ウィズコロナ　政治せいじに干渉かんしょうされぬセカンドオピニオンを　武藤むとう香織かおり氏し

　衆院しゅういん選せんでは、政府せいふの新型しんがたコロナウイルス対策たいさくの是非ぜひについても論戦ろんせんが交かわされる。政府せいふの新型しんがたコロナ感染かんせん症しょう対策たいさく分科ぶんか会かいメンバーの武藤むとう香織かおり・東大とうだい教授きょうじゅに、新型しんがたコロナとの「共存きょうぞん」のあり方かたや政治せいじと科学かがくのあるべき姿すがたを聞きいた。【き手きて・中西なかにし拓司たくじ】

武藤むとう香織かおり・東大とうだい教授きょうじゅ

　――政府せいふの新型しんがたコロナへの対応たいおうについてどう評価ひょうかしますか？

　◆新型しんがたインフルエンザ流行りゅうこう（2009～10年ねん）では国内こくないの被害ひがいが比較的ひかくてき少すくなく、その結果けっか、さまざまな意味いみで新あらたな感染かんせん症しょうへの備そなえが足たりない中なかで、新型しんがたコロナを迎むかえました。社会しゃかい経済けいざい活動かつどうが制限せいげんされるとともに振ふり回まわされ、自殺じさつ者しゃや生活せいかつ困窮こんきゅう者しゃを生うみました。諸しょ外国がいこくに比くらべれば、人口じんこう当あたりの感染かんせん者しゃ数すうも重症じゅうしょう者しゃや死亡しぼう者しゃの数かずも抑おさえられましたが、ビジョンがないまま一般いっぱん医療いりょうを制限せいげんする対策たいさくが進すすみました。新型しんがたコロナ以外いがいの患者かんじゃが受うけた影響えいきょうはまだ定さだかではありません。その一方いっぽう、菅かん政権せいけんのワクチン政策せいさくについては高たかく評価ひょうかしています。英国えいこくやイスラエルなど一部いちぶの先進せんしん国こくのように、自国じこくのワクチンさえ確保かくほすればいい、といったような姿勢しせいではなく、途上とじょう国こくにも一定いっていの配慮はいりょをして、ワクチン供給きょうきゅうの国際こくさい枠組わくぐみ「COVAX（コバックス）」へ支援しえんしつつ自国じこく分ぶんを確保かくほする――という難むずかしいかじ取とりに成功せいこうしました。しかも「1日にち100万まん回かい接種せっしゅ」という、誰だれもがあり得えないと思おもった目標もくひょうを立たて、それをぶれずに達成たっせいしました。

　――政府せいふの「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」は、繰くり返かえし発令はつれいされるにつれて国民こくみんへのアピール力りょくがなくなっていきました。首相しゅしょうや政府せいふの発信はっしん力りょくがなくなったということでしょうか？

　◆首相しゅしょうや政府せいふだけでなく、対策たいさくの主体しゅたいである都道府県とどうふけんの知事ちじたちは、必要ひつような発信はっしんをしていたと思おもいます。しかし、リーダーたちの…