カンザキイオリ、“不器用ぶきような男おとこ”の生涯しょうがいをステージで表現ひょうげんした初はつライブ

カンザキイオリが7月がつ23日にちに配信はいしんライブ「不器用ぶきような男おとこ」を開催かいさいした。

ボカロPとして自身じしんのキャリアをスタートさせ、近年きんねんはバーチャルシンガー・花はな譜ふのコンポーザーとして数々かずかずの楽曲がっきょくを提供ていきょうするなど、作家さっか業ぎょうとしての活動かつどうを主しゅとしていたカンザキ。今年ことし6月がつに自身じしんが歌唱かしょうするセルフボーカルプロジェクトを始動しどうさせており、今回こんかいのライブはカンザキにとって初はつの単独たんどくライブとなった。

配信はいしんが始はじまると、画面がめん上じょうには書籍しょせきの積つみ上あげられた部屋へやに横よこたわる男性だんせいの姿すがたが。花はな譜ふによる朗読ろうどくが始はじまり男性だんせいが起おき上あがるとカメラのアングルが変かわり、バンドメンバーとともにステージに立たつカンザキの姿すがたが映うつし出だされる。ピアノの旋律せんりつが鳴なり始はじめて演奏えんそうがスターとしたのは、カンザキが初はじめて“殿堂でんどう入いり”を果はたしたボカロ曲きょく「命いのちに嫌きらわれている」のセルフカバー。影かげで覆おおわれておりカンザキの表情ひょうじょうを伺うかがうことがはできないが、「命いのち」をテーマにしたこの曲きょくを彼かれは熱あつく歌うたい上あげ、最後さいごには叫さけぶように「生いきろ！」という強つよいメッセージを視聴しちょう者しゃに投なげかけた。1曲きょく歌うたい上あげ、ゆっくりとギターを置おいたカンザキはピアノに向むかい、新曲しんきょく「カメムシ」を弾ひき語がたりで歌うたい始はじめる。「カメムシ」は以前いぜんカンザキがSNS上じょうで「曲きょくを書かく」と宣言せんげんしていた1曲きょくであり、彼かれは“嫌きらわれもの”であるカメムシに感情かんじょう移入いにゅうする内容ないようの歌詞かしを優やさしくも悲かなしげに歌うたい上あげた。

ライブは朗読ろうどくパートと、そのストーリーに合あわせてカンザキが楽曲がっきょくを歌唱かしょうするという構成こうせいになっており、花はな譜ふの朗読ろうどくで「吸血鬼きゅうけつき」という一節いっせつが登場とうじょうすると、カンザキは新曲しんきょく「吸血鬼きゅうけつき」をパフォーマンス。「あの夏なつが飽和ほうわする」の冒頭ぼうとうでは「昨日きのう人じんを殺ころしたんだ」という歌詞かしをカンザキが語かたりかけるように歌うたう。配信はいしんの映像えいぞうには楽曲がっきょくの進行しんこうに合あわせて歌詞かしが浮うかび上あがり、時折ときおりカメラがカンザキにフォーカスすると、顔かおこそ見みえないものの一筋ひとすじの汗あせを流ながしながら楽曲がっきょくを熱あつく歌うたい上あげる彼かれの口元くちもとのアップが映うつし出だされた。ライブで描えがかれたのはカンザキが“ある男おとこ”と表現ひょうげんする人物じんぶつの人生じんせいであり、ライブ中盤ちゅうばんの「桜さくらの子こ」「成長せいちょう痛つう」では出会であいや成長せいちょうが描えがかれ、花はな譜ふへの提供ていきょう曲きょく「畢生ひっせいよ」や「大人おとな」といった楽曲がっきょくを通つうじて、生いきることや大人おとなになることへの葛藤かっとうが描えがかれていく。「ダイヤモンド」ではダンサーが宝石ほうせきに見立みたてた光ひかるボールを持もち、叫さけぶようなボーカルで紡つむがれる心情しんじょうを激はげしい動うごきで表現ひょうげんした。

カンザキのピアノ弾ひき語がたりによる「青あおい号ごう哭」を経へて、ライブは最終さいしゅう盤ばんへ。最後さいごの曲きょくはカンザキがセルフボーカルプロジェクトの第だい1弾だんとして発表はっぴょうした「不器用ぶきような男おとこ」。バンドメンバーとともにこの曲きょくを熱演ねつえんしたカンザキがステージ上じょうにうずくまると、場面ばめんが転換てんかんして再ふたたび冒頭ぼうとうの書籍しょせきが積つみ上あげられた部屋へやの映像えいぞうに切きり替かわった。最後さいごの朗読ろうどくパートはカンザキ自身じしんが担当たんとうしており「私わたしは、不器用ぶきような男おとこ。」という一節いっせつが読よみ上あげられると、椅子いすに腰こしかけた男おとこはコップに注そそいだ液体えきたいを飲のみ干ほし、その場ばにうなだれてしまう。会場かいじょうの照明しょうめいが落おちると配信はいしんの画面がめんには無音むおんのままエンドロールが流ながれ、カンザキの1stライブ「不器用ぶきような男おとこ」は幕まくを閉とじた。