3次元 じげん のNURBS曲面 きょくめん は複雑 ふくざつ で有機 ゆうき 的 てき な形状 けいじょう をとることができる。制御 せいぎょ 点 てん は曲面 きょくめん の方向 ほうこう と位置 いち を支配 しはい する。最下 さいか 部 ぶ の四角形 しかっけい はこの曲面 きょくめん のXY平面 へいめん 上 じょう への投影 とうえい である
NURBS曲線 きょくせん の例 れい Animated version
NURBS はNon-Uniform Rational B-Spline (非 ひ 一 いち 様 よう 有理 ゆうり Bスプライン)の略 りゃく で、曲線 きょくせん や曲面 きょくめん を生成 せいせい するためにコンピュータグラフィックス で一般 いっぱん 的 てき に採用 さいよう される数学 すうがく 的 てき モデルである。その柔軟 じゅうなん 性 せい と正確 せいかく 性 せい からモデリング 用 よう の形状 けいじょう にも、解析 かいせき 的 てき な用途 ようと にも向 む いている。
NURBSは1950年代 ねんだい に船体 せんたい や航空機 こうくうき 自動車 じどうしゃ の外 そと 表面 ひょうめん 形状 けいじょう に使 つか われるような自由 じゆう 曲面 きょくめん を数学 すうがく 的 てき に正確 せいかく に表現 ひょうげん する必要 ひつよう のあったエンジニアらによって開発 かいはつ された。必要 ひつよう に応 おう じていつでも完璧 かんぺき に同一 どういつ の形状 けいじょう が再 さい 生成 せいせい されるような仕組 しく みはそれ以前 いぜん にはなく、曲面 きょくめん を表現 ひょうげん するにはデザイナー によって形作 かたちづく られた物理 ぶつり 的 てき な模型 もけい を用 もち いる他 ほか なかった。
この開発 かいはつ におけるパイオニア は、共 とも にフランス出身 しゅっしん のルノー のエンジニアピエール・ベジェ とシトロエン のポール・デ・カスティリョ (英語 えいご 版 ばん ) がいる。ベジエとデ・カスティリョはほとんど同時 どうじ に開発 かいはつ を進 すす めており、そのことを互 たが いに知 し らなかった。このモデルが一般 いっぱん 的 てき にコンピュータグラフィックスのユーザ間 あいだ でスプライン曲線 きょくせん のひとつであるベジェ曲線 きょくせん として知 し られているのは彼 かれ が自分 じぶん の研究 けんきゅう を出版 しゅっぱん したからである。いっぽうデ・カスティリョは彼 かれ の開発 かいはつ したパラメトリック曲面 きょくめん を評価 ひょうか するためのアルゴリズムとして知 し られるのみにとどまる。1960年代 ねんだい にNURBSはベジェ曲線 きょくせん の一般 いっぱん 化 か されたモデルであることがわかった。NURBSがその名 な の通 とお り非 ひ 一 いち 様 よう 有理 ゆうり Bスプラインであるのに対 たい し、ベジェ曲線 きょくせん は一様 いちよう 非有理 ひゆうり Bスプライン(uniform non-rational B-splines、ただし、一様 いちよう 非有理 ひゆうり BスプラインとかUNRBSと呼 よ ばれることはない)といえる。
当初 とうしょ はNURBSの利用 りよう は自動車 じどうしゃ メーカー内 うち で用 もち いられるプロプライエタリ のCAD きゃど ソフトのみに限定 げんてい されていた。その後 ご 標準 ひょうじゅん 的 てき なコンピュータグラフィックスソフトにも採用 さいよう されていった。
1989年 ねん にSilicon Graphics のワークステーション 上 うえ で初 はじ めてリアルタイムでインタラクティブ なNURBSのレンダリングが可能 かのう になった。1993年 ねん にはCAS Berlinというベルリン工科 こうか 大学 だいがく と共 きょう 働 はたらけ 関係 かんけい にあった小 ちい さなスタートアップ 企業 きぎょう がNöRBSという名 な のパーソナルコンピュータ 上 うえ で動作 どうさ するNURBSモデラが開発 かいはつ された。こんにちほとんどのプロフェッショナルなデスクトップCGソフトはNURBSの技術 ぎじゅつ を採用 さいよう している。そのうちのほとんどはそれ専用 せんよう の企業 きぎょう からNURBSエンジンを購入 こうにゅう している。
モーターヨットのモデリング
NURBSはCAD きゃど やCAM 、CAE で一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられており、IGES 、STEP 、ACIS (英語 えいご 版 ばん ) 、PHIGS など数々 かずかず の世界 せかい 標準 ひょうじゅん に採用 さいよう されている。コンピュータグラフィックスソフトやアニメーションソフトウェアパッケージにも採用 さいよう されていることがある。Maya やCinema 4D が有名 ゆうめい である。
NURBSはコンピュータプログラムにとって都合 つごう がよいだけでなく、人間 にんげん による編集 へんしゅう にも向 む いている。NURBS曲線 きょくせん を布 ぬの の縦糸 たていと と横糸 よこいと に使 つか ったものがNURBS曲面 きょくめん といえる。その形状 けいじょう は制御 せいぎょ 点 てん (control point)により定義 ていぎ され、制御 せいぎょ 点 てん を編集 へんしゅう し移動 いどう することによって曲面 きょくめん 形状 けいじょう を変化 へんか させられる。
NURBS曲面 きょくめん は特 とく に、やや単純 たんじゅん な幾何 きか 形状 けいじょう をコンパクトに表現 ひょうげん するのに強 つよ みがある。俗 ぞく に有機 ゆうき 的 てき 曲面 きょくめん と呼 よ ばれるキャラクタなどのモデリングにはサブディビジョンサーフェス が向 む いており、実際 じっさい ゲーム業界 ぎょうかい やアニメーション業界 ぎょうかい ではNURBSよりもこちらのほうが普及 ふきゅう している。サブディビジョンサーフェスは全体 ぜんたい が柔 やわ らかい生物 せいぶつ 的 てき なモデルには無類 むるい の強 つよ さを誇 ほこ るが、数学 すうがく 的 てき に尖 とが った角 かく のある形状 けいじょう はどうしても表現 ひょうげん できないためCAD きゃど での利用 りよう はまずない。NURBSの数学 すうがく 的 てき な正確 せいかく 性 せい という強 つよ みとサブディビジョンサーフェスの柔 やわ らかな形状 けいじょう という強 つよ みを併 あわ せ持 も った新 あたら しいスプラインがT-スプライン である。これらはNURBSの2分 ぶん の1の制御 せいぎょ 点数 てんすう で柔 やわ らかな形状 けいじょう を表現 ひょうげん できる。
一般 いっぱん 的 てき に言 い って、NURBS曲線 きょくせん やNURBS曲面 きょくめん の編集 へんしゅう は極 きわ めて直観 ちょっかん 的 てき で予想 よそう を裏切 うらぎ らないものである。モデリングはベジェ曲線 きょくせん のように要素 ようそ の制御 せいぎょ 点 てん をいじって編集 へんしゅう することもできるし、より高度 こうど なスプラインモデリング のような階層 かいそう 状 じょう の制御 せいぎょ を行 おこな うこともできる。スプラインモデリングとは、NURBS曲面 きょくめん の四角 しかく い「布 ぬの 」のうち数 すう 辺 へん のみをNURBS曲線 きょくせん で定義 ていぎ して曲面 きょくめん そのものの生成 せいせい はソフトに任 まか せる方法 ほうほう である。こうすることで本来 ほんらい 無数 むすう の制御 せいぎょ 点 てん が必要 ひつよう になるような複雑 ふくざつ な形状 けいじょう をずっと少 すく ない制御 せいぎょ 点 てん で表現 ひょうげん されるスプライン数 すう 本 ほん で滑 なめ らかに表 あらわ すことができる。
例 たと えばモーターヨットの船体 せんたい の表面 ひょうめん をモデリングしていると仮定 かてい しよう。大抵 たいてい の場合 ばあい 、モデルはNURBS曲面 きょくめん 1枚 まい では表 あらわ しきれない(モーターヨットを一 いち 枚 まい の伸縮 しんしゅく 自在 じざい の布 ぬの で包 つつ むことは相当 そうとう 無理 むり をすれば不可能 ふかのう ではないが、NURBSの性質 せいしつ 上 じょう 避 さ けるべきである)。そのため「パッチ」と呼 よ ばれる何 なん 枚 まい かのNURBS曲面 きょくめん をつなぎあわせて継 つ ぎ接 は ぎをすることになる。モーターヨットの船体 せんたい を滑 なめ らかにしたい場合 ばあい 、継 つ ぎ接 は ぎの跡 あと は残 のこ したくない。複数 ふくすう のNURBS曲面 きょくめん を滑 なめ らかに、あたかも一 いち 枚 まい の曲面 きょくめん であるかのように溶 と け込 こ ませあうためには、数学 すうがく 的 てき な幾何 きか 的 てき 連続 れんぞく 性 せい を確保 かくほ しなければならない。
NURBSの特徴 とくちょう を活 い かし、高度 こうど なモデリングツールでは幾何 きか 的 てき 連続 れんぞく 性 せい を様々 さまざま なレベルで実現 じつげん することが可能 かのう である。
位置 いち 連続 れんぞく Positional continuity (G0): 2つの曲線 きょくせん ・曲面 きょくめん が当該 とうがい 部分 ぶぶん で「接続 せつぞく 」されていることを保証 ほしょう する。接続 せつぞく しているだけなので、尖 とが ったコーナーやエッジが生 しょう じる可能 かのう 性 せい がある。こういった接続 せつぞく ではハイライト は繋 つな がっておらずトリップする。また製造 せいぞう 過程 かてい で問題 もんだい を起 お こすことがある。
接線 せっせん 連続 れんぞく Tangential continuity (G1): 当該 とうがい 部分 ぶぶん でのベクトルが平行 へいこう で、同 おな じ方向 ほうこう を向 む いていることを保証 ほしょう する。この接続 せつぞく ではハイライトは繋 つな がっているが滑 なめ らかでないことがある。ただネジやエンジン内部 ないぶ など審美 しんび 的 てき な要素 ようそ の低 ひく い一般 いっぱん 的 てき な工業 こうぎょう 製品 せいひん では十分 じゅうぶん な滑 なめ らかさである。このレベルの滑 なめ らかさを持 も っているサーフェスをクラスBサーフェスClass-B Surfaceと呼 よ ぶことがある。エッジに単純 たんじゅん な角 かく 丸 まる (フィレット)をかけた場合 ばあい 、そのエッジは接線 せっせん 連続 れんぞく になる。
曲 きょく 率 りつ 連続 れんぞく Curvature continuity (G2): 接線 せっせん 連続 れんぞく G1よりさらに厳 きび しく、当該 とうがい 部分 ぶぶん でのベクトルが同 おな じ長 なが さであることを保証 ほしょう する。曲 きょく 率 りつ 連続 れんぞく なエッジに落 お ちるハイライトは滑 なめ らかであるため、それら2つのサーフェスはあたかもひとつであるかのように見 み える。そのため人目 ひとめ に触 ふ れやすい外面 がいめん の表面 ひょうめん はこのレベルで表現 ひょうげん されていることが望 のぞ ましい。このレベルの滑 なめ らかさを持 も っているサーフェスをクラスAサーフェスClass-A Surfaceと呼 よ ぶことがある。iPhoneなどのApple製品 せいひん や一般 いっぱん 的 てき な自動車 じどうしゃ は曲 きょく 率 りつ 連続 れんぞく のサーフェスでモデリングされている。
NURBS曲線 きょくせん はその次数 じすう とウェイトの指定 してい された複数 ふくすう の制御 せいぎょ 点 てん のセット、そしてノットベクトル で構成 こうせい される[1] 。前述 ぜんじゅつ のとおりNURBSはB-スプラインとベジエ曲線 きょくせん の一般 いっぱん 化 か された表現 ひょうげん だが、最大 さいだい の違 ちが いは制御 せいぎょ 点 てん がウェイトを持 も つことである。ウェイトを持 も つことを表 あらわ すのが有理 ゆうり rational であるということで、NURBSはB-スプラインの有理 ゆうり である特別 とくべつ なケースである。
ベジエやNURBS曲線 きょくせん に含 ふく まれるパラメータ(媒介 ばいかい 変数 へんすう )を様々 さまざま な値 ね に変化 へんか させるとその曲線 きょくせん は2, または3次元 じげん の直交 ちょっこう 座標 ざひょう 系 けい 上 うえ で表 あらわ せる。同様 どうよう にベジエやNURBS曲面 きょくめん に含 ふく まれるパラメータ(媒介 ばいかい 変数 へんすう )を様々 さまざま な値 ね に変化 へんか させるとその曲面 きょくめん は直交 ちょっこう 座標 ざひょう 系 けい 上 じょう で表 あらわ せる。
NURBS曲線 きょくせん /曲面 きょくめん は以下 いか の点 てん で有用 ゆうよう である:
アフィン変換 へんかん を行 おこな っても不変 ふへん である[2] 。そのため回転 かいてん や移動 いどう (これらは代表 だいひょう 的 てき なアフィン写像 しゃぞう である )といった変換 へんかん を各 かく 制御 せいぎょ 点 てん ごとに行 おこな えばNURBS曲線 きょくせん や曲面 きょくめん もそっくりそのまま変換 へんかん される
自由 じゆう 曲面 きょくめん と、円錐 えんすい や円柱 えんちゅう などの幾何 きか 的 てき で標準 ひょうじゅん 的 てき な形状 けいじょう の両方 りょうほう を表 あらわ せる。例 たと えばベジエ曲面 きょくめん は正確 せいかく な円 えん を表 あらわ せないという致命 ちめい 的 てき な欠陥 けっかん があるがNURBSは可能 かのう である
あらゆる性質 せいしつ の表面 ひょうめん を表現 ひょうげん できる柔軟 じゅうなん 性 せい 。生物 せいぶつ 的 てき な形状 けいじょう もサブディビジョンサーフェスなどに比 くら べればやや難 むずかし 度 たび が高 たか いだけで可能 かのう だし、ベジエでは難 むずか しい曲 きょく 率 りつ 連続 れんぞく の曲面 きょくめん も作 つく れる
ポリゴンメッシュ などのより単純 たんじゅん な方法 ほうほう に比 くら べ、少 すく ないメモリ消費 しょうひ で形状 けいじょう を表現 ひょうげん できる
数値 すうち 的 てき に安定 あんてい で正確 せいかく なアルゴリズムを用 もち いてかなり速 はや く形状 けいじょう を評価 ひょうか できる
以下 いか の節 ふし では2次元 じげん 上 じょう のNURBS曲線 きょくせん に限定 げんてい して記述 きじゅつ するが、全 すべ ての記述 きじゅつ は3次元 じげん 上 じょう 、またはそれ以上 いじょう の次元 じげん においても適用 てきよう 可能 かのう であることに留意 りゅうい してほしい。
制御 せいぎょ 点 てん は一般 いっぱん に曲線 きょくせん 上 じょう の点 てん ではなく、曲線 きょくせん の形状 けいじょう を決定 けってい するために用 もち いられる。曲線 きょくせん 上 じょう のとある点 てん の位置 いち は、その前後 ぜんご に配置 はいち されたいくつかの制御 せいぎょ 点 てん の位置 いち の重 おも み付 つ き線形 せんけい 和 わ で表現 ひょうげん される。制御 せいぎょ 点 てん が曲線 きょくせん 上 じょう の各 かく 点 てん に与 あた える影響 えいきょう は、その点 てん と制御 せいぎょ 点 てん の間 あいだ の距離 きょり によって定義 ていぎ され、一般 いっぱん には距離 きょり が短 みじか いほど影響 えいきょう が大 おお きくなる。次数 じすう
d
{\displaystyle d}
の曲線 きょくせん 、すなわち各 かく 制御 せいぎょ 点 てん への重 おも みがパラメータ
t
{\displaystyle t}
の
d
{\displaystyle d}
次 じ 多項式 たこうしき で定 さだ まる基底 きてい 関数 かんすう により表現 ひょうげん される場合 ばあい を考 かんが えると、パラメータ空間 くうかん は各 かく 制御 せいぎょ 点 てん により
d
+
1
{\displaystyle d+1}
個 こ に分割 ぶんかつ され、その区間 くかん 内 ない でのみ曲線 きょくせん 上 じょう の点 てん に影響 えいきょう を与 あた える。これらの区間 くかん の両 りょう 端 はし では、基底 きてい 関数 かんすう の値 ね は滑 なめ らかに0に近 ちか づく。この時 とき の曲線 きょくせん の滑 なめ らかさは曲線 きょくせん の次数 じすう
d
{\displaystyle d}
により決定 けってい される。
基底 きてい 関数 かんすう の一 いち 例 れい として次数 じすう が1のものを考 かんが えると、これは三角形 さんかっけい 関数 かんすう (テント関数 かんすう ) であり、その値 ね は0から1へ向 む かって線形 せんけい に上昇 じょうしょう し、その後 ご 、1から0へ向 む かって線形 せんけい に降下 こうか する。この場合 ばあい 、次数 じすう が1であることから、曲線 きょくせん のとある区間 くかん 上 じょう の点 てん は2つの制御 せいぎょ 点 てん から影響 えいきょう を受 う ける。基底 きてい 関数 かんすう が0から1へと上昇 じょうしょう する間 あいだ に、2つの制御 せいぎょ 点 てん のうち手前 てまえ の制御 せいぎょ 点 てん からの影響 えいきょう が低下 ていか していく。この結果 けっか として得 え られる曲線 きょくせん (曲面 きょくめん )は基底 きてい 関数 かんすう の連続 れんぞく 性 せい から、ポリライン(あるいはポリゴン)であり、連続 れんぞく 性 せい を持 も つものの、制御 せいぎょ 点 てん が影響 えいきょう を与 あた える区間 くかん の端点 たんてん においては微分 びぶん 不可能 ふかのう である。なお、区間 くかん の内部 ないぶ の点 てん においては、基底 きてい 関数 かんすう が多項式 たこうしき であり、基底 きてい 関数 かんすう により定 さだ まる重 おも みと制御 せいぎょ 点 てん の位置 いち の線形 せんけい 和 わ で曲線 きょくせん が定義 ていぎ される以上 いじょう 、曲線 きょくせん は十分 じゅうぶん に滑 なめ らかで無限 むげん 階 かい 微分 びぶん 可能 かのう である。
多 おお くのアプリケーションにおいて、上記 じょうき のような制御 せいぎょ 点 てん が特定 とくてい の区間 くかん 内 ない の曲線 きょくせん にのみ影響 えいきょう を与 あた える、すなわち基底 きてい 関数 かんすう の台 だい が局所 きょくしょ 的 てき であることが有利 ゆうり に働 はたら く。三 さん 次元 じげん 形状 けいじょう のモデリングにおいては、一 ひと つの制御 せいぎょ 点 てん を移動 いどう して形 かたち を整 ととの える際 さい 、一部 いちぶ の形状 けいじょう のみが変化 へんか して、それ以外 いがい の領域 りょういき には影響 えいきょう を与 あた えないためである。
とある曲線 きょくせん (例 たと えばペンで紙 かみ にスケッチしたカーブ)を制御 せいぎょ 点 てん により定義 ていぎ される多項式 たこうしき 曲線 きょくせん により近似 きんじ したい場合 ばあい 、理論 りろん 上 じょう は制御 せいぎょ 点 てん は多 おお ければ多 おお いほど近 ちか い形状 けいじょう を得 え ることができる一方 いっぽう で、有限 ゆうげん 個数 こすう の制御 せいぎょ 点 てん で表 あらわ せる曲線 きょくせん には限界 げんかい がある。そのため、NURBS曲線 きょくせん において、個々 ここ の制御 せいぎょ 点 てん にはウェイト というスカラー量 りょう が設定 せってい されており、これにより制御 せいぎょ 点 てん の数 かず を増 ふ やすことなく、より自由 じゆう 度 ど の高 たか い曲線 きょくせん の表現 ひょうげん が可能 かのう となっている。NURBS曲線 きょくせん の一種 いっしゅ と考 かんが えられるB-スプライン曲線 きょくせん 等 ひとし では各 かく 制御 せいぎょ 点 てん への重 おも みは一様 いちよう に1となっているが、これを一部 いちぶ のみ2とすればその制御 せいぎょ 点 てん の影響 えいきょう 力 りょく が2倍 ばい になり、0とあれば影響 えいきょう 力 りょく はなくなる。このような重 おも みの非 ひ 一様 いちよう 性 せい (non-unifomity)の結果 けっか として各 かく 制御 せいぎょ 点 てん にかかる重 おも み付 つ き線形 せんけい 和 わ の係数 けいすう が有理 ゆうり 関数 かんすう (rational function)で表 あらわ されることがNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)の名前 なまえ の由来 ゆらい である。この結果 けっか としてNURBS曲線 きょくせん は、主 おも に円 えん や楕円 だえん などの円錐 えんすい 曲線 きょくせん を数学 すうがく 的 てき に厳密 げんみつ に表現 ひょうげん できることに加 くわ え、通常 つうじょう の三 さん 次元 じげん モデリングにおいては、この他 ほか のスプライン曲線 きょくせん と同様 どうよう に、重 おも みを意識 いしき せずに利用 りよう することができる。
また、曲線 きょくせん や曲面 きょくめん といった形状 けいじょう 処理 しょり 以外 いがい の応用 おうよう に目 め を向 む けると、制御 せいぎょ 点 てん には一般 いっぱん 的 てき な次元 じげん の概念 がいねん を見 み いだせる。通常 つうじょう 、曲線 きょくせん を定義 ていぎ する場合 ばあい には二 に 次元 じげん 座標 ざひょう 上 じょう の点 てん を、曲面 きょくめん を定義 ていぎ する場合 ばあい には三 さん 次元 じげん 座標 ざひょう 上 じょう の点 てん を制御 せいぎょ 点 てん として用 もち いるが、制御 せいぎょ 点 てん の次元 じげん が二 に 次元 じげん ないし三 さん 次元 じげん である必要 ひつよう はない。例 たと えば一 いち 次元 じげん の制御 せいぎょ 点 てん は画像 がぞう 処理 しょり におけるトーンマッピング曲線 きょくせん を定義 ていぎ などの目的 もくてき で用 もち いられている。また、ロボットアーム の制御 せいぎょ においては、アームの制御 せいぎょ 空間 くうかん の次元 じげん は、アームの動 うご きの自由 じゆう 度 ど と等 ひと しくなり、一般 いっぱん に3より大 おお きな値 ね をとる。そのため、ロボットアームの制御 せいぎょ において、より滑 なめ らかな動 うご きを実現 じつげん する目的 もくてき では、より高 こう 次元 じげん の制御 せいぎょ 点 てん により定義 ていぎ された高次 こうじ 元 もと 空間 くうかん 上 じょう の曲線 きょくせん が用 もち いられる。このように、制御 せいぎょ 点 てん と曲線 きょくせん は同一 どういつ の次元 じげん を持 も つ空間 くうかん 上 じょう に定義 ていぎ され、ある一 いち 次元 じげん の曲線 きょくせん パラメータによって曲線 きょくせん が定義 ていぎ されるが、複数 ふくすう のパラメータの間 あいだ で制御 せいぎょ 点 てん を補間 ほかん することにより、曲面 きょくめん やより高 こう 次元 じげん の超 ちょう 曲面 きょくめん を定義 ていぎ することも可能 かのう となる。
NURBS曲線 きょくせん の階数 かいすう order は、その曲線 きょくせん 上 じょう の任意 にんい の点 てん へ影響 えいきょう をおよぼす制御 せいぎょ 点 てん の数 かず である。次数 じすう degree はその曲線 きょくせん の項 こう の数 かず である。階数 かいすう =次数 じすう +1であり、曲線 きょくせん は次数 じすう (つまり階数 かいすう −1)個 こ の項 こう をもつ多項式 たこうしき であらわされる。階数 かいすう 2のNURBS曲線 きょくせん の次数 じすう は1であり、つまりy=ax+bのような直線 ちょくせん である。次数 じすう 2のNURBS曲線 きょくせん の階数 かいすう は3となり、2つの項 こう で構成 こうせい される線形 せんけい 多項式 たこうしき で表現 ひょうげん される。そのため二 に 次 じ 曲線 きょくせん と呼 よ ばれる。同様 どうよう に階数 かいすう 4であれば次数 じすう 3, 3次 じ 関数 かんすう を表 あらわ す。制御 せいぎょ 点 てん の数 かず は階数 かいすう 以上 いじょう である必要 ひつよう がある。大抵 たいてい のCAD きゃど ではそれ以下 いか の制御 せいぎょ 点 てん で曲線 きょくせん 描画 びょうが が終 お われないか、そうでなければとりうる最高 さいこう の階数 かいすう に置 お き換 か えられる(例 たと えばRhinoceros 3D で次数 じすう 5に指定 してい して曲線 きょくせん を描 えが く場合 ばあい 、ほんとうに次数 じすう 5の曲線 きょくせん にしたいのならば初 はつ 点 てん と終点 しゅうてん を含 ふく めて6点 てん 以上 いじょう 制御 せいぎょ 点 てん をうてばよく、4点 てん しか打 う たなかった場合 ばあい は次数 じすう が3、3点 てん しか指定 してい しなかった場合 ばあい は次数 じすう が2の曲線 きょくせん になる)。
定義 ていぎ 上 じょう は階数 かいすう 5や階数 かいすう 7のものも問題 もんだい ないが、実際 じっさい のCAD きゃど では2,3,4,6,8(それぞれ次数 じすう が1,2,3,5,7)、特 とく にほとんどの用途 ようと がこなせる階数 かいすう 4=次数 じすう 3の曲線 きょくせん が多 おお く用 もち いられる。高 たか い階数 かいすう のものはより滑 なめ らかになるが、高 たか すぎる階数 かいすう は内部 ないぶ 的 てき に数値 すうち 的 てき 問題 もんだい を引 ひ き起 お こしやすく、しかも計算 けいさん が無意味 むいみ に遅 おそ くなるため実用 じつよう 上 じょう 意味 いみ がない。
NURBSの基底 きてい 関数 かんすう はB-スプラインの基底 きてい 関数 かんすう と同 おな じものを使 つか う(NURBSはB-スプラインの一族 いちぞく に属 ぞく する)。ふつう
N
i
,
n
(
u
)
{\displaystyle N_{i,n}(u)}
で表 あらわ される。ここで
i
{\displaystyle i}
は
i
{\displaystyle i}
番 ばん 目 め の制御 せいぎょ 点 てん に対応 たいおう し、
n
{\displaystyle n}
は基底 きてい 関数 かんすう の次数 じすう である[4] 。媒介 ばいかい 変数 へんすう の依存 いぞん 性 せい (
u
{\displaystyle u}
)はしばしば問題 もんだい にならないため
N
i
,
n
{\displaystyle N_{i,n}}
と表 あらわ されることが多 おお い。
次数 じすう
n
=
0
{\displaystyle n=0}
の関数 かんすう
N
i
,
0
{\displaystyle N_{i,0}}
は定数 ていすう 関数 かんすう となる。対応 たいおう するノットの範囲 はんい で1であり、それ以外 いがい のノットでは0になる。
同様 どうよう に考 かんが えていくと、
N
i
,
n
{\displaystyle N_{i,n}}
は
N
i
,
n
−
1
{\displaystyle N_{i,n-1}}
と
N
i
+
1
,
n
−
1
{\displaystyle N_{i+1,n-1}}
の線形 せんけい 近似 きんじ である。
前節 ぜんせつ で説明 せつめい した基底 きてい 関数 かんすう
N
i
,
n
{\displaystyle N_{i,n}}
を用 もち いて、NURBS曲線 きょくせん Cは一般 いっぱん に次 つぎ のような式 しき で表 あらわ すことができる[5] 。
C
(
u
)
=
∑
i
=
1
k
N
i
,
n
w
i
∑
j
=
1
k
N
j
,
n
w
j
P
i
=
∑
i
=
1
k
N
i
,
n
w
i
P
i
∑
i
=
1
k
N
i
,
n
w
i
{\displaystyle C(u)=\sum _{i=1}^{k}{\frac {N_{i,n}w_{i}}{\sum _{j=1}^{k}N_{j,n}w_{j}}}{\mathbf {P}}_{i}={\frac {\sum _{i=1}^{k}{N_{i,n}w_{i}{\mathbf {P}}_{i}}}{\sum _{i=1}^{k}{N_{i,n}w_{i}}}}}
ここで、
k
{\displaystyle k}
は制御 せいぎょ 点 てん の個数 こすう 。制御 せいぎょ 点 てん
P
i
{\displaystyle {\mathbf {P}}_{i}}
はウェイト
w
i
{\displaystyle w_{i}}
を持 も つ。分母 ぶんぼ は正規 せいき 化 か 係数 けいすう であり、全 すべ てのウェイトが1である場合 ばあい 1になる。この式 しき は通例 つうれい 次 じ のように記述 きじゅつ される:
C
(
u
)
=
∑
i
=
1
k
R
i
,
n
(
u
)
P
i
{\displaystyle C(u)=\sum _{i=1}^{k}R_{i,n}(u){\mathbf {P}}_{i}}
ここで関数 かんすう
R
i
,
n
(
u
)
{\displaystyle R_{i,n}(u)}
R
i
,
n
(
u
)
=
N
i
,
n
(
u
)
w
i
∑
j
=
1
k
N
j
,
n
(
u
)
w
j
{\displaystyle R_{i,n}(u)={N_{i,n}(u)w_{i} \over \sum _{j=1}^{k}N_{j,n}(u)w_{j}}}
は有理 ゆうり 基底 きてい 関数 かんすう と呼 よ ばれる。
NURBS曲面 きょくめん はNURBS曲線 きょくせん のテンソル積 せき で得 え られる。2つの独立 どくりつ 媒介 ばいかい 変数 へんすう
u
{\displaystyle u}
と
v
{\displaystyle v}
で表 あらわ される。(それぞれ
i
{\displaystyle i}
と
j
{\displaystyle j}
に対応 たいおう する):[6]
S
(
u
,
v
)
=
∑
i
=
1
k
∑
j
=
1
l
R
i
,
j
(
u
,
v
)
P
i
,
j
{\displaystyle S(u,v)=\sum _{i=1}^{k}\sum _{j=1}^{l}R_{i,j}(u,v){\mathbf {P}}_{i,j}}
またこの場合 ばあい 有理 ゆうり 基底 きてい 関数 かんすう は
R
i
,
j
(
u
,
v
)
=
N
i
,
n
(
u
)
N
j
,
m
(
v
)
w
i
,
j
∑
p
=
1
k
∑
q
=
1
l
N
p
,
n
(
u
)
N
q
,
m
(
v
)
w
p
,
q
{\displaystyle R_{i,j}(u,v)={\frac {N_{i,n}(u)N_{j,m}(v)w_{i,j}}{\sum _{p=1}^{k}\sum _{q=1}^{l}N_{p,n}(u)N_{q,m}(v)w_{p,q}}}}
となる。
NURBSオブジェクトには様々 さまざま な変形 へんけい をほどこすことができる。例 たと えばある曲線 きょくせん が次数 じすう
d
{\displaystyle d}
であり
n
{\displaystyle n}
個 こ の制御 せいぎょ 点 てん で表 あらわ されているとしよう。全 まった く同 おな じ曲線 きょくせん が次数 じすう
d
{\displaystyle d}
であり
n
+
1
{\displaystyle n+1}
個 こ の制御 せいぎょ 点 てん で表 あらわ すことができる。ただそのためには複数 ふくすう の制御 せいぎょ 点 てん の位置 いち が変更 へんこう され、またノットがひとつノットベクトルに追加 ついか されることになる。
こういった変形 へんけい はデザインの過程 かてい で様々 さまざま な方法 ほうほう で用 もち いられている。以下 いか に変形 へんけい の例 れい を示 しめ す[7] [8] 。
ノットの追加 ついか は文字通 もじどお りノットをノットベクトルに追加 ついか する変形 へんけい 。曲線 きょくせん の次数 じすう が
d
{\displaystyle d}
であるとき、
d
−
1
{\displaystyle d-1}
個 こ の制御 せいぎょ 点 てん が新 あたら しい
d
{\displaystyle d}
個 こ の制御 せいぎょ 点 てん で置 お き換 か えられる。ノットの追加 ついか は曲線 きょくせん の形状 けいじょう 自体 じたい は変更 へんこう しないが、制御 せいぎょ 点 てん は移動 いどう する。ノットは複 ふく 数 すう 回 かい 追加 ついか できる。
微分 びぶん 幾何 きか 学 がく において最 もっと も重要 じゅうよう なのは曲 きょく 率 りつ
κ かっぱ
{\displaystyle \kappa }
である。曲 きょく 率 りつ はその曲線 きょくせん のエッジやコーナーなど局部 きょくぶ 的 てき な様子 ようす を示 しめ すのに最適 さいてき である。1次 じ と2次 じ の導 しるべ 関数 かんすう の関係 かんけい 性 せい を示 しめ すものでもあるため、曲線 きょくせん の形状 けいじょう を正確 せいかく に知 し るためにも有用 ゆうよう である。一度 いちど 導 しるべ 関数 かんすう がわかれば簡単 かんたん な計算 けいさん で曲線 きょくせん 全体 ぜんたい の曲 きょく 率 りつ がわかる。
κ かっぱ
=
|
r
′
(
t
)
×
r
″
(
t
)
|
|
r
′
(
t
)
|
3
{\displaystyle \kappa ={\frac {|r'(t)\times r''(t)|}{|r'(t)|^{3}}}}
または近似 きんじ 式 しき で2次 じ 導 しるべ 関数 かんすう の弧 こ 長 ちょう で計算 けいさん することもできる:
κ かっぱ
=
|
r
″
(
s
o
)
|
{\displaystyle \kappa =|r''(s_{o})|}
.
このような曲 きょく 率 りつ の直接的 ちょくせつてき な計算 けいさん ができることは、ポリゴンによる表現 ひょうげん に対 たい するNURBSのような媒介 ばいかい 変数 へんすう 曲線 きょくせん の大 おお きな強 つよ みである。
^ Meng, Yan, Jin, Yaochu, ed. Bio-Inspired Self-Organizing Robotic Systems . Springer. p. 9. doi :10.1007/978-3-642-20760-0 . ISBN 978-3-642-20759-4
^ David F. Rogers (2001). An Introduction to NURBS with Historical Perspective . OCLC 319637975
^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book , chapter 2, sec. 2
^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book , chapter 4, sec. 2
^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book , chapter 4, sec. 4
^ Les Piegl & Wayne Tiller: The NURBS Book , chapter 5
^ L. Piegl (October 1989). “Modifying the shape of rational B-splines. Part 1: curves”. Computer-Aided Design 21 (8): 509-518. doi :10.1016/0010-4485(89)90059-6 . ISSN 0010-4485 .
Piegl, Les; Tiller, Wayne (1995–1997). “The main reference for Bézier, B-Spline and NURBS; chapters on mathematical representation and construction of curves and surfaces, interpolation, shape modification, programming concepts.”. The NURBS Book (2nd ed.). Springer-Verlag. OCLC 319637975
Thomas Sederberg (Semester 2011) NURBS , Chapter 6: B-splines (PDF ) , BYU, Syllabus Builder.
Ramshaw, Lyle (June 1987). “Blossoming: A connect-the-dots approach to splines” (PDF). Research Report 19, (Palo Alto, CA: Compaq Systems Research Center). http://www.hpl.hp.com/techreports/Compaq-DEC/SRC-RR-19.pdf .
Rogers, David F. (2001). An Introduction to NURBS with Historical Perspective . Morgan Kaufmann Publishers. OCLC 319637975 Good elementary book for NURBS and related issues.
Gershenfeld, Neil A. (1999). The nature of mathematical modeling . Cambridge university press. ISBN 0521570956