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T-スプライン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

T-スプライン(T-spline)とは、コンピュータグラフィックス自由じゆう曲面きょくめん生成せいせい利用りようされる数学すうがくてきモデル。Autodeskしゃ開発かいはつおよ特許とっきょっており、Fusion 360などのAutodesk製品せいひん利用りようされている。

概要がいよう

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制御せいぎょてんもうすべてのれつ曲面きょくめん全体ぜんたい横断おうだんすることになる(つまり四角形しかっけいのトポロジーしかてない)NURBS曲面きょくめんたいして、T-スプライン曲面きょくめん制御せいぎょてんもうあみれつ途中とちゅう終了しゅうりょうすることができる、つまりTがた制御せいぎょてん(Tポイント)をてるというてんがT-スプラインのおおきな特徴とくちょうである。そのためT-スプラインによる曲面きょくめん生成せいせいは、NURBS曲面きょくめんよりも制御せいぎょてんかずらすことができ、ピースのマージもしやすくなるが、一方いっぽう頂点ちょうてん接続せつぞく不規則ふきそくになるため、これを追跡ついせきするブックキーピング処理しょり負荷ふか増加ぞうかする。

T-スプライン曲面きょくめんはノットの挿入そうにゅうをすればNURBS曲面きょくめん変換へんかんでき、またNURBS曲面きょくめんはノットの削除さくじょをすればTポイントのないT-スプライン曲面きょくめん変換へんかんできる[1]。したがって、NURBSで可能かのうなことはすべて、理論りろんてきにはT-スプラインでも可能かのうであるとえる。ただし、現在げんざいのNURBSの機能きのう実現じつげんするために過去かこ膨大ぼうだいりょうのプログラミングが必要ひつようとされたことをかんがえると、NURBSと同等どうとう機能きのうをT-スプラインにおいて実現じつげんするには、やはり膨大ぼうだい企業きぎょう努力どりょく必要ひつようとなるとかんがえられる。みっ以上いじょう曲面きょくめんなめらかに結合けつごうするために、T-スプラインは3×3そう)の幾何きかてき連続れんぞくせい確保かくほしている[2]近年きんねんでは、4×4そう)も可能かのうとなった[3][4][5]

T-スプライン、サブディビジョンサーフェスNURBS、そしてポリゴンメッシュたがいに補完ほかんてき技術ぎじゅつである。サブディビジョンサーフェスは、幾何きかがくてき連続れんぞくせい維持いじされたT-スプライン曲面きょくめんやNURBS曲面きょくめんおなじく、サーフェス同士どうしがどのような接続せつぞく状態じょうたいあるいはトポロジーであっても(たとえばあな分岐ぶんきなど)、すべての箇所かしょにおいてなめらかな曲面きょくめん表現ひょうげんできる。しかし、T-スプライン、サブディビジョンサーフェス、NURBSのいずれであっても、ふたつの曲面きょくめん交差こうさせん代数だいすうがくてき意味いみ正確せいかく表現ひょうげんすることはできない。ポリゴンメッシュは正確せいかく交差こうさせん表現ひょうげんできるが、工業こうぎょう設計せっけい要求ようきゅうされるようなこう品質ひんしつ曲面きょくめんることはできない。サブディビジョンサーフェスはアニメ業界ぎょうかいではひろ採用さいようされている。とりわけピクサーが開発かいはつしたサブディビジョンサーフェスのバリアントは、エッジウェイト(あたりおもみ)を利用りようすることができるという利点りてんがある。T-スプラインはエッジウェイトにはまだ対応たいおうしていない。

T-スプラインの技術ぎじゅつは2003ねんはじめて公表こうひょうされた[6]米国べいこく特許庁とっきょちょうは2007ねん特許とっきょ番号ばんごう7,274,364でT-スプラインに関連かんれんする技術ぎじゅつ認可にんかした。この技術ぎじゅつ商業しょうぎょうするため、2004ねんにはT-Splinesしゃ設立せつりつされたが、2011ねんにAutodeskしゃ買収ばいしゅうされた[7]

外部がいぶリンク

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Thomas W. Sederberg, Jianmin Zheng, Tom Lyche, David Cardon, G. Thomas Finnigan, Nicholas North: T-Splines Simplification and Local Refinment, from ACM Trans. Graph. (SIGGraph 2004)
  2. ^ J. Fan, J Peters, On Smooth Bicubic Surfaces from Quad Meshes, ISVC 2008, see also: Computer Aided Design 2011, 43(2): 180-187
  3. ^ J Peters,Biquartic C^1 spline surfaces over irregular meshes, Computer Aided Design 1995 27 (12) p 895--903
  4. ^ M.A. Scott and R.N. Simpson and J.A. Evans and S. Lipton and S.P.A. Bordas and T.J.R. Hughes and T.W. Sederberg, Isogeometric boundary element analysis using unstructured T-splines, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering, 2013 254. p 197-221
  5. ^ G. Westgaard, H Nowaki, Construction of fair surfaces over irregular meshes, Symposium on Solid Modeling and Applications 2001: 88-98
  6. ^ Thomas W. Sederberg, Jianmin Zheng, Almaz Bakenov, Ahmad Nasri: T-Splines and T-NURCCS, from ACM Trans. Graph. (SIGGraph 2003)
  7. ^ http://www.businesswire.com/news/home/20111222005259/en/Autodesk-Acquires-T-Splines-Modeling-Technology-Assets