デジタル大辞泉だいじせん 「一家いっか」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご いっ‐か【一家いっか】 1 一ひとつの所帯じょたい。一ひとつの家族かぞく。「結婚けっこんして一家いっかを構かまえる」「一家いっかの柱はしら」2 家族かぞく全体ぜんたい。家いえじゅう。「一家いっかをあげて移住いじゅうする」3 学芸がくげい・技術ぎじゅつなどの一ひとつの流派りゅうは。また、独自どくじの権威けんいを認みとめられた存在そんざい。「歌道かどうで一家いっかを立たてる」4 博徒ばくとなど、親分おやぶん子分こぶんの関係かんけいで結むすばれた集あつまり。「国定こくていくにさだ一家いっか」[類語るいご]家いえ・家族かぞく・家庭かてい・内うち・ホーム・マイホーム・所帯じょたい・世帯せたい・家内かない・我わが家や・スイートホーム・ファミリー・お宅たく・おいえ・おうち・貴家きか いっ‐け【一家いっか】 1 一いち軒けんの家いえ。いっか。2 家族かぞく全体ぜんたい。一家いっか族ぞく。いっか。「―四よん人にんのものがふだんのように膳ぜんに向むかって」〈鴎外おうがい・阿部あべ一族いちぞく〉3 同おなじ家系かけいの者もの全体ぜんたい。または、それに家来けらいや雇やとい人にんをも含ふくめた全体ぜんたい。同族どうぞく。同門どうもん。一族いちぞく。一門いちもん。「親したしき―の一類いちるいはらから集あつめて」〈宇治うじ拾遺しゅうい・一いち三さん〉 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「一家いっか」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご いっ‐か【一家いっか】 〘 名詞めいし 〙① 一ひとつの家いえ。一軒いっけん。いっけ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「一家いっか有ゆうレ薬くすり、一いち里さと無なレ病やまい」(出典しゅってん:延喜えんぎ式しき(927)三さん七なな)[その他たの文献ぶんけん]〔淮南ワイナン子こ‐説せつ林はやし訓さとし〕② 一いち家族かぞく。一門いちもん。また、家族かぞく全体ぜんたい、一門いちもんすべて。いっけ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「万里ばんり青雲せいうん双そう脚下きゃっか、一家いっか栄耀えいよう孔あな懐中かいちゅう」(出典しゅってん:本朝ほんちょう麗うらら藻も(1010か)下した・感かん勘かん解かい藤ふじ相しょう公おおやけ賢けん郎ろう茂しげ才ざい蒙こうむ課か試ためし之の綸旨りんじ聊呈鄙ひな懐ふところ〈源みなもと孝道たかみち〉)「吉田よしだ屋やの一家いっか袖そでをぞぬらしける」(出典しゅってん:浄瑠璃じょうるり・夕ゆう霧きり阿波あわ鳴渡なりわた(1712頃ごろ)上じょう)[その他たの文献ぶんけん]〔礼れい記き‐礼れい運うん〕③ 学問がくもん、芸術げいじゅつ、技術ぎじゅつなどの独立どくりつした一流いちりゅう派は。独自どくじの一派いっぱ。また、一方いっぽうの権威けんい。独自どくじの存在そんざい。独特どくとくの一ひとつの風格ふうかくを持もつもの。[初出しょしゅつの実例じつれい]「左ひだり丘おか明あきらが文章ぶんしょうでこそあれ、司馬しば遷が一家いっかの事ことではあらばやぢやほどに」(出典しゅってん:史記しき抄しょう(1476‐80)一いち〇)[その他たの文献ぶんけん]〔晉すすむ書しょ‐荀崧伝でん〕④ ばくちうちなどの親分おやぶんと、その杯はいを受うけた子分こぶんとでつくる特殊とくしゅな団体だんたい。 いっ‐け【一家いっか】 〘 名詞めいし 〙① =いっか(一家いっか)①[初出しょしゅつの実例じつれい]「モロモロノヂシポロ イッケニアツマリ イラレケルニ」(出典しゅってん:バレト写本しゃほん(1591))② =いっか(一家いっか)②[初出しょしゅつの実例じつれい]「カノ キヨモリ ノ go(ゴ) icqe(イッケ) ノ ヒトビト ト サエ イエバ」(出典しゅってん:天草あまくさ本ほん平家へいけ(1592)一いち・一いち)「義康よしやす一家いっか(イッケ)の好このみ(よしみ)を忘わすれず」(出典しゅってん:読本とくほん・椿つばき説せつ弓張月ゆみはりづき(1807‐11)後ご)③ その家いえに住すんでいる者もの。また、その家いえにあるもののすべて。家中いえじゅう。一家いっか中ちゅう。[初出しょしゅつの実例じつれい]「ycqeno(イッケノ) ザイホウヲ コトゴトク マイナイニ シンジョウズ」(出典しゅってん:天草あまくさ本ほん伊い曾保(1593)イソポの生涯しょうがいの事こと) ひとつ‐や【一家いっか】 [ 1 ] 〘 名詞めいし 〙① 人里ひとざとはなれた山野やまのなどにぽつんと一いち軒けんだけある家いえ。一軒家いっけんや。ひとついえ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「壱いちつ屋やも月影つきかげにもつ隣となり哉〈作者さくしゃ不知ふち〉」(出典しゅってん:俳諧はいかい・伊勢いせ正直まさなお集しゅう(1662)五ご)② 同一どういつの家いえ。同おなじ家か。ひとついえ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「一家いっかに遊女ゆうじょもねたり萩はぎと月つき」(出典しゅってん:俳諧はいかい・奥おくの細道ほそみち(1693‐94頃ごろ)市振いちぶり)[ 2 ][ 一いち ] 武蔵むさし国こく浅茅あさじ原げん(あさじがはら)にあったという一軒屋いっけんや。一人ひとりの老婆ろうばが住すみ、旅人たびびとを泊とめては殺ころしていたが、観音かんのんの力ちからによって悔悟かいごしたという伝説でんせつがある。[ 二に ] ( 一ひとつ家か ) 歌舞伎かぶき脚本きゃくほん。時代物じだいもの。一幕ひとまく。河竹かわたけ黙阿彌もくあみ作さく。明治めいじ二に三さん年ねん(一いち八はち九きゅう〇)東京とうきょう市村いちむら座ざ初演しょえん。[ 一いち ]の劇化げきか。新古しんこ演劇えんげき十じゅう種しゅの一ひとつ。 ひとつ‐いえ‥いへ【一家いっか】 〘 名詞めいし 〙① 一いち戸この家いえ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「なかがきこそあれ、ひとついへのやうなれば」(出典しゅってん:土ど左ひだり日記にっき(935頃ごろ)承うけたまわ平ひら五ご年ねん二に月がつ一いち六ろく日にち)② =ひとつや(一家いっか)[ 一いち ]①[初出しょしゅつの実例じつれい]「春はるの夜よるの夢ゆめのみたまとわが魂たましい(たま)と逢ふ家からしき野ののひとつ家か(イヘ)」(出典しゅってん:舞姫まいひめ(1906)〈与謝野よさの晶子あきこ〉)③ =ひとつや(一家いっか)[ 一いち ]② ひと‐いえ‥いへ【一家いっか】 〘 名詞めいし 〙 家中いえじゅう。一家いっか全部ぜんぶ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「いかにいかにとひといゑおぼし歎く程ほどに、天てん祿ろく三さん年ねん十じゅう一いち月がつの一いち日にちかくれ給きゅうぬ」(出典しゅってん:栄花物語えいがものがたり(1028‐92頃ごろ)花山はなやまたづぬる中納言ちゅうなごん) 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの一家いっかの言及げんきゅう 【家いえ】より …その結果けっかが明治めいじ以降いこうの天皇てんのう制せい家族かぞく国家こっかの確立かくりつである。天皇てんのう家かを総そう本家ほんけとする一いち国こく一家いっかの挙国きょこく体制たいせいであった。国家こっかという権力けんりょく機構きこうが骨肉こつにくの愛情あいじょう関係かんけいをよそおう。… 【氏族しぞく】より …日本にっぽん中世ちゅうせいの族ぞく縁えん呼称こしょうの一ひとつであるが,史料しりょうの上うえでは,一族いちぞく,一家いっか,一流いちりゅうなどと混用こんようされている場合ばあいが多おおく,はっきりした区別くべつはまだつけられていない。しかし,一族いちぞく,一家いっかという族ぞく縁えん呼称こしょうがある一定いっていの所領しょりょうを共同きょうどう知行ちぎょうし,その土地とちの地名ちめいをもってみずからの〈名字みょうじ〉としている〈名字みょうじ族ぞく〉という性格せいかくをもつのに対たいして,これら名字みょうじ族ぞくがもとをただせば,藤原ふじわら氏しあるいは橘たちばな氏し,大伴おおとも氏しであるなどといわれる場合ばあいの側面そくめんを表現ひょうげんしたものこそ,この氏族しぞくという呼称こしょうの本来ほんらいのあり方かただと考かんがえるべきである。… ※「一家いっか」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」