汎ひろし欧州おうしゅうゲーム情報じょうほう

汎ひろし欧州おうしゅうゲーム情報じょうほう（はんおうしゅうゲームじょうほう、Pan European Game Information）^[1]は、EU圏内けんないを中心ちゅうしんにヨーロッパの29か国こくを対象たいしょうにしたコンピュータゲームのレイティング審査しんさを実施じっしする機関きかん。事務じむ局きょくはベルギー・ブリュッセルの欧州おうしゅうインタラクティブ・ソフトウェア連盟れんめい（ISFE）本部ほんぶ内ないに置おかれている。略称りゃくしょうはPEGI（ペギー）^[2]。2003年ねん設立せつりつ。

組織そしき・審査しんさ基準きじゅんの概要がいよう

レイティングは1994年ねんに公表こうひょうされたイギリスの業界ぎょうかい団体だんたい・Entertainment and Leisure Software Publishers Association（ELSPA）による自主じしゅ審査しんさ基準きじゅんをベースにしている。

パッケージ表面ひょうめんには以下いかのように対象たいしょう年齢ねんれいが表示ひょうじされる（他たのレイティング機関きかんとは異ことなり、販売はんばい規制きせいについては明確めいかくに定さだめられていない）。

カテゴリ	他たのレイティング区分くぶんとの比較ひかく（目安めやす）
カテゴリ	CERO	ESRB
	「審査しんさ予定よてい」	『RP』
	「CERO：教育きょういく・データベース」「CERO：A（全ぜん年齢ねんれい対象たいしょう）」	「eC」「E」
	「CERO：A（全ぜん年齢ねんれい対象たいしょう）」	「E」「E+10」
	「CERO：B（12才さい以上いじょう対象たいしょう）」「CERO：C（15才さい以上いじょう対象たいしょう）」	「E+10」「T」
	「CERO：C（15才さい以上いじょう対象たいしょう）」「CERO：D（17才さい以上いじょう対象たいしょう）」	「T」「M」
	「CERO：Z（18才さい以上いじょうのみ対象たいしょう）」	「M」「AO」

パッケージ裏面りめんには以下いか9種類しゅるいのアイコンがあり、ゲームの内容ないようについて購入こうにゅう前まえに注意ちゅうい喚起かんきを行おこなう方式ほうしきを採とっている（全ぜん年齢ねんれい対象たいしょうに相当そうとうする「3」（2009年ねん8月がつ以前いぜんは「3+」）のソフトでは「オンライン」以外いがいのアイコンは記載きさいしていない）。

「暴力ぼうりょく表現ひょうげん」（CEROのコンテンツアイコン「暴力ぼうりょく」に相当そうとう）
「スラング（汚きたない言葉ことばづかい）」（CEROのコンテンツアイコン「言葉ことば・その他た」に相当そうとう）
「恐怖きょうふ」（CEROのコンテンツアイコン「恐怖きょうふ」に相当そうとう）
「性せい表現ひょうげん」（CEROのコンテンツアイコン「セクシャル」に相当そうとう）
「薬物やくぶつ濫用らんよう」（CEROのコンテンツアイコン「麻薬まやく」に相当そうとう）
「組織そしき犯罪はんざい描写びょうしゃ」（CEROのコンテンツアイコン「犯罪はんざい」に相当そうとう）
「賭博とばく」（CEROのコンテンツアイコン「ギャンブル」に相当そうとう）
「オンライン」
「ゲーム内ない課金かきん」（2018年ねん8月がつ30日にちに追加ついか）^[3]^[4]。

なお、各国かっこくの文化ぶんかや教育きょういく課程かていの相違そういを尊重そんちょうする観点かんてんより、PEGIのレイティングには絶対ぜったい的てきな拘束こうそく力りょくを持もたせておらず、国くに単位たんいにおいて±1歳さいの範囲はんいで指値さしねを設定せっていすることは認みとめられている。これに伴ともない、ポルトガルでは「3+」を「4+」に引ひき上あげ、『7+』を「6+」に引ひき下さげて使用しようしている。逆ぎゃくに、フィンランドでは2006年ねんまで「12+」「16+」をそれぞれ「11+」「15+」に引ひき下さげて使用しようしていた。

「RULE of ROSE」（ソニー・コンピュータエンタテインメント、PEGIのレイティングは「16+」）の暴力ぼうりょく表現ひょうげんに対たいしてイタリア国内こくないの週刊しゅうかん誌し報道ほうどうを契機けいきに非難ひなんが高たかまったことを受うけて、2007年ねん1月がつに欧州おうしゅう委員いいん会かい（EC）で未成年みせいねん者しゃに対たいするコンピュータゲームの提供ていきょう規制きせいに関かんする統一とういつ指令しれいを制定せいていする方針ほうしんが決定けっていされた^[5]。これに伴ともない、現行げんこうの「18+」を（日本にっぽんのCEROにおけるCERO：Z（18才さい以上いじょうのみ対象たいしょう）と同様どうようの）強制きょうせい力りょくを伴ともなう禁止きんし指定していにするなどの基準きじゅん変更へんこうや、現在げんざいは独自どくじの青少年せいしょうねん保護ほご法ほう施行しこうに伴ともないPEGIに参加さんかしていないドイツ（2007年ねん上期かみきEC議長ぎちょう国こく）との基準きじゅんのすり合あわせ作業さぎょうなどが予想よそうされており、指令しれいの内容ないようによってはPEGIの運営うんえい体制たいせいや審査しんさ基準きじゅんにも大おおきな影響えいきょうが出でると思おもわれる。

PEGIの審査しんさ対象たいしょう国こく

ドイツを除のぞくEU加盟かめい国こくとリヒテンシュタインを除のぞく欧州おうしゅう自由じゆう貿易ぼうえき連合れんごう（EFTA）加盟かめい国こくを中心ちゅうしんに、計けい31か国こくがPEGIのレイティングを採用さいようしている。

イギリスには根拠こんきょ法ほうを有ゆうする公的こうてき機関きかん・全ぜん英えい映像えいぞう等級とうきゅう審査しんさ機構きこう（BBFC）もあり、現在げんざいはPEGIにコンピュータゲームの審査しんさを委嘱いしょくしているが、イギリス国内こくないで発売はつばいされるゲームソフトの一部いちぶ（主おもにPEGIの「18+」区分くぶんソフトと一部いちぶの「16+」・「12+」区分くぶんソフト）にはPEGIのレイティング表示ひょうじの代かわりにBBFCのレイティング表示ひょうじが記載きさいされている。また、フィンランド（同国どうこくの憲法けんぽう第だい12条じょうに基もとづく）およびオーストリア・オランダではPEGIの審査しんさに対たいして法的ほうてき根拠こんきょが与あたえられている。

ドイツは同国どうこくの青少年せいしょうねん保護ほご法ほうに基もとづき、公的こうてき審査しんさ機関きかん・ソフトウェア事前じぜん審査しんさ機構きこう（USK）が倫理りんり審査しんさを行おこなっているため対象たいしょう国こくには含ふくまれない。そのため、EU圏内けんないで発売はつばいされるゲームにはPEGIの年齢ねんれい表示ひょうじ以外いがいにUSKの菱形ひしがたをしたアイコンも表示ひょうじされている場合ばあいが多おおい。