濱口竜介や城定秀夫が応援、リム・カーワイ新作「あなたの微笑み」の予告完成
2022年10月13日 12:00
22 映画ナタリー編集部
「COME & GO カム・アンド・ゴー」などで知られるリム・カーワイの監督作「あなたの微笑み」の予告編がYouTubeで公開された。
本作は、旅をしながら映画を制作する“シネマドリフター(映画流れ者)”のリム・カーワイが、現実と映画を交錯させて撮り上げた青春ロードムービー。「普通は走り出す」などを手がけた渡辺紘文が本人役として映画監督の“世界の渡辺”を演じ、尚玄、平山ひかる、田中泰延らが共演した。予告編には、沖縄・首里劇場、大分・別府ブルーバード劇場、福岡・小倉昭和館といったミニシアターを行脚する渡辺の姿が収められている。
あわせて本作を鑑賞した著名人たちからコメントが到着。俳優の別所哲也、映画監督の濱口竜介と城定秀夫、ミュージシャンの吉田靖直(トリプルファイヤー)、マンガ家の清野とおるがコメントを寄せ、濱口は「『あなたの微笑み』は格別に芸術的とか、オシャレとか、社会派の映画ではない。だが何だかスッと見ていられるし、ずっと見ていたくなる。動き続けているからだろう。この感覚はリュミエール兄弟の映画を見ているときに一番似ていると思った」とたたえた。さらに本人役で出演した前東京国際映画祭ディレクターの矢田部吉彦や、本作のロケ地となったミニシアターの館主たちからも称賛の声が届いている。すべてのコメントは以下に掲載した。
「あなたの微笑み」は11月12日より東京のシアター・イメージフォーラム、12月3日より大阪のシネ・ヌーヴォほか全国で順次公開。ただいまリム・カーワイの直筆メッセージ入り前売り鑑賞券が販売中で、劇場窓口にて購入すると特製「Cinema Drifter×大田原愚豚舎」コラボレーションステッカーが配布される。
別所哲也(俳優、国際短編映画祭代表)コメント
インディーズど真ん中!
シネマフリークの、シネマ愛溢れる
ミニシアターを巡る
愚直なロードムービーだ!
監督のファム・ファタール、運命のヒト、砂の女を演じる平山ひかるが、ミステリアスでフラジャイルにキラキラとスクリーン上で、微笑み、輝きを放つ!
目が離せない。
こんな出会いがあるから、インディーズはたまらない!!
濱口竜介(映画監督)コメント
リム・カーワイの映画を見れば、人は「こんなふうに映画を作れたら」と思わずにいられない。日本の南北を大胆に縦断しつつ、その土地その場所でここ!というポイントにカメラを置き続ける天性の空間感覚は「シネマドリフター」の面目躍如。「あなたの微笑み」は格別に芸術的とか、オシャレとか、社会派の映画ではない。だが何だかスッと見ていられるし、ずっと見ていたくなる。動き続けているからだろう。この感覚はリュミエール兄弟の映画を見ているときに一番似ていると思った。ちなみに映画に知人が出てくればホッコリするが、自分の名前が出てくるとギョッとする、ということを知った(渡辺紘文監督とは面識ありません笑)。
吉田靖直(トリプルファイヤー)コメント
過去の栄光を心の頼りにくすぶり続ける主人公の姿を他人事とは思えず胸が苦しくなりました。僕も旅に出たいです。
清野とおる(マンガ家「東京都北区赤羽」作者)コメント
今まで観たどのホラー映画より、群を抜いて怖かったです。
え…これ、ホラー映画じゃないんですか!?
城定秀夫(映画監督)コメント
こんな風に映画が撮れたらどんなに幸せだろうと思いながら観ていました。
リム・カーワイ、渡辺紘文、両監督への嫉妬が止まりません。
國實瑞惠(鈍牛倶楽部代表・映画プロデューサー)コメント
リム・カーワイの映画愛が爆発! 今、行動しなければ後が無い!
矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)コメント
リム・カーワイ監督は、現場で起きるハプニングを即座に映画に取り入れながら撮影を進める。そこに身をゆだねた孤高のアーティスト、渡辺紘文監督の生き様は、真実ともフェイクとも見分けがつかない。これはドキュメンタリーでなく、フィクションでもない。あまりに個性的なふたりの映画作家の邂逅により、新しい何かが生まれているのだ。
岡村照(別府ブルーバード劇場)コメント
別府ブルーバード劇場と共に生きて91歳になった私は、最近たくさんの映画人と出会うことができてとっても嬉しい!
マレーシアからやってきたリム・カーワイ監督が撮った別府がどんな風にスクリーンで映るのか楽しみにしております。
三上雅弘(大黒座)コメント
・・少しくも映画館を知り
少しくも「あなたの微笑み」を知るものか・・・
樋口智巳(小倉昭和館)コメント
2022年8月10日夜、北九州旦過地区の大火災で小倉昭和館は焼失してしまいました。創業83周年を直前に控えイベント上映も多数準備していましたが‥無念です。
「あなたの微笑み」の映像の中で、昭和館は生きています。リム監督との御縁に感謝です。火の中で焼け落ちる昭和館ではなく、元気で輝いていた昭和館をどうぞ記憶に留めておいて下さい。また皆さまを昭和館にお迎え出来る日まで。
柴田修兵(ジグシアター)コメント
ある日、突然リムさんはやってきた。1度目はふらりと。2度目は足を折って。3度目は映画監督の渡辺紘文と撮影クルーを引き連れて。
まさに風のように現れ、風の様に去っていった。映画を撮っていたらしいが本当に映画になったのだろうか?
石橋秀彦(元豊岡劇場・代表)コメント
リム監督とは、この数年の付き合いとなる。毎回監督に会うたびに、自分の気持ちがポジティブになる傾向がある。監督の人間としての温かみだろうか、それとも彼の才能に惹かれているのだろうか。「あなたの微笑み」は、売れない映画監督が、コロナ禍の中、地方の映画館を廻る作品だ。私が運営していた豊岡劇場は、正に売れない映画館だった。正直辛い過去を再体験しているようだが、この映画を観ながら、なぜか微笑んでしまう。良き芸術作品は、作者の身体能力や癖が出ていることが多いい。この作品の優れているのは、監督の人柄がそのまま映像に出ていることだと思う。監督に我が時代を映してもらったことを誇らしく思う。
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