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人口減で病院消滅の危機、経営者は今こそ「勝負」に出る勇気を! :日経メディカル

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人口じんこうげん病院びょういん消滅しょうめつ危機きき経営けいえいしゃいまこそ「勝負しょうぶ」に勇気ゆうきを!

2014/09/04

 今回こんかいのおだい人口じんこう減少げんしょう病院びょういん経営けいえい危機ききについて。畏友いゆう国際こくさい医療いりょう福祉ふくしだい大学院だいがくいん高橋たかはしやすし教授きょうじゅによると、「全国ぜんこくに348ある医療いりょうけんのうち国土こくど面積めんせきの7%をめる70の大都市だいとしがた医療いりょうけん日本にっぽん人口じんこうの52%が居住きょじゅうしている」「それらの医療いりょうけん当分とうぶんあいだ医療いりょう需要じゅよう減少げんしょう危機ききはないが、その国土こくど面積めんせきの93%をめ、人口じんこうの48%がむ278医療いりょうけんのうち過半かはん医療いりょうけん今後こんご医療いりょう需要じゅよう低迷ていめいあきらかである」とか。

 我々われわれはくおおとりかいグループの発祥はっしょう兵庫ひょうごけん赤穂あこうはどこからても立派りっぱ医療いりょう需要じゅよう低迷ていめい地域ちいき人口じんこう減少げんしょう問題もんだい我々われわれにとって深刻しんこく問題もんだいとなっている。コラムをごらんになる方々かたがた半数はんすう我々われわれ同様どうよう環境かんきょうにあるとおもい、今回こんかい稿こう人口じんこう減少げんしょう地域ちいきにフォーカスして雑文ざつぶんばすことにした。本来ほんらいならば人口じんこう減少げんしょう地域ちいき病院びょういんはどうやってびるかというはなしにしたいのだが、期待きたいえない結論けつろんとなっているかもしれない。どうかご容赦ようしゃいただきたい。

人口じんこう減少げんしょう問題もんだい解決かいけつ不可能ふかのうでは
 少子しょうし高齢こうれいさけばれはじめてひさしい。社会しゃかい保障ほしょう人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょより発表はっぴょうされている市町村しちょうそんべつ将来しょうらい人口じんこう推計すいけいあらわされたように人口じんこう変化へんか人口じんこう構成こうせい変化へんか地域ちいきによりおおきくことなることも周知しゅうち事実じじつとなった。さらに日本にっぽん創成そうせい会議かいぎより発表はっぴょうされた20~40さい女性じょせい人口じんこう着目ちゃくもくした「消失しょうしつ自治体じちたい問題もんだい喧伝けんでんされている。

 現在げんざい自治体じちたい中心ちゅうしん人口じんこう減少げんしょうめようといくつものこころみがなされているが、おおきな成果せいかげたものはないようだ。くにはようやく人口じんこう問題もんだいもうとしているが、出生しゅっしょうりつ目標もくひょうすらあきらかにすることができない。

 出産しゅっさんはかつてくに率先そっせんしてコントロールすべき問題もんだいかんがえられており、スローガンとして出産しゅっさん奨励しょうれいすることができた。しかし徐々じょじょ出産しゅっさん夫婦ふうふ問題もんだいとなり、いまでは女性じょせい個人こじんてき問題もんだいとらえられるようになった。個人こじんてき問題もんだいこう関与かんよするのは人権じんけん侵害しんがいといわれ、デリケートな部分ぶぶん内包ないほうするがために出産しゅっさんかんして発言はつげんするのもはばかられる時勢じせいとなったようだ。


 日経にっけいウーマンオンライン2011ねん10がつ3にち記事きじによると、みたい子供こどもかず平均へいきんは20さいだいで2.25にん、30さいだいで1.94にん。この数値すうち出産しゅっさん子育こそだてにかんする経済けいざいてき社会しゃかいてき問題もんだい解決かいけつされ、女性じょせいみたいだけめる環境かんきょう出現しゅつげんしたとしても人口じんこう維持いじ必要ひつよう出生しゅっしょうりつ2.07が達成たっせいされないことを意味いみする。「子供こどもむのはいことだ」、「子育こそだてはたのしい」など出産しゅっさん子育こそだての素晴すばらしさを若年じゃくねんそう教育きょういくすることが必要ひつようだが、女性じょせい手帳てちょうひとつ配布はいふできないご時世じせいではそれは不可能ふかのう教室きょうしつおしえられるのは避妊ひにんほうだけなのだろう。

 こん外子そとこ出生しゅっしょうすうしょ外国がいこくして圧倒的あっとうてきすくない(新生児しんせいじのうちの2.71%)日本にっぽんでは、生涯しょうがい未婚みこんりつ上昇じょうしょうともない、さらに出生しゅっしょうりつ低下ていかすすむのではないか。みたくない女性じょせいむことを強制きょうせいできるはずもなく、移民いみんれのこえおおきくならない以上いじょう人口じんこう問題もんだいはもはや解決かいけつ不可能ふかのうなのでは。

 出生しゅっしょうすう減少げんしょう日本にっぽん国力こくりょく衰退すいたいまねき、社会しゃかい様々さまざまなシステムを破壊はかいすると予想よそうされているが、この状況じょうきょう地域ちいき病院びょういんはいかに存続そんぞくみちさぐるべきか、わたしかんがえをべてみたい。

病院びょういん存続そんぞくのカギは地域ちいき人口じんこう人口じんこう構成こうせい
 我々われわれ病院びょういん地域ちいき密着みっちゃくがた地場じば産業さんぎょう地産ちさんけしのローカル産業さんぎょうでありマーケットの地域ちいき人口じんこう人口じんこう構成こうせい需要じゅよう規定きていする。特殊とくしゅ分野ぶんや専門せんもん病院びょういん甲状腺こうじょうせんなど)をのぞけばおもしゅう範囲はんい半径はんけいすうキロメートルにすぎない。

 さらにいまでは入院にゅういん患者かんじゃ大半たいはん高齢こうれいしゃである。感染かんせんしょう交通こうつう事故じこ労働ろうどう災害さいがいなどが減少げんしょうし、えているのは高齢こうれいしゃ疾病しっぺいであり、入院にゅういん患者かんじゃ平均へいきん年齢ねんれい確実かくじつ上昇じょうしょうしている。高機能こうきのう病院びょういんがんこころ疾患しっかんのう血管けっかん疾患しっかんの3だい成人病せいじんびょうおも一般いっぱん病院びょういん老人ろうじんせい肺炎はいえん骨折こっせつはいよう症候群しょうこうぐんなどがおもであるだけで、どこも高齢こうれいしゃ病院びょういんなのだ。
 
 入院にゅういん患者かんじゃ高齢こうれいする以上いじょうアクセスせいがさらに重要じゅうようになり、あつまり範囲はんい診療しんりょうけん半径はんけい縮小しゅくしょうする懸念けねんがある。病院びょういんとく一般いっぱん病院びょういんにとっては地域ちいき人口じんこう人口じんこう構成こうせいいままでにもして大切たいせつになるだろう。

 一部いちぶ病院びょういんは「まちおこし」「地域ちいき活性かっせい」の事業じぎょうみ、病院びょういん社会しゃかい大切たいせつなインフラとして人口じんこう維持いじはかろうとしているが効果こうか限定げんていてきのようだ。たしかに病院びょういん学校がっこう商店しょうてんなどとともに地域ちいきには大切たいせつ機能きのうではあるが、それが人口じんこう流入りゅうにゅう起爆きばくざいとなるほどのパワーはないのであろう。

著者ちょしゃプロフィール

古城こじょうひさ医療いりょう法人ほうじんはくおおとりかい 赤穂あこう中央ちゅうおう病院びょういん代表だいひょうしゃ理事りじちょう)〇こじょうもとひさ1958ねん岡山おかやまけんまれ。84ねん日大にちだい医学部いがくぶ卒業そつぎょう岡山大おかやまだいだい2外科げか入局にゅうきょく。93ねん赤穂あこう中央ちゅうおう病院びょういん勤務きんむ、2001ねんはくおおとりかい理事りじちょう大阪おおさかあかつきあかりかん病院びょういん東京とうきょう白鬚橋しらひげばし病院びょういんなどの経営けいえい継承けいしょうし、グループのそうベッドすうは1115しょうに。趣味しゅみはベンチプレスで、世界せかいマスターズベンチプレス選手権せんしゅけんで4かい優勝ゆうしょうし、世界せかいしん記録きろくを1樹立じゅりつしている。

連載れんさい紹介しょうかい

赤穂あこう風雲児ふううんじ 古城こじょうひさ急性きゅうせい病院びょういんふうろく
兵庫ひょうごけん赤穂あこう中央ちゅうおう病院びょういん(265しょう)を拠点きょてんに、大阪おおさか東京とうきょう都内とないでも医療いりょう介護かいご事業じぎょう拡大かくだいしてきたはくおおとりかいグループ。その事業じぎょう展開てんかいくわ病院びょういん運営うんえいめん改革かいかくでも注目ちゅうもくあつめている理事りじちょう古城こじょうひさが、みずからのみのほか、制度せいど改革かいかく荒波あらなみまれる急性きゅうせい病院びょういんの「今後こんご」についてかたります。

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