デジタル大辞泉だいじせん 「リショアリング」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご リショアリング(reshoring) 企業きぎょうが、海外かいがいに移管いかん・委託いたくした業務ぎょうむの拠点きょてんを国内こくないに戻もどすこと。移管いかん先さきでの人件じんけん費ひの高騰こうとうなどが原因げんいん。リショア。⇔オフショアリング。 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「リショアリング」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ リショアリングりしょありんぐreshoring 海外かいがいへ移うつした生産せいさん拠点きょてんを国内こくないへ戻もどすこと。製造せいぞう業ぎょうの海外かいがい流出りゅうしゅつをこちら岸がん(shore)から離はなれるという意味いみでオフショアリングoffshoringとよぶのに対たいし、リショアリングはふたたびこちら岸がんに戻もどるという意味いみで、国内こくない回帰かいきをさす。類似るいじの用語ようごに「再さい上陸じょうりく」「インソーシングinsourcing」がある。アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社しゃ、アップル社しゃ、フォード社しゃ、キャタピラー社しゃなどが中国ちゅうごくやメキシコなどにあった生産せいさん拠点きょてんを相次あいついでアメリカ国内こくないへ戻もどした動うごきをとらえ、2011年ねんにアメリカで提唱ていしょうされた概念がいねんである。 リショアリングの要因よういんとして、(1)中国ちゅうごくなど新しん興国こうこくの人件じんけん費ひをはじめとする生産せいさんコストの上昇じょうしょう、(2)リーマン・ショック後ごの先進せんしん国こくの賃金ちんぎん低下ていか、(3)紛争ふんそうや労働ろうどう争議そうぎ頻発ひんぱつによる新興しんこう国こくのカントリー・リスクの上昇じょうしょう、(4)石油せきゆなどの資源しげん高だかによる国際こくさい物流ぶつりゅうコストの上昇じょうしょう、(5)シェールガス革命かくめいによるアメリカ国内こくないのエネルギーコストの低下ていか、(6)市場いちばまでの時間じかん短縮たんしゅく、(7)品質ひんしつ管理かんりの徹底てってい、(8)大量たいりょう生産せいさん・大量たいりょう輸送ゆそうで在庫ざいこを抱かかえるリスクの顕在けんざい化か、(9)巨大きょだい自然しぜん災害さいがいに備そなえた生産せいさん拠点きょてん分散ぶんさんの必要ひつよう性せい、などが指摘してきされている。アメリカのリショアリングは相対そうたい的てきに地代じだい、人件じんけん費ひ、エネルギー価格かかくの安やすい南部なんぶ諸もろ州しゅうに集中しゅうちゅうする傾向けいこうがあり、地方ちほう経済けいざいが恩恵おんけいを受うけやすい特性とくせいがある。このためアメリカでは、リショアリングを促進そくしんする非ひ営利えいり団体だんたい「リショアリング・イニシアチブReshoring Initiative」などが誕生たんじょうしている。日本にっぽんでも、2012年ねん(平成へいせい24)の第だい二に次じ安倍晋三あべしんぞう(あべしんぞう)政権せいけん誕生たんじょう以来いらいの円えん安やす定着ていちゃくで、製造せいぞう業ぎょうのリショアリングが本格ほんかく化かするとの見方みかたがある。一方いっぽうで、リショアリングは新興しんこう国こく経済けいざいが急きゅう成長せいちょうする途中とちゅう段階だんかいで生しょうじた一時いちじ的てき・過渡かと的てき現象げんしょうであり、アジア・アフリカ諸国しょこくの相対そうたい的てきなコスト優位ゆういは変かわらず、リショアリングは永続えいぞくしないとの見方みかたもある。また2012年ねんのアメリカ大統領だいとうりょう選せんでオバマ政権せいけんが国内こくない雇用こよう対策たいさくとしてリショアリングを利用りようした側面そくめんがあり、国内こくない回帰かいきの流ながれは長続ながつづきしないとの批判ひはんがある。[編集へんしゅう部ぶ][参照さんしょう項目こうもく] | オフショアリング | カントリー・リスク | シェールガス | リーマン・ショック 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい