Phos-tag

フォスタグ（Phos-tag）は、広島大学ひろしまだいがくの医薬いやく分子ぶんし機能きのう科学かがく研究けんきゅう室しつ（小池こいけ透とおる教授きょうじゅ）が開発かいはつした機能きのう性せい低てい分子ぶんしである。リン酸さんモノエステルアニオン（リン酸化さんかタンパク質たんぱくしつ、リン脂質ししつ、リン酸化さんか糖とうなど）を迅速じんそくかつ選択せんたく的てきに捕捉ほそくする二に核かく金属きんぞく錯体さくたいである。本ほん分子ぶんしを用もちいたリン酸化さんか生体せいたい物質ぶっしつの分離ぶんり・精製せいせい・検出けんしゅつ法ほうをフォスタグ技術ぎじゅつと呼よび、リン酸化さんか生体せいたい分析ぶんせき解析かいせき技術ぎじゅつとして最先端さいせんたんの研究けんきゅう現場げんばに普及ふきゅうしはじめている。

概要がいよう

タンパク質たんぱくしつの可逆かぎゃく的てきなリン酸化さんかは、生体せいたいの情報じょうほう伝達でんたつに関かんする重要じゅうような生体せいたい反応はんのうの一ひとつである。そのようなタンパク質たんぱくしつリン酸化さんか反応はんのうの解析かいせき（リン酸化さんかプロテオミクス）は、ポストゲノム研究けんきゅうの主要しゅよう課題かだいとなっており、リン酸化さんかタンパク質たんぱくしつは重要じゅうような創そう薬やくターゲットとなっている。当とう技術ぎじゅつは、当とう分子ぶんしの持もつ性質せいしつ、即すなわち、中性ちゅうせいpH，室温しつおん，水溶液すいようえき中ちゅうで、アニオン性せい配はい位い子こと結合けつごうする性質せいしつ（とくに2価かのリン酸さんモノエステルアニオンと強つよく結合けつごう）を用もちいて、従来じゅうらいの酵素こうそ免疫めんえき法ほう、放射ほうしゃ性せい同位どうい元素げんそ法ほう（シンチグラフィ）に代かわって、リン酸さん基もとを持もつ物質ぶっしつの捕捉ほそくや、それまでは不安定ふあんていで測定そくていが困難こんなんだった不安定ふあんてい種しゅリン酸化さんか化合かごう物ぶつの安定あんてい化かをおこなえ、また、当とう分子ぶんしに捕捉ほそくされた化合かごう物ぶつは、過剰かじょうの無機むきリン酸さんイオンを添加てんかすることにより、リン酸化さんか有機ゆうき化合かごう物ぶつを速すみやかに遊離ゆうりすることができる。

具体ぐたい的てきな用途ようと

生化学せいかがく分野ぶんや，タンパク質たんぱくしつ，核酸かくさんなど、リン酸さん基もとを分子ぶんし内ないに有ゆうするほとんどの化合かごう物ぶつに対たいして標識ひょうしき化かできる当とう分子ぶんしの性質せいしつを利用りようして以下いかの用途ようとが考かんがえられる。

• リン酸化さんか化合かごう物ぶつのリン酸さん基もとを捕捉ほそくして、核かく磁気じき共鳴きょうめいや質量しつりょう分析ぶんせきにより比較ひかく試料しりょうとのスピン差さや質量しつりょう差さにより、未知みちのリン酸化さんか分子ぶんしの検出けんしゅつに利用りようできる。
• 可逆かぎゃく的てきなリン酸化さんか分子ぶんし捕捉ほそく能のうを利用りようし、リン酸化さんかタンパク質たんぱくしつのゲルシフト電気でんき泳およげ動どうやクロマトグラフィーに利用りようできる。
• 当とう分子ぶんしを結合けつごうさせたプレート，樹脂じゅし，磁気じきビーズ，繊維せんいなどは、リン酸化さんか分子ぶんしを選択せんたく的てきに分離ぶんり精製せいせいに利用りようすることができる。

外部がいぶリンク

• phos-tag.com