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黄砂(コウサ)とは？ 意味や使い方 - コトバンク
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黄砂こうさ（読よみ）コウサ

デジタル大辞泉だいじせん 「黄砂こうさ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

こう‐さ〔クワウ‐〕【黄砂こうさ／黄き沙すな】

１ 黄色きいろい砂すな。
２ 中国ちゅうごく北西ほくせい部ぶで、黄色おうしょくの砂塵さじんさじんが強風きょうふうに舞まい上あげられて空そらを覆おおい、風ふうに運はこばれながら徐々じょじょに降下こうかする現象げんしょう。3～5月に多おおく、日本にっぽんに及およぶこともある。《季き 春はる》「―降ふる台湾たいわんメール沖おきを行いく／禅ぜん寺洞てらぼら」
３ 砂漠さばく。
４ 黄土おうど。
[類語るいご]砂すな・真砂まさご・白砂はくしゃ・砂すないさご・砂子すなご・熱砂ねっさ・珪砂けいしゃ

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精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「黄砂こうさ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

こう‐さクヮウ‥【黄砂こうさ・黄き沙すな】

  1. 〘 名詞めいし 〙
  2. ① 黄色きいろい砂すな。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「冒おかせ二に公司こうし一いち、屡しばしば煩うるさ二に丹に筆ひつ一いち、徒と二に黄き沙すな一いち」(出典しゅってん：経国けいこく集しゅう（827）二に〇・下毛しもげ野の虫ちゅう麻呂まろ対策たいさく文ぶん・策さく問とい)
    2. [その他たの文献ぶんけん]〔謝しゃ荘そう‐自じ潯陽至いたり都と集あつまり道どう里名さとみょう為ため詩し〕
  3. ② 黄色おうしょくの堆積たいせき土ど。第だい四よん氷こおり期きに砂漠さばく地域ちいきから風ふうに運はこばれて中国ちゅうごく北部ほくぶ、中部ちゅうぶ・北きたヨーロッパ、アメリカなどに堆積たいせきしたもの。
  4. ③ 砂漠さばく。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「寒かん雨う黄き沙すな暮くれ、西風せいふう白しろ草くさ秋あき」(出典しゅってん：蕉堅藁わら（1403）出で塞ふさが図ず)
    2. [その他たの文献ぶんけん]〔王昌齢おうしょうれい‐従軍じゅうぐん行ぎょう・七なな首しゅ詩し・其四〕
  5. ④ 中国ちゅうごくの北部ほくぶ、東北とうほく部ぶ、モンゴルなどで、黄色おうしょくの細こまかい砂すなが風ふうで吹ふきあげられ、黄色おうしょくまたは赤あか褐色かっしょくに空そらをおおう現象げんしょう。三月さんがつから五ご月がつにかけて、微細びさいな砂塵さじんが偏西風へんせいふうに乗のって日本にっぽんにも飛来ひらいする。霾(ばい)。《 季語きご・春はる 》
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「きのふけふ濁世じょくせさながら黄き沙すなかな」(出典しゅってん：不ふ勝かち簪かんざし（1980）〈阿波あわ野の青あお畝うね〉)
    2. [その他たの文献ぶんけん]〔南みなみ史し‐梁りょう本紀ほんぎ下か・簡文帝みかど〕
  6. ⑤ 牢獄ろうごく。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「女おんな謁進歟。黄き沙すな枉レ寃耶」(出典しゅってん：性せい霊れい集しゅう‐六ろく（835頃ごろ）於大おだい極ごく紫むらさき震しん両りょう殿しんがり請百ひゃく僧そう雩願文がんもん)

おう‐さワウ‥【黄砂こうさ】

  1. 〘 名詞めいし 〙 ⇒こうさ（黄砂こうさ）

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知恵ちえ蔵ぞう 「黄砂こうさ」の解説かいせつ

黄砂こうさ

中国ちゅうごく内陸ないりく部ぶのゴビ砂漠ごびさばくなどの乾燥かんそう地帯ちたいで、風ふうによって巻まき上あげられた多量たりょうの砂塵さじん(さじん)が偏西風へんせいふうに乗のって運はこばれ、中国ちゅうごく東部とうぶ、朝鮮半島ちょうせんはんとう、日本にっぽんなどにゆっくり降下こうかする現象げんしょう。春はるに多おおく、空そらを黄き褐色かっしょくにし、視程してい障害しょうがい、呼吸こきゅう器き疾患しっかんなどをもたらす。日本にっぽんへの飛来ひらい回数かいすうは年としによる差さが大おおきい。近年きんねん、中国ちゅうごく大陸たいりくの砂漠さばく化かが進すすみ、黄砂こうさは増加ぞうか傾向けいこうにある。黄砂こうさ観測かんそく日数にっすう(全国ぜんこく98地点ちてんのいずれかで観測かんそくした日数にっすう)は、年々ねんねん増加ぞうか傾向けいこうにあり、最大さいだいは2002年ねんの55日にち。近年きんねんのアジアの経済けいざい成長せいちょうに伴ともない、アジア上空じょうくうに褐色かっしょく雲くも(黄砂こうさや大気たいき汚染おせん物質ぶっしつなど、大気たいき中ちゅうに浮遊ふゆうするエアロゾルが高密度こうみつどに集あつまった褐色かっしょくの雲くも)が目立めだっており、地球ちきゅう温暖おんだん化か予測よそくや健康けんこうへの影響えいきょうが懸念けねんされ始はじめている。04年ねん1月がつから気象庁きしょうちょうが黄砂こうさに関かんする予測よそく情報じょうほうを発表はっぴょうしている。 【年としごとの黄砂こうさの観測かんそく日数にっすう】 (1971〜1980) 12、11、16、14、14、34、42、28、32、14 (1981〜1990) 34、16、26、15、22、 5、10、20、16、43 (1991〜2000) 19、28、30、31、12、34、16、13、22、49 (2001〜2007) 48、55、15、31、43、42、34(1〜8月がつ)

(饒にょう村むら曜 和歌山わかやま気象台きしょうだい長ちょう ／ 2008年ねん)

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百科ひゃっか事典じてんマイペディア 「黄砂こうさ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

黄砂こうさ【こうさ】

中国ちゅうごく北部ほくぶなどで黄土おうど(おうど)（レス）が風ふうで吹ふき上あげられ，黄色おうしょくの砂塵さじん(さじん)が天空てんくうを一いち面めんにおおい，風ふうに運はこばれて徐々じょじょに降下こうかする現象げんしょう。３〜５月がつの寒冷前線かんれいぜんせんに伴ともなうことが多おおく，日本にっぽんや韓国かんこくに運はこばれてくることもある。経済けいざい発展はってんにともなって，中国ちゅうごくでは大都市だいとしを中心ちゅうしんにPM2.5などの有害ゆうがい物質ぶっしつを含ふくむ深刻しんこくな大気たいき汚染おせんが急速きゅうそくに拡大かくだいしており，黄砂こうさに混まじってこうした有害ゆうがい物質ぶっしつが大量たいりょうに日本にっぽんや韓国かんこくに飛来ひらいしている。日本にっぽんや韓国かんこくでは環境かんきょう・健康けんこう被害ひがいが懸念けねんされ，それぞれの政府せいふ・自治体じちたいが独自どくじの計測けいそく・警戒けいかい体制たいせいを構築こうちくして住民じゅうみんに情報じょうほう提供ていきょうし，マスクなどの着用ちゃくようの呼よびかけを開始かいししている。

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改訂かいてい新版しんぱん　世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「黄砂こうさ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

黄砂こうさ (こうさ)

おもに中国ちゅうごく北部ほくぶの黄土おうど地帯ちたいで風ふうによって空そら高たかく舞まい上あがった細こまかな砂塵さじんが大気たいき中ちゅうに広ひろがり遠とおくにまで及およぶ現象げんしょう，またはその細こまかな砂塵さじん。このとき空そらは黄色きいろあるいは黄き褐色かっしょくとなり，太陽たいようは著いちじるしく生気せいきを失うしない，視程していは悪わるくなる。3～5月がつに多おおい。この時期じきには上記じょうき黄土おうど地帯ちたいの地面じめんが草くさにおおわれることがなく，西にしあるいは北西ほくせいの風かぜが比較的ひかくてき強つよいためである。日本にっぽん全国ぜんこくで見みられるが，地理ちり的てき理由りゆうから当然とうぜん，西日本にしにほんほどその頻度ひんどは高たかい。
執筆しっぴつ者しゃ：

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日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「黄砂こうさ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

黄砂こうさ
こうさ

中国ちゅうごく大陸たいりく奥地おくちのオルドス、ゴビなどの砂漠さばくの砂すなが強風きょうふうに舞まい上あげられ、上空じょうくうの偏西風へんせいふうに流ながされて海うみを渡わたり、日本にっぽんにまで飛とんでくる現象げんしょう。沖縄おきなわでは赤あか霧きり(あかぎり)という。

　黄砂こうさは西日本にしにほんほど多おおい。そして同おなじ九州きゅうしゅうでも、長崎ながさき県けん五島ごしま地方ちほうは年間ねんかん平均へいきん10日間にちかんは黄砂こうさをみるが、九州きゅうしゅう東岸とうがんでは2日間にちかんである。黄砂こうさは冬ふゆから春はるにかけて多おおい。五島ごしま地方ちほうの黄砂こうさ日数にっすうは、1月がつ0.2日にち、2月がつ0.8日にち、3月2.5日にち、4月がつ3.8日にち、5月2.0日にち、6月0.5日にちである。冬ふゆにおこった黄砂こうさが混こんじると、降ふる雪ゆきに色いろがつく。これを紅べに雪せつ(べにゆき)または赤あか雪せつ(あかゆき)とよんだりする。

　黄砂こうさに似にた現象げんしょうはほかにもあり、たとえばサハラ砂漠さはらさばくの砂すなが地中海ちちゅうかいを飛とび越こえてヨーロッパに広ひろがることがある。それが雨あめに混まじって降ふったものは「血ちの雨あめ」ともいう。

［平塚ひらつか和夫かずお］

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ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん 「黄砂こうさ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

黄砂こうさ
こうさ
yellow sand

中国ちゅうごくのゴビ砂漠ごびさばくなどの砂すながジェット気流きりゅうに乗のって日本にっぽんへ飛来ひらいしたとみられる黄色おうしょくの砂すな。西日本にしにほんに多おおく，九州きゅうしゅう西岸せいがんでは年間ねんかん 10日にちぐらい，東岸とうがんでは2日にちぐらい降ふる。大陸たいりく砂漠さばくの砂嵐すなあらしの盛さかんな春はるに多おおいが，まれに冬ふゆにも起おこる。新潟にいがたなどに降ふる赤あかい雪ゆきの原因げんいんも同おなじものといわれる。

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とっさの日本語にほんご便利べんり帳ちょう 「黄砂こうさ」の解説かいせつ

黄砂こうさ

中国ちゅうごく内陸ないりくやゴビ砂漠ごびさばくなどで、風ふうによって巻まき上あげられた多量たりょうの砂塵さじん(さじん)が偏西風へんせいふうに流ながされ、中国ちゅうごく、朝鮮半島ちょうせんはんとう、日本にっぽんでゆっくり降下こうかする現象げんしょう。春はるに多おおく、空そら一いち面めんが黄き褐色かっしょくになる。

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