「七人しちにんの侍さむらい」脚本きゃくほん家か・橋本はしもと忍しのぶが100歳さいで死去しきょ、山田やまだ洋次ようじが追悼ついとう

脚本きゃくほん家かの橋本はしもと忍しのぶが肺炎はいえんのため7月がつ19日にちに100歳さいで死去しきょしていたことが、橋本はしもとプロダクションへの取材しゅざいでわかった。

1918年ねん生うまれ、兵庫ひょうご出身しゅっしんの橋本はしもとは、軍隊ぐんたい生活せいかつ中ちゅうにかかった肺結核はいけっかくによる闘病とうびょう生活せいかつの中なかで映画えいが監督かんとく・脚本きゃくほん家かの伊丹いたみ万作まんさくに師事しじ。1950年ねんの脚本きゃくほんデビュー作さく「羅生門らしょうもん」がヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さいで金きむ獅子しし賞しょうを受賞じゅしょうし、同どう作さくは日本にっぽん映画えいがとして初はじめて国際こくさい映画えいが祭さいでグランプリを獲得かくとくした。以降いこうも「生いきる」「七人しちにんの侍さむらい」「生いきものの記録きろく」「蜘蛛くも巣す城じょう」「隠かくし砦とりでの三さん悪人あくにん」「悪わるい奴やつほどよく眠ねむる」「どですかでん」といった黒澤くろさわ明あきらの監督かんとく作さく8本ほんで脚本きゃくほんを担当たんとうした。

そのほか「張込はりこみ」「白しろい巨きょ塔とう」「切腹せっぷく」「日本にっぽんのいちばん長ながい日ひ」「日本にっぽん沈没ちんぼつ」などを発表はっぴょうしたほか、1958年ねんにテレビドラマ「私わたしは貝かいになりたい」が第だい13回かい文部省もんぶしょう芸術げいじゅつ祭さいで芸術げいじゅつ祭さい賞しょうを受賞じゅしょう。翌年よくねんには自身じしんで監督かんとく・脚本きゃくほんを担当たんとうし映画えいが化かした。1973年ねんに映画えいが製作せいさく会社かいしゃの橋本はしもとプロダクションを設立せつりつし、松本まつもと清張せいちょうの長編ちょうへんを脚色きゃくしょくした「砂すなの器うつわ」で大だいヒットを記録きろく。その後ごも「八甲田山はっこうださん」「八やっつ墓はか村むら」など話題わだい作さくを手てがけ、多数たすうの賞しょうに輝かがやいた。

「ゼロの焦点しょうてん」「砂すなの器うつわ」で橋本はしもとと共同きょうどう脚本きゃくほんを手てがけた山田やまだ洋次ようじは、自身じしんの監督かんとく作さく「霧きりの旗はた」の脚本きゃくほんも担当たんとうした橋本はしもとについて「構成こうせいの鬼おにといわれたこの人ひとからシナリオの根幹こんかんはフレーム（骨組ほねぐみ）にあるということを、ぼくは叩はたきこまれるように教おそわった。まさに“師し”の名なに値あたいする人ひとだった。黒澤くろさわ明あきらと共ともに『羅生門らしょうもん』『七人しちにんの侍さむらい』を世よに出だした、日本にっぽんが世界せかいに誇ほこるに足たる偉大いだいな映画えいが人じんを、僕ぼくたちは失うしなった」と追悼ついとうコメントを寄よせた。