映画えいが「ランサム 非公式ひこうしき作戦さくせん」予告編よこくへん公開こうかい中ちゅう

現実げんじつ世界せかいと地続じつづきのリアリティ

パスポートを渡わたす瞬間しゅんかん、ジロリと見定みさだめられるかのような視線しせんが刺ささる。奥おくでは、銃じゅうを持もった治安ちあん部隊ぶたいが不穏ふおんな動うごきを見みせる。紛争ふんそう中ちゅうの国くにの空港くうこうでよく遭遇そうぐうする瞬間しゅんかんだ。私わたしの場合ばあい、そこからのドラマはない。しかし、この映画えいがは違ちがう。「次つぎに何なにが起おきるか分わからない感かん」がそこかしこにちりばめられている。

舞台ぶたいは、内戦ないせん中ちゅうのレバノン。キリスト教きょうの過激かげきな宗派しゅうはとイスラム教徒きょうとなどが対立たいりつし、戦闘せんとうが拡大かくだいするなか、韓国かんこく大使館たいしかんのオ書記官しょきかんが行方ゆくえ不明ふめいになり、出世しゅっせ欲よくがあるにもかかわらずキャリア不足ふそくでもがく外交がいこう官かんのミンジュンが、救出きゅうしゅつのため一人ひとりで乗のり込こむ。

照てりつける太陽たいように、レバノン特有とくゆうの乾燥かんそうと湿気しっけが混まざった埃ほこりっぽい空気くうき。物語ものがたりの冒頭ぼうとうから、紛争ふんそう中ちゅうの時代じだい背景はいけいが細ささやかに描写びょうしゃされる。暴力ぼうりょくが蔓延まんえんする場所ばしょでは、人々ひとびとは疑心暗鬼ぎしんあんきになり、不穏ふおんな欲望よくぼうをギラつかせて集あつまってくる。フィクションでありながら、紛争ふんそう地ちの混沌こんとんとした雰囲気ふんいきがしっかりと物語ものがたりのベースを成なしている。だからこそ、そこで繰くり広ひろげられる裏切うらぎりや友情ゆうじょう、笑わらいのシーンがスッと入はいってくるのだろう。

全編ぜんぺん通とおして緊迫きんぱくしてばかりでは、見みているほうも疲つかれてしまう。しかし本ほん作さくでは張はりつめた緊張きんちょうの糸いとが絶妙ぜつみょうなタイミングで緩ゆるまるので、あっという間まに2時じ間あいだを見み終おわってしまった。それがゆえに、少すこしばかり場面ばめん転換てんかんが多おおいのが気きになったが、それもご愛敬あいきょうか。

外交がいこう官かんのミンジュン（奥おく / ハ・ジョンウ）は、レバノンに到着とうちゃくして早々そうそうに武装ぶそう組織そしきの襲撃しゅうげきに巻まき込こまれる。

主人公しゅじんこうのミンジュンの成長せいちょうも、見みていてとても共感きょうかんが持もてる。後輩こうはいに出世しゅっせの道みちを奪うばわれ、やけくそになっていたところ、突然とつぜん降ふってきた偶然ぐうぜんによって、挽回ばんかいのチャンスを手てにする。当初とうしょの動機どうきは、極きわめて不純ふじゅんだ。「救出きゅうしゅつミッションを達成たっせいしたら、アメリカ大使館あめりかたいしかんに赴任ふにんさせてほしい」。上司じょうしから「人命じんめいが懸かかっていることで取引とりひきを？」と怪訝けげんな顔かおをされても、動どうじない。後輩こうはいに後塵こうじんを喫きっしたのだから、プライドもクソもないのだ。見みえ隠かくれする男おとこの幼稚ようちなプライド、どこかで見みたことがあるような気きもする。

しかしこの男おとこ、当初とうしょは出世しゅっせのために名乗なのりを上あげたはずなのに、いつの間まにか命いのちを懸かけて同胞どうほうを救すくおうとする漢かんの顔かおになっていく。ところどころで脇わきが甘あまいところも、とても人間にんげん臭くさい。いや、本当ほんとうに甘あまくて、見みていてイライラするところもある。でもそれが人間にんげんだ。韓国かんこく映画えいが界かいを代表だいひょうする名めい俳優はいゆうが、わずか2時じ間あいだで人間にんげんが成長せいちょうする過程かていを表現ひょうげんするところも、本ほん作さくの大おおきな見みどころだ。苦楽くらくを共ともにするタクシー運転うんてん手しゅのパンスも、物語ものがたりにスパイスを加くわえる良よい役回やくまわりを演えんじている。中東ちゅうとうの辺境へんきょうになぜ韓国かんこく人じんが2人ふたりもいるのか、という当初とうしょの設定せっていも、それほど違和感いわかんなく受うけ入いれられた。

ハ・ジョンウ演えんじる外交がいこう官かんミンジュン。

チュ・ジフン演えんじるタクシー運転うんてん手しゅパンス。

アクションも見みごたえがある。特とくに武装ぶそう勢力せいりょくが支配しはいする地域ちいきに入はいる時ときの張はりつめた空気くうきと、いつ自動車じどうしゃ爆ばく弾だんがさく裂れつするか分わからない緊張きんちょう感かんの演出えんしゅつはさすがだった。いや、実際じっさいにそうした場面ばめんに遭遇そうぐうすると、本当ほんとうに体からだが強張こわばる。私わたしも過去かこ、ある武装ぶそう勢力せいりょくが支配しはいする村むらを離はなれた直後ちょくご、運転うんてん手しゅが車くるまの下したに潜もぐり込こんで爆ばく弾だんが仕込しこまれていないか確認かくにんしたことがあった。背筋せすじがヒヤリとする、あの感かんじ。中東ちゅうとうでは何なにが起おきるか分わからない。突然とつぜん暴力ぼうりょくに飲のみ込こまれることもあるし、権力けんりょく者しゃと通つうじたとたんに道みちが開あけることもある。映画えいがのなかでも、あまりに簡単かんたんに道みちが開あけるシーンがあるのだが、本当ほんとうにそんな感かんじなのである。

同時どうじ進行しんこうで進すすむ、韓国かんこく政治せいじのドロドロとした権力けんりょく闘争とうそうも見逃みのがせない。外務がいむ部ぶと安全あんぜん企画きかく部ぶ（当時とうじの大統領だいとうりょう直属ちょくぞくの情報じょうほう機関きかん。現げん・国家こっか情報じょうほう院いん）が手柄てがらを奪うばい合あう。そして、現場げんばは取とり残のこされていく。死しに物狂ものぐるいで脱出だっしゅつをしようとしている現場げんばは、支配しはい欲よくにまみれた無能むのうな指導しどう部ぶによってトラブルに巻まき込こまれ、物語ものがたりは最悪さいあくの展開てんかいになっていく。どの世界せかいでも、背広せびろを着きた権力けんりょく者しゃと最前線さいぜんせんは、心しんが離はなれていくものだ。「事件じけんは現場げんばで……」というやつである。でも救すくいもある。ハリウッドのCIAモノ映画えいがとはひと味あじ違ちがう、いかにもアジアの国くにらしい熱あつい展開てんかいが待まっている。

本ほん作さくは、ドラマそのものはフィクションではあるものの、レバノンで実際じっさいに起おきた韓国かんこく人じん外交がいこう官かん誘拐ゆうかい事件じけんをモデルにしている。当時とうじの日本にっぽん外務省がいむしょうの中近東ちゅうきんとう第だい一いち課長かちょうの印しるしが押おされた内部ないぶ文書ぶんしょにも、しっかりと記述きじゅつが残のこされている。

「1月がつ31日にち、西にしベイルートにて韓国かんこく大使館たいしかん二に等とう書記官しょきかんが4～5名めいのグループにより誘拐ゆうかい（中略ちゅうりゃく）また、書記官しょきかんの安否あんぴ等とうは一切いっさい不明ふめいである」

世界せかいではいまも、紛争ふんそう地ちに赴任ふにんしている外交がいこう官かんが命いのちの危険きけんを顧かえりみず、職務しょくむを果はたそうとしている。そんな現実げんじつ世界せかいの出来事できごとも頭あたまの片隅かたすみにいれてこの作品さくひんを見みることも、お勧すすめしたい。

2021年ねん、ガザ空爆くうばく現場げんばを取材しゅざいする須賀川すかがわ拓たく。

ベイルートの街まちを爆ばく走はし！手てに汗あせ握にぎる133分ふんの大だい活劇かつげき

外交がいこう官かんとタクシー運転うんてん手しゅ。決けっしてスーパーヒーローではない2人ふたりの男おとこが、どういうわけか異国いこくの地ちで「ミッション：インポッシブル」さながらの世界せかいに放ほうり込こまれてしまう。絶たえず銃声じゅうせいが鳴なり響ひびく内戦ないせん下かのレバノン・ベイルートを舞台ぶたいに、人質ひとじち救出きゅうしゅつミッションが展開てんかいされる本ほん作さくは、痛快つうかいなアクションシーンが大おおきな見みどころ。緊迫きんぱく感かんみなぎる狭せまい路地ろじでのカーチェイス、戦争せんそう映画えいがのようなスペクタクルな爆破ばくは、一瞬いっしゅんたりとも気きを緩ゆるめられない銃撃じゅうげき戦せん……とにかくド派手はでなシーンが次々つぎつぎと繰くり出だされる。

それもそのはず、製作せいさく費ひは約やく200億おくウォン（約やく20億おく円えん）とされ、ハ・ジョンウも「ワイヤー、射撃しゃげき、カーチェイスといったシーンが満載まんさいで“ハリウッド級きゅうのアクション映画えいが”だと感かんじながら撮影さつえいしました」と語かたるほどの規模きぼで制作せいさくされたのだ。主要しゅようロケ地ちとなったモロッコのエキゾチックな風景ふうけいとハードなアクションのコントラストも趣おもむき深ふかい。息いきもつかせぬジェットコースターのような展開てんかいに揺ゆさぶられ、振ふり落おとされないようご注意ちゅういを！

パンスの愛車あいしゃであるタクシーに乗のり、猛もうスピードで駆かけ抜ぬける！

命懸いのちがけのミッションとなることを暗示あんじするような爆破ばくは。

勝手かって知しったる仲なか、ハ・ジョンウとチュ・ジフンのコンビネーション

2017年ねんに韓国かんこくで封切ふうぎられたファンタジー大作たいさく「神かみと共ともに」シリーズで初はつ共演きょうえんを果はたしたハ・ジョンウとチュ・ジフン。意気投合いきとうごうした2人ふたりは公私こうしにわたり親交しんこうを深ふかめ、ハワイ旅行りょこうでも合流ごうりゅうするなど、仲なかの良よさは世間せけんでもすっかりおなじみに。次つぎなる共演きょうえん作さくが期待きたいされる中なか、「神かみと共ともに」で“冥界めいかいの使者ししゃ”を演えんじた2人ふたりが、今度こんどは“生命せいめい力りょくたぎる人間にんげん”の姿すがたで再会さいかいした。

孤軍こぐん奮闘ふんとうする状況じょうきょう下かの芝居しばいで右みぎに出でる者ものはおらず、窮地きゅうちにこそ輝かがやく俳優はいゆうハ・ジョンウは、失踪しっそうした同僚どうりょうを救すくいにレバノンへ飛とぶ外交がいこう官かんミンジュン役やくで、またしても泥臭どろくさく困難こんなんに見舞みまわれる。一方いっぽうのチュ・ジフンは、ちゃっかり者しゃだが心根こころねは温あたたかいタクシー運転うんてん手しゅパンスを軽かろやかに、かつ艶あでやかに演えんじた。2人ふたりとも俳優はいゆうとしてのパブリックイメージに近ちかい役柄やくがらゆえ、ハマり役やくであることは言いうまでもない。さらにこれまで育はぐくんできた信頼しんらいや自然体しぜんたいな関係かんけい性せいがキャラクターに乗のっかり、バディ像ぞうに説得せっとく力りょくをもたらしている。監督かんとくのキム・ソンフンも「トンネル 闇やみに鎖とざされた男おとこ」でハ・ジョンウ、Netflixシリーズ「キングダム」でチュ・ジフンと組くんだ経験けいけんから、双方そうほうの持もち味あじを存分ぞんぶんに引ひき出だした。

「ランサム 非公式ひこうしき作戦さくせん」撮影さつえい現場げんばにて、ハ・ジョンウ（中央ちゅうおう左ひだり）とキム・ソンフン（中央ちゅうおう右みぎ）。

「ランサム 非公式ひこうしき作戦さくせん」撮影さつえい現場げんばにて、チュ・ジフン（奥おく）とキム・ソンフン（前まえ）。

命いのちからがらの状況じょうきょうで育はぐくまれる熱あつい友情ゆうじょう

紛争ふんそう地ちを舞台ぶたいにした実話じつわベースの韓国かんこく映画えいがでは「モガディシュ 脱出だっしゅつまでの14日間にちかん」や「極限きょくげん境界きょうかい線せん 救出きゅうしゅつまでの18日間にちかん」が記憶きおくに新あたらしく、「ランサム 非公式ひこうしき作戦さくせん」もその系譜けいふに連つらなる1本ほんだ。中なかでも本ほん作さくは拉致らち事件じけんというシリアスな題材だいざいを扱あつかいながら、娯楽ごらく性せいの高たかい冒険ぼうけん活劇かつげきに振ふり切きっており、凸凹おうとつバディの波瀾万丈はらんばんじょうな旅路たびじが笑わらいあり涙なみだありで描えがかれる。

やむを得えず手てを組くむことになり、反発はんぱつし合あいながら、武装ぶそう組織そしきとの追ついいつ追おわれつの危険きけんな任務にんむをともにするミンジュン＆パンス（時ときに仲間割なかまわれしてお互たがいを追おい詰つめることも……）。初はじめは相手あいてを信用しんようしていなかった2人ふたりだが、政府せいふからの支援しえんもなしに“非公式ひこうしき作戦さくせん”を遂行すいこうしていくうち、「信しんじられるのはお前まえだけ！」とでも言いうような絆きずなが芽生めばえていく。命懸いのちがけのドラマから紡つむぎ出だされるのは、信頼しんらいや勇気ゆうきといった普遍ふへん的てきなメッセージ。次第しだいにズタボロになっていく2人ふたりの姿すがたについ笑わらってしまいながらも、胸むね打うたれること間違まちがいなし。

果はたして2人ふたりは捕とらわれた外交がいこう官かんを無事ぶじに救出きゅうしゅつできるのか？

──演えんじた役やくとご自身じしんの共通きょうつう点てんはありますか？

ハ・ジョンウ　ミンジュンというキャラクターは、私わたしと大おおきく似にている部分ぶぶんはないと思おもいます。観客かんきゃくの皆みなさんにぜひ比較ひかくしてみてほしいですね。

チュ・ジフン　パンスは本当ほんとうに一生懸命いっしょうけんめい生いきています。派手はでな服ふくを着きて、現地げんち人じんも使つかわない伝統でんとう的てきな帽子ぼうしを被こうむるのは、客引きゃくひきの際さいに少すこしでも目立めだつためのパンスの戦略せんりゃくであり努力どりょくです。私わたしもキャラクターに対たいするアプローチを多角たかく的てきに一生懸命いっしょうけんめいに行おこなう点てんで、似にているのではないかと思おもいます。

──高所こうしょでのアクションやカーチェイスなど体からだを張はった撮影さつえいはいかがでしたか？

ハ・ジョンウ　実じつは遊ゆう園地えんちの乗のり物ものが好すきではなくて。撮影さつえいのときはもちろん安全あんぜんに配慮はいりょされてますが、心しんの中なかではあまり楽たのしくなかったです（笑）。

──どんな役やく作づくりをしましたか？

チュ・ジフン　キム・パンスは内戦ないせんで韓国かんこく人じんが全員ぜんいん撤退てったいしたあと、唯一ゆいいつレバノンに残のこった韓国かんこく人じんタクシー運転うんてん手しゅです。客引きゃくひきをするために目立めだつ必要ひつようがあったので、12kgも体重たいじゅうを増ふやしました。派手はでな衣装いしょうで外見がいけんにも気きを配くばり、一生懸命いっしょうけんめいに生いきるキャラクターを作つくり上あげました。

ハ・ジョンウ

チュ・ジフン

──犬いぬたちとの共演きょうえんはいかがでしたか？ 劇げき中ちゅうでは凶暴きょうぼうな設定せっていでしたが。

ハ・ジョンウ　訓練くんれんを受うけた犬いぬたちですが、撮影さつえいに入はいると恐怖きょうふ感かんを感かんじました。シーンそのままに、ミンジュンの気持きもちのように緊張きんちょう感かんを持もって撮影さつえいしました。

──本ほん作さくでは九死きゅうしに一生いっしょうを得える展開てんかいがたくさんありました。ご自身じしんが人生じんせいの中なかで“死しぬかと思おもった”エピソードがあれば教おしえてください。

チュ・ジフン　「キングダム」の撮影さつえい中ちゅうに水中すいちゅう撮影さつえいがありました。もともと泳およぎは得意とくいですが、撮影さつえいシーンのために体からだに装備そうびを着つけたので、自分じぶんの体からだをコントロールできませんでした。あのときは精神せいしん的てきに参まいってしまいました。

──次つぎはお互たがいどんな役やくで共演きょうえんしてみたいですか？

ハ・ジョンウ　もっと悪あくガキっぽい感かんじが生いきているキャラクターを一緒いっしょにやってみたいです。

チュ・ジフン　バディケミ（ケミストリー、相性あいしょう）を二に度どお見みせしたので、今度こんどは対立たいりつする役やくをやってみたら、どんなことになるのか期待きたいしています。

──韓国かんこくでのプロモーション期間きかん中ちゅう、お二人ふたりでたびたびインスタライブをしていました。今後こんごソロ配信はいしんも挑戦ちょうせんしてみませんか？

ハ・ジョンウ　最近さいきん、デビュー以来いらい初はじめてInstagramアカウントを作つくり、ファンと楽たのしくコミュニケーションを取とっています。ライブ配信はいしんも一度いちど試ためしてみようかと考かんがえています。

チュ・ジフン　残念ざんねんながら、個人こじん的てきにInstagramをうまく活用かつようできていないんです。ファンと交流こうりゅうする機会きかいができたら、周まわりの助たすけを借かりて一度いちど挑戦ちょうせんしてみようと思おもいます。

ハ・ジョンウ

チュ・ジフン

──好すきな日本にっぽんの俳優はいゆうは？

ハ・ジョンウ　映画えいが「ノーボーイズ,ノークライ」で一緒いっしょに仕事しごとをした妻夫木つまぶき聡さとしさんと、もう一度いちど一緒いっしょに仕事しごとをしてみたい。今いまでも連絡れんらくを取とり合あっていて、実際じっさいにとても好すきな俳優はいゆうです。

──最近さいきん観みて面白おもしろかった作品さくひんは？

チュ・ジフン　「サンズ・オブ・アナーキー」です。

──2024年ねん上半期かみはんきに自分じぶんに起おきた、もっとも大おおきな出来事できごとは？

ハ・ジョンウ　上半期かみはんきには、自分じぶんが演出えんしゅつした映画えいが「ロビー（原題げんだい）」の後半こうはん作業さぎょうがもっとも重要じゅうような仕事しごとになりそうです。

チュ・ジフン　ディズニープラスのドラマシリーズ「支配しはい種しゅ」を通つうじて視聴しちょう者しゃとグローバルに交流こうりゅうしました。そして映画えいが「脱出だっしゅつ：PROJECT SILENCE（原題げんだい）」も韓国かんこくで公開こうかいされました。現在げんざいはドラマ「사랑은 외나무다리에서（原題げんだい）」を撮影さつえいしています。

──コロナ禍かやOTT（オーバー・ザ・トップ。インターネットを通つうじてコンテンツを提供ていきょうするサービス）の普及ふきゅうにより、転換期てんかんきを迎むかえている映画えいが界かいですが、映画えいが館かんが特別とくべつな場所ばしょであることには変かわりありません。本ほん作さくも映画えいが館かんで観みるべき作品さくひんと言いえますが、改あらためてご自身じしんにとって映画えいが館かんとはどんな存在そんざいですか？

ハ・ジョンウ　現実げんじつを離はなれることができる安息あんそくの場所ばしょではないでしょうか。休息きゅうそくを与あたえてくれる空間くうかんが劇場げきじょうだと思おもいます。

チュ・ジフン　OTTを通つうじて家庭かていでも世界中せかいじゅうのコンテンツに簡単かんたんにアクセスできるようになりましたが、劇場げきじょうでしか感かんじられない経験けいけんと思おもい出でがあります。単たんに技術ぎじゅつの話はなしではなく、劇場げきじょうには観客かんきゃくの人生じんせいの中なかに思おもい出でを残のこす力ちからがあると思おもうんです。そのためには、観客かんきゃくが劇場げきじょうに足あしを運はこぶ価値かちがあるような高たかいクオリティの作品さくひんを作つくり続つづける必要ひつようがあります。

ハ・ジョンウ

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