日プロ主演賞の菊地凛子が涙ながらにスピーチ、光石研は「九州にお礼を言いたい」
2024年7月6日 21:22
3 映画ナタリー編集部
第33回日本映画プロフェッショナル大賞の授賞式が本日7月6日に東京・テアトル新宿で行われ、主演賞を受賞した菊地凛子と光石研が登壇した。
「658km、陽子の旅」は、父親の訃報を知った42歳のフリーター・陽子が、24年間帰っていなかった故郷の青森・弘前に向けてヒッチハイクで向かう物語。TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2019の脚本部門で審査員特別賞を受賞した室井孝介の企画が熊切和嘉によって映像化され、菊地が陽子を演じた。
菊地は「『658km、陽子の旅』は自分にとって、ここからどういうふうにキャリアを積んでいけばいいか悩んでいたときに熊切監督と撮れたということで、感慨深い作品になりました」と述懐。熊切と「空の穴」以来約20年ぶりにタッグを組んだことに触れ「縁があって海外の作品に出たりもしていましたが、また熊切さんと小さな車に乗って撮影できたときに、『自分はここに戻って来れたんだな』と思ったし、日本の作品に出れるうれしさを実感しました」と涙ながらにスピーチする。撮影監督の小林拓は「自分のことのようにうれしいです。陽子はすごくしんどい役だったと思うのですが、思い出すのは(撮影時の)楽しそうな姿ばっかりで。みんなに愛されている菊地さんが、菊地凛子史上最高の魅力で受賞され、僕が撮影クルーを代表して花束を渡せることが光栄です」と口にした。
光石が主演を務めた「逃げきれた夢」は、北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平が、病気で記憶が薄らいでいくことをきっかけに、これまでの人間関係を見つめ直す物語。二ノ宮隆太郎が監督を務め、第76回カンヌ国際映画祭ではACID部門に正式出品された。
光石は「1978年に『博多っ子純情』でデビューしたときも、青山真治監督との作品も九州で撮影しました。どうやら九州が僕を後押ししてくれている気がします。九州にお礼を言いたいと思います」と感謝を伝える。花束プレゼンターとして登場した二ノ宮は「撮影現場ではすべての方に気を使ってくださり、穏やかな背中で引っ張っていただき、勉強させていただきました。またご一緒できるよう努力いたします」と力強く言葉を紡いだ。
なお、主演男優賞には「ロストケア」の松山ケンイチも選ばれた。授賞式に参加できなかった松山はコメントを寄せ「すべての人が抱える課題と向き合う作品でした。僕はまだ成熟には程遠いところにいますが、役を演じるということを通して、未熟から抜け出すヒントを掴み取っていきたいと思います。また、そのヒントを表現に活かし、観る人の心を動かしていけるようになりたいです」と伝えた。
映画ナタリーでは、授賞式の模様を引き続きレポートする。
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