Rupo

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Rupo JW-05Hの前面ぜんめん
Rupo JW-05Hの上面うわつら
1980年代ねんだい後半こうはん発売はつばいされたRupo
Rupo JW-P22とJW-F201

Rupo(ルポ)は、東芝とうしば子会社こがいしゃ東芝情報機器とうしばじょうほうきき東芝とうしばクライアントソリューションが製造せいぞう 現在げんざいDynabook株式会社かぶしきがいしゃ)が発売はつばいした日本語にほんごワードプロセッサ専用せんよう以下いかワープロ)。

書院しょいん」(シャープ)や「OASYS」(富士通ふじつう)、「文豪ぶんごう」(日本電気にほんでんき)などとならんで日本語にほんごワープロ専用せんよう先駆さきがてき存在そんざいである。初代しょだいRupoである1985ねんのJW-R10からはじまり、1999ねん発売はつばいのJW-G7000をもってそのまくじたが、その東芝とうしば携帯けいたい電話でんわ日本語にほんご入力にゅうりょくシステムモバイルRupo」に名前なまえのこしていた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

Rupoシリーズの源流げんりゅうのJW-10

1978ねん東芝とうしば世界せかいはつ日本語にほんごワープロJW-10発売はつばい。 その、1982ねん後継こうけいである個人こじんけワープロTOSWORD JW-1(定価ていか59まん8,000えん液晶えきしょうは10×2ぎょうおもさ11.5kg、外部がいぶ記憶きおく装置そうちは5.25インチフロッピーディスク)を発売はつばいし、これ以降いこう業務ぎょうむようワープロにはTOSWORDというブランドめいかんするようになる。 そして1985ねん7がつ家庭かていようワープロRupo JW-R10(定価ていか9まん9,800えんはば320×奥行おくゆき305×たかさ54cm、液晶えきしょうは10×2ぎょうおもさ3.15kg、外部がいぶ記憶きおく装置そうちはカセットレコーダ、電源でんげんはACアダプタ・単一たんいつ乾電池かんでんち4ほんの2種類しゅるい)を発売はつばい。 このJW-R10は、JW-10と比較ひかくして価格かかくやく1/60、おおきさやく1/170、おもやく1/50という、ちょう小型こがたちょうてい価格かかく成功せいこうした商品しょうひんである。

Rupoシリーズ最大さいだい特長とくちょうは、初代しょだいRupoからわずか4ヶ月かげつに、3.5インチFDD搭載とうさいしたJW-R50Fを発売はつばいし、さらに翌年よくねんには40×11ぎょう表示ひょうじ可能かのうなディスプレイを搭載とうさいしたJW-70Fを発売はつばいするなど、圧倒的あっとうてきなスピードでその性能せいのう進化しんかさせていったことである。 Rupoシリーズ一貫いっかんした特徴とくちょうとしては、「機能きのう1」「機能きのう2」というふたつのキーと数字すうじキーをわせてファンクションを実現じつげんしていることである。これは初代しょだいJW-R10から最終さいしゅうのJW-G7000まで例外れいがいなくすべての機種きしゅ採用さいようされている。 また、豊富ほうふなアプリケーションソフトウェアも特長とくちょうであり、おもて計算けいさんLotus 1-2-3や「はがき上手じょうず」などの実用じつようけいソフトのほか、ゲームソフト(「倉庫そうこばん」、「ロードランナー」、「ボンバーマン」など)がラインナップされていた。

フォントの変遷へんせん[編集へんしゅう]

Rupoのフォントにはおおきくけて4つの世代せだいがある。

初代しょだいRupoは、東芝とうしば独自どくじ開発かいはつしたフォントが搭載とうさいされた。24×24のビットマップフォントであった。

つぎ世代せだいから書院しょいんなど他社たしゃのメーカーにも採用さいようされたJISフォントにわったが、つづきサイズは24×24であった。このフォントは、JW-R70F(1986ねん8がつ)、JW-R55F(1986ねん11月)以降いこう、JW-70シリーズ、JW-80シリーズ、JW-90シリーズ、JW-100シリーズなどに搭載とうさいされた。

そのつぎ世代せだいから、アウトラインフォント搭載とうさいされたJW-95Hが1989ねん登場とうじょうした。これまでの150dpiを大幅おおはば上回うわまわる、10ポイント56×56ドット(400dpi)の印字いんじヘッドを搭載とうさいし、ちいさい文字もじからおおきな文字もじまで非常ひじょうになめらかな印刷いんさつ可能かのうとなった。フォントはのち書院しょいんスララOASYSのような他社たしゃのメーカーのワープロにも採用さいようされたモトヤ明朝みんちょう採用さいようした。このフォントは、JW-85F、JW-88シリーズ、JW-95シリーズ、JW-105シリーズよりあたらしいシリーズに搭載とうさいされた。このとき、JW-88FXではほそまるゴシックたい、JW-95JPではゴシックたい、JW-95JVではせい楷書かいしょたいなど、複数ふくすうのフォントが搭載とうさいされるのが普通ふつうになっていった。

最後さいご世代せだいでは、またあたらしいフォントが使つかわれるようになった。このとき、さらにこう精細せいさいな800dpiでの印刷いんさつ可能かのうになったり、フルカラー印刷いんさつ可能かのうになるなど、印刷いんさつ品質ひんしつてんではカラーレーザープリンターにも匹敵ひってきするほどの性能せいのうとなった。

Rupo Writer[編集へんしゅう]

PC/AT互換ごかんベースのワープロ専用せんよう Rupo WPC5000[1]のワープロ機能きのうとして開発かいはつされ、1996ねん6がつWindows 3.1動作どうさする東芝とうしばせいパソコンワープロソフトとして、Ver.1.0を発売はつばい[2]

1996ねん10がつにはWindows 95対応たいおうしたVer.2.0が発売はつばいされた。文章ぶんしょう作成さくせい機能きのうかんしてはRupoシリーズ・TOSWORDシリーズとおな機能きのうそなえており、Rupo JWシリーズ・WPC5000、TOSWORDシリーズや、一太郎いちたろう Ver6.0形式けいしき・6.3形式けいしきMicrosoft Word6.0形式けいしき作成さくせいした文章ぶんしょう相互そうご変換へんかんすることができた。またIMEにRupo ACEが付属ふぞくしていたり、Ver.2.0ではホームページ作成さくせい機能きのうや、EPWING形式けいしきのCD-ROM電子でんし辞書じしょにも対応たいおうしていた。現在げんざい販売はんばい終了しゅうりょう

Rupo ACE[編集へんしゅう]

Rupoシリーズで使用しようされていた「東芝とうしばかな漢字かんじ変換へんかん」を、WindowsようのIMEとして移植いしょくしたもの。1996ねん1がつ16にち発売はつばいのRupo WPC5000に搭載とうさいされるIMEとして開発かいはつされ、1997ねん9がつ9にちにWindows 95対応たいおうの「Rupo ACE Ver.2.0」として単体たんたいでのダウンロード販売はんばい開始かいしされた[3]。1998ねん4がつ9にちから2000ねん12月31にちまでIME辞書じしょ自動じどう更新こうしんサービスもおこなわれ[4][5]、1999ねん1がつ1にちにはVer.3.0が発売はつばいされたが、販売はんばい終了しゅうりょう

Mobile Rupo[編集へんしゅう]

Rupoが生産せいさん停止ていしとなってからも携帯けいたい電話でんわでは文字もじ入力にゅうりょくエンジンをいだ日本語にほんご入力にゅうりょくシステム「Mobile Rupo」(モバイルRupo)が、東芝とうしばせい携帯けいたい電話でんわ搭載とうさいされつづけていた。モバイルRupoの特徴とくちょうとして、みの一部いちぶ入力にゅうりょくすることで単語たんご予測よそくするフレーズ予測よそく機能きのうPOBoxことなり過去かこ変換へんかんした候補こうほのみがる)や、連文節れんぶんせつ変換へんかんへのつよさなどがあった[6]

しかしKDDIauよう共通きょうつうプラットフォームKCPからKCP+移行いこうするさいに、KCP+の日本語にほんご入力にゅうりょくシステムに標準ひょうじゅんATOK採用さいようされると、シャープの機種きしゅにおいて「書院しょいん」のながれをくむ「ケータイShoin」がしばらく独自どくじ搭載とうさいされつづけた(SH009以降いこうiWnn)のとはことなり、モバイルRupoが搭載とうさいされたのはKCPW55Tまでで、KCP+W56T以降いこうはATOKにえた。ソフトバンクモバイル機種きしゅではそのもモバイルRupoが搭載とうさいされていたが、2009ねん最後さいご同社どうしゃ機種きしゅ発売はつばい東芝とうしばならびに富士通ふじつう東芝とうしばモバイルコミュニケーションズからの発売はつばいはなくなっている。auやNTTドコモスマートフォン東芝とうしば機種きしゅではATOKもしくはMicrosoft IME採用さいようされており、モバイルRupoは事実じじつじょう搭載とうさい停止ていしとなっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 「プレスリリース パーソナルワープロ「Rupo」の機能きのうをWindows®環境かんきょう実現じつげんしたワープロパソコン「Rupo WPC5000」の発売はつばいについて」『東芝とうしば東芝とうしば、1995ねん11月15にち
  2. ^ 「プレスリリース パーソナルワープロ「Rupo」の機能きのうをWindows®95じょう実現じつげんしたワープロソフト「Rupo Writer Ver.2.0(For Windows®95)」の発売はつばいについて」『東芝とうしば東芝とうしば、1996ねん9がつ25にち
  3. ^ 「プレスリリース パーソナルワープロ「Rupo」のかな漢字かんじ変換へんかんソフトをパソコンようソフトとして発売はつばい」『東芝とうしば東芝とうしば、1997ねん9がつ8にち
  4. ^ 業界ぎょうかいはつの「日本語にほんごIMEけプッシュがた辞書じしょサービス」の無償むしょうダウンロード提供ていきょう開始かいしについて東芝とうしば、1998ねん4がつ8にち
  5. ^ SoftParkの歴史れきし年表ねんぴょう」『SoftPark』 東芝とうしば、2012ねん7がつ19にち
  6. ^ 太田おおたじゅん (2005ねん2がつ8にち). “最新さいしんのモバイルルポ搭載とうさい - W21Tの文字もじ入力にゅうりょくため”. 効率こうりつよいメール入力にゅうりょくかんがえる. ITmedia +mobile. 2011ねん5がつ29にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]