日本アカデミー賞概要
1. 日本アカデミー賞協会の目的
当協会は、わが国の映画芸術、技術、科学の向上発展のために日本アカデミー賞を設け、その年度の該当者に栄誉を与えると共に、本会
の行う諸事業を通じて、会員相互の親睦ならびに海外映画人との交流を計り、もってわが国映画界の振興に寄与することを目的とする。
2. 日本アカデミー賞要項
■名称 日本アカデミー賞
■主催 日本アカデミー賞協会
■各賞
【正賞】
作品賞|アニメーション作品賞|監督賞|脚本賞|主演男優賞|主演女優賞|助演男優賞|助演女優賞|音楽賞|
撮影賞|照明賞|美術賞|録音賞|編集賞|外国作品賞
【その他の賞】
新人俳優賞|話題賞|協会特別賞|協会栄誉賞|会長特別賞|会長功労賞|岡田茂賞
【その他の賞】
■
新人俳優賞
新人俳優賞は
劇場映画に
出演し、
主演・
助演クラスの
役を
演じ、
印象を
与えた(
原則として、
映画初出演ではなくともこれまで
日本アカデミー
賞において
受賞歴がない)
俳優を
対象とします。
男女 3~5
名ずつを
決定します。
新人俳優賞は
日本アカデミー
賞の
正賞ではありませんから、ブロンズではなく、
賞状、
賞金を
贈呈します。
■
話題賞
ニッポン
放送「オールナイトニッポン」で「オールナイトニッポン
話題賞」を
募集。
1980
年度(
第3
回)より、
ニッポン放送の
協力で「オールナイトニッポン」の
番組を
通じて、
一般聴取者より、その
年の
映画界で
最も
話題を
集めたと
思われる
作品と
個人を
投票して
決定されます。この
賞は
一般の
人々が、
日本アカデミー
賞に
参加する
唯一の
機会でもあり、
投票する
若い
映画ファンの
声を
反映することができる、
貴重な“
賞”です。
■
協会特別賞
映画製作の
現場を
支える
種々の
職能に
従事する
方々の
栄誉を
讃えるものです。
選考は、
運営・
実行委員より
選ばれた14
名に
委託されています。
■
協会栄誉賞
国民的栄誉に
該当する
表彰を
受けた
方に
贈られるものです。
■
会長特別賞
永年にわたり
多大なる
貢献と
顕著な
実績をしるし
逝去された
映画人に
与えられるものです。
■
会長功労賞
(a)
永年にわたり
多大なる
貢献と
顕著な
実績をしるした
映画人に
与えられるものです。
【
注】
歴代の
日本アカデミー
賞に
於いて
会長功労賞は「
永年に
渡り
多大なる
貢献と
顕著な
実績をしるし、
今もなお
活躍されている
方」に
贈られて
来ましたが、
第40
回から
上記の
規定で
贈賞することとしました。
(b) その
年顕著な
興行成績をあげた
映画の
中で
企画性が
優れた
作品の
企画チームに
対し
与えられるものです。
■
岡田茂賞
日本を
代表する
製作スタジオである
東西の
東映撮影所所長を
歴任された
当協会名誉会長・
岡田茂氏の
名を
冠した
賞。その
年、
独自の
創造性と
高い
技術力により
娯楽性と
芸術性とを
併せ
持つ
高品質の
映画を
製作した「
製作プロダクション」を
顕彰します。
選考には、
会長・
運営委員長・
実行委員長・
総合プロデューサー・
事務局長があたります。
選考基準はこちらをご覧ください。
選考方法
(1)
日本アカデミー
賞優秀賞選考投票方法
協会員全員が
全部門(
新人賞を
含む16
部門すべて)を
投票します。
郵送された
投票用紙は
公正なる
第三者機関によって
集計され、
正賞15
部門の
優秀賞受賞者及び
受賞作品(
各5
名または5
作品)
並びに
男女各3~5
名の
新人賞を
決定します。
(2)
日本アカデミー
賞最優秀賞決定投票
先に
決定いたしました15
部門優秀賞受賞者及び
受賞作品を
対象に
協会員全員が
最終投票を
行い、
郵送された
投票用紙は
公正なる
第三者機関によって
集計されます。
尚、
集計結果は
授賞式当日まで
厳重に
保管されます。
贈呈品目
対象 |
贈呈品目 |
対象者 |
優秀賞 |
賞状 優秀賞ブロンズ 賞金 20万円 |
正賞15部門 正賞15部門 作品賞、アニメーション作品賞、外国作品賞を除く個人賞12部門 |
最優秀賞 |
賞状 優秀賞ブロンズ 賞金 30万円 |
正賞15部門 正賞15部門 作品賞、アニメーション作品賞、外国作品賞を除く個人賞12部門 |
新人俳優賞 |
賞状 賞金 10万円 |
新人俳優賞受賞者 〃 |
話題賞 (作品) |
賞状 |
話題賞受賞作品製作会社 |
話題賞 (俳優) |
賞状 |
話題賞個人受賞者 |
協会特別賞 |
賞状 賞金 10万円 |
協会特別賞受賞者 〃 |
協会栄誉賞 |
賞状 |
協会栄誉賞受賞者 |
会長特別賞 |
賞状 |
会長特別賞受賞者 |
会長功労賞 |
賞状 |
会長功労賞受賞者 |
岡田 茂賞 |
賞状 賞金 10万円 |
岡田 茂賞受賞者 〃 |
日本アカデミー賞
最優秀賞ブロンズ
正賞15部門の最優秀賞受賞者に、流政之デザインのブロンズが授与されます。
高さ21.3㎝× 幅73㎝×奥行き7.3㎝ 重さ1.5kg
日本アカデミー賞
優秀賞ブロンズ
正賞15部門の優秀賞受賞者に、流政之デザインのブロンズが授与されます。
高さ10.7㎝× 幅4.4㎝×奥行き4.4㎝
3. 協会組織
4. 日本アカデミー賞協会 会則
日本アカデミー賞協会 会則
Ⅰ.名称
本会は、
日本アカデミー
賞協会と
称する。(
以下、
本会という)
Ⅱ.目的
本会は、わが
国の
映画芸術、
技術、
科学の
向上発展のために
日本アカデミー
賞を
設け、その
年度の
該当者に
栄誉を
与えると
共に、
本会の
行う
諸事業を
通じて、
会員相互の
親睦並びに
海外映画人との
交流を
計り、もってわが
国映画界の
振興に
寄与することを
目的とする。
Ⅲ.事業
本会は、
次の
事業を
行なう。
(イ)
日本アカデミー
賞の
選考と
授与
(ロ) その
他、
本会の
目的に
沿う
諸事業
Ⅳ.会員
1.
会員の
種類、
資格
本会の
会員は
正会員、
賛助法人、
特別会員とする。
(イ)
正会員
①
映画の
仕事でその
業績を
認められた
者。
② わが
国の
映画事業に
現在を
含め3
年以上従事している
者。
③
業界のそれぞれの
分野で、
傑出した
努力をなしたと
認められる
者。
以上の
者のうち、
運営・
実行委員会、
又は
賛助法人より
推薦され
認められた
者とする。
(ロ)
賛助法人
現在を
含め3
年以上映画事業に
携わる
会社・
団体で
本会の
主旨に
賛同する
法人。
法人会費は
年間一口10
万円とし、
一口に
対して
社員10
名を
正会員として
推薦できる。
賛助法人会費・
正会員の
会費・
入会金は
以下の[4.
会費]の
とおり。
(ハ)
特別会員
本会の
事業に
特別の
貢献があり、
運営・
実行委員会で
認めた
者を
特別会員とし、
当該会員は
会費を
免除する。
2.
正会員の
権利
(イ)
日本アカデミー
賞の
投票権
(ロ)
投票のための
利用可能劇場での
映画の
鑑賞
(ハ)
本会の
定めた
各事業への
参加
3.
資格の
喪失
(イ)
本人より
退会の
申し
出があったとき。
ただし
理由を
記した
休会届けを
提出することで、1
年間に
限り
休会することができる。
(ロ)
会費を
所定の
期日までに
納入しなかったとき。
(
退会扱いとなり、
再度入会の
場合は
新規の
手続きと
入会金が
必要)
(ハ)
本会の
名誉を
損傷したとき。
(ニ)
会則Ⅳの2(イ)による
投票権を3
年間継続して
一度も
行使しなかったとき。
(ホ)
会則Ⅳの1(イ)
又は(ハ)に
該当しなくなったとき。
4.
会費
正会員の
会費は
年間2
万1
千円とし、
新規会員は
入会金3
千円を
含めて2
万4
千円を
所定の
期日までに
納入しなければならない。
Ⅴ.協会の役員
1.
役員の
構成
本会に
次の
役員をおく
名誉会長 |
……2 名 |
|
顧 問 |
……若干名 |
名誉顧問 |
……2 名 |
|
参 与 |
……若干名 |
会 長 |
……1 名 |
|
組織委員 |
……若干名 |
副会長 |
……若干名 |
|
運営委員 |
……若干名 |
運営委員長 |
……1 名(四役) |
|
実行委員 |
……若干名 |
実行委員長 |
……1 名(四役) |
|
特別賞選考委員 |
……若干名 |
総合プロデューサー |
……1 名(四役) |
|
会計監査 |
……2 名 |
事務局長 |
……1 名(四役) |
|
|
|
※
四役を5
年以上務めて
退任された
方は
顧問に
転任し、その
任期は2
年とする。
※
運営・
実行委員は
副委員長又は
補佐を、
総合プロデューサーは
補佐を
置くことができる。
2.
役員の
選定
組織委員、
運営・
実行委員は
会員の
中より
選出し、
会長及び
副会長は
組織委員より
選出する。
Ⅵ.協会の組織
1.
組織委員会
(イ)
組織委員会の
構成
組織委員会は
名誉会長、
名誉顧問、
会長、
副会長、
組織委員により
構成される。
(ロ)
組織委員会の
業務
組織委員会は、
本会最高決議機関とし、
運営・
実行委員会より
上申のあった
事項に
関して
決定を
下すものとする。 また、
本会会員の
認定及び
日本アカデミー
賞の
選考についての
最終責任を
負うものとする。
組織委員会は
会長によって
召集され、2/3
以上の
出席をもって
成立される。
また
組織委員会は
本会の
発展と
正しく
円滑な
運営のためには
運営・
実行委員会より
上申のない
事項に
ついても
決定を
下すことができるが、その
場合には
出席者の2/3
以上の
賛成を
必要とする。
2.
運営委員会
(イ)
運営委員会の
構成
運営委員会は
各部門より、
選出された
委員によって
構成される。
(ロ)
運営委員会の
業務
運営委員会は、
本会の
事業の
運営に
関する
立案を
行い、
日本アカデミー
賞の
選定の
最終責任を
負うものとする。
3.
実行委員会
(イ)
実行委員会の
構成
実行委員会とは
会員の
推薦によって
選出された
委員と
外部関連部門より
選出された
委員とによって
構成する。
(ロ)
実行委員会の
業務
実行委員会は
運営委員会に
協力し、
本会の
事業の
運営に
関する
一切の
業務の
立案を
行ない、その
実行に
ついての
最終責任に
任ずるものとする。
4.
四役会
(イ)
四役会の
構成
四役会は
組織委員会会長の
任命する
運営委員長、
実行委員長、
総合プロデューサー、
事務局長によって
構成し、
四役の
指名する
補佐、
及び
事務局がこれを
補佐する。
各委員長は
副委員長、
又は
代理を
置くことができる。
(ロ)
四役会の
業務
組織委員会の
委任により、
本会の
運営及び
授賞式の
運営等に
拘わる
業務を
検討執行し、
併せて
各種特別賞の
選考を
行なう。
5.
特別賞・
選考委員会
(イ)
選考委員の
構成
製作関係の
各部門から
出ている
運営委員と
四役によって
構成される。
(ロ)
選考委員の
業務
合議制により
特殊技術賞・
企画賞等の
選出を
行なう。
6.
事務局
(イ)
事務局の
業務
事務局は、
本会の
業務全般の
業務をつかさどる。
(ロ)
事務局の
所在
事務局は
東京都内に
置く。
(ハ)
事務局の
構成
事務局の
構成は、
以下の
通りとする。
①
事務局長 ……1
名
事務局長補佐 ……1
名
但し、
事務局次長1
名、
事務局総務1
名を
置くことができる。
②
事務局員 ……
若干名
③
事務局参与 ……
若干名
(ニ)
本会の
事業及び
会計年度
本会の
事業及び
会計年度は、
当年の11月に
始まり、
翌年10
月を
持って
終了する。
日本アカデミー賞映画神像について
1979年、世界的彫刻家・流政之氏によって日本アカデミー賞の分身かつ象徴である「映画神像」が制作され、協会に寄贈されました。「映画神像」はその後、北海道立近代美術館に寄託され、7年間にわたり同美術館に展示。この「映画神像」は1986年1月より東宝、松竹両社の協力の元、東京都中央区の有楽町マリオン9階ロビーに恒久展示。第1回より毎年授賞式に会場舞台に移動設営され、その年の受賞者たちを温かく迎えます。
※映画神像:高さ3m20㎝ 幅・奥行共76㎝ 神像/研出しブロンズ 台座/黒御影石
上記とは別に流氏が制作、所有していた映画神像一体が協会に寄贈されました。これをシネマフロンティア共同事業体に貸与。2003年3月より、札幌に開業した札幌シネマフロンティアに「映画神像 北海道」として設置、展示されています。さらに2011年には、T・ジョイ博多に「映画神像 九州」が新たに設置されました。
流政之プロフィール
ながれ まさゆき・彫刻家・1923-2018(享年95)
巨大な御影石を モチーフに、自然と融合しつつ圧倒的な存在感を放つ作品を数々生み出した。その膨大な作品群が世界各国の美術館に収蔵・展示されている、日本が生んだ唯一無二の彫刻家。
日本アカデミー賞協会の創設メンバーであり、第1回授賞式より受賞者に贈られている「最優秀賞・優秀賞ブロンズ」も先生の手によるものです。