「本ほんを綴つづる」公開こうかい記念きねん、篠原しのはら哲雄てつおの「月つきとキャベツ」など3本ほんを上映じょうえい

映画えいが「本ほんを綴つづる」の公開こうかいを記念きねんして、監督かんとく・篠原しのはら哲雄てつおの過去かこ作さく3本ほんを上映じょうえいする企画きかくが東京とうきょう・K's cinemaで行おこなわれる。

「本ほんを綴つづる」は、書かけなくなったベストセラー作家さっか・一ノ関いちのせき哲弘てつひろを主人公しゅじんこうに据すえたロードムービー。彼かれは古書こしょの中なかでかつての持もち主ぬしが出だせずにいた恋文こいぶみを見みつけ、その手紙てがみを届とどけようと旅たびに出でる。その旅先たびさきで、一期一会いちごいちえの出会であいや友人ゆうじんとの再会さいかいにより刺激しげきと温あたたかさに触ふれ、書かけなくなった原因げんいんと向むき合あっていく。矢や柴しば俊博としひろが一ノ関いちのせきを演えんじたほか、宮本みやもと真希まき、長谷川はせがわ朝ちょう晴はれらが共演きょうえんした。

このたび上映じょうえいされるのは、山崎やまざきまさよしが映画えいが初はつ主演しゅえんを務つとめた1996年ねん公開こうかい作さく「月つきとキャベツ」、マンガ家かを夢見ゆめみる青年せいねんの淡あわい恋こい模様もようを描えがいた1999年ねん公開こうかい作さく「洗濯せんたく機きは俺おれにまかせろ」、篠原しのはらと千せん勝しょう一いち凜が2022年ねんにタッグを組くんだ「本ほんを贈おくる」の3本ほん。「洗濯せんたく機きは俺おれにまかせろ」はディレクターズカット版ばん、「本ほんを贈おくる」はYouTubeで配信はいしんされた全ぜん9話わのドラマを1本ほんに再さい編集へんしゅうしたものがスクリーンにかけられる。上映じょうえいスケジュールは後日ごじつ、K's cinemaの公式こうしきサイトで告知こくちされる。また「本ほんを綴つづる」を鑑賞かんしょうした各界かくかい著名ちょめい人じんから応援おうえんコメントが到着とうちゃく。以下いかに掲載けいさいした。

「本ほんを綴つづる」は10月5日にちより東京とうきょう・K's cinema、千葉ちば・京成けいせいローザ10ほか全国ぜんこくで順次じゅんじロードショー。

尾崎おざき英子えいこ（作家さっか）コメント

本ほんのある場所ばしょへ出掛でかけ、誰だれかと出会であう。
本ほんを通つうじて話はなしたり、聞きいたりしているうちに、思おもいがけず心しんの奥おくに封印ふういんしたはずの想おもいが溢あふれる。
ときに、思おもわぬ秘密ひみつを見みつけてしまう。そうなればもう、旅たびに出でるしかない。
人ひととの出会であいと同おなじく、本ほんとのそれも一期一会いちごいちえ。恋こいに落おちるように、本ほんに落おちる。
本屋ほんやさんで本ほんを探さがすというのは、なんとも刺激しげき的てきで、あまやかなことなのだったと思おもい出ださせてくれた。

山崎やまざきまさよし（シンガーソングライター）コメント

優やさしい肌触はだざわり、人生じんせいの柔軟じゅうなん剤ざいのような映画えいがです。
あらためて本ほん、文字もじの大切たいせつさに気付きづかされました。
途中とちゅうから主人公しゅじんこうが監督かんとくと重かさなりました。
っていうか監督かんとく、クレジットされてたみたいですね。見逃みのがした～。

嶽たけ本ほん野のばら（作家さっか）コメント

監督かんとくの作品さくひんをまだ全部ぜんぶは知しらぬのですが、どれよりもいい。
自分じぶんも作家さっか、書店しょてんが消きえゆく現状げんじょうへの憂うれいから出でた言葉ことばでなく、
篠原しのはらイズムの核かくが忖度そんたくなく満みち満みちていることへの感動かんどうだったのです。
このようなテーマを扱あつかう時とき、大抵たいていは観客かんきゃくに意識いしきの高たかさを共有きょうゆうさせようとします。
でも「本ほんを綴つづる」は主張しゅちょうを押おし付つけない。
焦じれるくらい、劇げき中ちゅうの人々ひとびとにも答こたえを言いわせない。
従したがい、自分じぶんがエキストラとなって物語ものがたりに参加さんかし、行動こうどうするしかなくなる。
篠原しのはら監督かんとくは人間にんげんそのものを信しんじているんだなと、思おもいがけず心しんをほっこりとさせられてしまった。

豊島としま圭介けいすけ（映画えいが監督かんとく）コメント

物語ものがたり終盤しゅうばん、矢や柴しば俊博としひろ演えんじる主人公しゅじんこうがとある重要じゅうよう人物じんぶつと出会であうのだが、
その人物じんぶつがずっと布団ふとんにまつわるある行動こうどうをし続つづける。
そして、その行動こうどうに矢や柴しば俊博としひろも最終さいしゅう的てきに少すこしだけ加担かたんする。
それは、連動れんどうするふたりのアクションが、「心情しんじょう」みたいな曖昧あいまいなものをすっ飛とばして、
見みるものを感動かんどうさせる瞬間しゅんかんなのだ。
篠原しのはら哲雄てつおが、無理矢理むりやり「映画えいが」を引ひき寄よせた瞬間しゅんかんでもある。

笠井かさい信しん輔（フリーアナウンサー）コメント

心しんが温あたたまりました。癒いやされました。
そして、セカンドチャンス。
困難こんなんが立たちはだかった時ときに1歩ほ踏ふみ出だす、前まえに進すすむ勇気ゆうきを与あたえていただきました。
なんといっても良よかったのは一ノ関いちのせき哲弘てつひろを演えんじた矢や柴しば俊博としひろさんです。
哲弘てつひろさんの優やさしさは、彼かれの心しんの弱よわさから来くるものだという部分ぶぶんがにじみ出でた芝居しばいが見事みごとでした。
旅たびをしながら徐々じょじょに心しん模様もようが変かわっていくその変化へんかも見みていて気持きもちが良よいものでした。

外山とやま文治ぶんじ（映画えいが監督かんとく）コメント

人生じんせいのページを重かさねてきた大人おとな達たちの、無傷むきずではいられなかった日々ひびと向むき合あっていく姿すがたが
哀愁あいしゅうと希望きぼうをもって描えがかれる優やさしい映画えいがでした。
篠原しのはら哲雄てつお監督かんとくの眼差まなざしが、私わたしたちもまた結末けつまつの書かかれていない自分じぶんだけの物語ものがたりを
1ページごとに進すすめていることを教おしえてくれます。
ふと立たち止どまり、さてどんな1冊さつの人生じんせいに仕上しあげていくべきかと想おもいを馳はせる贅沢ぜいたくな時間じかんでした。

片岡かたおか礼子あやこ（俳優はいゆう）コメント

容易よういではないことを受うけ入いれるには覚悟かくごがいる。
絶望ぜつぼう感かんからの浮上ふじょうはなかなか想像そうぞうできるものではない。
風ふうの如ごとく一ノ関いちのせきと共ともに過去かこに未来みらいに行いき来きし読よみ終おわる頃ころ私わたしは扉とびらを開あけたくなった。
文字もじが襷たすきの伴走ばんそう者しゃに押おされて。