけんだいいちしん判決はんけつ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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