尊重そんちょうし合あい7年ねん　「人馬じんば一体いったい」で挑いどむパリ　障害しょうがい馬術ばじゅつ・杉谷すぎたに泰造やすぞう選手せんしゅ

　選えらばれしアスリートたちが技わざと力ちからを競きそうオリンピック。代表だいひょうに選えらばれるのは人間にんげんだけではない。唯一ゆいいつ、アスリートと動物どうぶつが出場しゅつじょうする競技きょうぎが馬術ばじゅつだ。パリ五輪ごりんで障害しょうがい馬術ばじゅつに出場しゅつじょうする杉谷すぎたに（すぎたに）泰造やすぞう選手せんしゅ（48）は五輪ごりん7回かい目めの出場しゅつじょうとなり、夏季かき五輪ごりんでは日本にっぽん勢ぜい最多さいた。相棒あいぼうの「クインシー」とともに、世界せかいに挑いどむ。

　クインシーは、杉谷すぎたに選手せんしゅが拠点きょてんを置おくドイツの厩舎きゅうしゃ（きゅうしゃ）で暮くらす。現在げんざい13歳さい。杉谷すぎたに選手せんしゅの姿すがたを見みつけると、「触さわって触さわって」とねだるように顔かおを出だして待まち構かまえる。体からだは鹿しかのような赤褐色せきかっしょくで、額がくに白しろい模様もようがある。ブラシやタオルで体からだの手入ていれをしてもらうと、気持きもちよさそうに目めを細ほそめる。杉谷すぎたに選手せんしゅも「人間にんげんが好すきなんですよ」と相好そうごうを崩くずす。

ミスにも「大丈夫だいじょうぶ」、能力のうりょく引ひき出だす

　出合であいは7年ねんほど前まえ。知人ちじんに「面白おもしろい馬うまがいるから試ためしに乗のってみて。相性あいしょうがいいはず」と紹介しょうかいされた。馬術ばじゅつは、文字通もじどおり「馬うまが合あう」パートナーとの巡めぐり合あいが重要じゅうようだ。杉谷すぎたに選手せんしゅがその背せにまたがると、「あっ」と手応てごたえを…