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RSS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
RSS
ウェブブラウザで使われているRSSフィードアイコン
拡張子かくちょうし.rss, .xml, .rdf
MIMEタイプapplication/rdf+xml, application/xml
開発かいはつしゃ 
初版しょはんRSS 0.90 ( Netscape ) - 1999ねん3がつ15にち (25ねんまえ) (1999-03-15)[1]  
最新さいしんばん
RSS 2.0 ( version 2.0.11 )[2]  
(2009ねん3がつ30にち (15ねんまえ) (2009-03-30))
派生はせいもとXML
国際こくさい標準ひょうじゅん 
オープン
フォーマット
はい。  

RSS(Really Simple Syndication(※名称めいしょう注釈ちゅうしゃく参照さんしょう[注釈ちゅうしゃく 1], [注釈ちゅうしゃく 2], [注釈ちゅうしゃく 3])は、ニュースブログなど各種かくしゅウェブサイト更新こうしん情報じょうほう配信はいしんするための文書ぶんしょフォーマット総称そうしょうである。

RSSには、歴史れきしてき経緯けいいによりそれぞれ記述きじゅつ方法ほうほう用途ようとことなる2つの規格きかく存在そんざいしている。

概要がいよう

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RSSの取得しゅとく講読こうどくにはRSSリーダーフィードリーダーとも)とばれるソフトウェアを使つかう。また、RSSを作成さくせい追加ついかするためのソフトウェアもあるが、比較的ひかくてきシンプルなXML形式けいしきなので手作業てさぎょうでも可能かのうである。

RSSに対応たいおうしているウェブサイトではRSSに対応たいおうしていることを明確めいかくにするために下記かきのような表示ひょうじ使つかわれていることがおおい。

ブログなどでの更新こうしん情報じょうほう、ニュース配信はいしんサイトの最新さいしんニュース、その各種かくしゅサイトのプレスリリースしん情報じょうほう、サポート情報じょうほうなどを、RSSを使つかったヘッドライン情報じょうほうとして配信はいしんし、利用りようしゃはそれをリーダーやブラウザ付属ふぞくのリーダー機能きのうむ。

RSSフォーマットの歴史れきし変遷へんせん

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RSSはResource Description Framework( RDF )の採用さいようをめぐって現在げんざい分裂ぶんれつ状態じょうたいにあり、1.0と2.0の2つの系列けいれつかれている。当初とうしょ、0.9はRDFをベースにしたデータ形式けいしき利用りようしていたが、0.91ではシンプルするためにRDFを利用りようしなくなった。その、1.0では0.9の系列けいれつ引継ひきつぎ、複雑ふくざつなRDFを採用さいようすることで応用おうようせいたかデータ利用りようできるようにした。これにたいして、2.0は0.91を引継ひきつぎ、コンテンツ配信はいしんとくすることで複雑ふくざつなRDFを排除はいじょしている。

最初さいしょのRSSであるRSS 0.9は、RDF site summary[注釈ちゅうしゃく 4][注釈ちゅうしゃく 5]として、1999ねん3がつ米国べいこくネットスケープコミュニケーションズ自社じしゃポータルサイトMy Netscape」において、「チャンネル」の詳細しょうさいしるすために策定さくていしたものである。RDF構文こうぶんもちいたことから、RDF site summaryばれる。

そのネットスケープコミュニケーションズはRDF構文こうぶん利用りようめ、独自どくじのXMLフォーマットをもちいて要素ようそ拡張かくちょうし、よりリッチな情報じょうほう提供ていきょうできるようにしたRSS 0.91を開発かいはつした。

rich site summary改名かいめいされたRSS 0.91は、RSS 0.9に要素ようそ拡張かくちょうする目的もくてきつくられ、1999ねん7がつにこのバージョンがリリースされた。RDFをもちいず、独自どくじのXMLで記述きじゅつされる。

ユーザーランド・ソフトウェアしゃUserLand Software)の「スクリプティングニュース」(ScriptingNews)から著作ちょさくけん日付ひづけ情報じょうほうなどいくつかの要素ようそ拡張かくちょうされた。それまでのRSS 0.9よりおおくの情報じょうほう配信はいしんできるようになったため、rich site summary[注釈ちゅうしゃく 6]ばれ、その派生はせいしたRSS 0.92、RSS 2.0のベースとなっている。

Netscapeしゃ撤退てったい

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RSS 0.91のリリース、8年間ねんかんにわたってNetscapeしゃはRSSの開発かいはつから撤退てったいしてしまう。あたらしくオーナーになったAOLしゃによる会社かいしゃ再編さいへんなかで、Netscapeしゃ2001ねん4がつにMy.Netscape.ComでRSSサポートを終了しゅうりょうし、RSSのドキュメントや支援しえんツールるい削除さくじょしてしまった[3]

RSS 0.91の登場とうじょう以降いこう、RSSがつ「コンテンツ配信はいしん機能きのうたいしての需要じゅようがさらにたかまっていた。そのときにNetscapeしゃ撤退てったいして空白くうはくしょうじてしまった。こののち、よりリッチなコンテンツ配信はいしん目指めざそうとする制作せいさくしゃたちが、独自どくじ要素ようそをRSSに追加ついかしてしまうなど、フォーマットの拡張かくちょうにおける混乱こんらんがおこることとなった。

この「空白くうはく」をうずめようと、ふたつのグループががってきた。いずれのグループもNetscapeしゃ助力じょりょく承認しょうにんていない。ひとつはRSS-DEV Working Groupのグループであり、もうひとつはDave WinerUserLand Softwareしゃのグループである。UserLand SoftwareしゃはNetscape社外しゃがいつくられたものとしては最初さいしょのものとなる、RSSのきが可能かのう出版しゅっぱんツールを公開こうかいした。

RSS 1.0の系統けいとう

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こうした混乱こんらんのなかで、RSSでよく使つかわれる語彙ごい使つかわれる要素ようそぐんを「コア」として定義ていぎし、それ以外いがい拡張かくちょうするがわ独自どくじ語彙ごいを「モジュール」として定義ていぎすることで、中核ちゅうかく語彙ごい拡張かくちょうせい保証ほしょうさせようとする提案ていあんが RSS-DEV ワーキンググループないこり、その成果せいかとして2000ねん12月にRSS 1.0がリリースされた。

RSS 1.0は0.9時代じだいもちいられていたRDFをふたた採用さいようし、RSSがつ「メタデータ記述きじゅつ」としての側面そくめん主眼しゅがんいたフォーマットとなっている。

また、RSSコアモジュールのほか公式こうしきなモジュールとして、Dublin Core モジュール、Syndication モジュールおよContent モジュールがさだめられた。これにより RSS 0.9の不満ふまんであった語彙ごいまずしさを解消かいしょうさせ、またコンテンツ配信はいしん手段しゅだんとしてRSS 1.0を採用さいようするみちのこすものとなった。

RSS 1.0 の登場とうじょうは、(メタデータ記述きじゅつ技術ぎじゅつとしての)RSSの中核ちゅうかく語彙ごいおよ拡張かくちょうせい保証ほしょうするものとなった。しかしRDFをふたた採用さいようしたこと、モジュールによるXML名前なまえ空間くうかん複雑ふくざつはすべてのRSS配信はいしんしゃ満足まんぞくさせず、RSS 0.91 けいのフォーマットを拡張かくちょうするうごきがふたたびみられることとなった。

RSS 0.92 から RSS 2.0 の系統けいとう

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RSS 1.0のみちかならずしもだれもがこのむものではなかった、とはいえRSS 0.91以降いこうきていたフォーマット拡張かくちょう混乱こんらんける必要ひつようがあった。そのため拡張かくちょうをオプションとして提供ていきょうし、かつRSS 0.91への互換ごかんせいたせる方法ほうほう提案ていあんされ、それをけて2000ねん12月にユーザーランド・ソフトウェアしゃからRSS 0.92が発表はっぴょうされた。

ユーザーランド・ソフトウェアしゃはその互換ごかんせい維持いじしたままRSS 0.93、RSS 0.94の素案そあん公表こうひょうしたが、その撤回てっかいし、2002ねん8がつにRSS 0.91 からRSS 0.94までのすべてのフォーマットにたいする互換ごかんせい保証ほしょうしたRSS 2.0を策定さくていし、これをreally simple syndication[注釈ちゅうしゃく 7]名付なづけた。

RSS 2.0はあくまで0.9xけいながれを規格きかくであって、RSS 1.0の後継こうけいではない。それぞれの目指めざ方向ほうこうせいおなじではないため、場面ばめんおうじて使つかけられている。

2003ねん7がつに、RSS 2.0制定せいてい中心ちゅうしん人物じんぶつデイヴ・ウィナーDave Winer)の移籍いせきあわせ、仕様しようハーヴァード大学だいがくロースクールのバークマンセンターに移管いかんされた。

RSS 1.0 と RSS 2.0 の関係かんけいについて、バージョンをあらわ数値すうち大小だいしょう関係かんけいから、前者ぜんしゃきゅう規格きかく後者こうしゃ後継こうけい規格きかくであるという誤解ごかい見受みうけられるが、これは事実じじつではない。RSS 2.0 はシンプルさの代償だいしょうとして RSS 1.0 のそなえる(RDFによる)強力きょうりょく表現ひょうげんりょく放棄ほうきしたため、RSS 1.0 をえるものではない。

RSS 2.0 にわるコンテンツ配信はいしん技術ぎじゅつとして、IBMのサム・ルビー (Sam Ruby) などが中心ちゅうしんとなり、Atomばれるあたらしい規格きかく策定さくていされた。Atom にはウェブログ・ツールMovable Type開発元かいはつもとSix Apartしゃやスタンフォード大学だいがく法学部ほうがくぶローレンス・レッシグ教授きょうじゅ、XML開発かいはつしゃのティム・ブレイ (Tim Bray) などが支持しじ表明ひょうめいし、またGoogle自社じしゃのサービスGmailにて、メールの内容ないようAtomフィードで提供ていきょうするサービスをおこなった。

WinerとRSS-DEV Working GroupのいずれもNetscapeの関与かんよけていないため、両者りょうしゃともにRSSの名前なまえ形式けいしきについて、公的こうてき正統せいとうせい主張しゅちょうできなかった。これが配信はいしん開発かいはつコミュニティで現在げんざいでもいている、「RSS」の管理かんりもととしてどちらが適切てきせつなのかという論争ろんそうもととなってきた。

この論争ろんそう副産物ふくさんぶつともいえるのが、2003ねん7がつから開発かいはつはじまったあたらしい配信はいしん形式けいしきAtomである[4] 。Atom配信はいしん形式けいしき開発かいはつ動機どうきひとつは、RSSを問題もんだいからはなれて、しがらみのないところはじめたいという動機どうきもあった。AtomはIETF提案ていあん標準ひょうじゅんRFC 4287として採択さいたくされた。

衰退すいたい

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その、RSS 1.0、RSS 2.0 そして Atom は、いずれにも集約しゅうやくされることなく各々おのおのひろ普及ふきゅうしていた。RSSリーダーのおおくはそれらすべてに対応たいおうしており、一方いっぽうのウェブサイトがわも、フィード配信はいしんのためにそれらのうち複数ふくすう利用りようすることもめずらしくなかった。しかし、SNSキュレーションアプリ普及ふきゅうともない、RSSてき技術ぎじゅつそのものの需要じゅよう減少げんしょうしていき、2013ねんにはGoogle リーダー[5]2017ねんにはLive Dwango Readerがいずれも利用りようしゃすう減少げんしょう理由りゆうにサービスを終了しゅうりょう[6]いで2018ねんには主要しゅようブラウザであるMozilla FirefoxもRSS/Atomのサポートを廃止はいしした[7]

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 水野みずの貴明たかあき詳解しょうかいRSS~RSSを利用りようしたサービスの理論りろん実践じっせん』、ディー・アート、2005ねん ISBN 4-88648-746-7

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ RSS 0.9xけい:Rich Site Summary
  2. ^ RSS 0.9、RSS 1.xけいRDF Site Summary
  3. ^ RSS 2.0けい:Really Simple Syndication
  4. ^ 「RDFによるウェブサイト要約ようやく」を意味いみする。
  5. ^ RDFについてはResource Description Framework参照さんしょうのこと。
  6. ^ 内容ないようゆたかなウェブサイト要約ようやく」を意味いみする。
  7. ^ 本当ほんとう簡素かんそ配信はいしん」を意味いみする。

出典しゅってん

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  1. ^ https://www.rssboard.org/rss-0-9-0
  2. ^ https://www.rssboard.org/rss-specification
  3. ^ Andrew King (2003ねん4がつ13にち). “The Evolution of RSS”. 2007ねん1がつ17にち閲覧えつらん
  4. ^ Festa, Paul (2003ねん8がつ4にち). “Dispute exposes bitter power struggle behind Web logs”. news.cnet.com. 2008ねん8がつ6にち閲覧えつらん。 “The conflict centers on something called Really Simple Syndication (RSS), a technology widely used to syndicate blogs and other Web content. The dispute pits Harvard Law School fellow Dave Winer, the blogging pioneer who is the key gatekeeper of RSS, against advocates of a different format.”
  5. ^ GoogleのRSSリーダー「Googleリーダー」が7がつ1にちでサービス終了しゅうりょう”. GIGAZINE (2013ねん3がつ14にち). 2018ねん10がつ18にち閲覧えつらん
  6. ^ RSSリーダーは“オワコン”なのか? スマホ・SNS時代じだい情報じょうほう収集しゅうしゅうかんがえる”. ITmedia (2017ねん7がつ27にち). 2018ねん10がつ17にち閲覧えつらん
  7. ^ Your RSS is grass: Mozilla euthanizes feed reader, Atom code in Firefox browser, claims it's old and unloved”. The Register (2018ねん10がつ13にち). 2018ねん10がつ18にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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