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NURBS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
3次元じげんのNURBS曲面きょくめん複雑ふくざつ有機ゆうきてき形状けいじょうをとることができる。制御せいぎょてん曲面きょくめん方向ほうこう位置いち支配しはいする。最下さいか四角形しかっけいはこの曲面きょくめんのXY平面へいめんじょうへの投影とうえいである
NURBS曲線きょくせんれい
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NURBSNon-Uniform Rational B-Splineいちよう有理ゆうりBスプライン)のりゃくで、曲線きょくせん曲面きょくめん生成せいせいするためにコンピュータグラフィックス一般いっぱんてき採用さいようされる数学すうがくてきモデルである。その柔軟じゅうなんせい正確せいかくせいからモデリングよう形状けいじょうにも、解析かいせきてき用途ようとにもいている。

歴史れきし

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NURBSは1950年代ねんだい船体せんたい航空機こうくうき自動車じどうしゃそと表面ひょうめん形状けいじょう使つかわれるような自由じゆう曲面きょくめん数学すうがくてき正確せいかく表現ひょうげんする必要ひつようのあったエンジニアらによって開発かいはつされた。必要ひつようおうじていつでも完璧かんぺき同一どういつ形状けいじょうさい生成せいせいされるような仕組しくみはそれ以前いぜんにはなく、曲面きょくめん表現ひょうげんするにはデザイナーによって形作かたちづくられた物理ぶつりてき模型もけいもちいるほかなかった。

この開発かいはつにおけるパイオニアは、ともにフランス出身しゅっしんルノーのエンジニアピエール・ベジェシトロエンポール・デ・カスティリョ英語えいごばん がいる。ベジエとデ・カスティリョはほとんど同時どうじ開発かいはつすすめており、そのことをたがいにらなかった。このモデルが一般いっぱんてきにコンピュータグラフィックスのユーザあいだスプライン曲線きょくせんのひとつであるベジェ曲線きょくせんとしてられているのはかれ自分じぶん研究けんきゅう出版しゅっぱんしたからである。いっぽうデ・カスティリョはかれ開発かいはつしたパラメトリック曲面きょくめん評価ひょうかするためのアルゴリズムとしてられるのみにとどまる。1960年代ねんだいにNURBSはベジェ曲線きょくせん一般いっぱんされたモデルであることがわかった。NURBSがそのとおいちよう有理ゆうりBスプラインであるのにたいし、ベジェ曲線きょくせん一様いちよう非有理ひゆうりBスプライン(uniform non-rational B-splines、ただし、一様いちよう非有理ひゆうりBスプラインとかUNRBSとばれることはない)といえる。

当初とうしょはNURBSの利用りよう自動車じどうしゃメーカーうちもちいられるプロプライエタリCADきゃどソフトのみに限定げんていされていた。その標準ひょうじゅんてきなコンピュータグラフィックスソフトにも採用さいようされていった。 1989ねんSilicon GraphicsワークステーションうえはじめてリアルタイムでインタラクティブなNURBSのレンダリングが可能かのうになった。1993ねんにはCAS Berlinというベルリン工科こうか大学だいがくきょうはたらけ関係かんけいにあったちいさなスタートアップ企業きぎょうがNöRBSというパーソナルコンピュータうえ動作どうさするNURBSモデラが開発かいはつされた。こんにちほとんどのプロフェッショナルなデスクトップCGソフトはNURBSの技術ぎじゅつ採用さいようしている。そのうちのほとんどはそれ専用せんよう企業きぎょうからNURBSエンジンを購入こうにゅうしている。

使用しよう

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モーターヨットのモデリング

NURBSはCADきゃどCAMCAE一般いっぱんてきもちいられており、IGESSTEPACIS英語えいごばんPHIGSなど数々かずかず世界せかい標準ひょうじゅん採用さいようされている。コンピュータグラフィックスソフトやアニメーションソフトウェアパッケージにも採用さいようされていることがある。MayaCinema 4D有名ゆうめいである。

NURBSはコンピュータプログラムにとって都合つごうがよいだけでなく、人間にんげんによる編集へんしゅうにもいている。NURBS曲線きょくせんぬの縦糸たていと横糸よこいと使つかったものがNURBS曲面きょくめんといえる。その形状けいじょう制御せいぎょてん(control point)により定義ていぎされ、制御せいぎょてん編集へんしゅう移動いどうすることによって曲面きょくめん形状けいじょう変化へんかさせられる。 NURBS曲面きょくめんとくに、やや単純たんじゅん幾何きか形状けいじょうをコンパクトに表現ひょうげんするのにつよみがある。ぞく有機ゆうきてき曲面きょくめんばれるキャラクタなどのモデリングにはサブディビジョンサーフェスいており、実際じっさいゲーム業界ぎょうかいやアニメーション業界ぎょうかいではNURBSよりもこちらのほうが普及ふきゅうしている。サブディビジョンサーフェスは全体ぜんたいやわらかい生物せいぶつてきなモデルには無類むるいつよさをほこるが、数学すうがくてきとがったかくのある形状けいじょうはどうしても表現ひょうげんできないためCADきゃどでの利用りようはまずない。NURBSの数学すうがくてき正確せいかくせいというつよみとサブディビジョンサーフェスのやわらかな形状けいじょうというつよみをあわったあたらしいスプラインがT-スプラインである。これらはNURBSの2ぶんの1の制御せいぎょ点数てんすうやわらかな形状けいじょう表現ひょうげんできる。

一般いっぱんてきって、NURBS曲線きょくせんやNURBS曲面きょくめん編集へんしゅうきわめて直観ちょっかんてき予想よそう裏切うらぎらないものである。モデリングはベジェ曲線きょくせんのように要素ようそ制御せいぎょてんをいじって編集へんしゅうすることもできるし、より高度こうどスプラインモデリングのような階層かいそうじょう制御せいぎょおこなうこともできる。スプラインモデリングとは、NURBS曲面きょくめん四角しかくい「ぬの」のうちすうへんのみをNURBS曲線きょくせん定義ていぎして曲面きょくめんそのものの生成せいせいはソフトにまかせる方法ほうほうである。こうすることで本来ほんらい無数むすう制御せいぎょてん必要ひつようになるような複雑ふくざつ形状けいじょうをずっとすくない制御せいぎょてん表現ひょうげんされるスプラインすうほんなめらかにあらわすことができる。

曲線きょくせん曲面きょくめん連続れんぞくせい

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たとえばモーターヨットの船体せんたい表面ひょうめんをモデリングしていると仮定かていしよう。大抵たいてい場合ばあい、モデルはNURBS曲面きょくめん1まいではあらわしきれない(モーターヨットをいちまい伸縮しんしゅく自在じざいぬのつつむことは相当そうとう無理むりをすれば不可能ふかのうではないが、NURBSの性質せいしつじょうけるべきである)。そのため「パッチ」とばれるなんまいかのNURBS曲面きょくめんをつなぎあわせてぎをすることになる。モーターヨットの船体せんたいなめらかにしたい場合ばあいぎのあとのこしたくない。複数ふくすうのNURBS曲面きょくめんなめらかに、あたかもいちまい曲面きょくめんであるかのようにませあうためには、数学すうがくてき幾何きかてき連続れんぞくせい確保かくほしなければならない。

NURBSの特徴とくちょうかし、高度こうどなモデリングツールでは幾何きかてき連続れんぞくせい様々さまざまなレベルで実現じつげんすることが可能かのうである。

位置いち連続れんぞくPositional continuity (G0): 2つの曲線きょくせん曲面きょくめん当該とうがい部分ぶぶんで「接続せつぞく」されていることを保証ほしょうする。接続せつぞくしているだけなので、とがったコーナーやエッジがしょうじる可能かのうせいがある。こういった接続せつぞくではハイライトつながっておらずトリップする。また製造せいぞう過程かてい問題もんだいこすことがある。

接線せっせん連続れんぞくTangential continuity (G1): 当該とうがい部分ぶぶんでのベクトルが平行へいこうで、おな方向ほうこういていることを保証ほしょうする。この接続せつぞくではハイライトはつながっているがなめらかでないことがある。ただネジやエンジン内部ないぶなど審美しんびてき要素ようそひく一般いっぱんてき工業こうぎょう製品せいひんでは十分じゅうぶんなめらかさである。このレベルのなめらかさをっているサーフェスをクラスBサーフェスClass-B Surfaceとぶことがある。エッジに単純たんじゅんかくまる(フィレット)をかけた場合ばあい、そのエッジは接線せっせん連続れんぞくになる。

きょくりつ連続れんぞくCurvature continuity (G2): 接線せっせん連続れんぞくG1よりさらにきびしく、当該とうがい部分ぶぶんでのベクトルがおなながさであることを保証ほしょうする。きょくりつ連続れんぞくなエッジにちるハイライトはなめらかであるため、それら2つのサーフェスはあたかもひとつであるかのようにえる。そのため人目ひとめれやすい外面がいめん表面ひょうめんはこのレベルで表現ひょうげんされていることがのぞましい。このレベルのなめらかさをっているサーフェスをクラスAサーフェスClass-A Surfaceとぶことがある。iPhoneなどのApple製品せいひん一般いっぱんてき自動車じどうしゃきょくりつ連続れんぞくのサーフェスでモデリングされている。

技術ぎじゅつてき定義ていぎ

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NURBS曲線きょくせんはその次数じすうとウェイトの指定していされた複数ふくすう制御せいぎょてんのセット、そしてノットベクトル構成こうせいされる[1]前述ぜんじゅつのとおりNURBSはB-スプラインとベジエ曲線きょくせん一般いっぱんされた表現ひょうげんだが、最大さいだいちがいは制御せいぎょてんがウェイトをつことである。ウェイトをつことをあらわすのが有理ゆうりrationalであるということで、NURBSはB-スプラインの有理ゆうりである特別とくべつなケースである。

ベジエやNURBS曲線きょくせんふくまれるパラメータ(媒介ばいかい変数へんすう)を様々さまざま変化へんかさせるとその曲線きょくせんは2, または3次元じげん直交ちょっこう座標ざひょうけいうえあらわせる。同様どうようにベジエやNURBS曲面きょくめんふくまれるパラメータ(媒介ばいかい変数へんすう)を様々さまざま変化へんかさせるとその曲面きょくめん直交ちょっこう座標ざひょうけいじょうあらわせる。 NURBS曲線きょくせん曲面きょくめん以下いかてん有用ゆうようである:

  • アフィン変換へんかんおこなっても不変ふへんである[2]。そのため回転かいてん移動いどう(これらは代表だいひょうてきアフィン写像しゃぞうである)といった変換へんかんかく制御せいぎょてんごとにおこなえばNURBS曲線きょくせん曲面きょくめんもそっくりそのまま変換へんかんされる
  • 自由じゆう曲面きょくめんと、円錐えんすい円柱えんちゅうなどの幾何きかてき標準ひょうじゅんてき形状けいじょう両方りょうほうあらわせる。たとえばベジエ曲面きょくめん正確せいかくえんあらわせないという致命ちめいてき欠陥けっかんがあるがNURBSは可能かのうである
  • あらゆる性質せいしつ表面ひょうめん表現ひょうげんできる柔軟じゅうなんせい生物せいぶつてき形状けいじょうもサブディビジョンサーフェスなどにくらべればややむずかしたびたかいだけで可能かのうだし、ベジエではむずかしいきょくりつ連続れんぞく曲面きょくめんつくれる
  • ポリゴンメッシュなどのより単純たんじゅん方法ほうほうくらべ、すくないメモリ消費しょうひ形状けいじょう表現ひょうげんできる
  • 数値すうちてき安定あんてい正確せいかくなアルゴリズムをもちいてかなりはや形状けいじょう評価ひょうかできる

以下いかふしでは2次元じげんじょうのNURBS曲線きょくせん限定げんていして記述きじゅつするが、すべての記述きじゅつは3次元じげんじょう、またはそれ以上いじょう次元じげんにおいても適用てきよう可能かのうであることに留意りゅういしてほしい。

制御せいぎょてん

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制御せいぎょてん一般いっぱん曲線きょくせんじょうてんではなく、曲線きょくせん形状けいじょう決定けっていするためにもちいられる[3]曲線きょくせんじょうのとあるてん位置いちは、その前後ぜんご配置はいちされたいくつかの制御せいぎょてん位置いちおも線形せんけい表現ひょうげんされる。制御せいぎょてん曲線きょくせんじょうかくてんあたえる影響えいきょうは、そのてん制御せいぎょてんあいだ距離きょりによって定義ていぎされ、一般いっぱんには距離きょりみじかいほど影響えいきょうおおきくなる。次数じすう曲線きょくせん、すなわちかく制御せいぎょてんへのおもみがパラメータ多項式たこうしきさだまる基底きてい関数かんすうにより表現ひょうげんされる場合ばあいかんがえると、パラメータ空間くうかんかく制御せいぎょてんにより分割ぶんかつされ、その区間くかんないでのみ曲線きょくせんじょうてん影響えいきょうあたえる。これらの区間くかんりょうはしでは、基底きてい関数かんすうなめらかに0にちかづく。このとき曲線きょくせんなめらかさは曲線きょくせん次数じすうにより決定けっていされる。

基底きてい関数かんすういちれいとして次数じすうが1のものをかんがえると、これは三角形さんかっけい関数かんすう(テント関数かんすうであり、そのは0から1へかって線形せんけい上昇じょうしょうし、その、1から0へかって線形せんけい降下こうかする。この場合ばあい次数じすうが1であることから、曲線きょくせんのとある区間くかんじょうてんは2つの制御せいぎょてんから影響えいきょうける。基底きてい関数かんすうが0から1へと上昇じょうしょうするあいだに、2つの制御せいぎょてんのうち手前てまえ制御せいぎょてんからの影響えいきょう低下ていかしていく。この結果けっかとしてられる曲線きょくせん曲面きょくめん)は基底きてい関数かんすう連続れんぞくせいから、ポリライン(あるいはポリゴン)であり、連続れんぞくせいつものの、制御せいぎょてん影響えいきょうあたえる区間くかん端点たんてんにおいては微分びぶん不可能ふかのうである。なお、区間くかん内部ないぶてんにおいては、基底きてい関数かんすう多項式たこうしきであり、基底きてい関数かんすうによりさだまるおもみと制御せいぎょてん位置いち線形せんけい曲線きょくせん定義ていぎされる以上いじょう曲線きょくせん十分じゅうぶんなめらかで無限むげんかい微分びぶん可能かのうである。

おおくのアプリケーションにおいて、上記じょうきのような制御せいぎょてん特定とくてい区間くかんない曲線きょくせんにのみ影響えいきょうあたえる、すなわち基底きてい関数かんすうだい局所きょくしょてきであることが有利ゆうりはたらく。さん次元じげん形状けいじょうのモデリングにおいては、ひとつの制御せいぎょてん移動いどうしてかたちととのえるさい一部いちぶ形状けいじょうのみが変化へんかして、それ以外いがい領域りょういきには影響えいきょうあたえないためである。

とある曲線きょくせんたとえばペンでかみにスケッチしたカーブ)を制御せいぎょてんにより定義ていぎされる多項式たこうしき曲線きょくせんにより近似きんじしたい場合ばあい理論りろんじょう制御せいぎょてんおおければおおいほどちか形状けいじょうることができる一方いっぽうで、有限ゆうげん個数こすう制御せいぎょてんあらわせる曲線きょくせんには限界げんかいがある。そのため、NURBS曲線きょくせんにおいて、個々ここ制御せいぎょてんにはウェイトというスカラーりょう設定せっていされており、これにより制御せいぎょてんかずやすことなく、より自由じゆうたか曲線きょくせん表現ひょうげん可能かのうとなっている。NURBS曲線きょくせん一種いっしゅかんがえられるB-スプライン曲線きょくせんひとしではかく制御せいぎょてんへのおもみは一様いちように1となっているが、これを一部いちぶのみ2とすればその制御せいぎょてん影響えいきょうりょくが2ばいになり、0とあれば影響えいきょうりょくはなくなる。このようなおもみの一様いちようせい(non-unifomity)の結果けっかとしてかく制御せいぎょてんにかかるおも線形せんけい係数けいすう有理ゆうり関数かんすう(rational function)であらわされることがNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)の名前なまえ由来ゆらいである。この結果けっかとしてNURBS曲線きょくせんは、おもえん楕円だえんなどの円錐えんすい曲線きょくせん数学すうがくてき厳密げんみつ表現ひょうげんできることにくわえ、通常つうじょうさん次元じげんモデリングにおいては、このほかスプライン曲線きょくせん同様どうように、おもみを意識いしきせずに利用りようすることができる。

また、曲線きょくせん曲面きょくめんといった形状けいじょう処理しょり以外いがい応用おうようけると、制御せいぎょてんには一般いっぱんてき次元じげん概念がいねんいだせる。通常つうじょう曲線きょくせん定義ていぎする場合ばあいには次元じげん座標ざひょうじょうてんを、曲面きょくめん定義ていぎする場合ばあいにはさん次元じげん座標ざひょうじょうてん制御せいぎょてんとしてもちいるが、制御せいぎょてん次元じげん次元じげんないしさん次元じげんである必要ひつようはない。たとえばいち次元じげん制御せいぎょてん画像がぞう処理しょりにおけるトーンマッピング曲線きょくせん定義ていぎなどの目的もくてきもちいられている。また、ロボットアーム制御せいぎょにおいては、アームの制御せいぎょ空間くうかん次元じげんは、アームのうごきの自由じゆうひとしくなり、一般いっぱんに3よりおおきなをとる。そのため、ロボットアームの制御せいぎょにおいて、よりなめらかなうごきを実現じつげんする目的もくてきでは、よりこう次元じげん制御せいぎょてんにより定義ていぎされた高次こうじもと空間くうかんじょう曲線きょくせんもちいられる。このように、制御せいぎょてん曲線きょくせん同一どういつ次元じげん空間くうかんじょう定義ていぎされ、あるいち次元じげん曲線きょくせんパラメータによって曲線きょくせん定義ていぎされるが、複数ふくすうのパラメータのあいだ制御せいぎょてん補間ほかんすることにより、曲面きょくめんやよりこう次元じげんちょう曲面きょくめん定義ていぎすることも可能かのうとなる。


ノットベクトル

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ノットと制御せいぎょてんちが

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次数じすう階数かいすう

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NURBS曲線きょくせん階数かいすうorderは、その曲線きょくせんじょう任意にんいてん影響えいきょうをおよぼす制御せいぎょてんかずである。次数じすうdegreeはその曲線きょくせんこうかずである。階数かいすう次数じすう+1であり、曲線きょくせん次数じすう(つまり階数かいすう−1)こうをもつ多項式たこうしきであらわされる。階数かいすう2のNURBS曲線きょくせん次数じすうは1であり、つまりy=ax+bのような直線ちょくせんである。次数じすう2のNURBS曲線きょくせん階数かいすうは3となり、2つのこう構成こうせいされる線形せんけい多項式たこうしき表現ひょうげんされる。そのため曲線きょくせんばれる。同様どうよう階数かいすう4であれば次数じすう3, 3関数かんすうあらわす。制御せいぎょてんかず階数かいすう以上いじょうである必要ひつようがある。大抵たいていCADきゃどではそれ以下いか制御せいぎょてん曲線きょくせん描画びょうがわれないか、そうでなければとりうる最高さいこう階数かいすうえられる(たとえばRhinoceros 3D次数じすう5に指定していして曲線きょくせんえが場合ばあい、ほんとうに次数じすう5の曲線きょくせんにしたいのならばはつてん終点しゅうてんふくめて6てん以上いじょう制御せいぎょてんをうてばよく、4てんしかたなかった場合ばあい次数じすうが3、3てんしか指定していしなかった場合ばあい次数じすうが2の曲線きょくせんになる)。

定義ていぎじょう階数かいすう5や階数かいすう7のものも問題もんだいないが、実際じっさいCADきゃどでは2,3,4,6,8(それぞれ次数じすうが1,2,3,5,7)、とくにほとんどの用途ようとがこなせる階数かいすう4=次数じすう3の曲線きょくせんおおもちいられる。たか階数かいすうのものはよりなめらかになるが、たかすぎる階数かいすう内部ないぶてき数値すうちてき問題もんだいこしやすく、しかも計算けいさん無意味むいみおそくなるため実用じつようじょう意味いみがない。

基底きてい関数かんすう

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NURBSの基底きてい関数かんすうはB-スプラインの基底きてい関数かんすうおなじものを使つかう(NURBSはB-スプラインの一族いちぞくぞくする)。ふつうあらわされる。ここでばん制御せいぎょてん対応たいおうし、基底きてい関数かんすう次数じすうである[4]媒介ばいかい変数へんすう依存いぞんせい()はしばしば問題もんだいにならないためあらわされることがおおい。

次数じすう関数かんすう定数ていすう関数かんすうとなる。対応たいおうするノットの範囲はんいで1であり、それ以外いがいのノットでは0になる。 同様どうようかんがえていくと、線形せんけい近似きんじである。

NURBS曲線きょくせん一般いっぱんしき

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前節ぜんせつ説明せつめいした基底きてい関数かんすうもちいて、NURBS曲線きょくせんCは一般いっぱんつぎのようなしきあらわすことができる[5]

ここで、 制御せいぎょてん個数こすう制御せいぎょてんはウェイトつ。分母ぶんぼ正規せいき係数けいすうであり、すべてのウェイトが1である場合ばあい1になる。このしき通例つうれいのように記述きじゅつされる:

ここで関数かんすう

有理ゆうり基底きてい関数かんすうばれる。

NURBS曲面きょくめん一般いっぱんしき

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NURBS曲面きょくめんはNURBS曲線きょくせんテンソルせきられる。2つの独立どくりつ媒介ばいかい変数へんすうあらわされる。(それぞれ対応たいおうする):[6]

またこの場合ばあい有理ゆうり基底きてい関数かんすう

となる。

NURBSオブジェクトの変形へんけい

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NURBSオブジェクトには様々さまざま変形へんけいをほどこすことができる。たとえばある曲線きょくせん次数じすうであり制御せいぎょてんあらわされているとしよう。まったおな曲線きょくせん次数じすうであり制御せいぎょてんあらわすことができる。ただそのためには複数ふくすう制御せいぎょてん位置いち変更へんこうされ、またノットがひとつノットベクトルに追加ついかされることになる。

こういった変形へんけいはデザインの過程かてい様々さまざま方法ほうほうもちいられている。以下いか変形へんけいれいしめ[7][8]

ノットの追加ついか

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ノットの追加ついか文字通もじどおりノットをノットベクトルに追加ついかする変形へんけい曲線きょくせん次数じすうであるとき、制御せいぎょてんあたらしい制御せいぎょてんえられる。ノットの追加ついか曲線きょくせん形状けいじょう自体じたい変更へんこうしないが、制御せいぎょてん移動いどうする。ノットはふくすうかい追加ついかできる。

きょくりつ

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微分びぶん幾何きかがくにおいてもっと重要じゅうようなのはきょくりつである。きょくりつはその曲線きょくせんのエッジやコーナーなど局部きょくぶてき様子ようすしめすのに最適さいてきである。1と2しるべ関数かんすう関係かんけいせいしめすものでもあるため、曲線きょくせん形状けいじょう正確せいかくるためにも有用ゆうようである。一度いちどしるべ関数かんすうがわかれば簡単かんたん計算けいさん曲線きょくせん全体ぜんたいきょくりつがわかる。

または近似きんじしきで2しるべ関数かんすうちょう計算けいさんすることもできる: . このようなきょくりつ直接的ちょくせつてき計算けいさんができることは、ポリゴンによる表現ひょうげんたいするNURBSのような媒介ばいかい変数へんすう曲線きょくせんおおきなつよみである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Meng, Yan, Jin, Yaochu, ed. Bio-Inspired Self-Organizing Robotic Systems. Springer. p. 9. doi:10.1007/978-3-642-20760-0. ISBN 978-3-642-20759-4 
  2. ^ David F. Rogers (2001). An Introduction to NURBS with Historical Perspective. OCLC 319637975 
  3. ^ Gershenfeld 1999, p. 141.
  4. ^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book, chapter 2, sec. 2
  5. ^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book, chapter 4, sec. 2
  6. ^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book, chapter 4, sec. 4
  7. ^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book, chapter 5
  8. ^ L. Piegl (October 1989). “Modifying the shape of rational B-splines. Part 1: curves”. Computer-Aided Design 21 (8): 509-518. doi:10.1016/0010-4485(89)90059-6. ISSN 0010-4485. 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Piegl, Les; Tiller, Wayne (1995–1997). “The main reference for Bézier, B-Spline and NURBS; chapters on mathematical representation and construction of curves and surfaces, interpolation, shape modification, programming concepts.”. The NURBS Book (2nd ed.). Springer-Verlag. OCLC 319637975 
  • Thomas Sederberg (Semester 2011) NURBS, Chapter 6: B-splines (PDF) , BYU, Syllabus Builder.
  • Ramshaw, Lyle (June 1987). “Blossoming: A connect-the-dots approach to splines” (PDF). Research Report 19, (Palo Alto, CA: Compaq Systems Research Center). http://www.hpl.hp.com/techreports/Compaq-DEC/SRC-RR-19.pdf. 
  • Rogers, David F. (2001). An Introduction to NURBS with Historical Perspective. Morgan Kaufmann Publishers. OCLC 319637975  Good elementary book for NURBS and related issues.
  • Gershenfeld, Neil A. (1999). The nature of mathematical modeling. Cambridge university press. ISBN 0521570956 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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