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須磨(スマ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

須磨すまみ)スマ

デジタル大辞泉だいじせん須磨すま」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

すま【須磨すま

神戸こうべ西部せいぶめい。また、その須磨すま南部なんぶ地域ちいき大阪おおさかわんめんする白砂青松はくさせいしょう海岸かいがんで、古来こらい明石あかしならしょうされる景勝けいしょう須磨すませきあと須磨浦公園すまうらこうえんなどがある。[歌枕うたまくら
「わくらばにとえじんあらば―のうらにもしほたれつつわぶとこたへよ」〈古今ここんざつ
源氏物語げんじものがたりだい12かんまきめい光源氏ひかるげんじ、26さいから27さい源氏げんじ離京りきょうのようす、須磨すまでの生活せいかつ暴風雨ぼうふうう襲来しゅうらいなどをえがく。
箏曲そうきょくそうきょくはちきょう検校けんぎょうやつはしけんぎょう作曲さっきょくろくうたからなる組歌くみうた

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん須磨すま」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

すま【須磨すま

  1. [ 1 ]
    1. [ いち ] ( 摂津せっつこく西南せいなんすみ(すま)(=すみ)にあるところからばれた ) 兵庫ひょうごけん神戸こうべ西部せいぶ六甲山地ろっこうさんち大阪おおさかわんにせまる地域ちいきふるくは関所せきしょかれ、また、源平げんぺい古戦場こせんじょうとしてられる一ノ谷いちのたに白砂青松はくさせいしょう須磨すまうらふくみ、明石あかしならしょうされたつき名所めいしょ歌枕うたまくら
      1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「須磨すま海人あま(あま)塩焼しおやきころもふじころも間遠まどおにしあればいまだなれず」(出典しゅってん万葉集まんようしゅう(8Cさんよんいちさん)
    2. [ ] 神戸こうべ行政ぎょうせいひとつ。六甲山地ろっこうさんち急斜面きゅうしゃめんをつくり大阪おおさかわんのぞ地域ちいきめる。住宅じゅうたくとして発展はってん昭和しょうわろくねんいちきゅうさんいち成立せいりつ
    3. [ さん ]源氏物語げんじものがたりだいじゅうじょうまきめい源氏げんじろくさいさんがつからななさいさんがつまで。時勢じせいわり、ひろ徽殿だいきさきがたの圧迫あっぱくつよくなったので、みなもと須磨すま退去たいきょ決意けついする。離京りきょうのさま、須磨すまでの生活せいかつさんがつ上巳じょうし海辺うみべはらいだい暴風雨ぼうふうう津波つなみおそわれたことなどがえがかれる。
  2. [ 2 ] 名詞めいし 香木こうぼく分類ぶんるい南蛮なんばん(まなばん)香味こうみさんろくじゅういちしゅ名香めいこうひとつ。

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日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけい須磨すま」の解説かいせつ

須磨すま
すま

六甲ろっこうろつこう山地さんち南西なんせいはし山塊さんかい海岸かいがんせんせま地域ちいき鉢伏はちぶせはちぶせやまてつてつかい山南さんなん東麓ひがしふもと位置いちし、大阪おおさかわんへだてて淡路島あわじしまたいする。ふるく須麻・陬麻・須馬・須間・などとも表記ひょうき摂津せっつこく南西なんせいすみ畿内きないさい西端せいたんにあたる交通こうつう軍事ぐんじじょう要衝ようしょうで、山陽さんようどう播磨はりまこくへとつうじ、律令制りつりょうせいでは須磨すまえき須磨すませきかれた。「万葉集まんようしゅうまきさん大網おおあみ公人きみとぬし宴席えんせき吟誦ぎんしょうしたうたとして「須磨すま海人あま塩焼しおやきころもふじころも間遠まどおにしあればいまだなれず」がみえ、まきいちななには「須磨すまじん海辺うみべつねらずしおつらこいをもわれはするかも」とあるなど、海浜かいひんではふるくから製塩せいえんおこなわれていた。「古今ここんしゅう」には「田村たむらに、ことにあたりてくに須磨すまといふところにこもりはべりけるに、みやうちはべりけるひとにつかはしける」とだいした在原行平ありわらのゆきひらうた「わくらばにとふじんあらば須磨すまうらにもしほたれつつわぶとこたへよ」がみえる。行平ゆきひら須磨すま蟄居ちっきょさせるにいたった文徳ふみのり天皇てんのう時代じだい事件じけんについては正史せいしにみえないが、行平ゆきひらには須磨すませきんだうたもあるぞく古今ここんしゅう。また行平ゆきひらおとうと業平なりひらは、あしあしやさと主人公しゅじんこう業平なりひらあにまもるとく行平ゆきひらたずね、一緒いっしょ布引ぬのびきぬのびきたきげん中央ちゅうおう見物けんぶつかけるという設定せっていで「伊勢物語いせものがたりだいはちななだん創作そうさくしており、「古今ここんしゅう」「しん古今ここんしゅう」には布引びきのたきんだ兄弟きょうだいうた収録しゅうろくされるなど、行平ゆきひら一時期いちじき須磨すま付近ふきんんでいたともかんがえられる。「源氏物語げんじものがたり須磨すままき行平ゆきひら故事こじ準拠じゅんきょしてつくられたともいわれ、失脚しっきゃくした光源氏ひかるげんじ蟄居ちっきょした須磨すまいえは「行平ゆきひら中納言ちゅうなごんの、しおたれつゝわびける家居かきょちかきわたり」とされている。畿内きないはてにある須磨すまうらじん藻塩もしおひなびたで、流謫るたく印象いんしょうつよいものかなしい場所ばしょとしておおくのうたまれ、歌枕うたまくらともなった。

平安へいあん末期まっきたいら一門いちもん東方とうほう福原ふくはらふくはら拠点きょてんとするようになってから当地とうち合戦かっせん巻込まきこまれていった。

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん須磨すま」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

須磨すま (すま)

兵庫ひょうごけん神戸こうべ須磨すまのうち大阪おおさかわんめんする一帯いったい背後はいご六甲山地ろっこうさんち西端せいたんたる高取山たかとりやまてつ拐(てつかい)やまはちふく(はちぶせ)やまをめぐらし,南西なんせい明石海峡あかしかいきょうをへだてて淡路島あわじしまたいする。海岸かいがん須磨すまうら白砂青松はくさせいしょう景勝けいしょうとして古来こらい著名ちょめいである。須磨すまはまた摂津せっつこく西端せいたん畿内きない西にし境界きょうかいたり,播磨はりまとの交通こうつう軍事ぐんじじょう要衝ようしょうであった。大宰府だざいふきょうむす古代こだい主要しゅようであった山陽さんようどうとおり,律令制りつりょうせいでは須磨すまえきせきかれた。1184ねんもとこよみ1)平家へいけ大軍たいぐんはんよりゆき義経よしつねひきいる源氏げんじぜい一ノ谷いちのやたたかい,敗北はいぼくきっした(一ノ谷いちのやせん)。敦盛あつもりづかなどの史跡しせきがあり,現在げんざい須磨浦公園すまうらこうえんとなっている。明治めいじには結核けっかく療養りょうようしょ開設かいせつされ,大正たいしょうになると離宮りきゅう関西かんさい在住ざいじゅう富豪ふごう別邸べってい建設けんせつされた。現在げんざい須磨すま離宮りきゅう公園こうえんはそのひとつである。海岸かいがんには阪神はんしんあいだ唯一ゆいいつ海水浴かいすいよくじょうをはじめヨットハーバー,うみ公園こうえんなどがあり,レクリエーション地区ちくとなっている。
執筆しっぴつしゃ

古来こらい須磨すまをうたったうたおおいが,《古今ここんしゅうまきじゅうはちには〈わくらばにとえじんあらば須磨すまうら藻塩もしおれつつわぶとこたえへよ〉という在原行平ありわらのゆきひらうたがある。このうた準拠じゅんきょとしてつくられたともいわれる《源氏物語げんじものがたり須磨すままきには,政変せいへん失脚しっきゃくした光源氏ひかるげんじ須磨すま蟄居ちっきょ(ちつきよ)のようすが須磨すま自然しぜん描写びょうしゃんでえがかれている。謡曲ようきょく松風まつかぜ》は,行平ゆきひらあいされた2人ふたり美女びじょ松風まつかぜ〉と〈村雨むらさめ〉のれい須磨すまうらにあらわれて旅僧たびそう物語ものがたりをするというすじ謡曲ようきょく須磨すまはじめ》は《源氏物語げんじものがたり須磨すままき直接ちょくせつ劇化げきかである。《平家ひらか物語ものがたり》にざいった謡曲ようきょくのうち,《えびら(えびら)》《忠盛ただもり》《敦盛あつもり》はいずれも須磨すま舞台ぶたいとする。芭蕉ばしょう須磨すまたずね,その紀行きこうぶんが《きゅう(おい)の小文おぶみ》にある。
執筆しっぴつしゃ

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)須磨すま」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

須磨すま
すま

兵庫ひょうごけん神戸こうべ西部せいぶ地区ちく須磨すま南部なんぶ地域ちいきで、きゅう須磨すままち古来こらい景勝けいしょうとしてられる。六甲ろっこう(ろっこう)山地さんち西端せいたん鉢伏山はちふせやま(はちぶせやま)、てつ拐山(てっかいざん)、高倉山たかくらやまなどは須磨浦公園すまうらこうえんあたりできゅう傾斜けいしゃとなってうみせまる。この「平地ひらちまったスミ」が須磨すま地名ちめい由来ゆらいである。白砂青松はくさせいしょう須磨すまうらは『源氏物語げんじものがたり』の「須磨すま」「明石あかし(あかし)」、謡曲ようきょく松風まつかぜ』などの舞台ぶたいで、いまも海水浴かいすいよくじょう海浜かいひん公園こうえんなどがある。せま海岸かいがんにJR山陽本線さんようほんせん山陽さんよう電鉄でんてつ国道こくどう2ごうがひしめきあってつうじている。一方いっぽう後背こうはい山地さんちだい神明しんめい道路どうろとおり、須磨すまインターチェンジが設置せっちされている。ふるくから軍事ぐんじ交通こうつうじょう要地ようちとして百人一首ひゃくにんいっしゅにもまれた須磨すませきもうけられ、いまも関所せきしょあと関守せきもりまち(せきもりちょう)の地名ちめいのこる。源平げんぺい古戦場こせんじょうでもあり、いちたに鵯越ひよどりごえ(ひよどりごえ)、須磨寺すまでら敦盛あつもりづか(あつもりづか)、安徳あんとく(あんとく)みかど内裏だいり(だいり)あとなどがある。須磨寺すまでら正式せいしきには上野山うえのやまぶくさちてら(しょうやさんふくしょうじ)で、境内けいだい敦盛あつもりくびあらいなどがある。また敦盛あつもり愛用あいようした「青葉あおばふえ」が収納しゅうのうされている。明治めいじ以降いこう山麓さんろく(さんろく)や海岸かいがん段丘だんきゅうめん海岸かいがん沿いに富豪ふごう別荘べっそうてられ、武庫むこ離宮りきゅうかれた。だい世界せかい大戦たいせん離宮りきゅうだい邸宅ていたくあと公園こうえんされ、須磨すま離宮りきゅう公園こうえん須磨すま海浜かいひん公園こうえん須磨浦公園すまうらこうえんなどとなった。また背後はいご高倉山たかくらやま高尾山たかおさんなどをくずし、土砂どしゃ神戸こうべ海面かいめんてにもちい、跡地あとち住宅じゅうたく利用りようする方式ほうしきがとられ、だい住宅じゅうたく団地だんち建設けんせつおこなわれた。須磨すま海浜かいひん公園こうえん市立しりつ須磨すま海浜かいひん水族館すいぞくかんがある。

二木ふたきさとしあつし


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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん須磨すま」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

須磨すま
すま

兵庫ひょうごけん神戸こうべ須磨すま南部なんぶ地区ちく六甲山地ろっこうさんち西部せいぶ横尾山よこおやま高尾山たかおさんてつ拐山,鉢伏山はちふせやまなどが大阪おおさかわん接近せっきんした景勝けいしょうやま一部いちぶ海面かいめんうめよう土砂どしゃ採取さいしゅ変貌へんぼういちじるしい。鉢伏山はちふせやま中心ちゅうしん須磨浦公園すまうらこうえんがあり,山麓さんろく山頂さんちょうロープウェーむすぶ。鉢伏山はちふせやまには山上さんじょうゆうえん回転かいてん展望てんぼうだいがあり,てつ拐山山頂さんちょうとのあいだをリフトで連絡れんらく須磨すま海浜かいひん公園こうえん付近ふきんふるくから別荘べっそうとしてけた。阪神はんしん唯一ゆいいつ海水浴かいすいよくじょうで,水族館すいぞくかん,フィッシングセンターなどがある。平敦盛たいらのあつもり愛用あいよう青葉あおばふえ弁慶べんけいがね敦盛あつもり画像がぞうなどの宝物ほうもつ収蔵しゅうぞうする須磨寺すまでらのほか,眺望ちょうぼう絶好ぜっこう須磨すま離宮りきゅう公園こうえん鉢伏山はちふせやまてつ拐山が須磨すまうらせま付近ふきん一ノ谷いちのやたに三ノ谷さんのたに源平げんぺい合戦かっせん古戦場こせんじょう安徳天皇あんとくてんのう内裏だいりあと須磨すませきあとなどがある。瀬戸内海せとないかい国立こくりつ公園こうえんぞくする。

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歌舞伎かぶき浄瑠璃じょうるり外題げだいよみかた辞典じてん須磨すま」の解説かいせつ

須磨すま
(通称つうしょう)
すま

歌舞伎かぶき浄瑠璃じょうるり外題げだい
もと外題げだい
今様いまよう須磨すま写絵うつしえ
初演しょえん
文化ぶんか12.5(江戸えど市村いちむら)

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動植物どうしょくぶつめいよみかた辞典じてん 普及ふきゅうばん須磨すま」の解説かいせつ

須磨すま (スマ)

学名がくめいEuthynnus yaito
動物どうぶつ。サバ海水かいすいぎょ

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