2024.07.06(Sat)

電気でんき代だいが高たか過すぎるから「ガマンできるときはエアコンを消けす」約やく半数はんすう　正ただしいエアコン選えらびをプロが解説かいせつ

政府せいふの補助ほじょ金きんが8月がつに再開さいかいされる予定よていではあるものの、6月がつ、7月がつの使用しよう分ぶんは電気でんき料金りょうきんが値上ねあがりする見通みとおしとなっています。パナソニック株式会社かぶしきがいしゃ（東京とうきょう都と港みなと区く）が実施じっしした「2024年ねん今夏こんかのエアコン利用りようとエアコンの満足まんぞく度ど」に関かんする調査ちょうさによると、約やく半数はんすうの人ひとが「ガマンできるときは消けす」と回答かいとうし、電気でんき代だい高騰こうとうによる“エアコン控びかえ”が懸念けねんされることが分わかりました。

調査ちょうさは、エアコンを所有しょゆうしている全国ぜんこくの20～60代だいの男女だんじょを対象たいしょうとして、2024年ねん5月がつにインターネットで実施じっしされました。

まず、昨今さっこんの「夏なつの変化へんか」について、気象きしょう予報よほう士し／防災ぼうさい士しの増田ますだ雅昭まさあきさんに聞きいたところ、夏なつの平均へいきん気温きおんは長期ちょうき的てきに上昇じょうしょう傾向けいこうにあり、「100年ねんあたりおよそ2℃程度ていど上昇じょうしょう」していることが分わかりました。

さらに、最高さいこう気温きおんが35℃以上いじょうとなる「猛暑もうしょ日びの年間ねんかん日数にっすう」については、かつて東京とうきょうでは0日にちという年としも多おおかったものの1990年代ねんだい以降いこうで顕著けんちょに増ふえているほか、熱帯夜ねったいやの年間ねんかん日数にっすうも増加ぞうかしており、夏なつが「長ながく・暑あつく」なっているといいます。

このように、2024年ねんの夏なつも厳きびしい暑あつさが予想よそうされることから、「屋内おくないでの熱中ねっちゅう症しょう対策たいさく」を教おしえてもらったところ、「体からだを暑あつさに慣なれさせる」「こまめに水分すいぶん補給ほきゅう、汗あせをかいたときは塩分えんぶん補給ほきゅう」「しっかり睡眠すいみんを取とる」「室内しつないの温度おんどと湿度しつどを意識いしきする」「室内しつないの風通かぜとおしを良よくし、がまんせずエアコンを使用しよう」「夜よるに気温きおんが下さがらないときは、エアコンを切きらずに使用しよう」などが挙あげられました。

増田ますだ雅昭まさあきさんは、「全国ぜんこくにおける熱中ねっちゅう症しょうによる救急きゅうきゅう搬送はんそう人員じんいんの累計るいけいは 9万まん1467人にんと調査ちょうさ開始かいし以降いこう2番目ばんめに多おおくなり、特とくに北海道ほっかいどうと東北とうほくは前年ぜんねん比ひ約やく2倍ばい、8月がつは北海道ほっかいどうと秋田あきた県けんで前年ぜんねん比ひ約やく10倍ばいと著いちじるしい増加ぞうかを記録きろくしました。発生はっせい場所ばしょの内訳うちわけは住居じゅうきょが最多さいたの39.9％となっており、室内しつないでの熱中ねっちゅう症しょう対策たいさくとしてエアコンは必須ひっすと言いえるでしょう」と述のべています。

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そこで、エアコンを所有しょゆうしている20～60代だいの男女だんじょ552人にんに対たいして「夏なつの屋内おくないでの暑あつさ対策たいさく」を複数ふくすう回答かいとう可かで尋たずねたところ、「エアコンを使つかう」（76.3％）が最多さいたとなりました。

さらに、夏なつの期間きかんに「つけっぱなし運転うんてん」をしている人ひとの割合わりあいをみると、21年ねんの18.7％から23年ねんでは21.0％と増加ぞうか傾向けいこうにあることが判明はんめい。また、睡眠すいみん中ちゅうのエアコンの使用しようについても同様どうように増加ぞうか傾向けいこうにあることが分わかりました。

続つづけて、夏なつの屋内おくないでの暑あつさ対策たいさくにおいて、「エアコンを使つかう」と答こたえた421人にんに「現在げんざい使用しようしているエアコンの満足まんぞく度ど」を聞きいたところ、16.9％が「不満ふまん」と回答かいとう。

その理由りゆうとしては、「省しょうエネ性能せいのうが低ひくい」「冷房れいぼうの効ききが悪わるい」（いずれも42.3％）などが上位じょういを占しめました。

次つぎに、エアコンを所有しょゆうしている20～60代だいの男女だんじょ555人にんに対たいして、「エアコン冷房れいぼうの利用りよう状じょう況きょう」について尋たずねたところ、「ガマンできるときは消けす」（47.3％）が最多さいたとなったほか、「在宅ざいたく時じのみつけっぱなし」（31.7％）、「不在ふざい時じも含ふくめ常つねにつけっぱなし」（10.6％）という結果けっかになりました。

また、「エアコン冷房れいぼうを控ひかえる理由りゆう」については、圧倒的あっとうてきに「電気でんき代だいがかかるから」（77.8％）が多おおく、電気でんき代だいが家計かけいを直撃ちょくげきしている現状げんじょうや、エアコン不満ふまんの「省しょうエネ性能せいのう」が反映はんえいされる形かたちとなりました。

その一方いっぽうで、同社どうしゃは「エアコンの電気でんき代だいについては、間違まちがったエアコン選えらびが家庭かていの電気でんき代だいを高たかくしている可能かのう性せいもある」と指摘してき。

そこで、正ただしいエアコン選えらびのために知しっておきたいこととして、「エアコンが部屋へやの空気くうきを冷ひやす仕組しくみの認知にんち度ど」について調査ちょうさをしたところ、「仕組しくみを知しっている」は48.5％、「仕組しくみを知しらない」が51.5％と、回答かいとうが二分にぶんする形かたちになりました。

なお、「エアコンが部屋へやの空気くうきを冷ひやす仕組しくみ」と「畳たたみ数すうの目安めやす」の見方みかたについて同社どうしゃは以下いかのように解説かいせつしています。

「エアコンは室内しつない機きと室外しつがい機きがパイプで繋つながっていて、その間あいだを冷媒れいばいというガスに乗のせて屋内おくないから屋外おくがいへ熱ねつを運はこぶことで部屋へやの空気くうきから熱ねつの量りょうを減へらし、冷ひやしています」

「また、エアコンのカタログでは、冷房れいぼうであればこの熱ねつを奪うばう能力のうりょく、暖房だんぼうであれば供給きょうきゅうする能力のうりょくをkWで示しめしており、それをわかりやすく“畳たたみ数すうの目安めやす”として表現ひょうげんしています」

「エアコンの“畳たたみ数すうの目安めやす”が“6〜9畳じょう”となっている場合ばあいは、“6畳じょうから9畳じょうまでの部屋へや”というわけではなく、“木造もくぞう平屋ひらや南みなみ向むき和室わしつの6畳じょう、もしくは鉄筋てっきんマンション南みなみ向むき中ちゅう間あいだ層そう洋室ようしつの9畳じょう”を意味いみしています」

「これは、建築けんちく物ぶつの構造こうぞうによって気密きみつ性せいが異ことなるため。木造もくぞう住宅じゅうたくは鉄筋てっきん住宅じゅうたくよりも気密きみつ性せいが低ひくい分ぶん、冷暖房れいだんぼう効率こうりつも下さがるため、同おなじサイズでも適用てきよう畳たたみ数すうが変かわります。さらに、同おなじ鉄筋てっきんマンションでも1階かいと最上階さいじょうかいでは暑あつさ・寒さむさが異ことなるもの。このほか、断熱だんねつ性せいや窓まどの向むき・大おおきさ、天井てんじょう高だかなど部屋へやの状況じょうきょうによっても変かわります」

「そのため、お部屋へやに見合みあわない小ちいさな能力のうりょくのエアコンを購入こうにゅうした場合ばあい、頑張がんばって冷ひやそうとエアコンがずっとフルパワーで働はたらき続つづけることになるので、逆ぎゃくに電気でんき代だいがかかってしまうということになります」

「内閣ないかく府ふによる『消費しょうひ動向どうこう調査ちょうさ（2024年ねん3月がつ実施じっし）』によれば、二人ふたり以上いじょうの世帯せたいのエアコンの平均へいきん買かい替かえ年数ねんすうは14.1年ねんです。14年ねんも省しょうエネ性せいや冷暖房れいだんぼう能力のうりょくに不満ふまんをもって後悔こうかいしないためにも、節電せつでんのためにも最初さいしょのエアコン選えらびはとても大切たいせつです」