急増きゅうぞうする外国がいこく人じん観光かんこう客きゃく　それなのに…京都きょうと駅えきの英語えいごボランティア団体だんたい「コロナ前まえに比くらべて会員かいいんが半減はんげん」悲痛ひつうな訴うったえ

　「私わたしたちのクラブではコロナ前まえに比くらべて会員かいいんが半減はんげんし、訪問ほうもん客きゃくの要望ようぼうにも応おうじきれない状態じょうたいに－」。京都きょうとを訪おとずれた外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくの応対おうたいをするボランティア団体だんたいから京都きょうと新聞しんぶんの双方向そうほうこう型がた報道ほうどう「読者どくしゃに応こたえる」に悲痛ひつうな訴うったえが届とどいた。最近さいきん、京都きょうとを訪おとずれる外国がいこく人数にんずうは急きゅう回復かいふくしている。一方いっぽうで、外国がいこく人じんに対応たいおうするボランティアスタッフは足たりていないという。会員かいいん募集ぼしゅうを続つづけているという団体だんたいの活動かつどうを取材しゅざいした。

　「このホテルはどこ」。JR京都きょうと駅えき（京都きょうと市し下京しもぎょう区く）の新幹線しんかんせん八はち条じょう口こう改札かいさつ西側にしがわにある英語えいご対応たいおう可能かのうな案内あんない所しょを、米国べいこくルイジアナ州しゅうから来日らいにちしたという男女だんじょ2人にんが訪おとずれた。2人ふたりは東洞ひがしぼら院いん通どおり塩小路しおこうじ下かルにあるホテルへの行いき方かたを尋たずねていた。日本人にっぽんじんの女性じょせいスタッフが手作てづくりの地図ちずを見みせながら英語えいごで「まっすぐ行いって左ひだりに曲まがって、5番ばん出口でぐちを上あがって」と教おしえた。日本人にっぽんじんスタッフは投稿とうこうを寄よせたボランティア団体だんたい、京都きょうとSGGクラブ（下京しもぎょう区く）の会員かいいんだ。

　次つぎにやってきた人ひとは台湾たいわんから来きた女性じょせい。コインロッカーに預あづけた荷物にもつが取とり出だせないという。居合いあわせた京都きょうとSGGクラブの木下きのした周一しゅういち会長かいちょう（73）がロッカーの管理かんり会社かいしゃに電話でんわした。案内あんない所しょには外国がいこく人じんからの問とい合あわせが1日にちに50～100件けんあるという。

　京都きょうとSGGクラブは1983年ねん結成けっせいの団体だんたいだ。東海道新幹線とうかいどうしんかんせんで忘わすれ物ものをしたり、京都きょうと市内しないの観光かんこう地ちの行いき方かたを尋たずねたりする外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくを年中ねんじゅう無休むきゅう、無償むしょうで英語えいごを使つかって対応たいおうしている。事前じぜん申もうし込こみがあった場合ばあいには京都きょうと市内しないの観光かんこう地ちのガイドも行おこなう。

　新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい以前いぜん、京都きょうとSGGクラブには70～80人にん程度ていどの会員かいいんがいた。しかし、コロナ禍かで訪日ほうにち外国がいこく人じんは激減げきげん。「ただ座すわっているだけ」（木下きのした会長かいちょう）の日々ひびが続つづき、やりがいを失うしなった会員かいいんが次々つぎつぎと会かいを去さったという。

　2022年ねん秋あきから訪日ほうにち外国がいこく人じん客きゃくは急増きゅうぞう。木下きのした会長かいちょうは「対応たいおう件数けんすうはコロナ禍か以前いぜんに戻もどった」といい、2023年ねんは延のべ3万まん2794人にんの外国がいこく人じんに案内あんないしたという。一方いっぽうで会員かいいんは以前いぜんほど戻もどらず今年ことし4月がつ時点じてんで40人にんにとどまっており、京都きょうとSGGクラブは現在げんざいも新しん会員かいいんを募集ぼしゅうしている。

　このため、以前いぜんは常つねに2人ふたりで窓口まどぐち対応たいおうにあたっていたが、会員かいいんが1人にんしかいない日ひも発生はっせい。窓口まどぐちでは外国がいこく人じんが列れつを作つくることもあるという。

　木下きのした会長かいちょうは「忘わすれ物ものが見みつかったと言いうと喜よろこんでくれることがうれしい。案内あんないをやっていて良よかったなと思おもう瞬間しゅんかんです」と話はなし、新入しんにゅう会員かいいんを歓迎かんげいする。京都きょうと駅えきに通かよえる人ひとで年齢ねんれい・性別せいべつ不問ふもん。入会にゅうかいにあたって約やく半年はんとしの研修けんしゅうがある。入会にゅうかい申もうし込こみは京都きょうとSGGクラブのホームページ（https://kyotosgg.sakura.ne.jp/）から行おこなう。