美うつくしい豊島としま、少すこしずつ　産廃さんぱい撤去てっきょ、なお地下水ちかすい汚染おせん　住民じゅうみんと香川かがわ県けん、公害こうがい調停ちょうてい２０年ねん

美うつくしい豊島としま（てしま）、少すこしずつ

　国内こくない最大さいだい級きゅうといわれた豊島としま（てしま）＝香川かがわ県けん土庄とのしょう（とのしょう）町まち＝の産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ不法ふほう投棄とうき事件じけんを巡めぐり、住民じゅうみんと香川かがわ県けんの間あいだに公害こうがい調停ちょうていが成立せいりつしてから６日にちで２０年ねんを迎むかえた。昨年さくねん７月がつに産廃さんぱいの撤去てっきょがようやく完了かんりょうし、島民とうみんは元々もともとの「きれいな島しま」を取とり戻もどす第一歩だいいっぽを踏ふみ出だしている。

　廃車はいしゃの破砕はさいごみ、廃油はいゆ、汚泥おでい……。豊島としまには１９８０年代ねんだい前半ぜんはん以降いこう、県けんが許可きょかした処理しょり業者ぎょうしゃによって有害ゆうがい物質ぶっしつを含ふくむ大量たいりょうの産廃さんぱいが違法いほうに持もち込こまれ、「ごみの島しま」と呼よばれた。住民じゅうみんは業者ぎょうしゃの違法いほう行為こういを再三さいさん訴うったえたが県けんは動うごかず、９０年ねんに兵庫ひょうご県警けんけいが業者ぎょうしゃを摘発てきはつするまで不法ふほう投棄とうきは続つづいた。

　島民とうみんは業者ぎょうしゃの監視かんしを怠おこたったとして、９３年ねんに香川かがわ県けんなどを相手取あいてどり公害こうがい調停ちょうていを申請しんせいした。２０００年ねんに調停ちょうていが成立せいりつ。県けんは謝罪しゃざいし、投棄とうきされた産廃さんぱい全すべてを撤去てっきょする義務ぎむを課かせられた。０３年ねんから始はじまった撤去てっきょ作業さぎょうで処理しょりされた産廃さんぱいの量りょうは、１６年間ねんかんで計けい約やく９１万まん３０００トンに及およんだ。