永井ながい荷風かふう「つゆのあとさき」原案げんあんの映画えいがに前野まえの朋とも哉、渋江しぶえ譲二じょうじ、テイ龍りゅう進すすむらが出演しゅつえん

永井ながい荷風かふうの同名どうめい小説しょうせつをもとにした映画えいが「つゆのあとさき」に前野まえの朋とも哉、渋江しぶえ譲二じょうじ、守屋もりや文雄ふみお、松まつ嵜翔平ひらた、テイ龍りゅう進すすむが出演しゅつえんするとわかった。

1931年ねんに発表はっぴょうされた小説しょうせつ「つゆのあとさき」では、東京とうきょう・銀座ぎんざのカフェで自由じゆう奔放ほんぽうにたくましく生いきる女給じょきゅうの主人公しゅじんこうと、彼女かのじょと関係かんけいを持もつことになる軽薄けいはくな男おとこたちの姿すがたが描えがかれた。山やま嵜晋平ひらたが監督かんとくを務つとめた映画えいが版ばんでは、コロナ禍かの渋谷しぶやを舞台ぶたいに、さまざまな事情じじょうからパパ活かつをすることになった女性じょせいたちのリアルな青春せいしゅんや現代げんだい社会しゃかいの病巣びょうそうが映うつし出だされる。勤つとめていたキャバクラがコロナで閉店へいてんし、出会であい系けい喫茶きっさでパパ活かつをすることになる琴きん音おんを高橋たかはしユキノが演えんじ、西野にしの凪なぎ沙すな、吉田よしだ伶香がキャストに名なを連つらねた。

この度たび解禁かいきんされたキャストが扮ふんするのは、パパ活かつを行おこなう女性じょせいたちにのめり込こむキャラクター。前野まえのは妻子さいしに捨すてられ出会であい喫茶きっさに通かよい始はじめる川島かわじま役やく、渋江しぶえは琴きん音おんに住すまいを提供ていきょうするIT会社かいしゃ社長しゃちょう・清岡きよおか役やく、守屋もりやは父親ちちおやが経営けいえいする不動産ふどうさん会社かいしゃの仕事しごとをさぼりパパ活かつに励はげむ矢田やた役やくに選えらばれた。そして松まつ嵜が彼女かのじょと喧嘩けんかをして出会であい喫茶きっさに憂うさ晴ばらしに来くるダンサーの木村きむら役やく、テイが3P好すきで羽振はぶりのいい野口のぐち役やくで出演しゅつえんする。

前野まえのは「歌舞伎町かぶきちょうなどの繁華はんか街がいを歩あるいていて、道みちゆく人ひととすれ違ちがいながら『この人ひとたちはこれからどこに行いくんだろう？』とよく思おもう。そんな道みちゆく人ひとの一部いちぶの、物語ものがたりの一片いっぺんを、今回こんかい知しれたような気きがします」と、テイは「今いまの生いき難がたい社会しゃかいのルールに真摯しんしに向むき合あい、何なにかしら答こたえを探さがそうとしている山やま嵜監督かんとくだからこそ、この作品さくひんが生うまれたのだと感かんじてます」とつづった。渋江しぶえ、守屋もりや、松まつ嵜のコメントは以下いかに掲載けいさいしている。

「つゆのあとさき」は2024年ねんに東京とうきょう・ユーロスペースで公開こうかい。

※松まつ嵜翔平たいらの嵜は山冠やまかんむりに奇きが正式せいしき表記ひょうき

前野まえの朋とも哉 コメント

歌舞伎町かぶきちょうなどの繁華はんか街がいを歩あるいていて、道みちゆく人ひととすれ違ちがいながら
「この人ひとたちはこれからどこに行いくんだろう？」とよく思おもう。
そんな道みちゆく人ひとの一部いちぶの、物語ものがたりの一片いっぺんを、今回こんかい知しれたような気きがします。
「寂さびしさ」は時ときに人ひとを狂くるわす狂気きょうきをはらんでいる。
僕ぼくは今いま「寂さびしさ」を抱かかえてないが、いつかまた「寂さびしさ」は必かならず襲おそってくる。
そんな時とき、どうするだろう…。
脚本きゃくほんを読よんで、少すこしでも他人たにんの気持きもちに寄より添そえるように生いきていたいなと願ねがい、演えんじました。

渋江しぶえ譲二じょうじ コメント

「出会であい系けい」を「マッチングアプリ」とい換いかえたような、「パパ活かつ」という、ていの良よい言葉ことばをよく耳みみにするようになりました。でもこの言葉ことばの変化へんかが、今いまの世よの中なかを表あらわしているような気きがします。コロナ禍かで人生じんせいを狂くるわされた人ひとも多おおかったはず。僕ぼく自身じしんも路頭ろとうに迷まよう可能かのう性せいが実際じっさいありました。しかし僕ぼくは周まわりの人達ひとたちのお陰かげでなんとか生いきて来きたられたんです。でも、もし頼たよれる環境かんきょうさえ自分じぶんに無なかったら…。
彼女かのじょ達たちの生いき方かたを否定ひていすることは決けっしてできません。そして男おとこ達たちも、彼女かのじょ達たちによって自分じぶんに空あいた何なにかを埋うずめようとしているのかも。「パパ活かつ」のい換いかえは、そんな孤独こどくを抱かかえた人々ひとびとが容易よういに依存いぞんできる場所ばしょを作つくる必要ひつようがあったからなのかもしれないと思おもいました。この作品さくひんを観みた皆みなさんが何なにを思おもったか聞ききたいです。

守屋もりや文雄ふみお コメント

渋谷しぶやの町まちが舞台ぶたいの映画えいがだから渋谷しぶやの町まちで撮影さつえいするというのは一見いっけんもっともらしいけれど、これほど狂くるったことは無なくて、撮影さつえいにはキャストもいるしスタッフもいるし、カメラがあってマイクがあって移動いどう車しゃだって必要ひつようだし、どうしたって十じゅう人にんか二に十じゅう人にんくらいの人間にんげんが渋谷しぶやの町まちをぞろぞろ動うごき回まわることになって、ユーチューブだ、テレビだ、と、撮影さつえいは日常にちじょう茶飯事さはんじの渋谷しぶやの人ひとたちだって、どうしたってカメラを見みる。芝居しばい中ちゅうの役者やくしゃに話はなしかける。通とおりがかりのサラリーマンが監督かんとくの脇わきからモニターを真剣しんけんに覗のぞき込こむ、と思おもったら、そのサラリーマンは、よく見みると、川島かわじま役やくの前野まえのさんで、私わたしはびっくりした。よく見みなかったらわからなかった。

松まつ嵜翔平ひら コメント

出会であい喫茶きっさ、パパ活かつ。
「つゆのあとさき」で描えがかれる世界せかいは、自分じぶんとは遠とおい世界せかいの話はなしだと思おもっていた。だけど、実際じっさいに画面がめんに映うつっていたのは、自分じぶんをずっと置おいてけぼりにしている人ひとたち。「軽薄けいはく」にもなりきれず、ただただ「軽率けいそつな」人にんたちの、何なにかに報復ほうふくするように送おくる生活せいかつだ。そんな登場とうじょう人物じんぶつたちは、自分じぶんとそう変かわらないかもしれないし、やはり自分じぶんとは遠とおい世界せかいの話はなしなのかもしれない。
「つゆのあとさき」、宜よろしくお願ねがい致いたします。

テイ龍りゅう進すすむ コメント

「つゆのあとさき」の脚本きゃくほんを初はじめて読よませて頂いただいた時とき、頭あたまに浮うかんだのはこのご時世じせい、山やま嵜監督かんとくがどう具現ぐげん化かされるんだろうか？と少すこし戸惑とまどいました、ここ昨今さっこん、表現ひょうげんの自由じゆうが奪うばわれつつある社会しゃかいの中なかでこの映画えいがを世よに送おくり出だし、作品さくひんを観みてくださられた方々かたがたが何なにを感かんじるのか？
しかしながら鑑賞かんしょう後ご、そんな一抹いちまつの不安ふあんはどこかへ消きえて行いくと同時どうじに、映画えいがとはこう有あるべきかもと席せきを立たち家路いえじに向むかいました。
今いまの生いき難がたい社会しゃかいのルールに真摯しんしに向むき合あい、何なにかしら答こたえを探さがそうとしている山やま嵜監督かんとくだからこそ、この作品さくひんが生うまれたのだと感かんじてます。「つゆのあとさき」どうか劇場げきじょうにて観劇かんげきして貰もらえると幸さいわいです。