柄本えもと佑たすくと安藤あんどうサクラがキネ旬しゅんベスト・テン主演しゅえん賞しょう、夫婦ふうふ並ならんでうれし涙なみだの表彰ひょうしょう式しき

「2018年ねん 第だい92回かいキネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テン」の表彰ひょうしょう式しきが本日ほんじつ2月がつ10日とおか、東京とうきょう・文京ぶんきょうシビックホールにて開催かいさいされ、主演しゅえん男優だんゆう賞しょうを獲得かくとくした柄本えもと佑たすくと、主演しゅえん女優じょゆう賞しょうに輝かがやいた安藤あんどうサクラが登壇とうだんした。

「万引まんびき家族かぞく」での柴田しばた信代のぶよ役やくが評価ひょうかされた安藤あんどうは、トロフィーを握にぎりしめ受賞じゅしょうの一報いっぽうを受うけた際さいの心境しんきょうを語かたる。「結論けつろんから言いうとすぐに飛とび上あがって喜よろこぶことはできませんでした。というのも『万引まんびき家族かぞく』で演えんじた信代のぶよがどんな役やくだったのかいまだにわかっていないんです。こういう感覚かんかくは今いままで感かんじたことがなくて、現場げんばで是枝これえだ（裕和ひろかず）監督かんとくやリリー（・フランキー）さん、（松岡まつおか）茉優ちゃん、（城しろ）桧ひのき吏、（佐々木ささき）みゆ、（樹木じゅもく）希林きりんさんたち共演きょうえん者しゃの方々かたがたとスタッフの皆みなさんがこの場所ばしょに導みちびいてくれた気持きもちがすごく強つよいです」と述懐じゅっかい。

産後さんご初はじめての現場げんばだったこともあり、自身じしんの中なかの変化へんかに気付きづいたと語かたる。「自分じぶんが今いままで大事だいじに持もっていた大おおきな何なにかがいい意味いみでなくなったような気きがしました。その状態じょうたいだから撮影さつえい中ちゅうはおおらかな生いき物ものでいられた気きがします。どんな爆ばく弾だんが飛とんできてもふわっとした気持きもちでいられました」と述のべた。

2018年ねんには「きみの鳥とりはうたえる」「素敵すてきなダイナマイトスキャンダル」「ポルトの恋人こいびとたち～時じの記憶きおく」が公開こうかいされた柄本えもと。キネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テンでは2003年ねんに新人しんじん男優だんゆう賞しょうを獲得かくとくするも、撮影さつえいのため表彰ひょうしょう式しきに出席しゅっせきできなかったと思おもい返かえす。「後日ごじつトロフィーが自宅じたくに届とどいたんですが、本体ほんたいと台座だいざが折おれてしまったのかバラバラだったんです。なので今いまこんなに重おもたいものだったんだと、あのときのリベンジができているのかなと思おもいます」と笑わらう。

続つづけて「私事しじではあるんですが」と切きり出だし「昨年さくねん母ははが亡なくなりまして、直接ちょくせつ（受賞じゅしょうを）報告ほうこくできませんでした」と声こえを震ふるわせる。「今日きょうも出でてくるときに、会場かいじょうは文京ぶんきょうシビックホールだよと伝つたえていますので、下界げかいに行いく判子はんこか何なにかをポンともらって、きっと会場かいじょうのどこかにいると思おもいます。母ははの口癖くちぐせは『なんでもない日ひ、万歳ばんざい』でした。さすがに今日きょうは『なんでもなくない日ひ、万歳ばんざい』と言いって喜よろこんでくれると思おもいます」と語かたり、頭あたまを下さげた。

夫婦ふうふで主演しゅえん賞しょうを獲得かくとくした柄本えもとと安藤あんどう。柄本えもとの隣となりに立たった安藤あんどうはすでに感極かんきわまった様子ようすで、司会しかいに柄本えもとの受賞じゅしょうを聞きいた際さいの心境しんきょうを問とわれると「それはもう……」と泣なきだしてしまう。柄本えもとも目めを潤うるませながら「おい、夫婦ふうふで泣ないてる写真しゃしんがニュースに出でるぞ！」と苦笑くしょうする。安藤あんどうは「前まえにここに来きたときは柄本えもとのお父とうさん（柄本えもと明あきら）と受賞じゅしょうしたんですが、代理だいりでいらした（角かく替がえ）和枝かずえさんと出席しゅっせきしたことを思おもい出だしました」と涙なみだをぬぐいながら語かたる。司会しかいが今度こんどは柄本えもとに妻つまの受賞じゅしょうを聞きいた感想かんそうを求もとめると、安藤あんどうは「こういうのはいいんです！ 男おとこはドシッと構かまえていれば！」と制せいし、観客かんきゃくを笑わらわせた。

「キネマ旬報きねまじゅんぽうベスト・テン」は、1924年度ねんどに当時とうじの編集へんしゅう同人どうじんの投票とうひょうによってベストテンを選定せんていしたことを発端ほったんとする映画えいが賞しょう。映画えいがナタリーでは、表彰ひょうしょう式しき全体ぜんたいの様子ようすを追おってレポートする。