星屑ほしくずスキャット、実母じつぼたちが見守みまもる中なかで面目めんぼく躍如やくじょのエンタメショー

星屑ほしくずスキャットの全国ぜんこくツアー「星屑ほしくずスキャット TOUR 2024『BEAUTIES ON DUTY』」が、6月19日にちに東京とうきょう・東京とうきょう国際こくさいフォーラム ホールCで千秋楽せんしゅうらくを迎むかえた。

2005年ねんに新宿しんじゅく2丁目ちょうめで結成けっせいされた、ミッツ・マングローブ、ギャランティーク和恵かずえ、メイリー・ムーという女装じょそう歌手かしゅ3人にんによる音楽おんがくグループ・星屑ほしくずスキャット。かつては新宿しんじゅくの一角いっかくで名なを馳はせていた彼かれらだったが、地道じみちな活動かつどうが実みを結むすび、全国ぜんこくツアーを開催かいさいする知名度ちめいどを獲得かくとくするまでに。全ぜん公演こうえんのチケットが完売かんばいし、千秋楽せんしゅうらくも注釈ちゅうしゃく付つき指定してい席せきまで販売はんばいされるほどの大盛おおもり況きょうとなった。

愛あいにあふれたリリー・フランキーの前説ぜんせつ

観客かんきゃくが楽たのしげにおしゃべりを繰くり広ひろげていると、リリー・フランキーがステージにふらりと登場とうじょう。新宿しんじゅくのAiSOTOPE LOUNGEでショーをしていたかつての星屑ほしくずスキャットのエピソードを交まじえて前説ぜんせつを繰くり広ひろげ、「今日きょうは3人にんのお母上ははうえもいらしてます。息子むすこたちは変かわり果はてた姿すがたをしていますが、皆みなさんに愛あいされていることを声援せいえんでお伝つたえいただければと思おもいます」とメンバーにエールを送おくった。リリーの温あたたかな言葉ことばを呼よび水みずに、夜よるの帳とばりが下おりるように場内じょうないが暗転あんてん。純白じゅんぱくのドレスに身みを包つつんだミッツ・マングローブ、ギャランティーク和恵かずえ、メイリー・ムーがステージに姿すがたを見みせ、オープニングナンバー「TADA」で華はなやかな星屑ほしくずスキャットワールドへと観客かんきゃくを誘さそった。

観客かんきゃくを沸わかせた名曲めいきょくカバー

星屑ほしくずスキャットのコンサートの特徴とくちょうは、オリジナル曲きょくとカバー曲きょくを織おり交まぜたセットリスト。3人にんは「TADA」をパフォーマンスしたあとThe Good-Bye「浪漫ろうまん幻まぼろし夢ゆめ（Romantic Game）」を歌唱かしょうし、ファンを魅了みりょうしたかと思おもえば、中盤ちゅうばんでは竹内たけうちまりや「駅えき」でセンチメンタルな空気くうきを紡つむぎ、うしろゆびさされ組ぐみ「バナナの涙なみだ」をおきゃんな表情ひょうじょうを浮うかべながらコケティッシュに歌唱かしょうする。またカンツォーネ調ちょうの新曲しんきょく「私わたしの太陽たいよう」では、リリー・フランキーが書かき下おろした歌詞かしを朗々ろうろうとした調子ちょうしで歌うたい上あげ、星屑ほしくずスキャットならではの個性こせい豊ゆたかなハーモニーを心地ここちよく響ひびかせた。

3人にんの気合きあいがひと際さいみなぎっていたのは、本編ほんぺんの後半こうはんで届とどけられた松田まつだ聖子せいこ「青あおい珊瑚礁さんごしょう」と少年しょうねん隊たい「仮面かめん舞踏ぶとう会かい」のカバーだろう。「星屑ほしくずスキャットのテーマ」からのメドレーという形かたちで披露ひろうされた「青あおい珊瑚礁さんごしょう」でメンバーは、スカートの裾すそを軽かろやかに揺ゆらし、ピュアな恋心こいごころを可憐かれんに表現ひょうげんし、「仮面かめん舞踏ぶとう会かい」では曲きょくが始はじまるなりキレのある振付ふりつけを完かんコピ。華麗かれいなターンを決きめながら歌うたう3人にんの姿すがたに拍手はくしゅと歓声かんせいが沸わき、客席きゃくせきは大だい盛もり上あがり。観客かんきゃくの熱あつい応援おうえんを受うけたメンバーは、その後ごマイクスタンドからマイクを取とり、ダンスをしながら「REMEMBER THE NIGHT」を歌うたい、ホールにきらびやかな80年代ねんだいの世界せかいを構築こうちくした。

こだわりファッションでお手振てぶりも

女装じょそう家か、ドラァグクイーンを名乗なのるだけあって、ビジュアル面めんでも徹底的てっていてきなこだわりを見みせる星屑ほしくずスキャット。前半ぜんはんはスパンコールをたっぷりあしらったドレスでしとやかさを打うち出だし、中盤ちゅうばんではスタイリッシュなパンツルック、そして後半こうはんではイギリス王室おうしつの女性じょせいたちへのリスペクトを込こめた鮮あざやかな色彩しきさいの膝ひざ丈たけワンピースにハイヒール姿すがた、アンコールではツアーグッズであるTてぃーシャツを用もちいて三さん者しゃ三さん様ようのコーディネートを展開てんかいしてファンを楽たのしませる。中なかでもミッツが「これをやりたくて全国ぜんこくを回まわってきた」というロイヤルファミリールックは衣装いしょうの色いろだけでなく、メンバーそれぞれのハンドバッグの形かたちや帽子ぼうしまで変かえるこだわりよう。3人にんは隙すきあらば客席きゃくせきに向むかってお手振てぶりを繰くり返かえし、優雅ゆうがなムードを醸かもし出だしていた。

またコンサート中ちゅうには自虐じぎゃく、ブラックジョーク、ユーモアを交まじえたメンバーの洒脱しゃだつなトークもさく裂れつ。ミッツは「1曲きょくもヒット曲きょくのないオカマ40代だいが国際こくさいフォーラムに立たってます」と自虐じぎゃくしたり、アンコールで着用ちゃくようしていたTてぃーシャツが1枚まいしか支給しきゅうされなかったため、地方ちほうでは自みずから洗濯せんたくをしていたことをボヤいたりと大だい放談ほうだん。ギャランティーク和恵かずえは自身じしんのソロ曲きょく「助手じょしゅ席せき」を「全然ぜんぜんヒットしてない……新宿しんじゅくゴールデン街がい界隈かいわいで人気にんき」と紹介しょうかいし、メイリー・ムーは西川にしかわ峰子みねこ「あなたにあげる」の歌唱かしょう後ごに「本日ほんじつ、生うまれて初はじめて、母ははがメイリー・ムーを見みました。身みの置おき所しょのない手てで和恵かずえさんのお母かあさんの腕うでをつかんでいました。なんて親不孝おやふこうをしてしまったのか。そう思おもいながら歌うたわせてもらいました」と朗ほがらかに語かたり観客かんきゃくを笑わらわせた。

夢見心地ゆめみごこちの2時じ間あいだをファンとともに過すごした3人にんは、最後さいごに来年らいねんの展望てんぼうについてもアピール。ミッツが「来年らいねんは結成けっせい20周年しゅうねんです。よーく覚おぼえておいて。心しんの準備じゅんび、懐ふところの準備じゅんびをよろしくお願ねがいします」と宣言せんげんすれば、ギャランティーク和恵かずえも「来年らいねんはもっともっとたくさんの皆みなさんにお会あいしたい」とほほえむ。メイリー・ムーは「千秋楽せんしゅうらくおめでとうございます。親おやの面目めんぼくも立たちそうです」とコンサートの手応てごたえを明あかし、「来年らいねん、楽たのしみにしててください」と精力せいりょく的てきな活動かつどうをファンに約束やくそくした。

セットリスト

星屑ほしくずスキャット TOUR 2024「BEAUTIES ON DUTY」2024年ねん6月がつ19日にち 東京とうきょう国際こくさいフォーラム ホールC

01. TADA
02. 浪漫ろうまん幻まぼろし夢ゆめ（Romantic Game）
03. 愛あいのミスタッチ
04. 降水こうすい確かく率りつ
05. Knock Me In The Middle Of The Night
06. 駅えき
07. 私わたしの太陽たいよう
08. バナナの涙なみだ
09. 新宿しんじゅくシャンソン
10. 助手じょしゅ席せき
11. あなたにあげる
12. 若わかいってすばらしい
13. 星屑ほしくずスキャットのテーマ～青あおい珊瑚礁さんごしょう
14. 半蔵門はんぞうもんシェリ
15. マグネット・ジョーに気きをつけろ
16. 仮面かめん舞踏ぶとう会かい
17. REMEMBER THE NIGHT
＜アンコール＞
18. TATTOO
19. 蜃気楼しんきろう
20. Absolutely Adorable