修善寺しゅぜんじ（読よみ）シュゼンジ

静岡しずおか県けん東部とうぶ、田方たがた郡ぐん(たがたぐん)にあった旧きゅう町名ちょうめい（修善寺しゅぜんじ町まち(ちょう)）。現在げんざいは伊豆いず(いず)市しの北部ほくぶを占しめる一いち地区ちく。1924年ねん（大正たいしょう13）町制ちょうせい施行しこう。1956年ねん（昭和しょうわ31）下しも狩野かの(しもかの)村むらを、1959年ねん北きた狩野かの村むらの一部いちぶを編入へんにゅう。2004年ねん（平成へいせい16）土肥どい(とい)、天城湯ヶ島あまぎゆがしま(あまぎゆがしま)、中伊豆なかいず(なかいず)の3町まちと合併がっぺい、市制しせい施行しこうして伊豆いず市しとなる。旧きゅう修善寺しゅぜんじ町まちは、伊豆半島いずはんとう北部ほくぶに位置いちし、伊豆いずの代表だいひょう的てきな温泉おんせん町まち。伊豆箱根鉄道いずはこねてつどう、国道こくどう136号ごう、修善寺しゅぜんじ有料ゆうりょう道路どうろ、西伊豆にしいずスカイラインなどが通つうじる。名称めいしょうは古代こだい以来いらいの古刹こさつ(こさつ)修禅寺しゅぜんじにちなむ。町まちは巣す雲くも(すくも)、達磨だるま(だるま)山系さんけいに囲かこまれ、全ぜん面積めんせきの70％が山林さんりん原野げんやで、中央ちゅうおうを狩野川かのがわが北きた流ながし、街まちと耕地こうちは狩野川かのがわとその支流しりゅう桂かつら(かつら)川かわの沿岸えんがんに発達はったつしている。稲作いなさくのほか酪農らくのう、養豚ようとん、養鶏ようけい、ミカン・シイタケ栽培さいばいを主おもとする。観光かんこうと結むすび付ついた商業しょうぎょうが中心ちゅうしんで、土産みやげ(みやげ)物もの販売はんばい、飲食いんしょく業ぎょうを主おもとする。区域くいきの一部いちぶは富士ふじ箱根はこね伊豆いず国立こくりつ公園こうえんに含ふくまれ、北きた伊豆いずの玄関げんかんとして東ひがし、南みなみ、西にしへと天城あまぎ(あまぎ)山やま、達磨山だるまやまを越こえて南伊豆みなみいずの海岸かいがん線せんへ向むかう交通こうつう路ろが集中しゅうちゅうする。近年きんねんでは、修善寺しゅぜんじニュータウン、富士見平ふじみだいらなど、宅地たくちや別荘べっそう地ち開発かいはつが進すすんでいる。北きた伊豆いず屈指くっしの大だい温泉おんせんである修善寺しゅぜんじ温泉おんせん、鎌倉かまくら時代じだいの源範頼みなもとののりより(のりより)・頼よりゆき家か(よりいえ)の幽閉ゆうへいの修禅寺しゅぜんじ、鹿山しかやま(しかやま)公園こうえん、梅林ばいりんのある修善寺しゅぜんじ自然しぜん公園こうえん、修善寺しゅぜんじ虹にじの郷さと、早はや霧きり(さぎり)湖みずうみなど観光かんこう資源しげんに富とむ。また、修善寺しゅぜんじ駅えきから約やく7キロメートルの高原こうげんにある日本にっぽんサイクルスポーツセンターは一年中いちねんじゅうにぎわう。

［川崎かわさき文昭ふみあき］

『『修善寺しゅぜんじ史料しりょう集しゅう』（1959・修善寺しゅぜんじ町まち）』▽『南雲なぐも正朗まさお著ちょ『修善寺しゅぜんじより――歴史れきしと風土ふうどと』（1966・角川書店かどかわしょてん）』