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条件(ジョウケン)とは? 意味や使い方 - コトバンク

条件じょうけんみ)ジョウケン

デジタル大辞泉だいじせん条件じょうけん」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

じょう‐けん〔デウ‐〕【条件じょうけん

約束やくそく決定けっていをするさいに、その内容ないようかんしての前提ぜんてい制約せいやくとなる事柄ことがら。「条件じょうけんをのむ」「条件じょうけんをつける」「いちにちだけという条件じょうけんりる」「条件じょうけんのいい会社かいしゃ
ある物事ものごと成立せいりつ実現じつげんするために必要ひつような、または充分じゅうぶん事柄ことがら。「いつ倒産とうさんしてもおかしくない条件じょうけんがそろっている」「一定いってい条件じょうけんたす物件ぶっけん」「条件じょうけんととのう」
法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせいまたは消滅しょうめつを、発生はっせいするかどうか確定かくてい将来しょうらい事実じじつにかからせるづけふかん。また、その事実じじつ。「入学にゅうがくしたら学費がくひす」などがこれにあたる。
[類語るいご](1)(3箇条かじょう条項じょうこう限定げんてい制約せいやく/(2前提ぜんてい与件よけん要件ようけん要素ようそ

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん条件じょうけん」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

じょう‐けんデウ‥条件じょうけん

  1. 名詞めいし
  2. 約束やくそくごとや契約けいやくなどの箇条かじょう項目こうもく。くだり。また、物事ものごとについて限定げんていしたり制約せいやくしたりする事柄ことがら。〔日誌にっし必用ひつよう布令ふれい字引じびき(1868)〕
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「どのよう自然しぜんしょ条件じょうけんに、ぼく精神せいしんのどのよう性質せいしつ順応じゅんのうしたのだらうか」(出典しゅってん無常むじょうといふこと(1942)〈小林こばやし秀雄ひでお〉)
    2. [その文献ぶんけん]〔きたそくもとでん
  3. 物事ものごと成立せいりつ生起せいきくことのできない事情じじょう物事ものごと実現じつげんするのに必要ひつよう事柄ことがら。〔英和えいわ外交がいこう商業しょうぎょう字彙じい(1900)〕
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「衣服いふくは斯(かく)人間にんげんにも大事だいじなものである。人間にんげん衣服いふくか、衣服いふく人間にんげんかとうん重要じゅうよう条件じょうけんである」(出典しゅってん吾輩わがはいねこである(1905‐06)〈夏目なつめ漱石そうせきなな)
  4. ある物事ものごとをするにあたっての事情じじょう
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「妻帯さいたいはしているがまだ子供こどもがないのでいくらか条件じょうけんがよいというのは内村うちむらだけだった」(出典しゅってん真空しんくう地帯ちたい(1952)〈野間のまひろしろく)
  5. 法律ほうりつ行為こうい効果こうか発生はっせい消滅しょうめつを、将来しょうらい発生はっせいするかどうか不明ふめい事実じじつ成否せいひにかからせる制限せいげん約款やっかん。また、その事実じじつ。たとえば「入学にゅうがくしたら学費がくひす」とか、「落第らくだいしたら給費きゅうひをやめる」というのがこれにあたる。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「条件じょうけん法律ほうりつ行為こうい当時とうじすで成就じょうじゅせる場合ばあいおいて」(出典しゅってん民法みんぽう明治めいじきゅうねん)(1896)いちさんいちじょう)
  6. 数学すうがくでいう。
    1. (イ) 命題めいだい「pならばq」におけるp。仮定かてい仮説かせつ
    2. (ロ) 「pならばq」「qならばp」がいずれもしんであるときの、命題めいだいqのpにたいするしょう必要ひつよう十分じゅうぶん条件じょうけん
    3. (ハ) 集合しゅうごうAの要素ようそのうち、Aのある一定いってい部分ぶぶん集合しゅうごうBにぞくするものはすべてつが、ぞくさないものはけっしてたないような性質せいしつ混乱こんらんけるために、「Aの要素ようそたいする条件じょうけん」ということがおおい。条件じょうけん命題めいだい命題めいだい関数かんすう
  7. 哲学てつがくで、「もしAならばB」という含意がんいがた命題めいだいなか条件じょうけんぶしAをさす。また、十分じゅうぶん原因げんいん区別くべつして、必要ひつよう原因げんいんをさす。
  8. 文法ぶんぽうじょうひとつの陳述ちんじゅつたいして、それを成立せいりつさせる理由りゆう原因げんいん、きっかけ、制約せいやくなどをあらわす修飾しゅうしょく成分せいぶん役割やくわり確定かくていてき仮定かていてき内容ないようをもつ場合ばあいがあり、また、陳述ちんじゅつとの関係かんけい随時ずいじ判断はんだんによる場合ばあいと、常時じょうじさだまっている場合ばあいがある。

条件じょうけんかたり

漢籍かんせきでは意味いみもちいられ、日本にっぽんでも同様どうようであったが、condition の訳語やくごとして使つかわれたことが契機けいきとなって以後いごもっぱ意味いみ使用しようされるようになった。

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん条件じょうけん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

条件じょうけん (じょうけん)

法律ほうりつ用語ようご。たとえば,(1)〈A大学だいがく入学にゅうがくすれば〉時計とけいあたえる,(2)〈成績せいせきがれば〉奨学しょうがくきん給付きゅうふる,というように,法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせい消滅しょうめつを,将来しょうらい成否せいひ確定かくてい事実じじつにかからせる,という内容ないよう意思いし表示ひょうじ条件じょうけんという。条件じょうけんは,〈期限きげん〉および贈与ぞうよさいにつけられる〈負担ふたん〉とともに,づけ款とよばれる。づけ款は,法律ほうりつ行為こうい一体いったいをなし,その内容ないよう一定いってい制限せいげんくわえるものである。法律ほうりつ行為こういから一応いちおう独立どくりつしている利息りそく約款やっかん免責めんせき約款やっかん約款やっかんとう付属ふぞくてき約款やっかんは,づけ款ではない。

 (1)のれいのように,法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせいかんする条件じょうけん停止ていし条件じょうけんといい,(2)のれいのように,効力こうりょく消滅しょうめつかんするものを解除かいじょ条件じょうけんという。条件じょうけんは,将来しょうらい事実じじつかんするものである。過去かこ事実じじつ(たとえば〈昨日きのうインドで地震じしんこっていれば〉)にかんするものは,たとえ当事とうじしゃらなくても客観きゃっかんてき既定きてい事実じじつであるから,本来ほんらい条件じょうけんではなく,既成きせい条件じょうけんとよばれる。条件じょうけんは,成否せいひ確定かくてい事実じじつかんするものである。これにたいし,将来しょうらい到来とうらいすることが確実かくじつ事実じじつかんするものは,期限きげんである。しかし,確定かくてい期限きげん到来とうらいする時点じてん確定かくていしていない期限きげん)と条件じょうけんとの区別くべつは,かならずしも容易よういではない。〈課長かちょうになれば〉〈上京じょうきょうすれば〉借金しゃっきんかえすというづけ款(出世しゅっせはらい債務さいむ)は,〈課長かちょうにならなければ〉〈上京じょうきょうしなければ〉かえさなくてもよいという趣旨しゅしである場合ばあい条件じょうけんである。しかし,退職たいしょく死亡しぼうへの転勤てんきんによって出世しゅっせ上京じょうきょう見込みこがなくなったときには返済へんさいするという趣旨しゅしであれば,確定かくてい期限きげんである。両者りょうしゃのいずれにするかは,結局けっきょく意思いし表示ひょうじ解釈かいしゃく問題もんだいであるが,判例はんれいは,確定かくてい期限きげんすることがおおい。

 法律ほうりつ行為こうい条件じょうけんをつけることは,一般いっぱんてき有効ゆうこうである。しかし,婚姻こんいん養子ようし縁組えんぐみ相続そうぞく承認しょうにん放棄ほうきのような家族かぞくほうじょう行為こういや,相手方あいてがた地位ちい不安定ふあんていにする場合ばあいには,条件じょうけんをつけることはゆるされない。また,不法ふほう内容ないよう条件じょうけんをつけると,法律ほうりつ行為こうい全体ぜんたい無効むこうとなる。不法ふほう行為こういをしないことを条件じょうけんとする場合ばあい同様どうようである(民法みんぽう132じょう)。しかし,わらわへのきりきん有効ゆうこうほぐされている。けば支払しはらう(かなければ支払しはらわなくてもよい)というような〈純粋じゅんすい随意ずいい停止ていし条件じょうけんづけ法律ほうりつ行為こういは,無効むこうである(134じょう)。ただし,債権さいけんしゃ随意ずいい条件じょうけんとしたり,〈博多はかたけば〉人形にんぎょうってきてあげる,というような,債務さいむしゃ行為こういかんする随意ずいい条件じょうけん有効ゆうこうである。

 将来しょうらい条件じょうけん成就じょうじゅによってける利益りえき,すなわち,条件じょうけんづけ権利けんりは,一種いっしゅの〈期待きたいけん〉として法律ほうりつじょう保護ほごされなければならない。条件じょうけんづけ権利けんりは,処分しょぶん相続そうぞく対象たいしょうとなるだけでなく,その侵害しんがいは,不法ふほう行為こういとなる。停止ていし条件じょうけん成就じょうじゅすれば法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせいし,解除かいじょ条件じょうけん成就じょうじゅすれば効力こうりょく消滅しょうめつする。積極せっきょく条件じょうけんれい,〈将来しょうらい新幹線しんかんせんえきができれば〉)の場合ばあいには,その事実じじつ発生はっせいすれば条件じょうけん成就じょうじゅし,その発生はっせい確定かくていすれば条件じょうけん成就じょうじゅとなる。消極しょうきょく条件じょうけんれい,〈親元おやもとはなれないで農業のうぎょう従事じゅうじすれば〉)の場合ばあいには,そのぎゃくである。しかし,条件じょうけん成就じょうじゅしたかどうかは,結局けっきょくのところ,条件じょうけんかんする意思いし表示ひょうじ解釈かいしゃく問題もんだいである。たとえば,陸軍りくぐんしょう用途ようと廃止はいしすれば返還へんかんするという解除かいじょ条件じょうけんきで,傷病しょうびょうへい療養りょうようしょ設置せっちのために土地とち温泉おんせんけん寄付きふした場合ばあいに,終戦しゅうせん陸軍りくぐんしょう廃止はいしされ,厚生省こうせいしょう移管いかんされて国立こくりつ病院びょういんとして使用しようされるようになったときには,上記じょうき条件じょうけん成就じょうじゅしたとかいすべきだろうか。陸軍りくぐんしょうくに厚生省こうせいしょうかいすれば,条件じょうけん成就じょうじゅであるが,〈陸軍りくぐんしょう〉と厚生省こうせいしょう別物べつものだとかいすれば,条件じょうけん成就じょうじゅしたことになる。この場合ばあい最高さいこう裁判所さいばんしょは,後者こうしゃ見解けんかいをとっている(1960ねん判決はんけつ)。

 条件じょうけん成就じょうじゅによって不利益ふりえきをうける当事とうじしゃが,故意こい条件じょうけん成就じょうじゅ妨害ぼうがいしたときには,妨害ぼうがいされた相手方あいてがたは,条件じょうけん成就じょうじゅしたものと〈做ス〉ことができる(130じょう)。ここでいう〈故意こい〉は,がいとか,不利益ふりえきまぬかれようとする意思いし必要ひつようとしない。山林さんりん売却ばいきゃく周旋しゅうせん依頼いらいし,成功せいこうしたときには借金しゃっきん免除めんじょすると約束やくそくしておきながら,自身じしん山林さんりん売却ばいきゃくした場合ばあいには,相手方あいてがたは,条件じょうけん成就じょうじゅとみなして借金しゃっきん返済へんさいまぬかれる。妨害ぼうがい成就じょうじゅあいだには,因果いんが関係かんけい存在そんざいしなければならない。官庁かんちょう許可きょかることを条件じょうけんとして取引とりひきする場合ばあいに,(許可きょか申請しんせいをしても許可きょかされるとかぎらなくても)許可きょか申請しんせいしないことは,条件じょうけん成就じょうじゅ妨害ぼうがいとなる。結果けっかてき条件じょうけん成就じょうじゅ妨害ぼうがいとなっても,そのことが信義しんぎ誠実せいじつ原則げんそくはんしなければ〈妨害ぼうがい〉とならない。養子ようしをとればいえうと契約けいやくしたものが,養子ようしをとらなくても妨害ぼうがいしたことにならない。これにはんして,不正ふせい手段しゅだんもちいて条件じょうけん成就じょうじゅした場合ばあいには,民法みんぽう規定きていはないが,相手方あいてがた条件じょうけん成就じょうじゅしなかったとみなすことができる,とかいすべきであろう。〈不能ふのう〉の停止ていし条件じょうけんれい,〈太陽たいようがなくなればヒーターをう〉)は無効むこう,〈不能ふのう〉の解除かいじょ条件じょうけんれい,〈太陽たいようがなくなればクーラーをもどす〉)は無条件むじょうけんとされる(133じょう)。
執筆しっぴつしゃ


条件じょうけん (じょうけん)
condition

論理ろんりがく用語ようご一般いっぱんに〈……であれば(ならば)……である〉という表現ひょうげん対応たいおうする事態じたいで,〈……であれば(ならば)……〉のまえ表現ひょうげんたるものが条件じょうけん仮定かていであり,その表現ひょうげん相当そうとうするものがこの条件下じょうけんか成立せいりつすることがらであるが,〈ならば〉でむすばれる表現ひょうげん全体ぜんたい条件じょうけん命題めいだいまたはぶん)ということもある。条件じょうけんなるものの性格せいかくかならずしも明確めいかくでないが,おおきくは論理ろんりてきなそれと論理ろんりてきなそれとに類別るいべつできよう。論理ろんりてき条件じょうけん中心ちゅうしん現代げんだい論理ろんり中核ちゅうかくにある標準ひょうじゅん論理ろんり条件じょうけんで,いま任意にんいの2命題めいだいpqとすると,pqあるいはpqとう表現ひょうげんされ,その全体ぜんたい条件じょうけんしき),→(または⊃)を条件じょうけん(または条件じょうけん記号きごう),pq前件ぜんけんqp後件こうけんという。また,pq十分じゅうぶん条件じょうけんqp必要ひつよう条件じょうけんというが,必要ひつよう条件じょうけんという命名めいめい理由りゆうは,pqのそれぞれを否定ひていにしてじゅんをかえた〈qでないならばpでない〉は〈pならばq〉のいわゆる〈対偶たいぐう〉で,両者りょうしゃたがいにひとしく,したがって,〈pならばq〉とは〈qりたなければpりたない〉にひとしいてんにある。標準ひょうじゅん論理ろんり条件じょうけん別名べつめい実質じっしつ含意がんい〉ともよばれ,標準ひょうじゅん論理ろんりほか命題めいだい結合けつごう同様どうように,pqのそれぞれの真偽しんぎによって定義ていぎされ,pしんqにせのときのみ全体ぜんたいにせで,場合ばあいpqしんpにせqしんにせ)にはすべてしんとされる。以上いじょう実質じっしつ含意がんいたいして,真偽しんぎ2以上いじょうみとめる多値たち論理ろんりや,命題めいだい必然ひつぜんせい可能かのうせいとうの〈様相ようそう〉の添加てんかおこな様相ようそう論理ろんり条件じょうけんかんがえられるが,とくに後者こうしゃ場合ばあい,〈pならば必然ひつぜんてきqである〉という条件じょうけんを〈厳密げんみつ(またはつよし含意がんい〉という。以上いじょうのほかに,その性格せいかくかならずしもあきらかでない,はん事実じじつてき条件じょうけん重要じゅうよう日常にちじょう条件じょうけん一種いっしゅである。さらに,因果いんが関係かんけい広義こうぎ条件じょうけんふくまれ,あつかかたでは論理ろんりてき条件じょうけん転化てんかされるが,因果いんがてき条件じょうけん本質ほんしつ論理ろんりではくされない,それ独自どくじ還元かんげんてき性格せいかくつという見方みかた有力ゆうりょくである。
必要ひつようじゅうふん条件じょうけん
執筆しっぴつしゃ

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん条件じょうけん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

条件じょうけん
じょうけん
condition

あることが成立せいりつまたは生起せいきするためにたされるべき規定きていのなかで,直接的ちょくせつてき原因げんいんではなく制約せいやくとなるもの。命題めいだいA ならば B である ( ABく) 」がつときに条件じょうけん AB十分じゅうぶん条件じょうけんであるといい,そのうら命題めいだいA でないならば B でない ( ~A⊃~B ) 」がつときに条件じょうけん AB必要ひつよう条件じょうけんであるという。りょう命題めいだいがともにつときに条件じょうけん AB必要ひつようじゅうふん条件じょうけんであるという。ある命題めいだいとその対偶たいぐう命題めいだい同義どうぎであるから,うえ命題めいだいつならば,その対偶たいぐうB でないならば A でない ( ~B⊃~A ) 」がつので条件じょうけん BA必要ひつよう条件じょうけんとなる。またうら命題めいだい対偶たいぐうぎゃく命題めいだいであって,りょう命題めいだい同義どうぎであるから,ぎゃく命題めいだいB ならば A である ( BA ) 」がてば条件じょうけん AB必要ひつよう条件じょうけんとなる。一般いっぱんに,ある命題めいだいっても,そのぎゃく命題めいだいかならずしもりたないが,ぎゃく命題めいだいつときに,条件じょうけん AB必要ひつようじゅうふん条件じょうけんであり,また条件じょうけん BA必要ひつようじゅうふん条件じょうけんとなる。数学すうがくでは,特定とくてい条件じょうけんのもとでのみつときに「条件じょうけんつき」といい,無条件むじょうけんつときに「絶対ぜったい」という。物理ぶつり現象げんしょうなどの記述きじゅつでは,その現象げんしょうおこ条件じょうけん明記めいきしなければならない。

条件じょうけん
じょうけん

法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせいまたは消滅しょうめつ成否せいひ確実かくじつ将来しょうらい事実じじつによってもたらそうとする法律ほうりつ行為こうい約款やっかんをいう。たとえば,「入学にゅうがくしたら学資がくししてやる」という場合ばあいの「入学にゅうがくしたら」というづけ款 (停止ていし条件じょうけん) ,また「落第らくだいしたら学資がくしをやらない」という場合ばあいの「落第らくだいしたら」というづけ款 (解除かいじょ条件じょうけん) がこれである (民法みんぽう 127~130) 。条件じょうけんはその成否せいひ確定かくていてんで,おな法律ほうりつ行為こういづけ款でも将来しょうらいかなら到来とうらいすることが確実かくじつ期限きげんとはことなる。法律ほうりつ行為こうい条件じょうけんをつけることは,契約けいやく自由じゆう原則げんそくないしは私的してき自治じち原則げんそくからして有効ゆうこうである。ただし,身分みぶん行為こうい (たとえば婚姻こんいん) についての条件じょうけん無効むこうである。なお,特殊とくしゅ条件じょうけんとしては,不法ふほう条件じょうけん不能ふのう条件じょうけん随意ずいい条件じょうけんなどがある (132~134じょう) 。

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)条件じょうけん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

条件じょうけん法律ほうりつ
じょうけん

法律ほうりつ行為こうい効力こうりょく発生はっせいまたは消滅しょうめつを、将来しょうらい発生はっせいするかどうかが確定かくてい事実じじつ成否せいひにかからしめるづけ款。試験しけん合格ごうかくしたら学費がくひすといったように、発生はっせいかんする場合ばあい停止ていし条件じょうけんといい、落第らくだいしたら学費がくひるというように、消滅しょうめつかんする場合ばあい解除かいじょ条件じょうけんという。将来しょうらい発生はっせいするかどうかが確定かくてい事実じじつ(たとえば、試験しけん合格ごうかくしたらなど)にかからしめられているてんで、将来しょうらいかならず到来とうらいする事実じじつ(たとえば、自分じぶんんだときなど)にかからしめられている期限きげん区別くべつされる。意思いし表示ひょうじには原則げんそくとして条件じょうけんをつけることがゆるされるが、例外れいがいてきにそれがゆるされない場合ばあいがある。だいいちは、条件じょうけんをつけることが強行きょうこう法規ほうきまたは公序良俗こうじょりょうぞくはんする結果けっかとなる場合ばあいである(たとえば、婚姻こんいん縁組えんぐみなどに条件じょうけんをつけること)。だいは、単独たんどく行為こうい条件じょうけんをつける場合ばあいのように、相手方あいてがた法律ほうりつじょう利益りえきいちじるしくがいするような場合ばあいである(たとえば、相殺そうさい(そうさい)、解除かいじょなどに条件じょうけんをつけること)。条件じょうけん実現じつげん条件じょうけん成就じょうじゅ(じょうじゅ)といい、実現じつげん成就じょうじゅという。条件じょうけんづけ法律ほうりつ行為こういは、条件じょうけん成否せいひ確定かくていまえにおいても、期待きたいけんとして一定いってい保護ほごける(民法みんぽう128じょう・129じょう)。また、条件じょうけん成就じょうじゅによって不利益ふりえきける当事とうじしゃ故意こい条件じょうけん成就じょうじゅさまたげたときには、相手方あいてがたはその条件じょうけん成就じょうじゅしたものとみなすことができる(どうほう130じょう)。

淡路あわじ剛久たけひさ


条件じょうけん論理ろんりがく
じょうけん
condition

なんらかの事柄ことがらこす原因げんいんとなる事象じしょうを、その事柄ことがら条件じょうけんとよぶ。このような定義ていぎ長年ながねんにわたっておこなわれてきたのであるが、原因げんいん結果けっか決定けっていするという因果律いんがりつもとづいているので十分じゅうぶんなものではない。そして、心理しんりがく生理学せいりがくといった分野ぶんやのぞけば、現代げんだい科学かがくではもはやもちいられていない。しかし、条件じょうけんをこのように提起ていきされた原因げんいん同一どういつするというかんがかたが、日常にちじょう生活せいかつにおいて根強ねづよのこっていることは否定ひていできない。

 これにたいして、論理ろんりがくでは、条件じょうけんとは結論けつろんみちびすための前提ぜんていのことであると定義ていぎされる。しかし、この意味いみにおける条件じょうけんは、原因げんいんとしての条件じょうけんと、はっきり区別くべつされなければならない。ある条件じょうけん、すなわち前提ぜんていから結論けつろんられるからといって、その前提ぜんてい結論けつろん原因げんいんとなっているわけではないからである。前提ぜんていによって結論けつろんが、いわば因果いんがてきこされるというかんがえは、近代きんだい論理ろんりがくが19世紀せいきまつ成立せいりつするまでは、論理ろんりがくにもその痕跡こんせき(こんせき)をとどめていたが、いまではまったく払拭ふっしょく(ふっしょく)されるにいたった。たとえば、矛盾むじゅんから任意にんい結論けつろんみちびくことができるが、そうであるからといって、矛盾むじゅんがその結論けつろん原因げんいんであるとはいえない。論理ろんりがくにおける条件じょうけんに、多少たしょう因果いんがてき発想はっそう導入どうにゅうしようというこころみもあるが、現在げんざいのところじゅうふんみとめられてはいない。

石本いしもと しん

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普及ふきゅうばん どおり条件じょうけん」のみ・字形じけい画数かくすう意味いみ

条件じょうけん】じよう(でう)けん

綱目こうもく約束やくそく条項じょうこう。〔きたろうもとでんひそかひさほどこせすることをいたし、つみしゅう(おほ)し。條件じょうけんしてたいしょうもうす。仍(よ)りてもっことはかりてしょす。極刑きょっけいざるよりは、いちみなけつはなす。

どおりじょう」の項目こうもく

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